10/11/19   障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第10回)議事録  日  時:平成22年12月7日(火)13:00〜14:10  場  所:厚生労働省 低層棟2階講堂  出席委員:佐藤部会長、尾上副部会長、茨木副部会長、朝比奈委員、伊澤委員、       石橋委員、伊東委員、氏田委員、大久保委員、大濱委員、岡部委員、       小澤委員、小田島委員、小野委員、尾上委員、柏女委員、河崎委員、       川崎委員、門屋委員、北野委員、君塚委員、倉田委員(代理出席)、       駒村委員、近藤委員、斎藤委員、坂本委員、佐藤委員、佐野委員、       清水委員、水津委員、末光委員、田中(伸)委員、田中(正)委員、       中西委員、中原委員、奈良崎委員、西滝委員、野原委員、橋本委員、       東川委員、平野委員、広田委員、福井委員、藤井委員、藤岡委員、       増田委員、三浦委員、光増委員、三田委員、宮田委員、森委員、       山本委員、渡井委員 ※会議の模様は、YouTubeの厚生労働省動画チャンネルにて動画配信していますので、  併せてご確認ください。 (URL:http://www.youtube.com/watch?v=2blxjesl7Fo) ○佐藤部会長  定刻になりましたので、ただ今から障がい者制度改革推進会議総合福祉部会を開会いた します。  部会長の佐藤でございます。  本日の会議は、報道関係者及び関係者の方に傍聴していただいております。ムービーカ メラが会議全体を通して撮影可能な状態になっておりますので、カメラに映りたくないと いう方がいらっしゃいましたら、挙手若しくは他の方法でお知らせいただきますようお願 いいたします。  これ以降は、スチールカメラの方は退室されますが、ムービーカメラの方はそのままで 結構です。  委員の出欠状況と資料の確認について、事務局よりお願いいたします。 ○東室長  皆さん、こんにちは。担当室の東です。  委員の出欠状況ですけれども、本日ご欠席の委員は、荒井委員、坂本委員、野澤委員、 福島委員、竹端委員の5名の方です。また、倉田委員の代理として、箕面市市長政策室の 栗原参与にご出席をいただいております。出席委員総数50名ということです。  続きまして、資料の確認をさせていただきます。  まず、議事次第、配席図がございますが、議事次第を見ていただけますか。議事次第の 方に資料の1から9まであります。これは、11月に行われました部会作業チームと合同作 業チームの議事要旨ということでお配りしております。  次に、参考資料1としまして、11月22日の第26回障がい者制度改革推進会議において配 布された合同作業チームにおける検討についての報告資料、参考資料2として、10月の訪 問系作業チーム議事要旨の修正版を配布しております。  資料1というのが何枚かあるんです。それで、総合福祉部会第10回と記載されたものが 資料の1から9までありますので、上の方を見ていただいて、取り違えないようにお願い します。  その他、藤岡委員から提出されました「障害者自立支援法改正についての会長談話」と いうものがあるかと思います。これは日弁連の会長の談話ということです。それと、昨日 6日の第27回障がい者制度改革推進会議の資料「第二次意見(素案)」というものがある と思います。分厚いものです。これは資料1とありますけれども、先ほどの資料1ではな いですから、推進会議で配られた資料1ということです。  次に、12月3日に成立した長い名前の改正法案につきまして、衆議院法制局が作成した 概要の資料で横書きのものがあると思います。それと、そのときに国会でなされた決議文 があります。これは衆議院、参議院とも同じ内容だと伺っておりますが、2枚のペーパー があるかと思います。  配布しました資料は以上のとおりです。なければ、事務局の方にお申し出ください。  以上です。 ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。  本日の会議についてですが、前回と同様に、総合福祉部会の全体会を行った後で、各作 業チームに分かれて、それぞれ担当する分野について検討を行うこととなります。全体会 は、13時45分までを予定しております。その後の各作業チームの検討は、14時から17時ま でを予定しております。  作業チームについては、推進会議または部会での議論を円滑に進めるため、特定の分野 について、具体的な課題や論点について整理していただくためのもので、作業チームが何 かを決めるという性格ではないという位置付けですので、傍聴の方についての情報保障等 は行わず、また、インターネットで動画を配信することは行いませんので、ご承知おきい ただきたいと思います。  また、ご発言に際してのお願いがございます。まず、発言をされたい方は、挙手若しく はその他の方法でお知らせいただいた上で指名を受けて、その後お名前を述べられてから ご発言いただきたいと考えております。また、発言に際しては、事務局がワイヤレスマイ クを持っていきますので、必ずマイクを使って発言をお願いいたします。発言は、時間が ない中ではありますが、なるべく簡潔にゆっくりとお願いいたします。  以上、毎回繰り返しで恐縮ですが、情報保障という観点から、必ず守っていただきます ようお願いいたします。  会議予定時刻までに議事を終えることができるよう、円滑な議事進行について、皆様の ご協力をお願いしたいと考えております。  それでは、議事に入らせていただきます。  福井さん、小野さん、藤岡さん、その順番でお願いします。 ○福井委員  日本てんかん協会の福井典子でございます。日程に入る前に2点ほど発言させていただ きたいと思います。  1つは、今日の部会の資料としても出されましたけれども、前回私は11月19日の部会で も、そのときはちょうど一部改正案が衆議院の委員会と本会議を通った直後でしたので、 またこのように立って発言をさせていただいたのですけれども、もう皆さんもご存じのと おり、12月3日に閉会いたしました国会において、与野党合同の議員立法という形で、お 手元にも配布された法律が成立いたしました。先の6月に廃案になったときは、この場所 ではありませんでしたけれども、私たち総合福祉部会が何ら説明も受けていないというこ とで遺憾の意を表したり、いろいろと経過がありましたけれども、そのときとほぼ同じ内 容のものがこうして提案、成立されました。私も両院の厚生労働委員会、本会議なども傍 聴しておりますけれども、特に参議院の委員会では若干の質疑の時間があって、この改正 に当たって、改革推進会議と総合福祉部会との間の調整について今後どうするのかとか、 それからまさに私たち総合福祉部会の今後の審議について、妨げになるのではないかとい う点について言及された質問もございました。その場では、発議者の答弁だったのです が、いずれもしっかりと調整してやっていくというご答弁のようでしたが、そこで今回の 部会の開催に当たって、私は、今後この部会の目的、それから今後の審議については、変 化なく、私たち総合福祉部会が55人で全力を挙げて新しい法改正を成し遂げていくのだと いうことをお互いに確認し合いたいと思って立ち上がったわけです。どうぞ皆さん、よろ しくお願いいたします。  次に、前回もご質問したのですけれども、私もこの間一生懸命皆さんとともに審議し て、緊急の提案をいたしましたよね。4つの大きな項目がありますけれども、いつも片時 も離さず持って、これがどのように予算に反映されるのかということが気がかりでなりま せん。前回も、特に自立支援医療についてはどうなのかと。そのときに岡本政務官がいら っしゃいまして、ご自分も、片時も忘れていない、全力を挙げているといったご答弁があ ったことを今思い出しましたが、先日の委員会でも、厚労省も、それから大臣もお出まし で、その進捗状況について若干ご答弁がございました。今日のこの場で、今日は今年最後 の部会でございますので、具体的に進捗していることがあれば、私はすごく心配でならな いので、ぜひその辺のご説明をお願いしたいと思っております。  この2点でございます。全力を挙げて新法のために取り組んでいきたいという決意を表 明して、質問させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 ○佐藤部会長  そうしましたら順番に、藤岡さんの方からお願いいたします。 ○藤岡委員  弁護士の藤岡です。改めまして、配布されているものではありますが、私の所属する日 本弁護士連合会会長談話を読ませていただきます。  障害者自立支援法改正についての会長談話、12月3日です。  本日、障害者自立支援法について、当事者である障がいのある人自身の反対の声を押し 切り、改正法が可決成立した。  障害者自立支援法について憲法に違反していることを争点とした訴訟が全国で展開され てきた中で、本年1月7日、政府は、原告団及び弁護団との間で「基本合意」を交わし、 その中で速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも平成25年8月までには、障害者自立支 援法を廃止し新たな総合福祉法制を実施する旨、確約した。  そして、その約束を実現するために、内閣府の障がい者制度改革推進会議が設置され、 さらに総合福祉部会も設置され、障がいのある人自身が半数以上委員として参加する中 で、多様な声を集約しつつ、あるべき支援の枠組みを構築すべく議論が積み重ねられつつ ある。  このような動きの中で、今回の自立支援法改正案が、突如として上程され、十分な審議 もされずに成立したことは、遺憾であると言わざるを得ない。  当連合会は、上記基本合意に基づき、約束された期限までに、各政策が確実に実施され ることを強く求めるものである。  2010年12月3日、日本弁護士連合会会長宇都宮健児。  以上のことを再度強く日弁連として求めたいと思います。  私はこの総合福祉部会の構成員として、改めまして、障がい者制度改革推進本部、会 議、総合福祉部会、その構成員及びその関係者全てが、あらゆる困難を乗り越えて、一致 団結して、平成25年8月までに障害者自立支援法を廃止し、それと同時に新しい総合福祉 法をつくっていくべきだということで意思統一したということをみんなでここで確認し合 いたいということで、意見を述べさせていただきます。 ○佐藤部会長  小野委員、お願いします。 ○小野委員  すみません、小野です。ちょっと1点、厚労省の担当課長にお尋ねしたいことがありま す。皆さんの中には既に読まれた方もいらっしゃると思うんですが、11月の末に社会保障 審議会介護保険部会がまとめを出されました。中島課長、これはもうお読みになられてい ますよね。この中の被保険者範囲に次のように書かれているんです。「被保険者範囲のあ り方については、これまでも介護保険制度の骨格を維持した上で被保険者の年齢を引き下 げる方法と、介護を必要とする全ての人にサービスを給付する制度の普遍化の観点から若 年障害者に対する給付も統合して行う方法について検討が行われてきたところである。現 在、障害者施策については、内閣府の「障がい者制度改革推進本部」において、議論が行 われているところであり、今後は、介護保険制度の骨格を維持した上で、被保険者年齢を 引き下げることについて、十分な議論を行い結論を得るべきである」。この内容は、あく までも介護保険の骨格を維持して障害福祉と統合するという考え方です。11月19日に厚労 省の事務方が提案した素案に対して、介護保険部会からも相当な意見や反発が出ました。 両論併記となりましたけれども、事務方の介護保険と障害福祉の統合という意向が強く反 映されたということを与党の介護保険の責任者の方から先日伺いました。国は、基本合意 で、自立支援法を廃止して、介護保険との統合を前提としないで新法づくりを約束したと 僕は認識しています。この総合福祉部会はその前提で議論しているんだと思っていまし た。実際、日中活動の作業チームでも、介護保険との統合はないのだから、介護給付、訓 練等給付という区分けはもう要らないのではないかという議論もありました。ここをお尋 ねしたいんです。この総合福祉部会の議論では介護保険との統合というのも選択肢の一つ に入っているのでしょうか。その辺をお伺いしたいと思います。 ○佐藤部会長  今、2つの質問でしょうか。当面の課題の予算化の進捗状況はどうなっているかという ことと、介護保険部会の報告に絡めて、統合というのは選択肢に入っているのかどうなの かということ。では、朝比奈委員。 ○朝比奈委員  がじゅまるの朝比奈と申します。関連してもう1点を質問させてください。手元に配ら れている今回成立した法律の概要の趣旨のところに、「障害保健福祉施策を見直すまでの 間において障害者及び障害児の地域生活を支援するため、関係法律を整備するものであ る」と表記されているのですけれども、ここで言われている関係法律の整備というもの は、今進んでいる推進会議及び総合福祉部会での検討内容を反映して進められるのかどう か。具体的に、例えば私は相談の方の作業チームに参加しておりますけれども、今回相談 支援体制の強化ということで、一つには基幹相談支援センターの設置というものがうたわ れていますが、これの具体的な事柄については恐らく今後詰められていくことだろうと。 それが今私たちで話されていることと関係して進められるのか、そうではなくて別個のも のとして進んでいくのかということについて教えてください。 ○佐藤部会長  3点ということで、中島さん、お願いします。 ○中島課長  障害保健福祉部企画課の中島でございます。福井委員、小野委員、朝比奈委員から3点 質問をいただきまして、順次お答えを申し上げます。  自立支援医療については、前回も同様のご質問をいただいたわけでございまして、もう 12月ですので、来年度の予算要求に向けての作業がいよいよ本格化してきているというこ とでございます。自立支援医療につきましては、政務三役も含め議論しているところでし て、いよいよ本格的に議論を展開していかなければいけないという段階であるということ でございます。この1、2週間は、実は政策コンテストでいわゆる要望枠として、グルー プホーム・ケアホームの整備とか、地域生活支援事業の増額みたいなところをかなり丁々 発止やり合っておりましたものですから、この1、2週間はそちらの政策コンテストの要 望枠の方でかなり政務三役にも打ち合わせ等をやっていただいたんですが、今後は自立支 援医療も含めてトータルとしての予算をどうするかということを引き続き検討するという ことでございます。  それから、小野委員からのご質問で、11月末に私どもの社会保障審議会介護保険部会か ら出た介護保険制度の見直しにあたっての自立支援法、障害者福祉との関連ですけれど も、私どもの基本スタンスは、原告団・弁護団との合意文書に書いてございますけれど も、障害保健福祉施策を見直すにあたっては、現行の介護保険制度との統合を前提とはせ ず議論していくということですので、私どもはそういう方向でこの総合福祉部会でのご議 論も進んでいくものだと思っておりまして、私どもは現時点におきまして介護保険制度と の統合を前提にするというスタンスには立っていないということをはっきり申し上げてお きます。  それから3つ目、朝比奈委員の方から相談支援のところを挙げられて、いわゆるこの議 員立法の施行に向けての内容の詰めといったものはこの総合福祉部会での議論ときちんと 歩調を合わせて行われるのかどうかということですけれども、当然、施行に向けましては この総合福祉部会でのご検討の進捗状況等もしっかりにらみながら、混乱のないような形 で施行をしていかなければならないなと思っているところでございます。 ○佐藤部会長  小野委員、どうぞ。 ○小野委員  今の課長の回答を受けて、1点だけ意見を述べさせてください。この被保険者範囲の最 後の2行が僕は非常に注意深いと思いました。「なお、現行の第2号被保険者に対する給 付に関し、特定疾病による条件の緩和を検討すべきとの意見があった」。追加事項なんで す、これは最後に。奈良崎さん、分かりますか。難しいですよね。要するに、現在の脳血 管疾患や関節リウマチなどの16の特定疾病は、40歳の人から介護保険が優先されていま す。この特定疾病の条件を緩和するということは、例えば交通事故による障害あるいは精 神疾患、さらには生まれながらの疾患・疾病、そういった方も特定疾病の対象にするとな ると、障害のある人のほとんどが40歳以上になった時点で自動的に介護保険に移行する。 これはもう統合ではなく、介護保険への吸収です。介護保険が施行されてから高齢者の無 理心中事件は400件を超えています。これは介護保険制度が実施される前より多いんです。 そもそも介護保険制度の骨格になる要介護認定と応益負担、あるいはそれの下での家族依 存、これに最大の原因、欠陥があるんです。私は今後もこの総合福祉部会には、現行の介 護保険法であれ、改正介護保険法であれ、統合はあり得ないという立場でこの議論に臨ん でいきたいと思います。 ○佐藤部会長  広田委員、どうぞ。 ○広田委員  質問とお願いです。まずは、ここにたくさん傍聴の方がおいでになっているんですが、 2時から作業部会が始まりますと、とても熱心な方がテーブルの間においでになるんです けれど、発言が終わった後、こちらにちょっと注意事項が入ったりしますと、民主主義な のに発言しづらくなりますので、ぜひ傍聴されている方は発言している委員に注意を言わ ないでほしい。ああせよ、こうせよと注文を出さないでいただきたい。これはもう社会ル ールでは当然のことですが、そうしていただきたい。前回、ああせよ、こうせよと言われ て、とても疲れてしまったんです。それはやめていただきたいということが1点です。  私はたまたま11月24日に、自分が被害を受けた精神病院のセンター長から、「不適切な 医療だった、ご迷惑をおかけしました」ということを共同通信の記者の前で言われたんで すが、現在も多量の薬を飲まなければならない被害者として、「現在も被害続いていま す」というお話をしたんです。そういう私は日本の精神医療の被害者として希有な存在で あってここに出させていただいていますが、本当にそのような被害者が出ないためにも、 現在の社会的入院の仲間が出るためにも、きちんと精神医療を明るい他科並みの医療にす るような形で病床を削減して、再び社会的入院を生まない、そしてマンパワーをきちんと つけて、診療報酬も他科並みに上げて、当たり前の国民の精神医療にしたいために来てい ますが、前回質問しましたら、堂本座長もあちらにおられて、場外から発言されて、結局 のところ私はよく分からなかったんですけれど、精神医療がいつまでここでやって、それ でさっき座長のお話ですと、作業部会で話したことは決して決まりではないんだというお 話をされたんですけれど、そこのところを明確に、私は精神医療の被害者として、精神医 療のことにとても関心があって、他のところへ行っても、この国はお金がないですから、 必要なのは愛が生み出せるという話をこの間も横浜の区長と話したんですけれど、どうい う形で精神医療のことをここでもう一回、他へ行って戻るときには発言できる権利があっ て、いないところで決まらないという保障があるのかということを明確に答弁していただ くのはどなたなんでしょうか。よろしくお願いします。 ○佐藤部会長  55名全体で議論してもなかなか難しいので、テーマ別に分かれて作業チームで詰めた議 論をしましょうと。その検討の結果を第1期の作業チームについては1月にこの全体会に 報告をしていただいて、そこでさらに議論して、さらに継続的に検討した上で、部会全体 として8月には方向を出しましょうと。そういうことですので、いろいろな論点の整理を していただく。できたらこういう方向で総合福祉法があるべきだという一本にまとめられ れば一番いいですけれども、できるだけそういう調整をしていただくのが作業チームなの で、決定するものではありませんので、部会全体で議論して決定していきたいと思いま す。 ○広田委員  そうすると、ここの作業部会で決定ではないけれど論じることというのは、総合福祉法 に盛り込む医療なんですか。 ○佐藤部会長  失礼しました。合同作業チームの就労と医療と障害児に関しては、福祉の領域とその他 の領域とまたがる領域があるので、推進会議と部会とが合同で設置したということで、必 ずしも総合福祉法のマターだけではないということです。 ○広田委員  そこなんですよ、重要なことは。そうしますと、まさにここはまたがっているところで すから、私が仮にどこかへ行ったときに、ここで論議される精神医療のところには他から 来て発言する権利があって、いないときにはそのようなことは止まっているんですかとい うことを前回確認させていただいたんです。そういうことなんでしょうか。つまり、他へ 入った人がここへ戻ってきて発言する権利がありますよということを佐藤部会長は前回お っしゃっているんですよ。いないときには精神医療はやりませんと。それでよろしいです かということです。 ○佐藤部会長  医療の作業チームは、第1期と第2期に分かれてテーマを変えて、精神障害者の医療の ことを第1期、1月に報告することでまとめにしていただく、2月からの第2期ではその 他の医療の問題について話し合っていただくということになっていますので、基本的には 1月で解散ということになります。それで、精神医療に関してさらに検討するべきことと いうのがないように、基本的には1月の報告で完結していただくということが原則です。 ただ、第2期の作業チームの中には地域移行といった作業チームもありますので、精神病 院からの地域移行のこういう点については積み残したけれども、第2期のチームで検討し てくださいというバトンタッチをすることはできると思います。 ○堂本座長  座長。 ○佐藤部会長  はい、どうぞ。 ○堂本座長  前回同じ質問が出まして、私ははっきり申し上げましたけれども、もう何十年もやって きた精神医療をたった2カ月や3カ月で完結させるなどということはできません。ですか ら、文書が来たときにも、医療のところについては、主として前期で精神、主として後期 で医療にすると、それでよろしいですねということを今の座長に確認させていただいたと 思うんですが、今日は全く違うことをおっしゃっているので、ちょっとそこは腑に落ちま せん。 ○佐藤部会長  ちょっとニュアンスが違って申し訳ないんですけれども、基本的には1月で完結する、 残った課題は他の次のチームにバトンタッチするということですけれども、もしどうして も必要なことがあれば、第2期の同じ時間帯で別な作業チームを開催することができませ んので、それ以外の時間帯で場合によったら旧メンバーで集まっていただいて補足的な議 論をしていただくこともあっていいのではないかと。ただ、予算とか、時間とか、いろい ろな制約から、延々と続けていくということはあり得ないだろうという、そんなニュアン スでご理解をいただければと思いますけれども。どうしても決着がつかない部分に関して は、こういう意見とああいう意見があったという両論併記とか、多数意見と少数意見と か、一本にまとめるまで延々とやるということでなくてもよろしいのではないかと思いま す。 ○堂本座長  もう一度短くちょっと発言させていただきたいと思いますが。今あちらからも発言があ りましたけれども、今大きく法律が変わろうとしているときに、国会での進捗状況とか、 その他政党の中での議論とか、いろいろあります。ですから、そこでもってそことペース を全く合わせないで、事をこちらの都合だけでここで切るということも大変難しい場合が あります。私どもの場合もそういったことでいいますと、いろいろ今議論されている真っ 最中で、厚生労働省の方でも別の委員会が起こっています。そちらで進捗もしている。そ ういった中で、こちらは残った問題がどうしても幾つか、意見が違うというよりは、対立 した意見もないわけではございません。そういった中で、最後までそういう問題は残って いくということでこの前もご説明申し上げたはずでございます。 ○佐藤部会長  他の分野でも同じだと思いますけれども、医療の分野は非常にいろいろな問題があるわ けで、第1期だけ、第2期だけで全ての問題が解決して方針が出るということでも必ずし もないだろうとは思います。作業チームは一応来年の4月までということになっているわ けですけれども、推進会議全体として医療のことだけでおしまいにするのかどうなのかと いうことはまた推進会議の方でも検討していただくことなのかなと。この合同作業チーム の医療で来年4月までに全ての問題を解決しろということでは必ずしもない。作業チーム がまた継続するのか、あるいは別な形で推進会議として検討するのか、十分話し合ってい くべきことではないかと思います。 ○堂本座長  それだったら結構です。 ○佐藤部会長  広田委員、どうぞ。 ○広田委員  すみません、そこで二人で対談されているんですけれど、意思が疎通できていないこと が確認できたんですけれど、私はここに出るために、救急救命士や医者やいろいろな現場 に行って話を聞いてくるんです。55人の中に精神科医って、他にいらっしゃったらごめん なさい、日精協の河崎先生一人しか私は存じ上げないんです。つまり、私は精神医療のコ ンシューマーという当事者であるけれど、片方で医療のドクターという当事者の声を聞か ないでどんどん進めていってしまっていいのかな、救急救命士やいろいろな現場の声を聞 いていて思います。それで、今のお二人の話がこれだけ割れているということで、私はな ぜこれだけしつこく言っているかというと、私はここにせっかく来て発言させていただい ている、こういう形でも、それからここの作業部会でも。だから、自分が関わったことに 結果が出たときに、全然知らないことが進んでいたということは、私は責任を果たせない ということでしつこく聞いているんです。結果としては、ここで決めたことが推進会議に 反映されたり、いない間に決まっていくことをとても危惧しているということなんです。 それを保障していただきたいためにこのような発言をさせていただいているんです。 ○佐藤部会長  どうしましょうか。合同作業チームの医療の作業チームで一定の報告をする。それを基 に推進会議で、医療はどうあったらいいか、精神障害者の医療はどうあったらいいかとい うことを、その報告を尊重しつつ、それを踏まえつつ議論していくということになるわけ です。それは、広田委員は推進会議のメンバーではなく、直接そこには参加できないけれ ども、どういう形になったのか、どのように尊重されたのかということはフォローできる ようなことは当然進めていくんだろうと思いますので、また推進会議の委員を通じて、こ ういう方向では困るといった意見があれば、提出していただくこともできると思いますの で、作業チームの期間には限界がありますけれども、推進会議はもうちょっと先までやっ ていくものですので、そういうフォローをしていただければと思います。  河崎委員、どうぞ。 ○河崎委員  日精協の河崎です。今、広田さんの方からもいろいろご発言がございましたが、もう少 し突っ込んでお話を申し上げることを許していただけるならば、例えばこの医療の合同チ ームでも、意見のまとまらない部分というのは当然出てくるかと思います。そういう場合 に、その時にこそ、推進会議の方のメンバーとしてこの合同チームに参加なされている方 々の責任というのはすごく重く出てくるんじゃないかと思っております。それはこの合同 チームだけの話ではなくて、いろいろな作業チーム全てに関係するところだろうと思うん ですけれども、その辺のまとまりがつかなかった意見というものをどのように推進会議の 中で取り扱っていかれるのか、推進会議のメンバーでない私も、多分広田さんも、その辺 りのことがある程度ご説明願えるのであればお願いしたいという意味での発言かと私はと っております。 ○佐藤部会長  野原委員、関連発言でしょうか。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原ですけれども、今の問題は、私たちの方でも実はかね てから一貫して問題提起をし続けている問題です。それでも精神の方はお医者さんが参加 しておられる。ところが、難病は、医療依存度が非常に高い障害者群ですけれども、当事 者が2人参加しているだけで、医者も福祉の専門家も全く参加していない。しかも、体系 的に今までやってきた難病対策要綱を担ってきた別の縦割りの体系は別の方向でいろいろ 動いています。そういう問題を抱えながらそのままで進んでもいいのかという今の精神の 方の話というのは、医療依存の障害者にとって共通する大きな問題だと思います。したが って、今ここでどうということではありませんけれども、扱い方としては、非常に大きな 問題があるんだということは課題として明確に確認して、私どもは、したがって法律が間 に合うかどうかは別にして、間に合わない場合でも、そのための特別対策の審議会のよう なものを発足させることを明記させる形で法律づくりの期限をクリアするというか、そう いうことなどもあり得るのではないかという提起をし続けているところです。したがっ て、そういうことも含めて、かなり大きな谷間といっても、結局は非常に谷間がまとまっ て存在する。他にもいろいろあるわけですけれども、それは福祉と医療の谷間の問題なん です。そこのところをどう扱うかという問題は、総合福祉にとっても非常に緊張した問題 はいっぱいあると思うんです。そういうものとして大きな課題があるんだということを確 認しながら進めていくということで、今日お互いにそうだということになれば、進められ るのではないかと思うんですが。  以上です。 ○佐藤部会長  今日この後、作業チームに分かれての検討の後、5時半か6時くらいから座長会議で、 各作業チームが報告したものを受け止めて、推進会議や部会でどのように対応するのかと いうことを協議しますので、ちょっとそこでの議論をまずやった上で、また報告をするよ うにしたいと思いますので、ご了解いただければと思います。どうもありがとうございま した。  それでは、議事に入らせていただきます。  まず、前回の部会作業チーム及び合同作業チームの検討の状況についてですが、お手元 の資料1から資料9の議事要旨をご参照いただければと思います。これは、文書をご覧い ただくということの報告です。  次に、推進会議における検討の状況についてですが、昨日6日の推進会議の資料及び参 考資料1をご覧ください。就労と医療と障害児支援の分野について、基本法に盛り込むべ きものとして合同作業チーム内で検討し、障がい者制度改革推進会議で報告した内容につ いて、各作業チームの座長さんから報告をいただきます。また、この3つの分野以外のと ころについては、東室長からご報告いただくようにしたいと思います。時間も非常に限ら れておりますので、ごく手短に報告をお願いしたいと思います。  まず、就労チームの松井座長から説明をお願いいたします。 ○松井座長  ありがとうございます。就労チームの松井です。  11月22日の「合同作業チームにおける検討について」の資料の一番最初のページでござ いますけれども、就労に関する合同作業チームとしては、幾つかの点を提起しています。 最初に、労働の権利の保障と苦情に対する救済制度の整備ということです。現在、一般雇 用である雇用促進法にしても、あるいは自立支援法にしても、障害を持った人たちが働く 権利をきちんと明確には規定しておりませんので、それを明記するということと、それか ら働く場において権利侵害等がある場合にその救済ができるようにするということです。 これについては別途、差別禁止部会が立ち上がっておりますので、そこにおいても当然検 討されることだと思います。  それから2番目に、労働施策と福祉施策が一体的に展開できる障害者就労制度の整備と いうことです。現在のところ、一般雇用については障害者雇用促進法、福祉的就労につい ては自立支援法という形で、一応その両者の連携ということはうたわれていながら、実態 としてはなかなかそうはなっていない。そこをきちんとするということ。それから、福祉 的就労、特に就労継続支援B型事業においては、労働法の適用がないわけですけれども、 そこで労働に相当する仕事をしている人たちについては少なくとも労働法の適用がなされ てしかるべきであるということを提起しております。  それから3点目として、雇用が一般的には非常に大きな割合を占めるわけですけれど も、いわゆる公的機関あるいは民間企業における雇用だけではなくて、それに加えて、自 営とか、起業とか、あるいは最近注目されている社会的事業所とか協同組合、あるいは在 宅就労、そういうところでも働けるような条件整備をしていく必要があるだろう。その場 合に、そういうところで適切な仕事を必要量確保できるような施策とか、そういう就労を 通して生計を維持できるような仕組みも整備していく必要があるということを提起してご ざいます。  次の点として、現在、障害を持った人たちのサービスは、基本的には特別の部門という か、例えば訓練であれば、障害者職業能力開発校といったところで行われるわけですけれ ども、一般の人たちが利用する職業的なサービスを利用できるようにすれば、地域におい て比較的身近なところでそういうサービスが利用できるようになりますので、そういう一 般の職業サービスを障害を持った人たちにアクセスできるようにする、あるいは包含して いくということを求めております。  それから、最後のところで、今、雇用促進法に基づく雇用義務の対象は身体障害と知的 障害に限定されているわけですけれども、それを精神あるいはそれ以外のあらゆる障害を 持った人たちを含めた形に拡大する。当然、その場合に合理的配慮とか適切な支援が必要 になりますので、そういうことも含めて、きちんと適用できるようにすべきであるといっ たことを提起しております。  以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  次に、医療チームの堂本座長から説明をお願いいたします。 ○堂本座長  確認でございますけれども、昨日開かれた推進会議の報告と伺っておりますが、それで よろしゅうございますか。 ○佐藤部会長  はい。参考資料の1と、それから医療に関しては資料8、この辺をコンパクトに。 ○堂本座長  そのとおりでございます。1というのは、昨日出ました第二次報告ではないんですか。 ○東室長  参考資料の1だと思いますけれども。まず、この中に医療という部分がありますので。 ○堂本座長  参考資料の1。私は推進会議の方だと思ったので、そのこともちょっとご報告した方が いいかなと思っておりますが……。 ○東室長  それは「第二次意見(素案)」のところになります。 ○堂本座長  それではそれでいきます。  まず、6月の閣議決定と、それから推進会議総合福祉部会での議論を踏まえて作業を進 めてまいりました。一番大きなことは、閣議決定でも言われていることですけれども、社 会的入院の解消と、地域生活における福祉サービスを構築するということです。  もう一つ、手続的な問題としては、非自発的な入院に関する適正手続でございまして、 自己選択による医療の利用があくまでも基本である、しかし非自発的な入院については、 人権を保障する適正手続が確保される必要もあるということです。  あと、医療の問題で、質の高い医療の提供が必要であるという問題がございます。人権 尊重の視点からの精神医療の体制整備。それは医療の質の向上につながる。拘束とか行動 制限をできるだけ抑制していくためには、ドクターを初め人が多く配置される必要がある ということ。これは河崎先生の方からも何度もご発言のあった問題なんですけれども、病 院側でもそういうことをおっしゃっておられました。そのためには、入院のニーズを十分 に精査して、必要最低限の入院、そして入院すべきである方たちが入院する精神病床、そ こで高度な質の高い医療が展開されるべきであろう。そして同時に、社会的入院を解消す るためには、退院を促進した後の地域生活の場でも、地域医療あるいは福祉のサービス、 そして公営住宅などの充実が必要ということなんですが、第一次意見の時には、健康と医 療ということで整理されていました。  しかし、例えば入院の手続的な人権の保障といったことあるいは地域での福祉サービ ス、これは必ずしも医療の中に入らないものですから、第二次意見では、資料1をご覧い ただきますと、目次に「基本的施策関係」と書いてあるところの6番目に「精神障害者に 係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保」という長い題ですけれども、独立し た項が今度は設けられました。その上で、今までこの合同作業部会でご一緒に議論してき た問題をここに盛り込んでつくらせていただいたというか、昨日私どもはむしろ見せてい ただいたと言った方がいいと思いますが、合同作業チームでいろいろ議論し合ってきたこ とを出して、それがこのような形で整理されました。  以上でございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  続きまして、障害児支援チームから説明をお願いします。本来なら大谷座長からお願い するところですが、本日は遅れて来られますことから、長瀬委員から説明をお願いいたし ます。 ○長瀬委員  ありがとうございます。障害児の作業チームの長瀬です。大谷座長に代わって、昨日の 推進会議の議論を中心にご報告させていただきます。  皆さん、お手元の資料の「第二次意見(素案)」というものの墨字・活字版の25ページ ・26ページ・27ページが、現在のところの推進会議としての第二次意見の障害児支援に関 するところです。ここにこういう形で入る基となっておりますのは、当然ですけれども、 合同作業チームで話し合ってきた内容を基にこういう構成に今なっております。必ずしも 100%一緒というわけではございませんけれども。  最初に、推進会議の認識という形で、障害のある子どもと障害のない子どもとの平等を 確保するということがうたってあります。ここでは、生命、生存及び成長の権利の保障、 また、特に遊びや余暇やレジャーについても、同じ年の子どもと同等に楽しむことができ るようという記述になっております。これは、障害者の権利条約の30条に基づいた記述に なっております。  次の大きな項目としまして、障害児にとっての最善の利益です。これが考慮されなけれ ばならない、その際に、障害児の父母または親権者が第一義的な責任と権限を持ちますと いうことが記述されております。  3番目の大きな項目としまして、障害児の意見表明をする権利です。これは子どもの権 利条約でも盛り込まれている権利ですけれども、障害のある子どもが障害や年齢に適した 支援を活用しつつ、それぞれ自分に関わる事柄について自由に意見を表明する権利を持 つ。ここで意見というと、どうしても何かかしこまった難しいような表現に誤解されるか もしれませんけれども、なかなか必ずしも言葉ではなくて、様々な形で表現する方もいら っしゃるわけですから、子どもの意思や感情の動きを含めるということを明記いたしまし た。  第4番目が、障害児及び家族への支援ということで、現在は早期に適切な支援というこ とをうたっております。早期発見ということにつきましても必要というご意見をいただい ていますので、これにつきましては、今日この後の合同作業チームで議論させていただき ます。また、3行目で「可能な限り無償の支援」という意見も出されましたので、これも 盛り込んでおります。  あと、昨日の推進会議では、この後のところの「親族や家族に代わるような代替的な監 護を提供する環境」というところに関しまして、様々な制約もあり得るので、逆に家族の 立場から、代替的な監護を提供しやすい環境といった提案も出されております。  その後、基本的には基本法に次の観点を盛り込むべきであるということで、全ての権利 の保障、障害のある子どもの意思表明権、また最善の利益を考慮しながら、親または親権 者が様々な判断をなす。そして最後に、地域社会の中で障害のある子どもたちも必要に応 じて支援を受けて暮らしていくということが盛り込まれております。  あと、昨日の推進会議では、一般の子ども施策の中に障害児支援というのも盛り込むべ きであるというのは重要ですけれども、その際に障害のある子ども一人一人に必要な合理 的配慮や支援が一緒につけ加えられなければならないという意見がありました。  また、ここの項目の名前ですけれども、現在、例えば「地域生活支援」とか「障害児支 援」といった形になっているわけですけれども、「障害児支援」のところも具体的に見ま すと、例えば「障害児の意思表明権」という形で、必ずしも「支援」というところにおさ まらない項目もあるので、一般的に全部カバーできる「障害児」という意見もありまし た。これは私が出した意見ですけれども。  以上です。ありがとうございます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  以上の3分野以外のところについて、東室長から説明をお願いいたします。 ○東室長  東です。お手元に「第二次意見(素案)」というのがあります。目次がついておりまし て、これだけの分野で議論をまとめてきたところです。ご存じのように、推進会議は、1 月から昨日までで27回議論してきました。6月には第一次意見というものをまとめて、そ れを基に閣議決定がなされて、改革の工程表というものが示されました。それに基づく第 一弾として、障害者基本法の改正ということがあります。その改正に向けて第二次意見を まとめるということでやっている途中の素案というものです。  障害者基本法が日本の障害者福祉の中でどういう位置を占めるのか、余りこれまで議論 はされてこなかったと思いますが、障害者権利条約採択後、これを批准する上で基本法は 非常に重要な意味を持つ。条約批准の受け皿としてどう機能していくか。条約の理念であ る障害者を保護の客体から権利の主体に転換していく。若しくは医学モデルから社会モデ ルに変えていく。そういう一番基本的な理念をこの障害者基本法に盛り込んで、施策の羅 針盤としていく。そういうことが基本法に求められているのではないかという議論をベー スにまとめております。  そういう理念が総則、各則にどれだけ書けるかということで、素案として提示したもの がこれなんですが、その他、基本法の中で大事なことは、推進体制というところに書いて ありますけれども、障害者権利条約の33条には、国際モニタリング機関だけではなくて、 条約の監視機関として国内的な組織をつくるという辺りがあるんですが、それをこの基本 法の中に盛り込もうということで書かれております。  以上が、本当に時間がないので、概略の概略なんですが、それとともに「障害」の表記 のことも最後の方に触れております。昨日これをお出ししたんですが、これについてたく さんのご意見をいただいておりまして、それを基に修正されますので、これは読み終わっ たら捨てられて結構です。また新しいバージョンが出ますので、請うご期待をというとこ ろです。  以上です。どうもありがとうございました。 ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。  障害者基本法の下で個別の分野の法律がつくられるという関係にありますので、総合福 祉法もこの改正されようとしている障害者基本法の方向と整合性を持ったものにする必要 があるということです。そういう意味で、まだこれは素案の段階で、17日の推進会議では ほぼ第二次意見書でまとまるわけですけれども、部会の作業チームでも、この総則関係の ところで、定義とか、基本的理念とか、国及び地方公共団体の責務とか、あるいは各則の ところでは、1)の地域生活支援とか、8)の相談等とか、そのようなところを含めて、 まだ素案の段階ですけれども、これを参考にしながらチームの議論を進めるということで 活用していただければと思います。  先に手を挙げられたのは、水津さんですか。それから山本委員、お願いします。 ○水津委員  重症児を守る会の水津でございます。後の部会(作業チーム)の方で話そうかなと思っ ていたのですけれども、時間をちょっといただいて。先ほど長瀬委員から説明のありまし た26ページでございますけれども、「障害児及び家族への支援」ということで、3行目に 「可能な限り無償の支援」という表現が入っております。これは、前回の部会(作業チー ム)の方で、子どもの権利条約の23条の3項に入っているのと同様の表現を入れるべきで はとの提案を受けてのものと思いますが、ここでは資力を考慮した上でという形になって いると思うのです。したがいまして、何でも無償にするという表現というより、やはり資 力、要は所得とか資産を考慮した上で、無償だといった表現にすべきではないかと思いま す。ご存じかと思いますけれども、我々の守る会は、社会の皆さんの共感を得ながら子ど もを守っていくという運動をしているわけです。また、社会の皆さんが我々の行動あるい は考え方をどのように見ているかということを常に頭に置きながら運動しております。常 にというか、いつもお金のことを言う障害者団体というのは、私は社会の共感は得られな いものと思っております。こういう点から、やはり資力を考慮した上で「可能な限り無 償」とすべきではないかと。作業チームでは、まだ十分議論ができていませんけれども、 前回のときはここにそういう表現が入っていなかったので、あえて一つ申し上げておきま す。 ○佐藤部会長  水津委員、ありがとうございました。  山本委員、作業チームの時間に余り食い込みたくないので、よろしくお願いします。 ○山本委員  簡単に言います。私の権限ではないと言われるかもしれませんが、この素案の6番は全 面削除というのが私どもの意見です。精神に特化した議論そのものが、条約に違反した強 制入院を、恒久化するおそれがあります。障害者基本法なんてそうそう変わるものではな いと思います。非自発的入院を恒久化するような条文をつくられては困りますし、地域移 行の問題は精神に特化した問題ではありません。それから、地域で医療が受けられるとい うのは、難病の方であろうが、他障害の方であろうが、同じ問題を抱えています。精神に 特化した6番については、私個人として、それから恐らく全国「精神病」者集団としても 議論になると思いますが、今現在ここではっきりこの全面撤回を私個人の意見として申し 上げますが、権限がないからしょうがありませんが。 ○佐藤部会長  まだたくさん意見があろうかと思いますけれども、今日口頭で座長さんにいろいろな意 見を伝えるとか、文書で各作業チームに投げるとか、いろいろな工夫で調整を図っていた だければと思います。  続きまして、報告ですけれども、第2期の部会の作業チームに関して私の方から報告等 を行いたいと思います。  既に11月19日の部会で、第2期の作業チームについては、2月から4月までと1カ月ず らして発足させるということについてご了解を得ました。そして、第2期として新たに4 つの作業チームを設けるということで、それも承認していただきました。今日は、それぞ れの第2期の作業チームの座長さんを承認していただくということで報告をしたいわけで す。一つは、地域移行の作業チームについては大久保委員、それから地域生活の資源整備 に関しては森委員、それから利用者負担の作業チームについては田中伸明委員にお願いし たい。報酬や人材確保等の作業チームに関しては、まだちょっと最終的な調整の段階が完 了しておりませんで、1日、2日で調整が完了する予定ですけれども、申し訳ないんです けれども、正副部会長に一任していただいて、1日、2日の間に決めて、皆さんの方に連 絡する。これを今日承認いただければ、第2期の作業チームの座長さんで集まっていただ いて検討範囲について調整をして、座長さんと各作業チームの検討範囲を併せて皆さんの ところにメール等でお送りして、前回と同じように、どの作業チームに所属するかという 希望をとらせていただく。そのアンケートは12月下旬にはお送りできると思いますので、 それを集約して来年の1月中旬には誰がどこの作業チームに所属するかということを決め て、1月25日の部会で確認することにしたいと思います。もちろん、そのアンケートの中 では、前回に承認いただいたように、相談支援と選択と決定の作業チームは第1期から引 き続いて茨木座長の下で第2期も作業をする。今日報告のあった3つの合同作業チームに ついても第2期の期間も継続して検討していくということになろうかと思います。  そういうことで、大久保座長、森座長、それから田中座長案、第1期に引き続いて座長 で大変申し訳ないんですけれども、その3名の方と、それから報酬や人材確保等に関し て、申し訳ないんですけれども、正副部会長に一任させていただくということについてご 了解が得られればと思いますけれども、いかがでしょうか。  それでは、そういう形で進めさせていただきたいと思います。どうもありがとうござい ました。  以上で本日の議題は終了したいと思います。  事務局より次回の部会についての説明をお願いいたします。 ○東室長  担当室の東です。次回は1月25日火曜日、第11回目となります。次回の部会は全体会の みです。各部会作業チームの検討結果について、報告と討論を行うという予定です。です ので、作業チームは次回はないということで、ご了解ください。会場はここです。  その次になりますが、まだ正式な決定はしておりませんけれども、ここで2月15日火曜 日ということで、場所は確保しております。  3月につきましては、まだ会場が確保できておりませんので、決まり次第ご案内いたし たいと思っている次第です。  以上です。 ○佐藤部会長  今2時10分ですので、2時25分から各作業チームに分かれての検討を行います。  傍聴の方へのご案内ですが、作業チームについては、推進会議または部会での議論を円 滑に進めるため、特定の分野について、具体的な課題や論点について整理していただくた めのもので、作業チームが何かを決めるという性格ではないという位置づけですので、傍 聴の方については、情報保障などは行いませんが、引き続きこの場に残って各作業チーム での検討の様子をご覧いただいても構いません。  また、訪問系の作業チームについては、会場が別になります。この建物の17階専用第18 会議室となりますので、移動の準備をお願いいたします。  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。                                    (了) [障がい者制度改革推進会議総合福祉部会事務局]  厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係  TEL 03−5253−1111(内線3022)  FAX 03−3502−0892