10/06/22 第4回障がい者制度改革推進会議総合福祉部会議事録       障がい者制度改革推進会議総合福祉部会(第4回)議事録  日  時:平成22年6月22日(火)13:01〜16:49  場  所:厚生労働省 低層棟2階講堂  出席委員:佐藤部会長、尾上副部会長、茨木副部会長、朝比奈委員、       荒井委員(代理出席)、伊澤委員、石橋委員、伊東委員、氏田委員、       大濱委員、岡部委員、小澤委員、小田島委員、小野委員、柏女委員、       河崎委員、川崎委員、門屋委員、北野委員、君塚委員、       倉田委員(代理出席)、駒村委員、近藤委員、斎藤委員、坂本委員、       佐野委員、清水委員、末光委員、竹端委員、田中(伸)委員、       田中(正)委員、中原委員、奈良崎委員、西滝委員、野原委員、橋本委員、       東川委員、平野委員、広田委員、福井委員、藤井委員、藤岡委員、       増田委員、三浦委員、光増委員、三田委員、宮田委員、森委員、山本委員 ※会議の模様は、YouTubeの厚生労働省動画チャンネルにて動画配信していますので、  併せてご確認ください。 (URL:http://www.youtube.com/watch?v=kD7GDC6vmic) ○佐藤部会長  定刻になりましたので、ただ今から障がい者制度改革推進会議総合福祉部会を開会いたし ます。  部会長の佐藤でございます。  本日は、厚生労働省からは山井政務官が出席されております。  本日の会議は、報道関係者及び関係者の方に傍聴していただいております。ムービーカメ ラが会議全体を通して撮影可能な状態になっておりますので、カメラに写りたくないという 方がいらっしゃいましたら、挙手もしくはほかの方法でお知らせくださいますようお願いい たします。  それでは、山井政務官よりご挨拶をお願いいたします。 ○山井政務官  皆さん、こんにちは。厚生労働省大臣政務官の山井和則です。  本日もこの部会に多くの委員の方々、そしてまた傍聴の方々、全国からお集まりいただき まして、誠にありがとうございます。  この部会、そして推進会議は、鳩山前総理のリーダーシップもあり、実現しました。残念 ながら鳩山総理が退陣されて、新しく菅総理が誕生されました。私も十数年前から菅さんと は一緒に勉強会をやったりしながらお世話になっておりますが、当時から最小不幸社会を実 現するのが政治の責任だということで、非常に福祉に熱心な政治家が菅さんであります。も ちろん、総理大臣になられたわけですから、なかなか福祉最優先というわけにはいかない面 もあるかとは思いますが、ぜひともそのような熱い思いを持った菅総理が、鳩山前総理の思 いを受けて、また推進会議やこの部会を支えていくということをご理解いただければと思っ ております。  また、本日から「総合福祉法」に向かっての議論をしていただくと承っております。この 「総合福祉法」に関しましては、来年の通常国会までは時間が足りませんので、再来年の通 常国会に法案を提出して、今までのお約束どおり、平成25年の8月までに実施をスタートす るという方針に変わりはありません。この自立支援法廃止という方針が少し変わったのでは ないかと、そのような不安の声や批判の声も聞いておりますが、このことに関しては先日の 厚生労働委員会で長妻昭厚生労働大臣もはっきりと明言しましたように、皆様方とお約束を している障害者自立支援法の廃止、そしてそれにかわる新しい「総合福祉法」を再来年の通 常国会に提出していくという方針は、全く変わっておりません。  また、前回の部会の中で、もう少しきちんと情報提供をしてほしいと、この部会あるいは 推進会議に対してそういう要望書をいただきました。私も拝読させていただきました。その ような情報交換、そして情報提供をこれからもまたしっかりとやってまいりたいと思ってお ります。  そして、議員立法に関しましては、このたび菅内閣がスタートするとともに、政策調査会 ――政調というものがスタートいたしましたので、議員立法についての情報提供、また情報 交換ということは、また様々な団体の方々や当事者の方々と、恐らく民主党のこの政策調査 会の中に障害者福祉担当のチームもできると思いますので、私は政務官ですから、直接党の ことを余り詳しく言う立場にはございませんが、そことまた情報交換、意見交換などをして もらえることになるのではないかと思っております。  今日、財務省から出てきた財政運営戦略というものが閣議決定されました。その中では、 非常に厳しい財政状況の中で、来年度の予算編成に向かっても厳しい状況で挑まざるを得な いという方針が閣議決定されました。これはもちろん社会保障のみならず、全て予算に関し て厳しい方針で挑むということであります。そういう状況でありますけれども、皆さんと意 見交換をしながら、精いっぱい障害者福祉がよりよくなるように、厚生労働省としても、私 政務官としても、頑張ってまいりたいと思います。  本当でしたらじっくり皆さん方と意見交換をしてここに座っておりたいわけですが、今も 厚生労働省内の会議を抜け出してやってまいりましたので、この後また戻らせていただきま すが、ぜひとも活発なご議論をしていただければと思っております。本日もどうかよろしく お願いします。(拍手) ○佐藤部会長  ありがとうございました。  ここで山井政務官におかれましては、公務が多忙なために退出をいたします。  福井さん、どうぞ。 ○福井委員  お帰りになる前に意見を申し上げたいのです。こんな重要なときにいらっしゃるのに、ご 挨拶だけですぐお帰りになるというのは非常に心外です。この委員会がどんなにこの間の暴 挙について時間を要して、遺憾であるということを決めるまでに前回どのぐらい意見が飛び 交って時間がかかったかとお思いですか。さっき山井政務官は、もう少ししっかりと情報を 提供すればよかったと。その程度のことではありませんよ。これだけ多くの人たちが日本の 障害者政策はいかにあるべきかということを真剣に議論している最中に、私たちには何の断 りもなしにあの一部改正案が出されたのですよ。その間私たちはどうしたと思いますか。連 日のように国会に詰めかけて、全国から障害者が集まってきて抗議行動をしたのですよ。そ ういうことを思われたときに、どんなに急な用事か分かりませんが、今日のこの会を開くに 当たっては、この間の説明を聞きたいという意見もたくさんこの委員の中から出ているの で、そのぐらいの時間はとっていただきたいと私は思います。なぜこういうことが起こった のかということの説明と、今後こんなことが絶対にないということを明言されなければ、私 たちはこの会議を開いている意味がなくなりますよ。いかがですか。山井さんは、自立支援 法の最初のときから、私たちの意見を聞いていろいろと頑張ってくださった方ではありませ んか。去年の10月30日の集会のときには、長妻大臣とともに舞台に立たれて、涙を流された 方ではありませんか。しっかりと答弁をしていただきたい。なぜこんなことになったのかで す。もう少し情報の提供があればよかったどころではありません。ここにいらっしゃってい る皆さんは経過を全部ご存じなので、詳しくは申し上げませんが、私はこのままお帰りにな ることは許しません。どうぞよろしくお願いします。(拍手) ○山井政務官  福井さん、ご質問をありがとうございます。本当に毎回中座をして申しわけございません が、できるだけ長くいたいと思いますが、今日も今ちょっと会議を抜け出してきましたので、 申しわけありません。  それで、今、福井さんから非常に重要なご質問をいただいたと思っているのです。ただ、 本当に誠に申しわけないのですけれども、今回おっしゃっているのは多分議員立法の自立支 援法改正法案のことではないかと思っているのですが、それについては先ほども申し上げま したように、民主党に政策調査会というのができますので、そこと議論していただきたいと 思っております。といいますのが、私も今、厚生労働省の政務官という立場で、役所の人間 でありますので、議員立法について、いいとか悪いとかどうだとかと言う立場にないという ことで、言う立場にないだけではなくて、言ってはならない立場でもあるんですね、これは 三権分立の関係とかがありまして。ですから、もちろん皆さん方からすれば、議員立法とは いえ、厚生労働省も山井政務官も一緒になってやっているのだろうという感想は持たれるだ ろうと思いますが、実際には、私も政務官になってみて改めて感じたのですけれども、そこ は同じ国会の中で同じように同じ委員会で議論していても、行政と立法をつくっている今回 の議員立法の政治家というのは全く違う役割をしているわけなんです。そのようなことで、 誠にそこは申しわけありませんが、私の立場からは、議員立法についての経過説明とか、こ こが問題だったとか、そういうことを言うと越権行為になってしまう部分がありまして、皆 さんが不満を持っておられることは私も様々な方から重々お聞きをしておりますが、政務官 という立場でこの会議の場ではそこは発言ができないということはお許しをいただきたい と思っております。              〔山井政務官退席〕 ○佐藤部会長  藤岡委員。 ○藤岡委員  ちょっと山井政務官、議員立法だからということで許されないということ、そういうのは 弁明にならないということを今ご説明申し上げようとしたのですが、本当に遺憾きわまる退 場だということで、抗議したいと思います。 ○佐藤部会長  どうぞ、野原委員。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原です。  前回一同でまとめた要望書というのは、情報提供なく進められたというプロセスそのもの に非常に大きな問題があると、ここが一致してみんなが遺憾の意を表明したというものだっ たと思うんです。そして、それをいろいろな三権分立との関わりで推進本部に手を挙げても らいたいということを障がい者制度改革推進会議の議長さんに提出した。それについて、推 進本部に意見を上げていただくのが6月1日付の文書でやっているのですけれども、今日ま で推進本部のほうから、あるいはまた推進本部でどのように扱われたのかという回答なり、 あるいはまたしかるべき何らかの見解が示されているのかどうかということを、前回の要望 書をお互いに確認し合った者としてお聞きしておきたいということです。 ○佐藤部会長  6月1日付の要望書及び6月7日付で当面の課題についての要望というものを推進会議 の小川議長宛てに出しております。それらを受けて推進会議のほうでどのように動いている かということは、この後、東室長から近況の報告をしていただくことにしております。そう いうことで、この推進会議部会で検討した結果が本当にこれから尊重されるのかどうなのか ということで、非常に重要な問題ですけれども、国会と政府との関係とか、いろいろ難しい 問題があるようですけれども、我々にとって大事なことは結果として尊重してもらえるのか どうなのかということで、そのための保障をぜひきちんと関係者が話し合って、再びこうい うことが起こらないようにということで、仕組みをきちんと整えていただくということをお 願いしたいと思っております。  どうぞ。 ○斎藤委員  共同連の斎藤ですが、山井さんの今のご説明ですと、要するに議員立法には政府としては 何も関与できないということなので、今後も虐待防止法等を含めて議員立法というのがいろ いろ出てくる可能性というのはいっぱいあると思うんです。そうなると、推進会議の議論や 総合福祉部会の議論とは関係なくそういうものが進行していくということは、基本的にはこ こが政府機関である以上、止められないということになってくると、要は推進会議と民主党 の関係みたいなものがしっかりしないと、今の政調ですか、今後新しくできる、そこができ ないことには、幾らこれからきちんと情報提供しますと言っても、同じことが繰り返される 可能性は十分あるので、そこら辺、これから推進会議としてどのようにすることができるの かというところをちょっとお聞きしたいのですが。 ○東室長  こんにちは、担当室長の東です。皆さん、ご苦労さんです。  最初の野原さんのご質問もありますので、それも含めてしますか。どうしましょうか。そ れは後にしますか。  では、今の斎藤委員のご質問ですけれども、推進会議自体は、去年の12月に閣議決定で、 制度改革についての意見を推進本部に上げるということを目的として設置されております。 ですので、閣議決定上からいけば、私たちの推進会議並びにこの部会もそうですけれども、 推進本部に改革に当たっての意見を上げるということが第一義の任務といいますか、諮問さ れた事項であるわけです。ですので、この枠組みから言えば、議員立法についての意見をこ こから出す、各政党に対する要望をここから出すといったことまで求められているわけでは ないし、かつまた三権分立という基本的な枠組みの中で言えば、行政が最高の決議機関であ る国会の活動についていろいろ物を申すということは基本的にはできないというのが原則 だろうと思います。  しかしながら、“Nothing about us without us”というこのスローガンに基づいて、障 害者の権利条約では、障害当事者を初め関係者のあらゆる政策決定への参画ということがあ りますし、それを受けて閣議決定もなされたと考えるんです。ですから、仕組みの大枠、限 界というものは限界として、それはそれとして尊重しつつ、そうではない枠組みで何らかの ことができないのかと。例えば、前回のここでの要望書も、総合福祉部会一同という名前で 上げました。それを受けた推進会議も推進会議一同ということで要望書を上げたわけですけ れども、会議体そのものではなくて、ここに属されている委員の皆さんそれぞれが一堂に会 して議員立法にいろいろな意見を言う機会とか、そういうものはできると思うわけです。で すから、むしろこの部会とか推進会議というそのものではなくて、そこに属する個々の委員 の総体として議員立法とかということについて意見を言ったり、逆にここに属している人た ちの意見をそれぞれヒアリングしてもらうように働きかけるとか、そういうことは十分可能 ではないのかと思うところです。  しかも、議員立法というのは、どこかの一党だけでできるという話ではありません。です から、それは与野党を問わず、ひとしくここの構成員の意見をきちんと聞いてほしいといっ た形で働きかけるなどのことはできるのではないかと思っています。ですから、そこの切り 分けみたいなものをどうするのか。いろいろな工夫が要るかとは思うのですが、何らかの形 で皆さんの多くの意見が反映されるような、そういうことを検討し、工夫していく必要に今 迫られているんだろうと考えております。  抽象的な話で、具体的に、ではどうするのかということについては、まだ具体的な案を持 っているわけではありませんが、その辺については皆さん方の意見を踏まえつつ検討してい きたいなと思っているところです。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  推進会議もこの部会も、政府から頼まれて、政府の一つの組織に我々が入って検討してい るわけで、国会と政府の関係などがあるにしても、議員がそことの情報交流もないまま法案 をつくって、それに対して政府として全く何もできないということでは非常に困るなと。ど ういう仕組みがあったらいいのかということはよく分かりませんけれども、そういうことが あっては、一体我々は何のために検討しているのかということになってしまいますので、そ の辺を再び起こらないようにするためにどうしたらいいかということで、いろいろな関係者 が今努力しているということも聞いていますので、引き続き、我々の議論が尊重されるよう な仕組みをつくるために、いろいろ動いていきたいなと思います。  これ以降はスチールカメラの方は退室されます。ムービーカメラはそのままです。  委員の出欠状況と資料の確認について、事務局よりお願いいたします。 ○東室長  担当室の東です。  委員の出欠状況ですが、本日ご欠席の委員は、大久保委員、門川委員、北浦委員、中西委 員、野沢委員、福島委員の6名です。また、奈良県知事荒井委員の代理として杉田健康福祉 部長に、箕面市長倉田委員の代理として栗原市長政策室参与にご出席をいただいておりま す。総数49名でございます。  続きまして、資料の確認をさせていただきます。  まず会議次第、配席図がございます。  続きまして、資料1、「障がい者総合福祉法(仮称)の論点表(たたき台)」というもの があるかと思いますが、ご確認ください。  資料2として、「「障がい者総合福祉法(仮称)の論点表(たたき台)」に対する追加・ 訂正・削除意見」という少し厚めの100ページぐらいのものがあるかと思います。また、委 員からの追加意見としまして資料をお配りしております。  併せて、参考資料ということで1から4まであります。論点表に関する資料や、総合福祉 部会における議論に関する意見など、委員から提出があったものをお配りしております。  さらに参考資料5、6として、「全国障害児・者実態調査(仮称)に関するワーキンググ ループに関する資料」を配布しております。  それに加えて、資料番号はつけておりませんけれども、推進会議の第一次意見というもの が内閣府の封筒の中に入っていると思います。その中には概要版もつけております。  それと、自立支援法改正法案関係要望書、部会と推進会議のものが2枚入っていると思い ます。  それと、障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団と国との基本合意文書及び訴訟団から の要望書、これは第1回に既に配布したところではあるのですが、この部分だけを抜き出し て再度配布しております。  最後に、大濱委員からの追加意見書が上がっております。  以上ですが、お手元にありますでしょうか。ご確認をお願いします。 ○佐藤部会長  資料の不足でしょうか。 ○末光委員  ではなくて、先ほど室長のご説明に関してちょっと……。 ○佐藤部会長  はい、どうぞ。 ○末光委員  先ほど室長から、前回我々が3回検討した結果を推進会議にご報告いただいたと。それは この部会の一同ということで推進会議一同に対してお出しになったということでございま すので、この件につきまして、ぜひ今後の取り扱い、そして部会の委員の方々にお願いした い点がございます。  限られた日数の中で取りまとめていただいた委員の先生方には御礼を申し上げたいと思 いますが、ご承知のように、あの内容の中には相反する意見が同時に記載されております。 この部分につきましては、取りまとめの3ページ以下の各委員の意見についても十分配慮を お願いするということで、それぞれ委員の意見が違うということはある程度分かるようにな ってはおりますけれども、少なくとも私は、その文章の中に、3回の検討会で一度もそのこ とに触れていないものが推進会議への報告の中に突然挿入されているような印象を持った 内容があります。ぜひこのようなことはないようにしていただきたいと思っております。  具体的に申し上げますと、第2回と第3回のこの部会で、私ども日本重症児福祉協会は、 全国の重症児施設に現在入所を待機しておられる方が3,000人ないし5,000人おられると、数 字を上げてご説明申し上げました。さらに、本日はご欠席でありますけれども、全国重症心 身障害児(者)を守る会の北浦会長は、推進会議で、重症児施設へのNICUからの入所に 関わる部分で、障害者権利条約にのっとると人権侵害か否かについて多くの委員が人権侵害 に該当すると述べておられることに対して大変大きな衝撃、そしてご家族は不安を持ってお られる。そういうことから、既に8万6,000人に及ぶ署名を集められ、近々内閣府に提出さ れると伺っておりますし、そのようにこの場でも紹介されたところであります。そのような 背景があるにもかかわらず、14ページの上から4行目に、「重心施設については医療付きの ショートステイなどで対応するため新規施設は作らない」との文章が掲載されております。 この部分につきましては、少なくとも私はそのようなご発言をなさった委員はここにはおら れなかったと記憶いたしております。  特に今回のこの部会からの報告は「当面の課題」とされているわけであります。この内容 につきまして、私は将来的にこのような状況になることについては、ぜひもろ手を挙げて賛 成したいわけでありますけれども、「当面の課題」に「新規施設は作らない」ということを 明言されるということについては、納得がいきません。特に、入所を待ち望んでおられる大 都市圏のご高齢の家族にとっては大変衝撃的なことでございます。そういうことから、私は できれば修正をお願いしたいわけでありますけれども、それがかなわないとすれば、今後そ のようなことが二度とないような形での対応をぜひ委員の方々、そして取りまとめの方々に お願いを申し上げたいと思っております。  以上であります。 ○佐藤部会長  ただ今の意見は、6月7日付で「当面の課題」ということでまとめた十数ページの資料の 中に、重症心身障害の施設は新規にはつくらないといった表現があったけれども、いかがな ものかということだと思います。第2回、3回の部会でも議論して確認しましたように、「当 面の課題」については、文書で寄せられた意見と、それから当日の発言とを総合して、一部 矛盾があっても、対立する意見があっても、とりあえず意見として出されたものは、項目別 に整理して載せようということでやっていますので、当然、私はこれは賛成できないといっ たことも、たくさんというか、一部は含まれていたかと思います。本当に施設が要らないの かどうかということは、これからの新しい部会の議論の中で重要な論点だろうと思いますの で、そこできちんと事実に基づいて、障害当事者の願いに基づいて議論するということかと 思います。この後で東室長から、その当面の課題整理などの文書が推進会議から本部にどの ように渡って、どのように活用されるのかといったことについての近況の報告をいただきま すけれども、既に部会も離れていますので、一部修正といったことは難しいだろうと思いま す。ここを直せということになると、では私はほかのここのところを直してほしいといった 意見が出たりして、結局合意を得るのが非常に難しいだろうと思いますので、そういう処理 をさせていただきたいと思います。 ○末光委員  手続については了解させていただきました。あとは、我々55名の委員が相反する意見を当 然しっかり表明していいと思うわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、こ の部会で表明することなく、文章化のときに突然といったことは、ぜひなさらないで、民主 的な会議にするようにお願いしたいということでございます。そこまでにとどめさせていた だきます。 ○佐藤部会長  ありがとうございます。  どうぞ、藤岡委員。 ○藤岡委員  先ほど中身に触れられなかったので、今後この総合福祉部会の基本的に拠って立つところ の基本合意文書の意味づけについて誤解がないかということで、若干委員の皆さんの共通認 識にしたいと思って説明させていただきます。  1月7日の基本合意文書は、だれが拘束されるのかという点で、厚生労働省だけが拘束さ れるものではないということだけは共通認識をいただきたいということです。当初確かに、 基本合意文書をつくる際に、厚生労働省と訴訟団のという提案のときもあったのですが、そ れは絶対にのめないということで、あくまで契約当事者は国にしろということで、「国(厚 生労働省)」になったという経緯があります。これは、厚生労働省がこの問題について管轄 として責任を持つという内部的なものでありまして、厚生労働省という独立法人があるわけ ではありませんので、あくまで国家であるということ。1月7日の基本合意文書というのは、 国会議員も国会も内閣も含めての国家が拘束されている契約書であるということが第1点。  そして、1月7日の文書というのは、4月21日までに14の地方裁判所においてこの基本合 意文書全文が訴訟上の和解調書の中身に入って、第1条で確認されています。そこにおいて 契約をしているのは国家です。別に厚生労働大臣ではありません。裁判所では、千葉法務大 臣が法務大臣権限法に基づいて国家を代表して訴訟上の和解をしています。訴訟上の和解と いうのは判決と同一の効力があるというのはご承知のとおりだと思いますが、そういう意味 で、あくまでこの基本合意文書第2条以降をご覧いただければ分かりますように、違憲立法 審査権を問題にした訴訟ですので、違憲立法、すなわち立法府である国会がむしろ当事者と しての被告だったわけですから、むしろ国会とか国会議員こそが訴訟上の和解の当事者であ りますから、今回の問題というのは、議員立法だから基本合意と関係ないなどということは 断じて言えない問題であって、訴訟上の和解に拘束される国会議員と立法府であるという当 然のことは、少なくともここにいる委員全員は認識していないといけないと。内閣府の事務 局の方に言うという趣旨ではなくて、ああいう弁明について、おかしなところがあるという ことは、皆さん共通認識でいていただきたいということを一言申し上げます。 ○佐藤部会長  はい、ありがとうございました。政務官がおられるときに言いたかったということはよく 分かりました。本日の会議は……。どうぞ、藤井課長。 ○藤井課長  ちょっとそこは、政務官はいらっしゃらないといえども、私どもも事務方として申し上げ ずにそのまま通り過ぎるわけにはいきませんので、一言申し上げておきます。  もちろんここは基本合意の内容を議論する場ではないということは認識しておりますの で、とにかく申し上げるだけ申し上げておきたいと思いますけれども、厚生労働省としては、 この「国」というのが立法府も含めて国全体とは認識しておりません。それは、まさに藤岡 先生たちとの交渉の中で、これをどう表現するかというのは、実は私どもも議論しました。 私どもとしては、これは最後にぎりぎり「国」と書くということで「(厚生労働省)」と入 れたわけですけれども、この「国」というのはイコール厚生労働省でありまして、そもそも 政府の中でも財務省や総務省やほかの役所とこれをきちんと議論してつくったというもの ではない。ましてや立法府を含めて国全体といった認識は私どもはしておりません。ですか ら、そこがもしそうでないということであれば、この合意文書そのものを、実際に定期協議 などもあるわけですから、また改めて考え直すようなことも考えなければいけないと、今の ご発言は私どもはそのように受け止めますので、三役にはまたご報告いたしますけれども、 一言そこは申し上げさせておいていただきたいと思います。 ○佐藤部会長  今のお話は非常に難しい話ですので、とりあえず検証会議などでどのように整理するのか ということもあろうかと思いますので、今ここで議論するというのはちょっと…… ○藤岡委員  申し上げたい点はありますけれども、それを始めるとどんどん時間が過ぎるでしょうか ら、ここではやめておきます。また文章等でも書きます。 ○佐藤部会長  ありがとうございます。  本日の会議は16時までを予定しております。  なお、ご発言に際してのお願いがございます。毎回申し上げていることですけれども、ま ず発言をされたい方は、挙手もしくはその他の方法でお知らせいただいた上で、指名を受け て、その後、お名前を述べられてからご発言いただきたいと考えております。発言は、時間 がない中ではありますが、情報保障という観点から、なるべく簡潔にゆっくりとお願いした いと思います。  また、前回の総合福祉部会でご了解をいただきましたイエローカードのルールについてで す。それぞれの委員の皆様に配布しております。難しい言葉や外国の言葉が理解しやすいよ うに、そういう言葉が出た場合に支援者の方にイエローカードを出していただき、その際、 その言葉についてもう少しかみ砕いて委員の方に説明していただくということにしたいと 思いますので、よろしくお願いいたします。  そして、親会議といいますか、推進会議のほうでも確認されたことなんですけれども、情 報保障に関してお願いがございます。障害者の権利条約は障害に関連する制度・政策の決定 過程に障害団体が参画することを求めておりますが、そのためには会議の運営における情報 保障が図られなければなりません。つきましては、今後の資料の提出に関して、次のとおり お願いしたいと思います。  意見書は、一定の相手方に自らの意見を伝える手段ですので、漢字の理解が困難な人にル ビなしの文書や点訳化されない文書を送っても、その人に意思を伝える手段としては意味が ありません。そのため、毎回締め切りまでの期間が短くて恐縮ですが、期限を過ぎた場合は、 点訳の原稿の作成ができず、またルビあり文書の印刷もできなくなりますので、期限厳守で お願いいたします。また、期限を過ぎた場合は、情報保障の観点から、それぞれの委員にお いて資料のルビ振りと点訳版のご用意をお願いいたします。  また、会議資料について一つ提案があります。奈良崎委員と小田島委員から幾つか申出が ありました。一つは、意見照会の際に、期限が短く、意見の書き方も分からないというお申 出です。これについては、今後、意見照会の際には、つまり事務局・三役のほうから委員の 皆さんに意見を出していただく際には、意見様式には書き方の見本をつける、回答期間は10 日間を確保するということにします。  二つ目は、会議資料の内容が難しく分からないといったお申出についてですが、これにつ いては、今後、資料作成においては、短い文章にする、難しい用語には解説をつける、ルビ の文字は大きくして8ポイント以上として、漢字だけでなく片仮名にもつけるといった取り 扱いを皆さんにもご協力いただいて、これから運用していきたいと考えていますが、皆さん のご意見はいかがでしょうか。  この点については、奈良崎委員、小田島委員からもご説明いただくことにします。奈良崎 委員、いかがでしょうか。 ○奈良崎委員  ありがとうございました。先ほど佐藤部会長からいろいろ言ってもらえて、すごく私なり に分かりやすかったです。それで、皆さんに、その資料のことはお願いしたいと思います。  それでもう一つ、今この会議によって、皆さんにこうやって手を挙げてほしいのです。と いうのは、一応だれがしゃべっているのか、先ほどから私なりに理解ができないので、もし よかったら手だけでもいいので、この人がしゃべっているのだなとか。あとは皆さんにもう 一つお願いがあって、いつも私と小田島さんは、何ページ、何ページというんですが、レジ ュメどおりにしゃべっているのか、例えば今自分の声でしゃべっているのか分からないの で、もしよかったら、もしレジュメで話すのでしたら、ページの用紙で何ページをしゃべっ ていると言ってもらえると、ページを拾いながら見られるので、その辺をもし今日できたら やってもらえると、例えば自分の声だと言えば、そこで資料を読まなくていいのだと、同時 に二つはできないので、できれば一つずつ、その辺を今日やってもらえるとすごくうれしい ので、お願いします。  以上です。 ○佐藤部会長  小田島さん、いかがでしょうか。同じですか。 ○小田島委員  同じです。 ○佐藤部会長  委員の皆さんの手元にある資料のページ数と、奈良崎さんの手元の資料はルビ付きでしょ うか。 ○奈良崎委員  はい、ルビ付きです。 ○佐藤部会長  そうですか。そうすると、補助者の方が両方の資料を手元に置いて、ルビ付きのページ数 を探していただくような形に……。 ○奈良崎委員  佐藤部会長、違うんです。例えば、資料で読んでいるのか、それとも自分の声なのか分か らないと言ったんです。例えば、今1ページだったら、ルビ付きとかルビなしとかでなくて、 資料のままで読んでいるのか、それともさっきみたいに地声の声なのかで……。 ○尾上副部会長  副部会長の尾上です。ちょっと補足というか、先日、奈良崎さん、小田島さんと打ち合わ せというか、ご要望を聞かせていただいたので、そのときに聞いた内容をお伝えします。  私たちはともすれば、「私の資料の何ページにあります」と言って、それを読むのではな くて、説明をしてしまいます。そうすると、「何ページです」と言われるから、その資料を 読んでいるのかなと思っていたら、聞こえてくる言葉が違う。その両方を一遍にするという のは大変なんだと。だから、読むなら読む、それを読まずに言葉で説明するならするという ことをちゃんとはっきり、どちらであるかということを分かりやすく言ってほしいというこ とだったと思います。そういうことですね。 ○奈良崎委員  はい、そうです。 ○尾上副部会長  「この資料の何ページですけれども」と言って全然違うことをしゃべるというのはやめて くださいということです。 ○佐藤部会長  分かりました。資料のページ数のその部分を読んでいるのか、そのページの項目について 資料に書いてあることとは違うことを話しているのか、分かるようにしてくださいというこ とですね。ありがとうございました。  はい、小田島さん。 ○小田島委員  だから、一人が同じように話してくれれば分かるけれども、違う話になってしまうと、そ こから曲がって違う話になってしまうと、分からないと、彼女がそう言っていたので、僕も 同じだと思います。 ○佐藤部会長  資料のページ数の項目でしゃべり始めたのだけれども、いつの間にかほかの話に変わって いるという場合に、はっきりと区分けをしてほしいということ。 ○小田島委員  それ一本でずっとやってくれれば分かるけれども、ほかのに曲がってしまうと、ちょっと 分からなくなってしまう。 ○佐藤部会長  話のめり張りをきちんとつけて、どういう内容の話をするのかということをできるだけは っきりさせてほしいということかと思います。ありがとうございました。それでは、事務局 のほうでも心がけますけれども、委員の皆さんにもご協力をお願いしたいと思います。  それでは、議事に入らせていただきます。  今日の主な議事としては、これから1年ほどかけて新しい「総合福祉法」をつくっていく、 その議論をしていくわけですけれども、どういう項目でどういう柱立てで議論をしたらいい のか、その論点表というか、項目づくりをまずしましょうと。項目ごとの中身に入るのは7 月からやるとして、とりあえずは柱立て、項目、論点づくりを今日議論して確定して、7月 から本格的な議論ができるようにしたいというのが、今日のメインのテーマです。議論して いく中でこういう点も大事だということで新しい論点が出てくる可能性はありますけれど も、とりあえずこういう柱立てでいきましょうという、そのとりあえずの取り決めを今日で きればと思います。したがいまして、資料1の論点表のたたき台と、資料2、そのたたき台 に対して委員の皆さんが寄せてくださいましたいろいろな意見を並べたもの、この資料1と 2が主な今日の資料となります。  その前に、先ほども少し話が出ていましたけれども、親会議である推進会議における最近 の取組について、東室長からお話しいただきます。 ○東室長  東です。分かりますでしょうか。  ご存じのように、6月7日に推進会議のほうでは第一次意見というものをまとめておりま す。それにつきまして、今日は「内閣府」という表示が入っている袋の中に資料が入ってい るかと思います。文字を読むのは余り上手ではありませんので、私の口でしゃべります。見 られる方は、この中で概要版というものがありますので、これを見られても結構だと思いま す。  推進会議は、1月から始まりまして6月7日まで14回の議論をやってまいりました。制度 改革の基本的な枠組みの中で議論してまいりました。そして、その上でヒアリングをやって、 意見書をつくったという経過をたどっております。  その中で、基本的な考え方というものを5点ほど挙げさせていただいて、その上で、基礎 的な課題における改革の方向性、横断的課題における改革の基本的方向性、さらに個別分野 における基本的方向と今後の進め方という3つの枠組みの中で、改革に向けた今後のロード マップというものを示したという点が、第一次意見の特徴かと思っております。  その中で、特に横断的課題における改革の基本的方向性という中では、障害者基本法の抜 本改正、2番目に「障害を理由とする差別の禁止法」(仮称)等の制定、3番目に「障害者 総合福祉法」(仮称)の制定という3本柱を挙げております。  その中で、障害者基本法の抜本改正につきましては、条約を批准する、その受け皿的な性 格のものとして、言葉を換えて言えば、権利を保障するその受け皿として、性格を変えるべ きだといった議論もありまして、人権を保障するために各施策分野を書き直していくといっ たことがうたわれております。それとともに、推進会議の法的な裏づけとして、この制度改 革集中期間においては、この基本法改正の中において、意見具申だけではなくて、勧告権な ども持った機関にしていく。改革の集中期間が終われば、モニタリング期間に変える。そう いう仕組みを伴う改正を23年の国会に提出するということが書かれております。  2番目、「障害を理由とする差別の禁止法」等の制定ですが、これにつきましては25年に 法案提出といった方向で書いてあります。  3番目は、「障害者総合福祉法」の制定ですが、これをここで受け持っていただくという ことになっているわけです。期限としては、24年に法案を提出し、25年8月までに実施とい うことが書かれております。  これが横断的課題における改革の基本的方向性という部分ですが、その他、個別分野にお ける基本的方向と今後の進め方ということで、11の分野にわたって一定の改革の方向性と期 限を明示した形で、各省庁にこの改革の方向に従った検討をなすようにということで、意見 を上げている次第です。細かくはこの意見書をご覧になっていただければと思っておりま す。  これにつきましては、6月7日付をもって意見ができたということですが、これを推進本 部に上げるということが推進会議の基本的な任務でして、これを推進本部に上げるよういろ いろ調整しているわけですが、ご存じのようないろいろな状況がありまして、まだ第2回の 推進本部は開催されておりません。6月中をめどに推進本部を開催していただいて、その後 閣議決定をしていただくということで、今調整中ということになります。  これが第一次意見についての話ですが、この第一次意見の中に、総合福祉部会で話し合わ れた「当面の課題」についても尊重していただくようにということで文章が入っています。 ですので、この第一次意見書に「当面の課題」というものを添付して、本部のほうに提出す るということになろうかと思っております。  それと、先ほど質問がございました要望書の件につきましては、推進会議としても、この 部会からの要望書を受けて、基本的には同一の内容の要望書をつくりまして、それを6月11 日に官邸のほうに届けております。  以上が大体これまでの経緯ということです。どうもありがとうございます。 ○佐藤部会長  どうもありがとうございました。  ということで、次いで論点の議論に入るわけですけれども、論点の議論に入る前に、この 資料2のルビなしのほうでは12ページからが、具体的な論点についての意見、こういう項目 を追加してほしいなどの意見がずっと並んでおります。それより前のところ、1ページから 12ページの上のところまで、それから、このとじ込みにはないですけれども、個別に委員の 皆さんから出された意見の中で、論点の議論に入る前の前提として、こういう点をクリアに してほしい、こういう取組をしてほしいといった何点かのご意見がありました。例えば、こ れからどういうスケジュールでどういうロードマップで検討するのか、見通しを持ってほし いとか、共通する理解をまず持ってから論点の議論に入るべきだとか、いろいろな幾つかの ご意見がありましたので、そういう前提的なというか、総括的なことについてのご意見につ いて、三役のほうではどのように考えるかということをまず説明させていただきたいと思い ます。  その中の意見の一つに、基礎的な文献の学習会をやったほうがいいと。資料1の左上のと ころに4つの文書が掲げられています。障害者権利条約とか、基本合意文書とか、こういう ものを基本のベースに「総合福祉法」の在り方を議論するのであれば、これらの文書につい てのきちんとした学習も必要ではないかという意見もありました。それは大事なことだと三 役のほうでも考えまして、今日皆さんにお持ちいただいた資料の中で第3回の推進会議の議 事要録というものがあるかと思いますけれども、それに基づいて、推進会議、親会議のほう では2月15日の会議で「総合福祉法」はどうあるべきかというどんな議論がなされたのか、 それについて後で東室長から紹介していただくということもやろうと思います。7月、8月、 9月と順次、基本合意文書の学習などのミニ学習会をこの部会の中で取り入れてやっていく ということをしたいと思います。そういう第1回目のミニ学習会もやりつつ、それからロー ドマップとか、共通理解を進めるための取組などについてもちょっと議論していただいた上 で、この資料の12ページ以下の論点について、どのように論点の中に加えるのか、加えない のか、論点の表現を修正するのかといったことについて、基本的な対応の仕方、区分の仕方 について、尾上副部会長のほうから具体例なども含めて紹介していただいて、最終的な論点 表の完成は今日終わるまでにはできないと思いますけれども、その原則だけ確認していただ いて、あとは三役のほうにお任せいただいて、それに基づいて7月からの議論ができるよう にしたいと思っております。  その後、全国障害児・者実態調査(仮称)に関するワーキンググループの経過報告を簡単 にさせていただいて、さらに7月以降の日程について紹介して、今日は終了とするという進 め方をしたいと思います。と言っているところで大体1時間になってしまいましたので、こ こで15分間休憩して、2時15分から再開し、ロードマップなどをどうするのかとか、そうい う話とミニ学習会などから始めていきたいと思います。  では、15分間の休憩をお願いいたします。              〔休憩 14時00分〕              〔再開 14時16分〕 ○佐藤部会長  それでは再開いたします。  この資料2の最初の10ページほどの中にも、いろいろな方々が前提的なことということで 提案をされていますし、それから個別のばらの資料の中でも、幾つか共通理解をまず得てか らやったほうがいいとか、いろいろな意見が出されております。そういう意見の中で、分け ると、大体5つぐらいに分かれるかなと思います。1つは、ロードマップとか、小グループ での検討の場を設定するといった、これからの進め方に関わるご意見です。2番目に、条文 までつくるのか、どこまで部会としては提案をするのかということ。3番目に、学習会をや って共通認識を持ってから進めるべきではないかということ。4番目は、同じようなことで すけれども、ある程度の共通理解、あるべき姿のイメージを共有してから議論に入ったほう がいい。5番目は、用語の定義、基本的な用語について定義をはっきりさせた上で議論しな いとかみ合わないといったことかと思います。  それで、第1点目のロードマップ関係のことですけれども、いろいろな方々が提案してく ださっているわけですけれども、前にも三役のほうからもこんな考えもあるといった話はし たかと思いますけれども、多くの意見としては、いきなり小グループに分かれての検討に入 るのではなくて、ある程度部会で全体会での相互理解、共通認識を持った上で、途中から小 グループでの議論も併用する、より突っ込んだ詰めた議論は少人数でも調整するといった提 起をいただいています。三役のほうで話し合ったのですけれども、今日6月22日、6月まで は、検討すべき課題、項目、論点の整理の合意を得て、7月から9月にかけて、7、8、9 と3カ月かけて、部会であるべき方向性についての共通認識のできるだけ最大限の形成を図 ると、そのようにしてみたらどうだろうかと。  それから、7月、8月、9月、第5回と6回と7回の全体会で、1回につき2つか3つぐ らいのテーマ、分野に区分して、1つに1時間ぐらい時間をかけて意見を交流する。その際、 ほぼみんなの意見が一致しているようなところは余り発言しないで、意見が分かれていると ころを、その根拠、理由も含めて紹介し合って、あの人はこういう理由でこのように言って いるのかということのある程度の共通理解を図るといったことをやったらどうか。そのよう にすれば、1回で全部やるとなると、各分野について全員が1カ月の間に全部意見を提出し なければいけなくなりますけれども、3つぐらいに分けて、3回に分けて意見を皆さんから 文書でいただいて、資料として整理するといったことができるのかなと思います。意見提出 も3回に分けるということになろうかと思います。  そして、10月、11月、12月あるいは1月まで、ちょっと見通しがまだよく分かりませんけ れども、この辺りは、全体会、部会と小グループでの作業チームでの検討などを併用する。 個別テーマごとの作業チームによる検討と、その報告を部会が受けて、部会での若干の議論 をしながら、承認するといった取組ができればいいのではないかなと。その際、幾つぐらい のどういうテーマでの作業チームを設けるのか。この作業チームを設けるにしても、いきな り一斉に作業チームを走らせるのか、それとも、第1期が2カ月ぐらいにして、10月、11 月、第2期が12月、1月と、2つぐらいの時期に分けて、半分ぐらいの作業チームを第1期 で動かして、残りを第2期で動かすようにすれば、1人の委員が2つのテーマで詰めた議論 に参加することもできるということもあるし、一斉にやったほうがいいという意見もあるの かもしれませんけれども、そのようなことで、月1回の部会は1時から3時までとして、3 時半から5時までの1時間半ぐらいを作業チームで、会場を幾つかに分けて、マイクは使え ないですけれども、そういう作業の仕方をすれば、参加交通費などを余計にかけないで、部 会と作業チームの検討が予算的な大幅な増加をすることなしにできるのかもしれないとい ったことは話し合っているところです。  しかし、まだまだ部会の分け方とか、その部会にはこの55名以外の外の人たちも呼んで参 加してもらうのかどうかとか、座長は1人にするのか、3人ぐらいの複数座長制度で何かや っていくのか、通訳の保障とか、いろいろなものをどうするのか、まだまだ検討しなければ ならないことはたくさんあるわけですけれども、そんな全体会だけでなくて、詰めた議論の 場を並行して持つといったこともやって、1月、2月ぐらいにはある程度まとまった第一次 中間まとめのようなものをつくって、これを部会の外の人たちにも示して意見をいただく、 あるいはパブリックコメントのような形で広く国民から意見をいただいて、第2の作業に入 っていく。まだ先のことはよく分かりせんけれども、とりあえず年内くらいまではそんな形 で、3回の全体会と、それから3回〜4回くらいの全体会と作業グループの組み合わせとい ったことも一つの案ではないだろうかと思っているところです。  それから、この部会ではどこまで詳しく検討するのか、条文までつくるのかといったこと について、大久保委員からも意見が出されておりますし、藤岡委員は、条文までつくること を目標にするべきではないか、できたら政省令の基本的なことについてまできちんと責任を 持つということが必要なのではないかとも書かれているわけですけれども、私の考えでは、 法制度の基本的な内容を明らかにするということが部会の仕事ではないかなと。その報告書 をきちんと読めば、法律の条文を作成するプロの担当者が、法制度の中身が、あるいは基本 的な政省令が作成できるというくらいまで、考え方も含めてきちんと示すというものではな いかなと思います。条文づくりまで目指したいところなのですけれども、我々みんなが法律 作成の専門的な知識を持っているわけではないので、その程度を基本的な内容の確認という ところに目標を設定するのが現実的ではないかなと思います。これはやっていく中でどうな のかということで、また目標の水準が変わってくる、下げたり、上げたり、より抽象的なも のなのか、より具体的なものなのかという水準が変わってくる可能性はあるだろうと思いま す。  それから……。どうぞ。 ○藤岡委員  条文を全部何から何まで仮にできないとしても、例えば権利条約であれば、19条という重 要なもの、あるいは3条という重要なもの、核となる条文はあります。そういうもの、例え ば自立支援法を改正するつもりはないけれども、例えば19条であるとか、権利に非常に影響 する基本的な条文については、我々のイメージする条項案をつくっていくということは、で きないと初めから決めつけることはないのではないかと思いますので、できる部分はあって もいいのではないかと言わせていただきます。 ○佐藤部会長  法律のどの部分かによって大分違ってくるんだろうと思うんですけれども、今、藤岡委員 が言われたように、目的とか理念のところはほぼ我々で条文の形で何かつくるといったこと がかなり可能なのではないかなと思いますけれども、細かい手続のところなどになるとどこ までできるかという、部分によって大分違ってくるのかなという感じがしております。それ と、例えば、もし仮に利用者負担については応能負担がいいとなった場合、応能負担という ことだけを書いても、法律制度をつくるためには足りないわけで、負担能力というのはどの ように定義するのか、家族の負担能力まで見るのか、本人なのか、負担能力の中に財産みた いなものも含めるのか、収入だけにするのかとか、かなり細かいことまで我々のほうで、法 文をつくるかどうかは別として、概念というか、考え方の基本をしっかりしておかないと、 勝手な解釈をされても困るということがあるので、その辺の基本的な考え方を示すだけとい っても、相当詳しくないといけないのかなと。その辺、個々の条文ごとに、項目ごとに、ど の辺を標準、目標とするかということは、もうちょっと先になってみないとよく分からない のかなと思います。  ちょっと大久保さんと藤岡さんの問題提起の答えには全くなっていないのかもしれませ んけれども、またこの部会で作業していく中で、並行して恐らく厚労省のそういう法案作成 のノウハウをしっかり持っているような人たちにも相談したり協力してもらったりしなが ら、いずれにしろ政府が提案して国会に出る法律になるわけでしょうから、政府にも協力を いただくということをしながら、余り内閣法制局に丸投げでないような形のものをつくると いう作業なのかなと思ったりもしています。それで、またご意見をまとめて聞かせていただ ければと思います。  3番目に、学習会をやって共通認識を持った上で論点の議論に入ったらどうかということ で、権利条約などの基本文書の学習会、自立支援法の総括をする、あるいは目指すべき「総 合福祉法」の全体像の共通理解、それから政府の社会保障政策や財政状況などの共通認識を 持った上で部会での論点表に沿った議論を行うべきというご意見がありました。これら全て を学習して共通理解を持った上で作業するということはほとんど不可能なことだと思いま すけれども、この資料1の論点表たたき台の左上に書いてある4つの文書などについては、 簡単な学習をして共通理解を持って進めていく必要があるのではないかな、またそれも可能 なのではないかなと思いまして、後ほど東室長から第3回の推進会議の議事要録についての 紹介をしていただければと思っています。  それから、共通理解を持ってからという意見の中に、あるべき全体像についての共通理解、 ある程度みんなが納得できる枠組みを確立した上で、その枠の中で議論したほうが効率的で はないかといった意見が出されています。基本方針として、3つの基本方針、分かりやすい 法律、揺りかごから墓場までの支援、憲法上の人権の保障という3つを基本にしたらどうか といった意見なども提案されています。それで、多くの共通理解が既にあるのだろうと思い ますけれども、それでも少し詰めてみると、少なからぬ相違もまだあるので、ある程度共通 理解を文字にして、文章を確認した上で個別の論点へというやり方は、なかなかすぐにはで きないのではないか。むしろ、意見が違うということも含めて紹介し合って、その協議を通 じて共通理解に至っていくというのが現実的ではないだろうか。おおよその共通理解とはい っても、それ自体が相当結構難しいので、議論の前に共通理解をというのはなかなか現実的 ではないのではないかと思います。  その前提となる共通理解をというご意見の中には、日本の経済状態や納税者の視点、財源 などについての方向性を決めた上で議論に入るべきではないかということもありますけれ ども、これも、確かに財政事情とか国民の理解とかは非常に重要な点ではありますけれども、 これについてある程度の共通理解といっても、議論が相当時間を要するのではないかと思い ます。後から提案される論点の中には、財政事情とか、どのくらい予算を必要とするのかと いうことを検討するとか、そういう財政面についても論点として追加していますので、こう いう論点の一つとしてこれを意識するというくらいの対応しかできないのかな、それが現実 的ではないかなと思ったりもしています。  それから、前提的な事項の中の5番目として、これも大久保委員からのご提案だったと思 いますけれども、基本的な用語の定義を設けて、共通理解の基で議論ができるようにしたい ものだということですけれども、これも、文字にするとなると、細かい点の異論が出てきて、 とても合意を得るというのは難しいのかなと。そうした議論をしている間にすぐ2カ月ぐら いたってしまうということがあるのかなと思います。当面の課題を整理するだけで3回の部 会がかかったりということもありますので、なかなか難しいのかなと。しかし、論点に従っ た議論をしていく中で共通理解が出てきて、やがてできるだけ早い時期に、この言葉はこう いう意味だということで部会としての用語集のようなものをつくる。それによって多くの国 民的な理解を進めるといったことにも役に立つのかなとも思います。  そんな5点ほどを、論点の議論に入る前に、全体的なロードマップとか共通理解の先行を といったことに関して、三役のほうではこんな議論をしているところです。そういう方向で よろしいということであれば、皆さんから寄せられた論点、特にこの資料2の12ページの真 ん中辺以降のところに細かく寄せられたことに関して、これらの意見一つ一つについて、こ のようにしたいという個別の議論をしている時間はありませんけれども、こういう観点で区 分けをして、たたき台の改善をしていきたいといった基本的な方針を、尾上さんのほうから 紹介していただいて、皆さんの議論をいただくということにできればと思います。  いかがでしょうか。今の5点ほどで、大体……。では、小野委員、どうぞ。 ○小野委員  小野と申します。  今、佐藤先生のほうから今後の議論の進め方の提案をいただいた点で、個別の議論に入る 前に、全体の進め方のところで、先ほど学習会をという、これはぜひやったほうがいいので はないかなと僕は思います。今日出した資料の2ページに、僕のほうから出させていただい た今回の論点についての、まず前提条件の意見を出させていただきました。その中で2つ出 していて、一つは、直接この部会の課題にはならないんですけれども、「総合福祉法」を検 討する上で、その親というか、理念法になる基本法でどこまで定めるのか、どこまで幅のあ る法律になるのか、そこが非常に重要になってくる。障害の定義などもそこが重要になって くるので、そこは推進会議の役割になりますから、連携プレーで議論していくにしても、推 進会議は、権利条約を批准するという目標を立てて、そこを視点に議論していますから、総 合福祉部会の共通認識もそれをまずつくる必要があると思います。  それともう1点なんですが、確かに尾上さんがご苦労されて論点を出していただいたので すが、まずは権利条約に基づく基本合意を出発点に権利条約に基づく「総合福祉法」をつく ろうという方針になるのであれば、僕はこの自立支援法の様々な制度の延長線上で議論すべ きではないと考えています。先ほど少し話題になった自立支援法の今回の一部改正の法案な んですけれども、議員立法なのでお答えいただける方がいらっしゃらないので、今後の新法 を検討する上でもこの改正法案の中身は非常に重要だなと思うのでご紹介しますが、なぜあ れは24年施行なのかということをすごく疑問に思ったんです。もちろん、公布日から1年6 月以内という3段階、公布日、1年6月以内、そして24年。公布日に実施されるもので重要 なのは、発達障害を対象にしているものだけ。その法案は、実は2センチ8ミリぐらいの厚 さがあるのですが、ちょっと全部読んでみたんです。そうしましたら、24年の実施に関わっ てくるような事業者の管理業務規定とか、支給決定プロセスの見直し、相談支援体制の強化 などについては、どうも介護保険法の条文と似ている。事業者の管理業務については、ほと んど介護保険法の条文と似ている。支給決定プロセスや相談支援体制の強化のところもどう も似通っているなという感じがしました。なぜ平成24年実施なのか。つまり、思いついたん ですけれども、介護保険法の定時改正が24年、そこがゴールなのかなと。しかも、今のこの 4月から始まった非課税世帯無料化、これも自立支援法の施行令の見直しで実施されている わけですが、その負担軽減の期限は平成24年3月31日です。そこが一つの、平成24年4月と いうのは、そういう射程で今回の改正法案も出ているのかなと。これは今日確認できる方は いらっしゃらないので疑問でしかないのですが、そう考えると、自立支援法の障害程度区分 をどうしようかとか、あるいは支給決定の仕組みをどうしようかという議論からではなく て、全体で基本合意と権利条約を基本視点に新しい法律をつくろうというスタンスに立つな らば、まずはその権利条約の学習会や、あるいは自立支援法の総括、僕は批判的な総括とし ての議論をすべきだと思うんですが、そういう場を一回くぐるということはとても重要なこ とだと思います。 ○佐藤部会長  個別論点の議論に入る前の総合的なという点で、末光さん、お願いします。 ○末光委員  末光です。  3点目の学習会につきまして、この4項目にぜひ児童の権利条約の勉強を加えていただき たいと思います。特に、障害を持つ子供たちにとりましては、ご本人といわゆる保護義務者 との間の細かな部分での矛盾とか食い違いが十分考えられると思いますので、ぜひこれを加 えていただくことをお願いしたいと思います。 ○佐藤部会長  どうぞ、河崎委員。 ○河崎委員  河崎です。  これは、ちょっと部会長にお願い申し上げたいんですが、先ほど5点、非常に重要なお話 がございました。例えば、今後の具体的な進め方、あるいはどういう内容について審議して いくのか等という話でございましたが、どうしてそのようなことを紙ベースで私たちには与 えてもらえないんですか。口頭で説明をなされるのを必死に我々はメモをするだけで、全然、 部会長なり三役が今後どのようにお考えなのかということが手元に残らない。ちょっとこれ は不親切ではないかなと思いますので、今後よろしくご検討願いたいと思います。 ○佐藤部会長  はい、どうぞ。 ○西滝委員  全日本ろうあ連盟の西滝です。佐藤座長から、あるべき全体像ということで今お話があり ました。それに関してご意見を申し上げます。  一つは、権利条約ではっきり定義として、手話は言語であるということが入っております。 今も手話通訳のお世話になっておりますけれども、これが私は福祉の範囲に入るとは思って おりません。福祉の範囲というよりは、全ての生活に関連する支援と思っています。サービ スという言葉では言いたくないのですが、そういう作業だと思っております。同じ意味で、 移動支援の場合もありますけれども、これが福祉の範囲なのか、歩くこと自体が福祉という のかとなりますと、やはりそれは必要な人の生活全てに必要な支援だと思っております。初 めに提案されているのは、障害者の「総合福祉法」ということですが、福祉という言葉に手 話通訳はなじまないということをまず意見として申し上げたいと思いました。自立支援法に 手話通訳が入っておりますが、これは我々の意見を聞かないで進んでしまった。それで有料 という話になっていました。全ての基本が、生きること、話すこと、歩くこと、そういうこ とにあるということを踏まえた上で、全体像を考えてほしいと思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  どうぞ、小澤委員。 ○小澤委員  小澤です。  実は学習会ですけれども、私はそれはそれでいい提案だとは思うんですが、権利条約の議 論がかなり色濃く今出ているんですけれども、私の認識では、権利条約の話は抜本的に改正 される予定の障害者基本法の中できちんとやっていただいて、障害者基本法の下で「総合福 祉法」というのが、普通の流れでいうと理解しやすい流れだと思うんです。したがって、今 の西滝委員の手話の話にしても、それから小野委員もおっしゃっていましたけれども、基本 的には、障害者基本法の状況が見えるように、要するにそこが固まってもらわないと、こち らも議論が組み立てにくい。実は論点に対象とか目的とかといろいろ出てくるのですけれど も、基本的には障害者基本法の中でどういう対象と目的かという、この辺りが、タイムスケ ジュールを見ますと、平成23年度には法案を提出するなどと表に書いてあるのですから、当 然のことですが、もはや原案は近々登場するわけです。そこがかなり議論のスタートライン になっていくだろうと思うんです。だから、そこの学習会というのは極めて重要事項であっ て、その大本の権利条約まで戻ってしまいますと、かなり大変な作業になるのではないかな と思いました。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  野原委員、お願いします。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原です。  今、今後進めていく方向性というのがかなり具体的に示されたと思うんですけれども、一 つ部会長さんのほうの提案で、基本的には、福祉法の中身を我々が討議するということにつ いては、ぜひそういうことだろうと思います。財政の在り方とか、あるいはまたいろいろな 条文も含めてということになると、法的な表現については余りあれかもしれませんけれど も、こっちは力が足りないといったことがあるかもしれませんし、財政問題まで踏み込むと、 これは国の財政の基本に関わるお互いの問題意識というのは相当ばらばらだろうと思うん です。消費税まで踏み込むと、とてもばらばらで、とてもまとまることはできないといった 意味で、「総合福祉法」の中身に基本的には限定するような、考え方として、藤岡先生が言 われているように、基本的な概念規定はここでやるべきだろうと私も思いますけれども、そ ういうことで引くべきだろうと思います。  もう一つ、さっき言われたように、横断的なテーマとして、4つぐらいをテーマにして勉 強会をやるということになる。これ自身は必要なんだろうと私も思うんですけれども、横断 的、包括的なテーマと同時に、もう一つは個別的なテーマで、中間的なテーマというのに私 は必要なのかなと思うのは、今度でもかなり難病慢性疾患患者の問題というのは、福祉と医 療・保健関係の問題をどのように関連づけ、あるいはまた棲み分けするのかと。この問題と いうのは、現実的には地域で福祉サービスを受けながら暮らす上で切り離しがたく結びつい ているという問題が多いんです。同時に、これを全部福祉という概念で取り込むことはとて も不可能だろうと思います。どの辺のところを整理して、どの辺のところを統合的に考える のかという問題は、全体の横断的なものでないにしても、中間的な論点として、かなり大き な問題として出てくるのではないかと思うんです。そういう点で、そういう中間的なテーマ を少し設定していかないと、なかなか個別論議ができないという問題が出てくるのではない かと思いますので、ぜひひとつ三役の皆さんを中心に整理していただけるようにお願いでき ればありがたいと思います。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  斎藤委員。 ○斎藤委員  共同連の斎藤です。  先ほどのスケジュールみたいなものがある程度、今日初めて提示されたんですけれども、 聞いていて私は非常に不安になるというのか、要するにもう既に今日4回目なんです。4回 目なのに、まだ実質論議には何一つ入れていないわけなので、トータルに考えたら、16カ月 あるかないか分からないぐらいだと思うので、そのうちもう4分の1が今日で過ぎてしまう わけです。だから、本当にもっと大胆に一回一回きちんと前へ進めていかないと、ほとんど 煮詰まっていかないのではないかということを非常に懸念します。そういうことで、今日こ の計画が口頭でしか出なかったことに対して、先ほど要望が出ましたけれども、例えば次回 から2つ、3つの分野に分けて議論していくというなら、それは何をやるのかということを 今日バーンと提示して、これでいいですかと言うべきですし、10月以降小グループをつくる としたら、どんなグループをつくるかということも提案すべきだと思うんです。それではだ めだ、この分野も議論すべきだとか、こういうグループもつくるべきだとかという意見をこ こでみんなにもらって、もう今日でばちっとした今後の計画を立ててしまわないと、一回一 回またいろいろなことをぐちゃぐちゃ議論していたら、少しも進んでいかないという、その 辺を心配いたします。  ということで、先ほどとりあえず今年の分が計画として発表されましたけれども、一番私 が気になるのは、終点は何月なんだと、そこを明確にしていただきたい。最初は春から夏と いう言い方だったのが、今は夏以降という言い方に何か変わってきているし、要するに法律 を再来年の通常国会に出すとしたら、何月までにうちの提言がちゃんとできていないと法律 が間に合わないということなのかを明確にしていただいて、私たちは今後の議論をその何月 というところに必ずまとめ上げなければいけないのだということを強く自覚して今後やっ ていかないといけないと思うんです。ですから、中途半端な真ん中までの予定ではなくて、 そういうおしまいがどうだというところをきちんと出した計画をぜひとも提示していただ きたいと思います。ですから、今度の学習は何をやるかとか、またそういう議論を次から次 へやっていたのではどんどん延びていくから、早く決めてしまって、一つでも二つでも、文 句のある人が少々いてもいいじゃないですか。やることをぼんぼんやっていけば、前へ進む わけですから。  それで、もう1点だけ言いますと、私の要望の中で必要な調査というのを早く、これとこ れをやるんだということを提示してくださいと申し上げました。今後議論を進めていくとき に、それぞれの団体の勝手な思いだけで物を言っていてもしょうがないと思うので、今の自 立支援法下ではこういう状況である、だからここを変えなければいけないのだということが 明確にみんなに説得力を持って分かるような必要な調査。それは、既に当面の課題のときに も要望点が幾つか出たと思うんです。だから、その中で必要な調査は何かと、私もまだ要望 していないのですけれども、要望したい点もありますし、そういうことを含めて、ではこれ とこれは早くやってしまって、調査でなくても資料を集めれば分かることもありますでしょ うし、それは何かということ。それがみんなの議論の一つの元にもなるわけですから。だか ら、そういう今後1年ぐらいの議論の中でどう進めていくかということと、そのために何を 具体的にやるかということ、そのために何が必要か、その全てをバーンとした計画書で提示 するということが今一番大事ではないかと思います。 ○佐藤部会長  宮田委員、お願いします。 ○宮田委員  宮田です。小部会の設置ということについてお願いしたいと思います。  障害のある子供のこれからの支援ということについて、第一次意見でも、児童の一般施策 の中へ取り入れていくという意見が出されています。その流れでは、児童福祉法が射程に入 ってくるのだろうと思うんですけれども、逆に「総合福祉法」の論議をしている総合福祉部 会の中では今後、児童・障害のある子供たちの論議が縮小されていく危険性も感じます。ま た、委員の中にも子供関係の先生方は少ない。この「総合福祉法」の目標の一つは、谷間の 障害をつくらないと言われているわけですが、今まで障害のある子供たちは、児童福祉施策 と障害福祉施策の谷間に落ち込んで、うまく支援されてこなかったといううらみがある。そ ういった意味でも一般の小部会とは性格を異にすると思います。できるだけ早急に児童・障 害のある子供たちへの支援をどうするのか、部会を新たにつくるのか、もしくは児童家庭局 も含めて違った議論の場を設けるのかというところをはっきりしていただきたいと思いま す。 ○佐藤部会長  いろいろな意見をいただきました。ちょっとここで、どのように考えたらいいかというこ とを部会長としてお答えしたいと思います。  学習会については、余り時間をかけないで、基本的なことはきちんと共通理解のためにも やったほうがいいということで、基本法が非常に重要ではないかということとか、障害者権 利条約と併せて児童の権利条約も大事だといった意見があり、今後の学習会にそれらの意見 を生かしていきたいなと思います。  それから、まだまだ介護保険との統合を計画している勢力もあるのではないか、権利条約 や基本合意というものの在り方をきちんと踏まえる必要があるという部分に関しては、法律 の理念・目的・範囲とか、介護保険との関係について幾つか、たたき台の中ではIの中でも 検討がありますので、この辺のところでしっかり踏まえていく必要があろうかなと思いま す。  紙に書いて出すべきだということで、前にも似たような指摘をしていただきながら、また 今回もそれができなかったので、大変申しわけないんですけれども、これからは月1回のペ ースということがかなり定着すると、もうちょっと時間的なゆとりが出てくるのかなと思い ます。今回は、15日にいただいた意見を18日ぐらいに整理して皆さんにお配りする。それを 基にして、こちらの提案をもうちょっとした文書にできればよかったのですけれども、点字 とか、そういうものの資料の時間的な必要性などもあったりして、結局は紙に書けないで口 頭の報告になってしまったということで、情報の保障というか、きちんとした保障のために、 これからはきちんと工夫していきたいなと思います。  西滝委員からの提起で、実はこのたたき台の資料1のAの法の理念・目的・範囲の4、法 の守備範囲、「総合福祉法」の守備範囲をどう考えるか、福祉サービス以外の、医療、労働 分野、また、障害児の分野との棲み分けと連携をどう考えるか。これとの関係で、コミュニ ケーションの保障とか、今言われたような移動の支援というのは福祉として扱っていいのか どうなのかということも含めて、この辺は相当議論する必要があろうかなと。この部会の基 本的な方針として、これまで何でも福祉でやるということがあったけれども、それは適切で はないという結論になったとしても、今、自立支援法などで福祉の枠の中でやっているもの ですので、基本的にはこの部会でも、その在り方を検討して、情報保障の在り方を検討し、 就労支援の在り方を検討し、医療費の公費負担についても検討して、しかしその内容は「総 合福祉法」の中でやるべきか、ほかの独立した法律にするべきか、ほかの制度との調整を図 るべきかといったことについては、また提案の仕方はいろいろな選択肢があり得るのではな いかなと思います。障害児福祉は児童福祉法でという方向に親会議の推進会議のほうではな っているわけですけれども、だからといって総合福祉部会では障害児の問題を検討しないの ではなくて、ここである程度、できるだけきちんとした検討をしながら、必要に応じて、さ らに推進会議でほかの委員も含めて検討するべきだとか、内容も含めてそういう提言をする といった取組になるのかなと思います。そういう点では、労働、医療、障害児など、全体会 でも、それから小グループの作業チームとしても、きちんと検討する必要がある課題ではな いかなと思います。  斎藤委員からの調査についても、今のところ、この後で報告しますけれども、実態調査ワ ーキンググループの基本的な役割は、在宅障害者の調査に限定せざるを得ないだろう。しか し、施設入所者・入院患者たちにはどんな支援が必要なのかということについて、この部会 の検討の中でも非常に重要なので、既存の調査にはどういうものがあるのか、新たな調査が 必要なこと、ニーズ調査などが必要なのかどうかをこの部会でも検討して、必要であれば、 先ほどの作業チームとは別に、個別ニーズ調査を検討する作業チームを設けて、既存のデー タの収集などから始めていくといったことも必要なのではないかなと思っています。  デッドラインは、2013年8月の実施、2012年の通常国会への「総合福祉法」の提案という ことだけは決まっています。それで、かなり詰めた議論ができて、法律を作成するのにほと んど時間がかからないということであれば、秋でいいのだろうし、我々素人がつくった法案 のコンセプトだけではとても内閣法制局での作業などに時間がかかり過ぎるということで あれば、夏ぐらいまでに出していただいて、通常国会に間に合わせるような十分な時間が欲 しいというのが、事務局の考えではないかと思います。 ○斎藤委員  8月ですか。 ○佐藤部会長  その辺は夏ぐらいということしか聞いていないのですけれども、ちょっと詰めて、もうち ょっとしっかり詰めたタイムテーブルを考えたいと思いますけれども、いずれにしろ、合意 形成の全体会と小グループの検討と、その辺を組み合わせていこうという年末ぐらいまでし か、ある程度の議論が三役の中でもできないでいる。その後、そこでどこまでできてきたの かということに従って、1月以降の計画は秋以降また考えるという感じかなと思っていま す。2011年8月がめどだというメモが今回ってきましたけれども、あと1年ちょっとぐらい しかなくなっているのかなと思いますけれども、もうちょっと、なぜそうなのか、どういう 理由なのかということを聞いた上で、今後のより詳しいタイムテーブルをつくって、また報 告することができればなと思います。  運営上について、まだまだいろいろな意見があるかと思いますけれども、今日のメーンが、 一応の新法づくりの項目についてある程度合意を得るということですので、学習会も、2月 の推進会議での内容の確認を10分ぐらいとってやりたいので、山本委員から手が挙がりまし たけれども、またおいおい発言していただければと思います。申しわけありません。  そうしましたら、今日の新たな配布資料ではないですけれども、第1回の部会で配布した つづりの資料の中で、第3回推進会議議事要録ですか、そういうタイトルになっている文書 があったと思いますけれども、それに基づいて、そのポイントを東室長のほうから紹介して いただくということでお願いしたいと思います。 ○東室長  担当室の東です。既に配布された資料なんですが、障がい者制度改革推進会議総合福祉部 会第2回という中での参考資料というものを今日お持ちでしょうか。それの中で参考資料1 というのが、第3回障がい者制度改革推進会議における「総合福祉法」についての議事要録 になっております。これについて、学習会というよりも、どのようなことが書いてあるのか、 ご説明というだけでしかないと思いますけれども、10分ほどいただいて大体の概要を説明し たいと思います。  推進会議は、何度も言っておりますけれども、権利条約の批准という観点から国内法制度 を見直していくということが大きな目的の一つになっております。「総合福祉法」で担当す べき部分というのは、権利条約で言うと、大きく言えば19条、地域社会で生活するという辺 りの条文なんです。それで、ここでは主に権利条約的な観点から、1から9までの柱立ての 中で議論をいただいております。項目としては、最初に「地域社会で生活する権利」という ものを挙げて、次に「自立の概念」、3番目に「障害の定義、適用範囲」、4番目に「法定 サービスメニュー」、5番目に「支給決定プロセス」、6番目に「地域移行」、7番目に「利 用者負担」、8番目に「医療支援」、9番目に「その他」という9本の柱を立てております。  最初の「地域社会で生活する権利」ということにつきましては、これを法律上、権利条約 から法律に落として法律に明記することが必要だということについて、これはほぼ全員共通 した意見が挙がっておりました。ただ、もう少し言いますと、単に権利を明記したからとい ってサービスが十分に受けられるということにはなりませんので、その実現のための手続と か救済に関する規定が必要だといったご意見もございました。  次に、自立の概念です。自己決定と自立とをどのように考えるのか、細かく言えばいろい ろな議論がありましたけれども、大ざっぱに言えば、支援を受けるということと自立という 問題は必ずしも矛盾する問題ではないんだと。支援を受けながら、それを前提に自己決定を していくということが大事だろうと。この点については、大きく言えば、異論はないという ところだと思います。  次に「障害の定義、適用範囲」です。ご存じのように、自立支援法では、制度の谷間に残 された障害ということで、発達障害とか高次脳機能障害とか難病とか、いろいろ言われてき ました。ところが、権利条約では、あらゆるという形で、全ての障害を持つ人を対象にして おります。そういう点からいっても、こういう制度の谷間はなくしていくべきだというのが 結論だと思います。もちろん障害のとらえ方自体は社会モデルを踏まえたものにすべきだと いった考え方が多かったのですが、ICFとか、その他の考えもございました。  次に「法定サービスメニュー」ということで挙げさせていただいておりますが、そういう 自立という点からいって、それを支えるためのメニューとして、現行のサービスメニューで 足りるのかというのが前提です。これについては、現行規定にない様々なサービスメニュー が挙がっております。詳しくは読まれてみるとお分かりだと思いますが、例えば教育におけ る通学や就学時の支援、労働における通勤や職場介助、ジョブコーチ、家庭生活における子 育て支援、政治参加における支援、病気、入院における支援、コミュニケーション保障の一 環としての支援、施設から地域へ移行するための支援、権利擁護に関する支援、知的障害に 応じた見守り、声かけ、理解を容易にすることなどの支援、精神障害に応じた24時間緊急相 談といった支援、全身性障害者の24時間介護サービス体制の構築などなど、いろいろなもの が挙がっておりました。  そういう個々具体的に挙がっている部分については現行法では不十分だということだと 思います。また現行法のシステムとしては、給付の内容として、自立支援給付と地域生活支 援事業の区分け、この2本立ての中で行われているわけですけれども、そもそもこういう区 分けが必要なのかという議論もございました。一方で義務的経費、一方で裁量的経費、もう 少し違った側面で言えば、一方は一応受給権という個別給付になっておりますけれども、片 方は受給権でさえない。事業の反射的効果という形でサービスを受け取る。そういう2つの 仕組みが必要なのかということにつきましては、多くは、このような区別を設ける必要はな いといった議論がなされました。ただ、コミュニケーション支援事業などにつきましては、 個人を対象とするよりも集団を対象とするような性格もある。そういう面からいって、個別 給付になじまない点はそれなりの考慮が必要だという議論もございました。  それと、法定メニューが障害者の生活構造に沿ったようなものになっているかどうか、非 常に縦割りで複雑化しているということにつきましては、生活構造やニーズに沿ってシンプ ルかつ切れ目のないサービスに再編すべきであるとか、目的・機能により体系化し直すべき であるとか、障害の種類や程度に関わりなく必要なサービスというものと、障害の特性に応 じて必要となるサービスの2種類に分けて考えるべきであるとか、結構ここでも様々な提案 がなされております。  それと、自己決定のところでも問題になりましたけれども、自己決定支援ということにつ いてどう考えるかということです。現行の成年後見制度は、ご存じのように、他人が決定す るという代行システムをとっているわけですけれども、決定することについての支援という ものが現行では余りないわけです。そういう現状もありまして、自己決定支援に向けたサー ビスというものをきちんと考えるべきだろうというご意見が多かったと思います。  次に「支給決定プロセス」です。ここでは障害程度区分を前提に現行の支給決定のプロセ スがあるわけですけれども、そもそもニーズをどこで把握するかということを最初に議論し ていただきました。現行制度では、医学モデル的な、日常生活動作的な、そこをベースにし た判定項目があって、それに基づいて区分するという形になっておりますけれども、それだ けではなくて、要するに本人の障害の種類とか程度だけではなくて、その上に本人の選択と か自己決定、そしてその本人が選んだ環境における障壁といいますか、こういう3点が基本 的な視点として挙げられるし、それの相互作用といった面で判断すべきだということについ て、大方、力点は違うものの、大体そのような要素が判断の要素となるということが議論の 前提として置かれて、その上で、現行の障害程度区分は、そういう特に本人の選択とか自己 決定、社会的障壁というものが余り含まれていないという指摘の上で、現行の障害程度区分 については廃止すべきだという見解が大多数でございました。  ではそれに代わってどういう支給決定の仕組みをつくるかということにつきましては、協 議・調整というやり方の提案がありますが、一定の必要な支援を判定する客観的な基準が必 要だといった意見もあります。ここでは議論がきちんと煮詰まったという状況ではありませ んが、いずれにしろ、さっきの3つぐらいの要素を前提に、それがうまく調整できるような 仕組みというものが求められていると思います。  次に、支給決定のプロセスにおいて、本人支援、セルフマネジメント・本人中心計画と相 談支援機関の役割についてどう考えるかということで、ここではセルフマネジメントを中心 に考えるべきとか、ケアマネジメントを中心に考えるべきとか、力点に違いはありましたけ れども、要は本人にとってどういう支援がいいのかということが問題だと、その点について の大枠の意見は一致していたのではないかなという感じはします。  それと、現行においても、支給決定された後、不服であれば異議申立ができるけれども、 実際、効果を上げていないのではないかという多数意見がございました。ですので、もう少 し利用者本位の異議申立手続というものが必要だということにつながっていくのかなと思 っております。  次に6番目として「地域移行」です。これについては、権利条約が施設から地域生活へと いう大きなパラダイムのシフトを念頭に置いてつくられた条項であるということも念頭に 置くと、まず、特に重度の人たちが地域で生活するためには、24時間の介護体制が構築され なければならないのではないかという論点につきましては、ほとんどの人が必要だというこ とを答えられておられます。  次に、地域移行について、期限を定めたプログラムというものが必要かどうかということ については、13名のうち9名ぐらいの方は、地域移行に向けたプログラムの法定化が必要だ ということでしたが、若干、一律の取扱いは妥当性を欠くとか、試行事業を経るべきだとい った意見もございました。ただ、いずれも法定化の方向性を否定するようなご意見ではござ いませんでした。  そして、そのことを実効性あらしめるためには、地域移行支援の法定化というものが必要 ではないのかということですが、これについても、地域移行支援の法定化が必要だという意 見がほとんどだったと思います。  次に「利用者負担」です。この点につきましては、応益負担は廃止すべきということにつ いては全員同趣旨だということでしたが、では実際に応能となった場合に、無償から負担あ りというところまでの中で、具体的にどのような新基準を設定するかについては、そこまで の議論はできなかったというところです。ですので、医療負担につきましても同様だと思い ますが、ここでその点はきちんと議論していただきたいところです。  次に「医療支援」です。この点につきましては、現状における様々な問題点が出されてお ります。それで、医療制度全般の改革の中で障害者の医療制度も議論すべきだというご提案 などがあったと思っております。  この「医療支援」につきましてもそうですけれども、「その他」の中で、医療と福祉、教 育と福祉、教育と労働など、本来異なる法体系の中に障害者問題が位置づけられていて、そ こをどう考えるのか。きちんと本来の姿に戻していくべきではないかとか、そういう議論が 前提として必要であるということが言われておりますけれども、それについての細かい議論 まではなされていない。問題提起されたという段階であります。  それと、「その他」では、国庫負担基準の問題については、廃止ないし見直しを求める意 見が大半でした。あとは、財政負担の強化、地域間格差をどうするかということが議論とし て出てきていたと思います。  若干時間をとり過ぎましたけれども、以上です。どうもありがとうございました。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  再開してから1時間過ぎていますので、いろいろ質問したいこともあろうかと思いますけ れども、東室長は推進会議の推進室事務局の側ですけれども、推進会議のメンバーにはこの 部会のメンバーを兼ねている人もたくさんいますので、何か聞きたいことがあったら休憩時 間中にでも聞いていただくということにして、12分ぐらいしか時間がないですけれども、3 時35分まで休憩をして、残り、4時までに終わりそうにないですけれども、できるだけ延長 としては30分ぐらいの延長で終わりにできればと思いますので、ご協力をお願いします。35 分まで休憩にさせてください。              〔休憩 15時22分〕              〔再開 15時35分〕 ○佐藤部会長  それでは再開いたします。  今3時35分です。それで、申しわけないんですけれども、4時半まで30分延長ということ で、予定を立てさせていただきたいと思います。それで、実態調査のワーキンググループの 報告とか、今後の予定の紹介とかがありますので、4時15分までこの論点の在り方について の議論ということで、4時15分までにこのテーマはおしまいにできればと思いますので、で きるだけご協力をお願いしたいと思います。  それでは、皆さんからいただいたこのたたき台に対するいろいろな意見をどのように新し い正式な最終的な論点表に盛り込んでいくかということについての尾上さんからの報告を お願いしたいと思います。 ○尾上副部会長  尾上です。  先ほどに続いて口頭での報告になることをまずお詫びいたします。  実際の具体的な修正をした論点表については、次回7月27日の部会でそれを使って議論を 始めますので、先ほどの奈良崎さんや小田島さんからの要請がありました、10日間ぐらいは 検討する時間が欲しいということと、その検討いただいた意見を基に、皆さんからの意見の 点字化等の作業が要りますので、7月10日ぐらいまでに今日の議論を受けたたたき台を正式 な論点表としてお示しした上で、7月20日ぐらいまでに皆さんからご意見をいただく。7月 10日にお示しして、7月20日までに意見を返してもらうというスケジュールをまず提案して おきたいと思います。その際、先ほど佐藤部会長から口頭で提案のありましたロードマップ と言われるもの、すなわち7月、8月、9月、向こう3カ月間、この部会としての共通認識 を形づくるための全体討議をしていき、そしてさらに10月からは、名称は未定ですけれども、 作業グループとか分科会という言い方がありますけれども、とりあえず作業グループでの議 論を全体会と並行して進めていくといったこと、そして遅くとも来年の8月までにはまとめ 上げなければいけないということで、もう少しスケジュール的なところも整理したものをお 示ししたいと思います。  それをちょっと前置きした上で、今日、このたたき台、6月9日時点のものに対して、本 当にたくさんの意見をいただきました。もともとの意見は私どもが三役のほうでまとめた論 点表の案の段階でも80項目ぐらい既にあったかと思っているのですが、これを全部加えると 多分300項目ぐらいになるかなという感じがしておりますので、このような形で基本視点で 整理させていただければと思って、三役で手分けして作業をいたしました。  一つは、膨大な意見のうち、私ども三役のほうで提示した論点に対する、論点の在り方と いうよりは、結構その中で議論していくべきことがたくさん書かれていたかなと思っていま す。それはむしろ、先ほどの、これからこの分野について意見をくださいというところで書 き加えていただけたらと思います。あと、この部分はぜひともという各委員からの追加の論 点というのは当然あるわけなんですが、その部分については、各項目に「その他」というと ころがあります。これは親会議、推進会議のほうでもそうだったのですが、東室長さんから 示していただいた百何項目かにおさまり切らない部分は「その他」で書いていただくという 形にしていましたので、同じように、これから向こう3回の議論のときに、委員からの意見 を募るときに、さらに不足している論点といったところについては、それぞれの委員から意 見として書き加えていただいたらいいかなと。その際、こういう論点を入れるべきだという ことではなくて、この論点についてこう考えるということで、意見も含めてお示しいただけ ればと思っています。  その上で、何点か、新たに論点の追加なり、論点に加えて議論すべきものということにつ いて、例えば、皆さんの数字で言いますと12ページでありますけれども、ルビ付き版ですと 23ページになるかと思います。これは資料のほうを読みます。「藤岡委員、A−0−1とし て、論点:「法の名称」を追加」という、これは藤岡さんの意見なんです。そういう意見が ありました。確かに「総合福祉法(仮称)」というままでずっと議論されてきていますので、 もちろんその「総合福祉法」の中身の議論が一番肝心ではあるのですが、一方で、名は体を あらわすといいますか、当然、名称も重要な論点になるなということで、例えばこういった 論点はつけ加えたらどうかなということで、三役で話し合ってまいりました。ちょっと後で、 口頭で申しわけないですけれども、幾つかお示しいたしたいと思います。  もう一つは、このいただいた意見をずっと何度も何度も読ませていただいた中で、いわゆ る「総合福祉法」本体といいますか、自立支援法をそのまま引き継ぐとかという意味ではな いんですが、少なくとも自立支援法を廃止して、それに代わるという「総合福祉法」のイメ ージがあると思うんですが、それと密接に関連する分野、そこの議論についても意見が結構 たくさんありました。いずれも重要な議論です。それらは医療あるいは労働あるいは障害児 といったテーマに関して、当然「総合福祉法」から見たときの障害児支援の在り方や「総合 福祉法」から見たときの労働との関係といったことは当然議論になるわけなんですが、そも そも、では労働といった分野での障害者の働くことの支援はどうあるべきか、それと「総合 福祉法」の関係はどうかという、そちらの労働側から見た場合の問題を当然議論しなければ ならないんですが、その場合、こちらの総合福祉部会というのは、政府組織的で言えば、い わゆる障害保健福祉部マターのようなものが中心になってしまいますので、どうしても物足 りない議論になりがちだと思うんです。そうならないためにも、推進会議本体も含めた検討 体制が必要なのかなと思ったりしています。ここら辺、東室長さんあるいは推進会議の皆さ んなどとも相談しながらですが、医療・労働・障害児のテーマについては、この「総合福祉 法」の中のメンバーと、例えば推進会議で言えば、労働は作業グループをちゃんとつくるべ きだという話が推進会議のほうで出ています。そちらの労働の作業グループのメンバーとの 合同チームのようなものも要るのかなと思ったりします。そういったことも含めて、もう一 度申しますと、とりわけ近接領域、非常に密接に関連する領域である医療や労働あるいは障 害児のテーマについては、検討の仕方も含めて改めて提案させていただきたいと思います。 したがって、障害児の分野や医療や労働そのものについての論点追加ということは今回して おりません。むしろ、「総合福祉法」から見たときに、各委員の皆さんから先ほど言いまし た「その他」というところで追加の論点で意見を出していただければと思っています。  それと、教育や所得保障ももちろん重要なテーマなんですが、これはそもそも推進会議で も今後検討していく、あるいは障害者基本法との関係で教育のテーマを今後も引き続き検討 していくということになっておりますので、こちらのほうは基本的には推進会議で引き続き 議論していただくという形の整理でどうかと三役では考えています。  ちょっと基本視点の説明が長くなりましたが、その上で、基本的にできるだけ最小限の修 正にとどめた上で、7月からの議論といいますか、まずは議論を始めなければどうしようも ないと思っていますので、議論を進めさせていただければと思っていますが、その上で、ど ういった点を追加で考えているかということを、これはもう一度言いますが、改めて文書で お示ししますけれども、昨日の深夜まで三役でずっとメールでやりとりしていたものなので 文書で配られていないので、今ちょっと口頭で申し上げます。  A−1の前というところになりますけれども、「法の名称についてどう考えるか」という 論点。  その次、場所はまたいろいろといじっているうちに若干番号が変わったりするかも分かり ませんが、今のA−1の「誰の何のため」の次の2つ目の論点として、「憲法や障害者基本 法などと「総合福祉法」との関係をどう考えるか」ということです。  その次、A−2の「理念規定」の3)ということになるかと思いますが、「障害者の自立 の概念をどうとらえるか。その際、家族への依存と言われる問題をどう考えるか」というこ とです。  その次、A−4の「法の守備範囲」というところです。A−4−1)ということになりま すが、ここは若干加筆修正です。「「総合福祉法」の守備範囲をどう考えるか。福祉サービ ス以外の、医療、労働分野、また、」、高齢者を多数の人が意見を出しておられましたので、 「障害児・高齢者の分野との棲み分けと連携」となっていたのですが、こう書くと縦割りの ような印象があるというご指摘もあったので、「機能分担や制度の谷間を生まない連携につ いて、推進会議の方向性に沿った形でどう進めていくか」。もう一度申し上げます。4−1) の後のほうの文章ですが、「福祉サービス以外の、医療、労働分野、また、障害児・高齢者 の分野との機能分担や、制度の谷間を生まない連携について、推進会議の方向性に沿った形 でどう進めていくか」ということです。  A−4−2)ですが、ここは「身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、 児童福祉法等」となっていたのですけれども、ご指摘として、発達障害者支援法であったり、 あるいは介護保険法であったり、難病の要綱であったりといった、いわば他制度との関係が 要るんだということで、たくさんのご指摘がありました。ただ、それを全部挙げていくとい うのは余り生産的ではないので、「児童福祉法その他の既存の法律」、「その他」という形 で、この4つだけというよりは「その他」ということをちょっとつけ加えました。  その次、Cの「支給決定」というところですけれども、何人かの方からご意見をいただい た、「支給決定」というタイトルを、障害当事者から見たら選択と決定ということになるだ ろうということで、「選択と決定」というタイトルにさせていただきました。  それと、C−1−1)、「本人が必要とする支援を受けた自己選択、自己決定の尊重」と いうのは、前の推進会議の素案の段階の文章を引っ張ってきましたので、最終の意見書では ちょっと表現が変わっています。ここの部分をこのように変えました。推進会議の意見書を そのまま引用して、「必要な支援を受けながら、自らの決定・選択に基づき、社会のあらゆ る分野の活動に参加・参画する」ことを実現していくためにはどういう支援が必要か、そう いう表現に変えました。  C−2−2)、「支給決定に当たって自治体担当者のソーシャルワーク機能をどう強化す るか」というご意見がありました。これはここではなくて後の3の「支給決定プロセス」の ほうではないかということで、現在のC−2−2)をC−3−3)、新しく3)という感じ で入れたいと思います。これは場所を移すだけです。  ごめんなさい、一つ飛ばしてしまいました。C−1−4)のところなんですが、相談支援 に関して、地域移行に関わっての相談支援といった書き方になっていたのですが、それだけ ではないというご指摘がありましたので、「地域生活支援、施設・病院からの地域移行や地 域生活支援の充実を進めていく上で」と、「地域生活支援の充実」をつけ加えようというこ とになりました。  あと、C−2の現行の3)ですけれども、「「障害程度区分」と連動している国庫負担基 準」のところが、ご指摘がありまして、国庫負担基準だけではなくて、支援の必要度及び報 酬と国家負担基準について連動しているということなので、もう一度申し上げますと、「「障 害程度区分」と連動している支援の必要度及び報酬と国庫負担基準についてどう考えるか」 としました。  さらにC−3−3)で不服審査機関の件がありますが、その後半の文章で、「どのような 仕組みが必要と考えられるか」と書いているのですが、「どのような不服審査やアドボカシ ーの仕組みが必要と考えられるか」と、アドボカシーということの重要性をちゃんとここで 議論すべきだということ、これも複数の方から意見がありまして、「アドボカシー」という 言葉を入れました。  Dですが、「サービス体系」という名称について、「サービス」という言葉はどうなのか ということで、一つ一つの、例えば「パーソナルアシスタントサービス」というのは、これ は条約で確定している言葉なので、設問は一つ一つ変えませんけれども、「サービス体系」 を「支援体系」として、D、「支援体系」で、1、「支援体系の在り方について」という形 で、「サービス」を大きな見出しに当たる部分は「支援」としたらどうかと考えました。  あと、どこにつけ加わるかということはありますが、D−1−3)ぐらいになるかと思い ますが、「生活介護や療養介護も含めた日中活動系の支援体系の在り方をどうするか」。も う一度申します。「生活介護、療養介護も含めた日中活動系の支援体系の在り方をどうする か」。  あと、現行でいいますと4)に「現行のコミュニケーション支援事業についてどう考える か」とあるのですが、ここのコミュニケーションというのは、いろいろな障害の分野という ことで、知的障害や重度の肢体不自由なども含めた今後の在り方ということで、視覚障害、 聴覚障害、盲ろうだけではなくて、いろいろな障害種別に関わってコミュニケーション支援 ということが読めるような書きぶりにしたらどうかなということになっています。  その次、D−3−3)です。「居場所機能」という言葉がありますけれども、「居場所機 能」というのはイメージがわきにくいというご指摘もあったので、居場所機能など、広く仲 間との交流や文化芸術活動などをするような場所ということで、「広く仲間との交流や文化 芸術活動などを進める場」ということを書き加えたらどうかということです。  その次、D−4−5)ですけれども、こちらのほうは、現行のD−4−6)、7)と統合 しまして、グループホーム、ケアホームのところだけ、ほかの分野に比べてかなり詳細とい いますか、この次に当たる個別分野の項目まで入ってしまっている感じもあるので、D−4 −5)ということで、「グループホームとケアホームについて、現状の問題点は何か、また 今後の在り方をどう考えるか」ということで、今の6)、7)で聞いている内容、あるいは それ以外にもたくさんここは意見がありましたけれども、書いていただけるようにしたつも りです。「現状の問題点は何か、また今後の在り方をどう考えるか」ということです。  その次、D−6、「その他」というか、これはD−6ということで新しくつけ加えること になると思いますが、「これまで支援のはざまにいた発達障害、高次脳機能障害、難病、軽 度知的障害のある人たちに必要な福祉サービスとはどのようなものであるか」ということで す。  次、Eですけれども、Eはちょっと文言の追加ぐらいです。E−1−2)の真ん中ぐらい に「具体的な期限や数値目標」とありますが、その次に「プログラムなどを定めること」と、 「プログラム」というのを入れます。  E−1−3)で、「自立体験室」ということで場所の問題というよりは、むしろ「ピアサ ポートや自立体験プログラムなど」ということ。  E−1−6)ですが、「地域移行における、入所施設」の次に「病院」を入れたいと思い ます。「入所施設や病院の役割、機能をどう考えるか」ということです。  F−3−2)ですが、「長時間介助の保障」の2)で、「24時間介護サービス等」という ところで、24時間介護サービスということが一律的に前提ではないのではないかという意見 もありましたので、「24時間介護サービスなども含めた長時間介護が必要な人」と、推進会 議本体でも24時間介護の必要性ということも一方で指摘されていますので、「24時間介護サ ービスなども含めた」という文章にしたらどうかということです。  最後、幾つかありますが、H−2、「人材確保・育成」というところで、H−2−1)、 ここは最初にあります「「自立支援法」以降、人材確保の困難が指摘されている」というの を、実は自立支援法以前からもそういう傾向はあったというご指摘があったので、「「自立 支援法」以降」という文言を削除させてもらえたらと思います。  その次、H−2−2)ということになりますが、「介護職員や相談支援者の」となってお りますが、介護だけではなくて、いろいろな支援の職員も関係してくるということで、介護 も含めたといいますか、より広い概念であります「支援職員」として、「支援職員や相談支 援者の」としたらどうかということです。  最後、I、「その他」ということで、ここで何点かご指摘いただいた分をつけ加えていま す。I−2、「現行の特別対策」とあるのを「特別対策等」としまして、I−2の新しく3) ということで、2012年3月までという、「新体系への移行期間をどう考えるか」ということ、 これも何人かの方からご指摘いただいた分の論点です。  I−3、「その他」ということで、4点ほど新たにつけ加えています。ここはちょっとゆ っくり読みます。  I−3、「その他」の1)、「この法による支援のための所要額について、後年度負担も 含め、推計する必要があるのではないか」。  「その他」の2)ですが、「この財源を安定的に確保するための方策とめどをどのように 立てていくべきか」。  「その他」の3)ですが、「この法の実施に関するモニタリング機関の必要性をどう見る か」。  「その他」の4)、これで最後ですが、「相談、選択と決定、支援の利用、利用者負担な ど、この法に関わる全般的な不服審査、苦情解決、権利擁護機関の必要性をどう見るか」と いう項目を新たにつけ加えました。  ちょっと説明が長くなりましたけれども、部会三役のほうで皆様からいただいたご意見を 先ほど言ったような視点で整理させていただいたところであります。  以上です。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  多くの追加意見などがありましたけれども、このたたき台に既にある論点の中で十分取り 扱うことができる、余り論点の数を多くし過ぎると、それ以外のことは検討しないといった 印象にもなってしまうので、できるだけ新規の追加は、本当に質的に新しいこと、含まれて いないことのみに絞ったというのが基本的な提案かと思います。いかがでしょうか。皆さん の中でさらに意見とか質問があれば、お聞きできればと思います。山本さん、それから北野 さん、お願いします。 ○山本委員  山本眞理です。  1点だけ。A−4−2)、法律名が列記されておりまして、「児童福祉法その他」となっ ておりますが、これらの法律は全部厚生労働省関係だと思うのですが、私は、受刑者の処遇 の法律、つまり法務省関係。これはせっかく改革推進会議で省庁横断で議論するということ ですし、それから身体障害者福祉法については、ご承知のとおり、矯正施設収容者にも適用 するという通知が出ております。ですから、これからできる法律について、とりわけ法務省 管轄の法律との関係というのは非常に重要だと思いますので、厚生省管轄の法律以外は関係 ないということなのかどうか、お教えください。 ○佐藤部会長  そういうことではありません。いろいろあり得るので、「その他」と入れたというのが今 の説明です。 ○山本委員  分かりました。 ○佐藤部会長  ここに列記はしていませんけれども、そういう議論をしていただければと思います。  北野委員。 ○北野委員  北野です。私は改革推進会議のメンバーでもありますので、一言意見を述べさせていただ きます。  実はこれは大きな問題だと思うんですけれども、まず、今後改革推進会議の下にどういう 部会が設けられるかということが、今後の議論の中でここと関係してくる大きなものになる と思うんですけれども、恐らく差別禁止法の部会とか、あるいは教育のほうの部会とか、幾 つか部会が起こってくると思いますので、そこについては新たに設けられる部会と推進会議 の中でご議論してもらえればいいと思います。けれども、一方、医療とか、就労とか、児童 とか、こういう問題については、尾上副部会長もおっしゃったように、部会が起こるという ことがもし簡単に想定できないとすれば、もう明らかにこれは総合福祉部会で議論しなけれ ばなりませんし、当然改革推進会議でも議論しなければならないということでありますか ら、これはできましたら改革推進会議のメンバーと総合福祉部会のメンバーで合同協議会の ようなものを起こしていただいて、このことについては議論していただくということが、特 に医療や就労や児童の分野では必要ではないかと考えますので、どうぞよろしくお願いいた します。  以上です。 ○佐藤部会長  野原委員。野原委員の次に藤井委員、お願いします。 ○野原委員  日本難病・疾病団体協議会の野原です。  今、非常に大事な問題が報告されたと思うんですけれども、難病について言うと、福祉の 中に取り込むということとか、障害程度区分を廃止してICFの方向にいくという、大枠で は決まっているのだけれども、各論になると、非常に多くの問題が山のように出てきます。 そこのところがこれから私たちにとっても大変頭の痛い問題ではあるんです。そこで、今日 の今整理されている尾上さんの提案の中身というのは非常に重要な関心を持ってお聞きし たんですけれども、一つ確認なんですけれども、全体的な問題として、医療・労働・障害児 関係の問題を「総合福祉法」との関係でどう整理するかという問題は、部会か合同チームか 何かをつくって論議を詰めると。その中には部会以外の人たちも入れるということなども考 慮していますと受け止めていいのかどうかということなんです。医療の問題について言いま すと、ご存じのように、厚労省で特別にこの問題に対する検討チームが発足して、既に会合 が重ねられています。かなり総合的な行政のスタッフ、メンバーが入って進められているん ですけれども、そこのところの連携が非常に重要だと私たちは思っています。この部会の委 員ではないんですけれども、そこのところも含めた論議が非常に重要だろうと私たちは思っ ていますけれども、そこのところは当然視野に入れて考えていますと理解していいものかど うかということを一つ確認しておきたいと思います。  もう一つは、非常に重要な問題であるにもかかわらず、いろいろな事情で今日ペーパーで 示せなかったと、それ自身はやむを得ないとは思うんですけれども、だから個別になかなか 意見が言いにくいという状況があります。そこでもう一つお伺いしたいのは、次回は7月27 日と紹介されました。これについて、今日の討論を含めたまとめを10日までに各部会員にペ ーパーで示しますと、メールか何かで。そして、20日までに大体意見をそれに基づいて出し てくださいということだとお聞きしたんですけれども、そういうことでいいかどうかという こと。  もう一つは、医療の問題と福祉の問題というのは非常に重要な関係があるということは、 何回も確認されているし、今回もそのように繰り返されているんですけれども、ほとんど詰 まった論議がされないまま、後へ後へと来てしまっているという状況があると思うんです。 今度の問題というのは、その問題をどのように棲み分けするかということを少し突っ込んで やらないと、特に難治性疾患、長期慢性疾患を抱えている人たちというのは、大変大きな新 たなすき間、穴が出てくるのではないかという心配をしている節がかなり出始めています。 そういう点で、例えば24時間介護の問題にしても、「介護」で止まっている。事実上、24 時間の痰の吸引をする人たちについては、医療行為なものですから、看護が必要なんです。 ところが、「看護」という言葉は入ってこないんです。「介護」で止まっているんです。こ ういう問題などは、医療との関係を整理する中で、新たにまた論点の中に入ってくると考え ていいのかどうかということなど、私たちは、介護と同時に看護という問題も入れてほしい という意見は出したのですけれども、今の尾上さんのお話の中にもそれは実際に反映されて いなかったということなどもありまして、この辺のところをどのように考えたらいいのかと いうことをお聞きしたい。  以上です。 ○佐藤部会長  藤井さん、どうぞ。 ○藤井委員  日本障害フォーラムの藤井です。今私の関係している話でペーパーが出ています。追加意 見で出ています。これは、これに沿った話はしませんので、これを朗読するのではなくて、 意見を言います。  総合福祉という響きの中には、恐らく谷間をつくらない、漏れをつくらないという期待と か思いを込めてあると思うんです。しかし、今までありましたように、原則はあると思うん です。その原則を私は2つお話をしたいんですが、今出たように、医療とか労働とか、ある いは障害児、高齢者、これはそれぞれもともとの根拠法令できちんとやってもらうべきでは ないかと思うんです。これがユニバーサルデザインという政策の観点から見て、医療は医療 法で関係してもらう、労働は労働法規、児童も児童福祉法、高齢者も関連法律。ただし、宮 田委員もおっしゃったように、そうは言いましても、それを任せた場合に、受ける先方がそ れをまじめに、あるいはまともに受けないということはあり得ます。そうすると、またぞろ 谷間ができ上がってしまうということになってくるわけです。したがって、こっちから丁寧 に注文をつける。丁寧に意見をつけて先方へ渡す。チェックもする。そうすると、言われま したように、討論形態、論議形態をきちんと考えて、推進会議での部会の設置、あるいはも し部会が難しければ、部会とこういうメンバーとの新しい討論形態。場合によっては、この メンバー自身も自主グループをつくって、場合によってはその登録をしまして検討する。そ ういう討論形態の工夫によってやっていくというのは一つあってもいいのではないか。当 然、推進会議も5年間続きますので、それを先方に言った場合に、きちんとこの討論を受け てやっているかどうかというチェックは十分にしていく必要があるということはあると思 います。  もう1点、2つ目の意見なんですが、医療を見た場合でも、今度は逆に、医療というのは、 例えば精神医療、精神障害者政策というのは、今まで医療の中で完結しようとしてしまった。 しかし、社会的入院問題を初め、地域移行はちっとも進まない。そういう討論形態にもしか したら欠陥があったかも分からないと思うんです。グラデーションではないけれども、地域 移行にしても、疾患を持ちながら地域で安定した暮らしを築くという点でいうと、どうして も福祉と医療がお互いに分野をわきまえながら関係を持ち合うという。そうしますと、精神 病でいいますと、最近、「新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討チーム」という のが5月末にでき上がって、4回検討しまして、もう終わっている。こことこの総合福祉部 会とは全く関係なく展開されているという点。恐らく難病も慢性疾患等もそうかと思うんで す。ですから、もう少しここは、検討体制自身は、この総合福祉部会を越えて検討するとい うことをどうするのか。これは、いろいろな検討部署が動いていますので、ややもったいな いと思います。この総合福祉部会と連携した検討体制というものを持っていく。だから、推 進会議における討論形態を工夫していきながら、部会やこのメンバーとのジョイント、自主 グループ、それから厚労省の中の違った部署の検討とこことの連携、この辺を考えていかな いと、なかなか谷間、漏れというのは解消していかないだろうと。こんなことで、原則は、 今言った労働・医療・障害児あるいは高齢者はもともとの法律で、しかしその谷間を埋める という工夫は責任を持ってやっていこうではないか、このように思うんです。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  今幾つか出された意見について、私と尾上さんのほうから若干コメント的な発言をさせて いただきたいと思います。  作業チーム、名称は未定ですけれども、これは55名のメンバーに限るということではない だろうと思います。ただ、集まったときに謝礼、交通費が出るかどうかとか、技術的な問題 はいろいろ検討しなければ行けないわけですけれども。それから、作業チームに入っていた だくというのと、作業チームが厚労省のほかの研究会などと連携するというのと、いろいろ な協力の仕方というのがあるのかなと思います。そのような細かい運営の在り方について は、7月、8月ぐらいまでに、本格的にこのサブグループで活動が始まるより少し前に検討 して、皆さんの意見も聞きながらやっていくということかなと思います。  それと、7月10日までに新しい論点表ができて、その中のこの分野とこの分野とこの分野 について意見を聞きたいという呼びかけを皆さんに出して、7月20日までに意見をいただく という日程を尾上さんのほうから紹介していただきました。そうすると、27日までに1週間 ということになるので、今回と同じように、1週間ぐらいだと、皆さんからの20日にいただ いた意見を整理して、整理したものを皆さんにフィードバックするというだけで終わってし まいますので、それに基づいて何か三役のほうから提案的な新しい文書をつくる時間的なゆ とりが不足する可能性があるので、この辺、7月27日に提出する文書というのはどういうも のであるべきかということをちょっと考えた上で、場合によると7月10日、20日というライ ンを5日ほど前倒しするということも含めて、ちょっと検討させていただきたいと思いま す。  医療と福祉、医療関係というのはかなり大変な領域だと思います。福祉との連携だけでも、 難病系の医療と福祉をどうするかというのと、精神障害関係では大分また違ったものがある し、それから両者に共通して医療費の公費負担をどうするかというのはかなり共通的なもの がある。それから、重度障害者の痰の吸引とか、医療行為の定義辺りをどうするか、看護・ 介護スタッフがどれくらいまでやれるのかということとか、相当いろいろなものがあるの で、一つの医療作業チームということだけで済むのかどうなのかくらい大きな分野かなと思 っています。 ○尾上副部会長  もう部会長のほうで大体ご説明いただいたのですが、特に、7月5日か10日か、ちょっと 時期はありますが、この後、7月、8月、9月と議論していかなければ、後の分科会やその 後のスケジュールはどんどん詰まっていきますので、まず7月は、全部で9分野ありますの で、AからCの論点の新たに整理したものを7月のしかるべきときまでに皆さんにお示しし て、それに対する意見を書いていただく。もちろんそのときに追加の意見も含めて書いてい ただくということでお願いしたいなと思っています。  あと、最後の介護と看護の部分なんですけれども、ここはどのようにするか、悩みました。 ただ、これは、例えば推進会議本体のほうでは、「生活行為としての医療的ケア」でしたか、 若干の言い方はあるのですけれども、医療的行為だからお医者さんや看護師さんしかできな いというよりは、むしろ生活行為としてそういったことも支援できるようにすべきではない かというご意見もありました。それで、今現在では、今の論点表ではD−2−4)、「生活 実態に即した介助サービス等」ということで、「医療的ケアが必要な障害者の地域でのサポ ート体制を確立するためにはどういう課題があるか」という、もちろんこの中でも本当にた くさんの課題があると思うんですけれども、例えばここに関連して書き込んでいただいた り、あるいは、先ほどから何度も申し上げていますが、追加の「その他」ということで意見 をぜひ入れていただければと思います。多分、推進会議での議論とかということからすると、 どこまでが介護で、どこからが看護かということも含めて、かなり議論が要る部分かなと思 いますので、非常に重要な論点というか、議論の部分だと思いますので、余り介護と看護と いう決め打ちの書き方よりも、こういう医療的ケアが必要な人の生活、いわば地域でのサポ ート体制ということの中でぜひご議論できればなと思った次第でございます。  もう一度申し上げますが、ちょっと私の説明が分かりにくくて申しわけありせんでした が、整理した論点表のAからCの部分について、7月27日の何日か前の締め切りまでにご意 見をいただくという形で7月に始めて、8月は、ですからD・E・F、3つずつやっていく 形で、実はこのA・B・Cの3つだけでも本当に3時間の時間で足りるのかというのは正直 心配なところではあるんですけれども、何度も申し上げますけれども、10月から分科会を始 めるためには、7、8、9月と考えると、まずはA・B・Cを、ご意見をいただいて、でき るところまでやってみようと思っております。  以上です。 ○佐藤部会長  斎藤委員と広田委員、どうぞ。 ○斎藤委員  斎藤です。  今、医療・労働・障害児の問題が語られていますけれども、ちょっと労働の問題で発言し たいんですが、結局、これは他法の関連の中で考えるべき課題だということで、余り論点と しても取り上げられていないということです。もともとこの論点表そのものが、先ほど東室 長からお話のあった第3回の推進会議の論点に沿ってほぼつくられているという内容だと 思うんですけれども、そもそも障害者の労働というのは、結局、労働法の世界においては主 に障害者は全部排除されてきたわけではないですか。その排除されてきた人たちが、結局福 祉の世界の中で福祉法の対象としてずっとこれまで位置づけられてきた。そこに様々な問題 点がいっぱいあるということで、自立支援法においては、就労支援の強化ということが5つ の大きな柱のうちの一つになって、大きな位置づけを与えられているわけです。それに対し てこの「総合福祉法」はどうするのかということを考えていかないといけない、非常に大き な問題だと思うんですけれども、結局、推進会議の議論や今日の論点表では、それはむしろ 他法の問題だみたいな論議で、ほとんど主要な論点として位置づけられていない。サービス 体系の在り方の中にちょこっとほうり込まれている程度の話なんです。それでいいんですか という話です。きちんとした大きな論点項目として、ぜひとも取り上げるべきことではない ですかというのが私の意見です。 ○佐藤部会長  広田委員、どうぞ。 ○広田委員  さっき藤井委員から精神のほうの検討会のチームの話が出たんですけれど、私はそちらへ 出ていたんですけれど、藤井さんのことは個人的にとても尊敬しています。連携というのを 医療とか福祉の世界はすごく好きなんですけれど、私は、あの中身がよかったか、悪かった かというのは皆さんが判断すればいいと思いますけれど、何でもかんでも部会と連携すると いうのは、私は違うと思います。これだけ4回やって動かないところとどうやって連携する のかなということで、私は両方出た人間として、何でもかんでも連携という形で縛るのはい かがかものかなと思っています。  以上、そういう意見です。 ○佐藤部会長  小野委員。 ○小野委員  小野です。  最後にちょっと確認させていただきたいところがあります。まず、2ページの「支給決定」 のところは、「支給決定」を全て「選択と決定」という文言に変えるということでいいんで すね。 ○佐藤部会長  はい、そうです。 ○小野委員  その上で、ここでは障害程度区分の廃止ということを前提に問題提起がされていますの で、C−2のところは「障害程度区分の評価・役割」になっていますけれども、むしろ「障 害程度区分廃止後のシステムの在り方」という名称にしたほうがいいのかなと。それと、そ の後の「「障害程度区分」の果たした機能と、その問題点について」というのも、「果たし た機能と、その」を削除して「問題点と課題」としたほうがいいと。  先ほどの斎藤委員からの発言の、就労関係がやはり弱いかなと。他の法律との関連性で議 論しなければいけない点もあるのですが、工夫としては、4ページの「社会参加サービス」 の2)のところに「労働」がちらっと入っていますが、むしろこれは「就労・社会参加」で 大項目にして、「労働権保障の観点からの就労支援の在り方」とか、あるいは他の雇用促進 法の関連とかで項目立てをしたほうがいいと思います。  それから、6ページの「自立支援協議会」のところなんですが、F−2の「自立支援協議 会」の1)のところで、「自立支援協議会の法定化についてどう考えるか」という文章があ ります。これは今回廃案になった法案の中に出てきたことですので、あえて文章としては入 れる必要はないと思います。  以上です。 ○佐藤部会長  藤井委員、どうぞ。 ○藤井委員  簡単に言いますけれども、恐らく斎藤さんと私はそう意見が違わないと思うんですけれど も、この中で福祉内労働になってはいけないという考えを私は持っているんです。したがっ て、討論する形態は大変大事であって、できるのだったら親会議体である推進会議での労働 の部署にこのメンバーの代表も加わって議論していくということで、余りここに根っこをお ろすよりは、より労働分野は発展していくのではないかと思うんです。それは小野委員の意 見についても一緒です。雇用のことをここで議論してしまうと、ますます福祉内雇用という へんちくりんなものができ上がってしまうわけです。したがって、討論形態というのは大変 大事なんです。私は改めて、今日は東さんがいらっしゃいますが、私も推進会議のメンバー だったけれども、推進会議でも議論して、きちんと労働・雇用という観点から土俵を設ける ということにしたらどうかと思います。  それから、おっしゃるとおり、広田さんの意見は、何もかもここでとは思っていません。 ただ、二重に議論していって、同じテーマを後でばらばらというのはよくないと思うんです。 障害保健福祉部というトータルな部署がこの所管部署なわけですから、そこで両方やってい るのだったら、時にはジョイントがあってもいいのではないかなと。特に精神医療、精神障 害分野でいいますと、余りにも今までそれこそ医療内福祉が横行してきたわけです。そこは 医療から手を放して福祉に任せる部門という点からいいますと、その間にさっき言ったグラ デーションが非常にあるわけです。それは双方で議論していって、谷間を埋めていこうとい うことなので、できるだけこの機に議論する会議体があったら、それが同じような方向を向 いているのだったら、その会議体はジョイントがあってもいいだろうという趣旨でありま す。 ○佐藤部会長  近藤委員、お願いします。 ○近藤委員  全国社会就労センター協議会の近藤です。  私どものほうでは福祉的就労という言葉が全く入っていませんけれども、今この世界では 15万人とも20万人とも言われる方がそこで現に働いている。そういったことから、私どもは、 56ページのところに意見として出させていただいたんですけれども、ぜひ新しい項をDの中 段のところに起こしていただいて、就労支援サービスの在り方について、様々な課題がある わけですけれども、福祉的サイドでどういう問題があるかということをそこできちんと洗い 出した上で、親会議の推進会議の労働のほうとすり合わせるということが大事だといったこ とでここに出させていただいたわけですけれども、ぜひとももう一度再考していただきたい と思っております。  それからもう1点、地域移行ということもいいんですけれども、受け入れる側のコミュニ ティーというか、社会の受け入れ側の問題というのが随分あるだろうと思うんです。ですか ら、そこで啓蒙活動なり、あるいは教育というか、そういった受け入れる側の地域の改善と いったことが非常に重要であるということから、ここには少しその点が抜けているのではな いかなというような気がいたしますから、ぜひご検討をお願いしたいと思います。 ○佐藤部会長  はい。 ○尾上副部会長  尾上です。  一つ、私、ちょっと先ほど説明忘れで、誠に申しわけありません。C−2、「障害程度区 分の評価・役割」というタイトルなんですが、実際に聞いているのはどういう問題点がある と考えるかということなので、「障害程度区分の機能と問題点」と、先ほど小野委員から言 われる前からその訂正をしていたんですが、それをつけ忘れました。説明し忘れなので、「障 害程度区分の機能と問題点」として、推進会議の本体のほうでは、もう廃止ということで大 枠の方向感は出ているんですけれども、もう一度改めて、どういう機能があり、問題点があ って、だからどうするのかということで、「機能と問題点」という書き方でどうかなという ことです。ちょっと説明し忘れであります。 ○小野委員  僕の意見としては、「廃止後のシステムの在り方」のほうがいいと思います。 ○尾上副部会長  そういう意見ですね。はい。  もう一つは、先ほどの労働の部分については、部会三役の間でももう少し整理してみたい と思いますけれども、D−3の「社会参加サービス」の中に労働の関連の部分が入っている というのはどうなのかというご指摘も何人かの方からありましたので、今D−3の中に入っ ている2)を一つの項目にするというのは一つの手かなとかと思ったりしまして、D−3− 2)の部分の書きぶりをもう少し三役でも相談してみたいと思います。ちょっと今は具体的 な文案がないので、預からせてくださいということでよろしいでしょうか。 ○佐藤部会長  もう4時半を過ぎてしまいまして、大変進行が遅れていて申しわけないんですけれども… …。 ○斎藤委員  だめですか。 ○佐藤部会長  ええ、東さんにちょっと一言話していただいて、この辺でと思っていますけれども。 ○斎藤委員  ちょっと藤井さんに質問ですけれども。 ○藤井課長  後で。 ○東室長  担当室長の東です。  推進会議のほうも、夏以降、差別禁止法に関する部会を立ち上げようと思っているところ です。ただ、その他の部会まで背負い切れるキャパがないということもありまして、その他 の部会についてはいつつくるということはまだ未定の状況です。ただ、先延ばしというわけ にもいかないので、ワーキンググループ的なものを推進会議の中につくるかどうかというこ とも検討しなければならない状況にはあります。  それと、ほかの審議会との関係も、お互いに唯我独尊では議論がすり合わせできませんの で、そこをどうするかという問題にも直面しているところです。  それで、推進会議としては、次回が6月22日、その次が7月12日、その次が7月26日で、 次回の部会までの間に3つあるわけです。それで、この部会が、先ほど言われた3つの医療 とか労働、障害児に関して、どのようなに推進会議との連携を図ると考えておられるのか、 ある程度はっきりしたものを皆さんの合意としてお知らせ願えればと考えております。それ を受けて推進会議でも議論の俎上に上らせて議論したほうがいいのかなとは今思っている ところです。ということで、皆さん方のご意見をまとめていただければというところです。  以上です。 ○佐藤部会長  伊澤さん。 ○伊澤委員  支援協議会あみの伊澤です。  ちょっと今のお話の中で、要するに関連領域の会議との整合というか、その辺も意識しな ければならないという東さんのお話だったんですけれども、その中で非常に動きとして気に なっているのが、地域主権の戦略会議です。この辺の動向なり行く末が非常に気にかかって おりまして、同じ内閣府の中にある構造的な会議体系の中で、一方では、私たち部会、ある いは推進会議を含めてですけれども、国のしっかりとしたプレゼンなり施策推進の力強さと いったものを求めようとしている。これは大筋そうだと思うんです、大体。ところが一方で、 地域主権戦略会議の流れとしましては、地方への丸投げ、そこでの自由裁量を高めて、障害 者福祉についてもそこの持ち分でやってちょうだいと、ほとんどそういう投げ方で進めよう としているわけです。そうすると、全く真逆のかみ合わせの悪い状態でこのまま推移してい いのかどうか。その辺が非常に気にかかっております。我々部会あるいは協議会としても、 戦略会議のほうに何か投げかけとか要望とか、そういうソーシャルアクションを起こしてい く必要性もあるのではないかといったことも思っていて、その辺については今どのようなご 見解をお持ちなのかということも聞かせていただきたい。戦略会議が現状どうなっているの かも、ちょっと情報がなかなかとりにくいものですから、お知らせいただければと思ってお ります。すみません。 ○尾上副部会長  まず、制度改革全体と地域主権の改革というのは、私が答えられる問題ではないんですが、 論点の中では、F−5の「国と地方の役割」の中で、「現在、障害者制度改革の中では、「施 設・病院から地域生活への転換」「どの地域であっても安心して暮らせる」方向が目指され ている。一方、地域主権改革では「現金給付は国、サービス給付は地方」との一括交付金化 の考えが示されている。障害者福祉サービスに関して国と地方の役割をどう考えるか」とい うことで、これは推進会議本体でも議論になったので、さらに具体的な福祉分野といいます か、この分野での総合福祉部会の中でもご議論いただかなければいけない論点だとは思って います。そのことと、実際に出てきている地域主権戦略会議にどうアクションをとかという のは、また部会なり推進会議の担当室などともちょっと相談しなければいけないことかも分 かりませんが、まずは議論としては必ずそれは論点の中に入れていますということだけ報告 させてもらいます。 ○佐藤部会長  藤岡委員、手短にお願いします。 ○藤岡委員  すみません、遅くまで。先ほど三役のご意見の中で、ちょこっと私が触れた法案づくりの 話なんですが、法案をやはりこの部会でつくるという目標で進むべきだと考えています。違 憲訴訟もあって、グラウンドゼロになって、自立支援法がなくなってゼロの状態になって、 本当に改革を行って、この部会で新しい法律をゼロからつくり上げるわけですから、それを 単に提言をつくって、後は「官僚の皆さん、法律をつくってね。丸投げです」ということで は、今ある厚生労働省の持っている基本的なスタンダードというのは介護保険法であり自立 支援法ですから、その介護保険法なり自立支援法の焼き直し的な法律になりかねないという ことは、恐らくここの委員の皆さん、共有できる話ではないかなと思います。別に官僚の皆 さんを排除しろということではなくて、例えば、法律のつくり方が分からないからというこ とで、法規係の方あるいは内閣法制局の方と協力し合いながら、稚拙でもいいから法案をつ くるというスタンスで臨まないと、結局のところ法律がどうなるのかということで、非常に 大きいですから、そこは重要ではないか。百歩譲って「官僚の皆さん、お願いします」とや ったら、その法案ができたものをフィードバックして、ここでもう一度、では厚労省のつく られた案について再度ここで、たたくと言ってはなんですけれども、検討する機会が与えら れないと、一度放り投げて厚労省に渡りますと、その後僕らは一切チェックできませんとい うことだと、必ず後悔すると思います。〈拍手〉 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  先ほど藤岡さんの手が先に挙がっていたので、斎藤さんを遮ったのに、次の人に指名した ということでは必ずしもないので、斎藤さん、ごめんなさい。ご理解いただきたいと思いま す。では、手短にお願いします。 ○斎藤委員  今日のお話で、8月がタイムリミットだという話が出たじゃないですか。そうなると、2 月までしか先ほどは語られなかったですけれども、どう考えても、8月にまとめようと思っ たら、最終原案がその2カ月ぐらい前にはもうまとまっていなければだめですね。そうする と、さらにそれを考えて2月にやって、パブリックコメントをやったとしたら、そこからも うちょっと時間がかかるでしょう。そうすると、もうその間にほんの2〜3カ月しかないじ ゃないですか。そこではもうパブリックコメントを受けてどうまとめるかという議論をする 時間しかありませんから、後は一気呵成じゃないですか。そうすると、7月から9月の論点 ごとの議論と、それから10月から2月のグループごとの議論、ここでもう全てほぼ決するじ ゃないですか。そういうことはみんなの中できちんと理解してやらなければいけないので、 そういうきちんとしたロードマップをぜひ次回の以前に皆さんに提案していただきたいと 思います。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  そうしましたら、今いろいろ出された意見と、それから先ほど尾上さんから提案されたこ とを合わせて、最終的な論点表というものを7月の早い時期に皆さんにお送りして、その中 のA・B・Cについて7月の何日かまでにご意見をフォーマットに従って提出していただく ということにしたいと思います。それで、自分の提案した論点が最終的には入っていないで はないかという場合には、それぞれのところに「その他」という空欄を設けますので、そこ でこういう論点がある。これについて私はこう思う、こうすべきだという提案を入れていた だくという形で、最終的には残るということになろうかと思います。  それで、あと今日の予定の中では実態調査ワーキンググループの経過報告というのがあり まして、資料としてお配りしていると思います。それで、これまで2回の実態調査のワーキ ンググループを行いまして、それぞれの議事要録なども載っていますので、こんな議論をし ているのだなということで、とりあえず今日はそれを見ておいていただければと思います。 谷間の障害をなくすための調査でもあるので、その場合に「障害者実態調査」というネーミ ングでは調査に上がってこない人たちがいる、ネーミング自体も見直す必要があるとか、そ んな議論もしております。それから、在宅の障害者の実態調査以外にもいろいろな実態を調 べないと、いい法律にはならないだろうということで、しかしワーキンググループとしては そこまでやり切れないなと。部会で相談して、部会の皆さんの中で協力もお願いしながら、 そのほかのニーズ調査なども検討していきたいといったこと。より詳しいことは27日に報告 をして、若干の議論の時間もとりたいと思いますので、それまでお待ちいただければと思い ます。  それでは、今後の予定について……。はい、どうぞ。 ○駒村委員  実態調査のところで、ぜひとも目的のところで考えていただきたいことは……。 ○佐藤部会長  お名前とマイクを……。 ○駒村委員  失礼しました。慶応義塾の駒村です。ここにおります。  実態調査の目的について、今後議論が進んでいくと思いますけれども、法の立案のために 必要な部分もあると思いますけれども、ぜひこの調査を……。これは財源が安定しないとこ の法律はつくれませんので、国民に障害者の生活の現状を理解してもらうということもこの 調査の目的で、この資料の中にも調査の目的が何なのかという議論が出ていますので、広く 現状を共有するということ。それからもう一つ、これもまた細かい話は今後出てくると思い ますけれども、データの扱いについては、様々な人が見られるように、匿名処理をしてプラ イバシー処理をした上で、様々な人が、様々な見方ができるような工夫ということと、あと 日程のことはいろいろとまた技術的なことで申し上げたいことはありますけれども、以上、 よろしくお願い申し上げます。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。27日までに1、2回、まだワーキンググループをやると思いま すので、参考にさせていただきたいと思います。  それでは、山本委員、手短にお願いします。 ○山本委員  前に文書で出しておりますが、73年、83年と、精神衛生実態調査がなぜ反対されたのか。 73年のときは自殺者まで出しているという。どうか障害者を傷つけない調査にしていただき たいというお願いをしています。反対運動がある場合は、調査そのものの母集団に偏りが出 ますから、調査はナンセンスになります。我々が反対しないで済む調査設計をぜひご検討く ださい。 ○佐藤部会長  ありがとうございました。  それでは、今後の予定について、東室長から報告をお願いいたします。 ○東室長  室長の東です。  次回は、ご存じのとおり、7月27日火曜日、第5回目となります。テーマは、先ほど述べ られたとおりですが、今日の意見を反映した論点表に基づいて議論を始めるということにな っております。7月10日には、その論点表と、スケジュールやワーキンググループなどにつ いて詰めたロードマップ的なものを出すということになっております。会場はここですの で、よろしくお願いします。  また、次々回以降につきましては、まだ正式に決定しているわけではございませんが、一 応ここの会場を8月31日火曜日、9月21日火曜日で押さえておりますので、手帳に記入して いただければと思います。どうもありがとうございます。 ○佐藤部会長  大体、第3か第4の火曜日を中心に、毎月1回やっていくといった予定でおりますので、 よろしくお願いします。  それでは、本日はこれで閉会といたします。ありがとうございました。 (了) [障がい者制度改革推進会議総合福祉部会事務局] 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課企画法令係  TEL 03−5253−1111(内線3022)  FAX 03−3502−0892