総合福祉部会 第18回 H23.8.30 参考資料4 東川委員提出資料 <参考意見>                                   障がい者制度改革推進会議総合福祉部会 部会長 佐藤 久夫 様              提出者                           構成員  東川悦子 「障害者総合福祉法」(仮称)における「専門職」について  謹啓  時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。  私ども社団法人日本視能訓練士協会は、眼科に勤務する「視能訓練士」を統括する団体 です。「視能訓練士」は視能訓練士法(昭和46年制定)に基づく国家資格を持つ医療技術 者(有資格者約1万名)で、眼科において様々な視機能検査を行うとともに斜視や弱視の 訓練治療、また低視力者や視覚障害者の機能障害判定に関わる検査とリハビリ指導などに 携わっております。近年、特に医療技術の著しい進歩と社会が求める医療のあり方の変化 から、眼科分野では欠くことのできない医療専門技術者として視能訓練士への期待が高ま っております。  さて、このたび「障害者の社会生活の支援を権利として総合的に保障する法律」(案)に 関する第16回総合福祉部会報告を拝見し、合同作業チーム報告資料2「障害者総合福祉法 (仮称)骨格提言素案」T?3支給決定(選択と決定)素案の以下の部分に「専門的な知識 を有する専門職」として「視能訓練士」が明記されていないことが分かりました。 【表題】「障害」の確認について 【結論】 * 市町村による法律の対象となる障害者であるか否かの確認は、「身体的または精神 的な機能障害」があることを示す証明書によって行う。証明書は、障害者手帳、医 師の診断書、もしくは意見書、その他、障害特性に関して専門的な知識を有する専 門職の意見書を含むものとする。 【説明】  総合福祉法に基づく支援は、障害者手帳の有無にかかわらず、支援を必要とする 障害者に対して提供される。機能障害を示す具体的資料としては、障害者手帳があ れば、それで足りるが、まず、医師の診断書の利用が考えられる。医師の診断書は、 機能障害の存在を示す資料として、公正性が担保される点で優れているが、他方で、 発達障害、高次脳機能障害、難病など、医師の診断書が得にくい場合も考えられる。  医師の診断書が得られにくい場合に対処する方策としては、以下の2つがある。 [1]医師の診断書に限定せず、意見書でもよいものとする。 [2]「機能障害」の存在を判断する者を医師のみとせず、その他障害特性に関して専 門的な知識を有する専門職の意見でもよいとする。  なお、具体的な専門職としては、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床心 理士、発達心理士、精神保健福祉士、看護師等がある。市町村によって格差が生じ ないように、ICF(国際生活機能分類)の「心身機能・身体構造」を参考にしつつ 機能障害の例示列記するなど、市町村・利用者(障害者)・医師その他の専門職に対 して包括規定の内容を明らかにすることも検討すべきである。  障害者手帳交付申請の際の判定において、「視能訓練士」は、現在、視力検査およびゴー ルドマン視野検査を行っています。また、今後は「機能障害」を示す具体的資料となる「医 師の診断書」あるいは「意見書」の作成に際して、判定に用いる諸検査を担当することに なります。現在の報告書では視覚障害に関わる専門職は医師と看護師のみとなりますが、 視覚障害の判定において必要な眼科諸検査を実際に医療現場で行うことが出来る看護師は 極めて少ないと推察されます。また、医療関係者間の効率的かつ適切な役割分担を図る観 点からも視覚障害に関わる医療専門職として是非とも「視能訓練士」を当該文中に加えて いただきたく、お力添えを賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。 謹白  8月18日                      法人 日本視能訓練士協会 会長 臼井 千惠