総合福祉部会 第17回 H23.8.9 参考資料5 東川委員提出資料 参考意見                    提出者 東川悦子 「『障害児支援』合同作業チーム報告書」に関する意見              障害乳幼児の療育に応益負担を持ち込ませない会                        近藤直子(日本福祉大学)  私は1973年より現在まで、18ヶ月児健診後の発達相談を担当してきました。 その立場から、II−2−(3)早期支援に関して意見を表明させて頂きます。  今回の報告書では「健康診査による要支援児に対して」の支援に関して「家庭 での育児支援を基本的な在り方とし」ていますが、家庭訪問などの重要性は言 うまでもありませんが、現在は「育児等健康支援事業」が「子育て支援交付金」 により運営されていることをしっかりと報告書に位置付けてください。  「育児等健康支援事業」では、要支援児とその保護者が小グループでの「親子 教室」に参加し、同じような「育てにくさ」のある子どもをもつ親同士が子育 てを支え合い、保育士・保健師・心理士のアドバイスをもとに、子育てに喜び を感じるようになっています。子どもも、家庭ではみせない積極的な姿や、新 たなあそびに挑戦する機会を得て、一般の子育てグループや保育所・幼稚園に 参加する力をつけていきます。そうした中から、保育所・幼稚園に入る前に、 より密度濃くていねいな支援を1年間受けた方が伸びる子どもたちがクローズ アップされてきます。現在はそうした子どもたちは、通園施設の療育グループ (療育等支援事業を活用)や児童デイサービス事業I型を利用した後に保育所 ・幼稚園に就園しています。  「親子教室」は障害と診断できる前の子どもたちに、家庭とは違う環境を保 障し、発達の偏りからもたらされる困難を小さくし、親子が地域で楽しく暮ら せる重要なステップとなっています。また「障害への気づきの支援」も行い療 育の場の活用も支援しています。「障害児支援の見直し検討会報告書」の「気 づきの支援」を実質的に担当してきたのです。  厚生労働省「乳幼児健康診査に係る発達障害のスクリーニングと早期支援に 関する研究成果」においても「発見後に速やかに子どもの発達支援と保護者の 育児支援・障害認知支援を行う母子療育事業の創設が必要」と指摘されていま す。  この機会に、健康診査後の「親子教室」と、その後の、障害の診断を前提と しない「母子療育事業」を積極的に位置付けてください。そのことが、保育所 や幼稚園への発達障害児の入園機会の拡大につながるだけでなく、子どもたち の楽しい園生活、親の子育ての安心につながると確信しています。