総合福祉部会 第15回 H23.6.23 資料9 部会作業チーム(選択と決定・相談支援プロセス(程度区分))議事要旨(5月) 1. 日時:平成23年5月31日(火)13:30〜17:00 2.場所:厚生労働省低層棟2階講堂 3.出席者       茨木座長、門屋副座長、北野副座長、朝比奈委員、小澤委員、三浦委員 4.議事要旨 (1)本日の議論のポイント ・「報告書たたき台案」の内容について議論した後、座長、副座長で素案を作成。 ・主に、「相談支援専門員(仮称)の役割や位置づけ及び研修体制(当事者相談員も含む) の在り方」、「不服審査やアドボカシーの仕組みについて」、について議論。 たたき台案に基づき説明が合った後、以下のような議論、検討を行った。 主な意見は以下のとおり。 【相談支援専門員について】 ・相談支援専門員はソーシャルワークを学んだ人が研修を積んでやるか。社会福祉士会から、 基礎資格に位置づけるべきとの要望もあるがどうするか。 ・当事者相談員をどうするか。エンパワメント支援と相談支援の重なる部分と独自の部分を どう描くか。 ・社会福祉士会からの要望は分かるが別の意見もある。今の国家資格を書くのではなく、ソ ーシャルワークで止めておいたほうがいいのではないか。 ・ソーシャルワークとケアマネジメントをしっかり整理すべき。 ・ソーシャルワークは価値、倫理、技術。ケアマネは技術があって姿勢を学んだ人。 ・ソーシャルワークは全部に共通し、ケアマネジメントはそれに載せるイメージ。 ・現行の資格を将来的に育てることが人材確保の観点から重要。専門職を法的に位置づける ことは重要。 ・社会福祉士の養成カリキュラムは、ソーシャルアクションや、「当事者性」という観点が 弱いと思う。現状では、相談支援専門員の基礎資格とするには異論がある。報告では「相 談支援専門員は当事者に寄り添い・・」ということをしっかりと書き込みたい。 ・ソーシャルワークの既存の養成カリキュラムに対して要望を投げ返すことも必要。 ・将来的にはそういう人材を作るべき。 ・相談支援専門員の役割、位置づけ、研修とボリュームがあるのでポイントを絞って書いた 方がいい。支給決定の流れの図に相談支援専門員の役割を書いてはどうか。 ・報告書記載の「社会的障害」という表現はどうか。一般相談と特定相談もさらっと書いて あるがどうか。 ・一般相談の入口は、障害手帳の有無に関係なくワンストップの相談窓口にする。 ・「社会的障害」の用語は、障害者基本法に記載された「社会的障壁」の用語との整合が必 要。 ・一般相談はあらゆる対象を除外しない。 ・総合福祉法で対象を規定するが、相談支援の対象はその定義より広くすべき。 ・相談支援の対象は広くとりたい。 【相談支援の財源について】 ・相談支援の財源を計画作成件数を基盤とした場合、計画作成に縛られてしまう。 ・相談支援は福祉分野に限定されないため、本来、障害者基本法の中に規定すべきでは。 ・地域移行にも報酬体系あるべき。改正法では計画作成を出来高払いの個別給付でやる。 ・地域包括支援センターは予防給付が出来高払いの個別給付。権利擁護等の一般事業は事業 費補助。最初は個別給付に偏っていたが一般事業が拡大。 ・個別給付に格差はないが、事業費補助は地域生活支援事業のように地域格差がでる。 ・第1期報告書では出来高払いのことは記載していないので、2つのお金の仕組みを作るな らしっかり整理することが必要。今のやり方では体制整備が進まない。 ・事業費補助にすべき。出来高払いでは質も下がる。あるべきことを記載して課題を列記。 ・財源については、今後の方向性を記載する。事業費補助はしっかりと記載したい。 【エンパワメント支援】 ・エンパワメント支援は、相談に位置づけるか、社会参加事業に位置づけるか? ・当事者が地域で活動していること自体が大事なエンパワメント。当事者団体が地域の当事 者に対して支援している活動にお金を出す仕組みが必要。 ・第1期報告書において、エンパワメント支援事業に記載した「当事者等が過半数を占める」 との要件について、厚労省は参入規制となるためできないとコメントしている。 ・相談支援に、当事者のスキルアップやたまり場までは入るが、地域のグループ活動の活性 化も入るか。また、日中支援チームの報告書で記載していないなら、記載。 ・ピアの方の相談についても実務経験にいれるべき。 ・ピア相談員の研修と相談支援専門員の研修は違うプログラム。ピアの方は、当事者と相談 支援専門員の間をつなぐ役割として重要。 【相談支援専門員の研修について】 ・現在の研修の問題を整理し、改善すべき。新たな仕組みでは、アセスメントやインテーク のスキルが従来よりも問われる。また、当事者相談の研修を国として位置づけるべき。 ・研修は都道府県によってバラツキあり。当事者相談員は計画作成の実務ができる人ではな い。 ・ピアサポーターの育成、研修が重要。 ・ピアサポーターのスペシャリストが充実すると、相談支援専門員が計画作成等に力を入れ られる。 ・相談支援専門員の研修は、サービス管理責任者を目指して受ける人の方が多いのが現状。 ・まずは研修の現状の課題について記載し、あるべき専門性やスキルを記載。 ・ピアサポーターの研修ができる仕組みを検討。 【ガイドライン等について】 ・ガイドライン水準を越えている場合に協議調整を行う案にした。 ・協議・調整は@行政が本人からの申請を受けた段階A本人からの聞き取りの段階B支援計 画を作成して給付決定の段階がある。 ・合議機関の決定が出て、また不満な時はどうするのか。 ・合議機関でだめといったときには裁判所になるのではないか。 ・ガイドラインの水準を超えた場合は全て合議機関でやっていくのか。 ・大事なのは全て協議調整でやるのかどうか。自分の権利を主張したくない人もいる。 ・ガイドラインは、他の者との平等を基本として作成する。財源がないからではだめ。また、 国が設定し、それを最低基準として市町村がガイドラインを作成。 ・協議調整により利用者に負担をかけたくない。今回の案はすっきりしている。 ・障害程度区分は採用しないということでいいか。ガイドラインは、国としての水準が必要 か。 ・国は作り方の指針を示す。国基準も必要との意見があった。 ・障害程度区分は課題があるため、数学的なものを捨てる。ガイドラインとして標準的なモ デルを示すこととなるが、時間がかかる。 ・西宮市では、最重度、重度、中度、軽度と、家か作業所等かの生活パターンで分けている。 ・西宮市は、障害程度区分は使用していないのか。 ・障害程度区分とはリンクせずにやっている。実態、家族状況、日中の3つの27通りにな る。 ・支援費制度の時には、西宮市では障害程度区分なしにやっている。 ・西宮ではうまく機能したが、一般化できるか。 ・国がガイドラインを示さなければいけない。 ・大阪市は、マトリックス3(介護度)×3(社会参加度)×3(家族状況)の27類型の ように多元的なスケールを組み合わせている。申請を、これに当てはめるのは個別検討に なるので大変な作業だった。市町村に任せるのは心配。 ・分かりやすいガイドラインが必要。 ・自治体がネットワークを作って、多様な事例を判例のように積み重ねることが必要となる。 ・ガイドラインは時代背景や地域の環境の変化によって変わることを盛り込むべき。水準を 超える事例がでたら、モニタリングして見直すとの記載も必要。 ・ガイドラインが多元的で細かいものになると「ガイドライン」という用語との違和感があ る。 ・判例と同じで、事例の積み重ねがガイドライン。まずマトリックスありきではない。 ・障害程度区分と報酬単価との関係は触れないのか。 ・これまでと全く違うものなので、障害程度区分の見直しが必要と言うのではなく、国とし てガイドラインの指針を作成すべきと言う方がよい。 【不服審査機関など権利擁護について】 ・不服審査会はペーパーワークで運営されている実態あり。市町村の方が資料をたくさん持 っているため、本人の不服申し立ては通りにくいのが現状。 ・不服審査会は機能しづらい。本人が申し立てをしたがらないという現状がある。 ・支給決定の後、直ちに不服審査とはならない。実際は支給決定の変更申請により対応。 ・不服申し立ての仕組みや権利擁護体制については、他のチームでの検討もあり、部会全体 で描いていくことが重要となる。 まとめと今後の報告書作成までの検討過程について ・6月9日が各作業チームの報告書の提出期限になっている。 ・各担当分野について修正したものを、今週土曜までに座長に提出してもらい、7日ごろに はたたき台を再度送付し、修正を加えて最終報告を完成していく。