総合福祉部会 第15回 H23.6.23 資料6−1 「就労(労働及び雇用)」合同作業チーム報告書の概要 1.はじめに(作業チームの検討範囲)  本作業チームでは、障害者の労働および就労施策のあり方について追加開催 も含め、6回にわたり検討した。その主な検討内容は、つぎのとおり。 [1] 障害者基本法に盛り込むべき、労働及び雇用に関する基本的事項 [2] 総合福祉法の守備範囲(労働分野との機能分担など) [3] 就労系日中活動(就労移行支援事業、就労継続支援A型・B型事業、生 産活動に取り組む生活介護事業)、地域生活支援事業(地域活動支援セン ター)や小規模作業所のあり方 [4] 障害者雇用率制度および差別禁止と合理的配慮などを含む、一般就労施 策のあり方 [5] 福祉と労働及び雇用にまたがる制度と労働者性の確保のあり方 [6] [5]との関連で、多様な就業の場としての社会支援雇用・社会的雇用・社 会的事業所のあり方 2.総合福祉法に含めるべき事項 (1)現行の就労系日中活動、地域生活支援事業および小規模作業所などを、 就労を中心とした「就労系事業」および作業活動や社会参加活動を中心と した「作業・活動系事業」に再編成する。前者については、同事業に従事 する障害者の労働者性を確保するという目標からは、障害者雇用促進法ま たはそれにかわる新法(労働法)で規定することが望ましいが、当面は、 総合福祉法に含める。一定の期限を定め、見直すこととする。後者につい ては、福祉サービスとして総合福祉法に含める。 (2)「就労系事業」等に適切かつ安定した仕事を確保するため官公需や民需の 優先発注の仕組み等を整備する。 (3)「就労系事業」で就労する障害者の利用料は撤廃する。 3.障害者雇用促進法に含めるべき事項 (1)障害者権利条約第27条[労働及び雇用]で求められる労働への権利、障害 に基づく差別の禁止、職場における合理的配慮の提供の確保にかかる規定 を設ける。 (2)雇用率制度に基づく雇用義務の対象を、精神障害者を含むあらゆる種類 の障害者に広げるとともに、就業上必要な支援を明らかにする総合的なア セスメントの仕組みを整備する。 (3)雇用率制度の対象者の拡大に関連して、雇用率(引き上げ)および納付 金制度(納付金の額や助成金の対象範囲と給付期間)を見直す。 (4)「就労系事業」等への民間企業からの発注を確保するため、発注額に応じ て雇用率に算定できる制度及び、障害者自立支援法に基づく施設外就労や 納付金制度に基づくグループ就労を発展・拡大し、企業内就労をさらに促 進するため、受け入れ協力企業の雇用率に算定できる制度を導入する。 4.今後の検討課題 (1)「就労系事業」にかかるパイロット・スタディの実施と結果の検証 (2)「就労系事業」に賃金補填制度を導入するための所得保障制度(障害基礎 年金など)との調整のあり方の検討 (3)障害の社会モデルを基礎とした雇用・就労施策を検討する基礎資料を得 るために国の基幹統計調査において障害の有無を尋ねる設問を入れた全国 調査を少なくとも1回実施する。 (4)障害者の一般就労・自営に係る労働施策等と福祉的就労にかかる福祉施 策を一体的に展開できるようにするための行政組織などの再編 5.以上の検討課題についてフォローし、実現化をめざすための今後の検討体 制づくり 6.他の作業チームとの調整が必要な事項 (1)パーソナルアシスタンスなど介護サービス事業の守備範囲 (2)ワンストップサービスの整備 (3)デイアクティビティセンターの機能 (4)他の福祉サービス事業とは異なる「就労系事業」の位置づけ (5)障害者支援施設による日中活動としての就労支援事業