総合福祉部会 第11回 H23.1.25 資料1の補足 平成 23 年度 予算案の主要事項 (厚生労働省)  抜粋 第7 障害者支援の総合的な推進  障害があっても当たり前に地域で暮らし、地域の一員として共に生活でき る社会を実現するため、良質な障害福祉サービスの確保や地域生活支援事業 の着実な実施、精神障害者や発達障害者等への支援施策の推進等を図る。  また、平成22年12月10日に公布された障害者自立支援法等の一部改正  法(議員立法)のうち、「平成24年4月1日までの政令で定める日」の施  行については、以下のとおりとする。 ・ グループホーム・ケアホーム利用の際の助成 → 平成23年10月1日   施行  (利用者1人につき月1万円を上限(市町村民税課税世帯を除く))    ・ 同行援護(重度視覚障害者の移動支援)→ 平成23年10月1日施行 ・ その他の事項 → 平成24年4月1日施行  さらに、自立支援医療の利用者負担のあり方については、引き続き検討す  る。 1 障害福祉サービスの確保、地域生活支援、精神障害者施策などの障害者支援  の推進            1兆1,805億円(1兆1,183億円) (1)障害者の地域移行・地域生活支援のための緊急体制整備事業【特別枠】                             100億円  障害があっても自ら選んだ地域で暮らしていけるよう、施設や病院からの  地域移行や地域生活の支援を充実するため、[1]地域移行のための安心生活  を支援する事業、[2]精神障害者へのアウトリーチ(訪問支援)事業、[3]地  域で暮らす場の整備促進事業を、緊急的かつ総合的に行う。 [1]地域移行のための安心生活支援(新規)       10億円  市町村で、障害者が地域で安心して暮らすための地域支援策を盛り込んだ  プランを作成し、それに基づき、夜間も含めた緊急対応や緊急一時的な宿  泊等の事業を面的に一体的に行う体制を整備するとともに、移動支援やコ  ミュニケーション支援等、地域での活動支援を更に必要とする場合には、  その経費を重点的に支援する(100箇所)。 [2]精神障害者アウトリーチ(訪問支援)推進事業(新規)   7億円  障害者の地域移行・地域生活支援の一環として、未治療者、治療を中断し  ている重症の患者などへ、アウトリーチ(訪問支援)により、医療・保健・  福祉サービスを包括的に提供し、丁寧な支援を行うため、多職種チームに  よる訪問活動やこれらに従事する者への研修等を実施する(25箇所・定  額補助)。 [3]地域で暮らす場の整備促進 83億円  障害者の地域移行支援の核となる、グループホーム・ケアホーム(都道府  県の障害福祉計画の目標8.3万人を達成)等の地域で暮らす「住まいの場」  の整備、生活介護、自立訓練、就労移行支援等の「日中活動の場」の整備  を推進する。 (2)良質な障害福祉サービス等の確保 6,787億円(6,159億円) [1]障害福祉サービス 6,342億円(5,719億円)  障害者等が地域で暮らすために必要なホームヘルプ、グループホーム、就  労移行支援等の障害福祉サービスを計画的に確保する。 [2]地域生活支援事業【一部特別枠】(一部再掲・前ページ参照)                      445億円(440億円)  「障害者の地域移行・地域生活支援のための緊急体制整備事業(特別枠)」  の「地域移行のための安心生活支援」と併せて、地域生活支援事業につい  て、市町村等における事業の着実な実施及び定着を図る。  なお、重度の視覚障害者の移動支援は、「同行援護」として障害福祉サー  ビスにおいて実施(平成23年10月施行)。 (3)障害者に対する良質かつ適切な医療の提供                  1,991億円(1,954億円)  心身の障害の状態の軽減を図る自立支援医療(精神通院医療、身体障害者  のための更生医療、身体障害児のための育成医療)を提供する。 (4)障害福祉サービス提供体制の整備【一部特別枠】  (一部再掲・本ページ参照)         108億円(100億円)  障害者の地域移行支援の核となる、グループホーム・ケアホーム等の地域  で暮らす「住まいの場」の整備、生活介護、自立訓練、就労移行支援等の  「日中活動の場」の整備を推進する。  また、重症心身障害児等の児童福祉施設等の基盤整備を推進する。 (参考)【平成22年度補正予算】 ○ 障害者自立支援対策臨時特例基金の積み増し        39億円  施設サービスの昼夜分離や就労支援の充実等の新体系サービスへの移行  に必要となる施設改修や設備の充実を推進するとともに、発達障害者に対  する情報支援機器や障害者のための自立支援機器の開発・普及のため、基  金への積み増しを行う。 (5)障害者虐待防止等に関する総合的な施策の推進                       4.1億円(4.7億円)  障害者虐待防止の取組を支援するため、地域の関係機関の協力体制や支援  体制の強化を図る「障害者虐待防止対策支援事業」を推進する(実施主体  を都道府県から市町村にも拡大)。 (6)全国障害児・者等実態調査の実施 3.2億円  制度の谷間のない「障害者総合福祉法」(仮称)の検討にも資する基礎資  料とするため、障害児・者等(これまでの法制度では支援の対象とならな  い者を含む。)の生活の実態等を把握するための調査を実施する。 (7)介護職員等によるたんの吸引等の実施のための研修事業の実施 (新規)(再掲・52ページ参照)              9.4億円 (8)地域で生活する精神障害者へのアウトリーチ(訪問による支援)体制  の確立 【特別枠】(新規)(再掲・55ページ参照) 7億円 (9)精神障害者の地域移行・地域定着支援の推進                        6.7億円(17億円)  「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本理念に基づき、都道府県  等において、精神科病院の入院患者への退院促進に向けた啓発活動や対象  者が退院に向けて行う準備への支援などを行う地域移行推進員の配置な  どにより、精神障害者の退院促進や地域定着に向けた事業を実施する。 (10)認知行動療法の普及の推進  98百万円  うつ病の治療において有効性が認められている「認知行動療法」の普及を  図るため、従事者の養成を拡充する。  ※認知行動療法:うつ病になりやすい考え方の偏りを、面接を通じて修正   していく療法。 (参考)【平成22年度補正予算】 ○ うつ病に対する医療等の支援体制の強化         7.6億円  地域におけるうつ病に対する医療等の支援体制の充実のため、地域自殺対  策緊急強化基金への積み増し等により、精神科医療に携わる医師、看護師、  薬剤師等に対する研修や、かかりつけ医と精神科医の連携体制を強化する  等の取組を促進する。 (11)精神科救急医療体制の整備          18億円(23億円)  精神疾患をもった救急患者が地域で適切に救急医療を受けられるよう体  制の充実に取り組むとともに、精神科救急医療施設における空床確保を進  めることにより、精神科救急医療体制の整備を推進する。 (12)認知症医療体制の整備          3.7億円(5.8億円)  地域で認知症の専門的医療を提供する認知症疾患医療センターにおいて、  鑑別診断、専門医療相談、合併症対応、診療情報提供、介護との連携等を  行うほか、認知症の周辺症状や身体合併症に対する双方の医療を担う中核  的機能の整備等を推進する。 (13)心神喪失者等医療観察法の医療提供体制の確保                          208億円(235億円)  心神喪失者等医療観察法を適切に施行するため、指定入院医療機関の確保  を行うとともに、入院から通院を通じた継続的な医療の提供と社会復帰の  促進を図る。 2 発達障害者等支援施策の推進       7.8億円(7.5億円) (1)発達障害者の地域支援体制の確立         2億円(2億円)  自閉症や学習障害、注意欠陥多動性障害などの発達障害のある方や家族に、  ライフステージを通じた一貫した支援体制の強化を図るため、都道府県、  指定都市において、「ペアレントメンター」の養成とその活動をコーディ  ネートする者の配置、「アセスメントツール」の導入を促進する研修会の  実施等を行う。  ※ペアレントメンター:発達障害者の子育て経験のある親であって、その   経験を活かし、子どもが発達障害の診断を受けて間もない親などへの相   談にのったり、助言を行ったりする者。  ※アセスメントツール:発達障害を早期発見し、その後の経過を評価する   ための確認票。 (2)発達障害者の支援手法の開発や普及啓発の着実な実施                        3.9億円(5.4億円)  発達障害者一人ひとりのニーズに対応する一貫した支援を行うことがで  きるよう、先駆的な取組を通じて有効な支援手法を開発・確立するととも  に、発達障害者支援に携わる専門的な人材の育成に取り組む。  併せて、発達障害情報センターを設置する国立障害者リハビリテーション  センターの機能を活かし、発達障害に関する国内外の文献、研究成果等の  情報を集積し発信するとともに、全国の発達障害者支援センターの中央拠  点として、発達障害に対する理解の促進、発達障害者支援の普及・向上に  関する総合的な支援を行う。  また、発達障害支援施策に関し、総合的かつ先駆的な取組を行う市町村を  指定し、その内容をマニュアルやプログラムとしてとりまとめ情報発信す  ることにより、全国的な取組の促進を図る。  さらに、「世界自閉症啓発デー」(4月2日)を契機に、自閉症をはじめと  する発達障害に関する正しい知識の浸透を図るための普及啓発を行う。 (参考)【平成22年度補正予算】 ○ 障害者自立支援対策臨時特例基金の積み増し      1.1億円  発達障害者に対する情報支援機器の普及を促進するため、基金の積み増し  を行う。 (3)発達障害者等の支援のための巡回支援専門員の整備(新規)                               1.6億円  発達障害等に関する知識を有する専門員が、保育所等の子どもやその親が  集まる施設・場を巡回し、施設のスタッフや親に、障害の早期発見・早期  対応のための助言を行う等の取組を実施する市町村(66箇所)への支援  を行う。 (4)高次脳機能障害者の支援体制の確立    26百万円(12百万円)  各都道府県が整備する支援拠点機関において、高次脳機能障害者やその家  族に情報提供、相談業務等を行うとともに、ネットワークの強化により適  切な診断、訓練、リハビリテーションが行えるよう体制の確立を図る。  また、国立障害者リハビリテーションセンターにおいて、新たに「高次脳  機能障害情報・支援センター」を設置し、全国連絡協議会、シンポジウム  等の普及啓発活動や情報の収集・提供を行うとともに、都道府県の支援拠  点機関に対する指導・助言を行うなど、中央拠点として総合的な支援を行  う。 3 障害者に対する就労支援の推進(再掲・40ページ参照)                        233億円(230億円) (1)雇用率達成指導、地域の就労支援の強化    78億円(81億円) (2)障害特性や働き方に応じた支援策の充実・強化 27億円(21億円) (3)障害者の職業能力開発支援の強化      56億円(60億円) (4)「工賃倍増5か年計画」の着実な推進     5億円(7.9億円)  都道府県や事業所が行っている効果的な事業の促進、複数の事業所による  共同受注窓口組織の整備に対する補助を行う。