平成26年度第2回産業労働事情懇談会議事概要 日時: 平成27年3月11日(水)14:00〜16:00 場所: 厚生労働省議室 テーマ: 生産性の向上と効率的な働き方のための取組みと課題 招聘企業(業種): 小売業 <企業概要、生産性の向上、効率的な働き方のための取組み> ○ 食品スーパーマーケット及びその他生活関連商品の小売チェーンで、現在110店舗を 展開し、1日の客数が約35万人。100万世帯位の食卓を賄っている。 ○ 従業員数は約15,400人、うち正社員は約2,300人。 ○ 資本金は39億円で、親会社の100%出資である。 ○ 当社は業界に先駆けてアウトパックの商品を入れた。即ち加工センターを造り、そ こで商品を加工してお店に入れるということをしていたが、やはりインストアで加工 して、その都度鮮度のよい商品をお客様に提供することが競争力だということで、ず いぶん前にアウトパックをやめ、その後はインストアパッケージでやってきた。この ため、店全体の3割ぐらいはバックヤードになっている。地価が高い所で、3割のバッ クヤードは持ちたくはないが、そこが競争に勝ち抜いていける部分だと考えている。 そういうバックヤードで加工するがゆえに、いかに人材をうまく配置をして、働きや すい環境の中で生産性を上げていくかということが、とても重要なポイントになって くる。 ○ LSP(Labor Scheduling Program)をいち早く導入。LSPというのは、一般的 には、店舗のスタンダードレベルを明確にし、作業量・作業時間を分析して、作業割 当表を作成した上で、その作業割当表を活用し、店舗を効率よく運営・管理すること と言われている。作業と時間と人を合理的に組合わせるので、結果として生産性を高 める有効な手段となり得る。 ○ 工場の製品であれば規格があって、品質も、サイズも決められているが、スーパー マーケットでは、良い、悪い、適正というのは、人によって感覚が違う。すると、声 が大きな人や偉い人に「駄目」と言われると駄目、「良い」と言われれば良いという ことが起こる。何を基準に仕事をして良いのかが非常にぶれやすい業界であり、その 基準が決まらないと、お店の作業というのは決まらない。人によって評価が変わらな いようにするためには、数字で物事を考えなければならない。LSPは「数字で問題 を発見し、数字で問題解決をする」社内共通のコミュニケーション手段である。 ○ ただ、LSPを入れたから残業が減る、生産性が上がるということではない。LSP というのは会社の目的を達成するための手段であり、会社が何のためにLSPを使う のかということが、重要なポイント。 ○ 当社では、LSPを使う目的として、@スタンダードレベルの維持・向上、A作業 の基準値を基に改善を行う、B効率のよい人員配置、Cマンアワーのコントロールの 4つを挙げている。@及びAはお店の鮮魚部門、青果部門といった部門を統活するチー フの役割、B及びCは、店舗の管理職である店長の役割とみている。 ○ 1984年に1つの店舗でLSP導入のための作業量調査を開始し、1986年に作業が比較 的単純なグロサリー部門、続いてチェックスタンド部門でLSPの導入を開始、その 後、鮮魚、青果・精肉、総菜・ベーカリーと順次拡大。生鮮部門の場合、原料を加工 して店頭に出すため、同じ素材でもどのような加工をするかで作業が全く異なる。こ こをいかに工夫するかがLSP導入における1つのノウハウとなる。 ○ LSPの重要な前提条件の1つとして、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)があ り、これは、作業がしやすい環境づくりだと思っている。「整理」は要らないものを 捨て要るものだけを残すこと、「整頓」は要るものを使いやすいようにきちんと置き、 誰にでもわかるように明示することである。LSPを基に作業に人を割り当てると、 同じ作業を日によって異なる人が行うこともあるため、誰でもわかるように商品など を管理することが不可欠となる。清掃が行き届くというのは勿論重要で、壁の角を直 角ではなくカーブにする、機器と壁の間を空けるなど、清掃しやすい環境を整えてい る。躾は決められたこと(例えば、作業が変わるきには手を洗う、物は手ではなくカー  トで運ぶ、通路に物を置かない等)をいつも正しく守る習慣づけのこと。躾はされる 側ではなくする側の問題、躾ができていない従業員がいるのはそれを放置している管 理職の問題と考えている。 ○ もう1つの重要な前提条件は「作業区分」で、これは、共通の言葉づくり、認識づ くりということになるかと思う。社員全員が、1つの言葉を同じ意味合いで捉えて理 解をしないと、会社として統一の行動ができない。このため、当社は「言語化された 経営」といって、非常に言葉を大切にしており、例えば会議室には必ず広辞苑が置い てあり、「その言葉の意味はどうなのだ」という質問をよくされる。「作業区分」と は、1つずつの作業について、始めと終わりをどのように決め、どのような意味を持 たせるかということである。重要なポイントは、「全ての作業を洗い出す」「始めと 終わりを決める」「その出来栄えを決める」の3つ。「全ての作業を洗い出す」とい うことは、お店のシャッターが開いてから、お店のシャッターが閉まって全員がお店 を出るまで、仕事としてやるべき作業は、全て洗い出すということであり、洗い出さ れた作業はきちんと時間、人を割り当てるということである。そこをきちんとやらな いと、サービス残業の温床になる。そういった意味で、当社の場合は、サービス残業 は皆無だと考えている。「始めと終わりを決める」「その出来栄えを決める」という のは、例えば、品出しという作業を考えると、商品を出すだけということなら短時間 で終わるかもしれないが、商品をバックヤードから探すところからゴミを片付けるま でなら、とても時間がかかるかもしれない。同じく、商品の正面が一つたりとも斜め を向いては駄目だということなら更に手間がかかるかもしれない。作業の出来栄えと、 どこからどこまでが作業内容かを明確にしないと、作業量は決められない。出来栄え を決めるということは、会社としてのサービスレベルを決めるということである。百 貨店では果物がきれいに並べられているが、当社がはあのように陳列したら、コスト がかかって、今の値段では提供できない。一方、棚が乱れていようと安ければいいと いうお店もあるかもしれない。それは、そのお店が決めたスタンダードレベルであり、 それによって、掛かるコストが変わる。それをきちんと決めなければならない。 ○ そのように区分した作業ごとに作業量を把握する。作業には、商品化作業、品出し、 レジの清算といった売上に応じて作業量が変わる作業と、売上にかかわらず発生する 作業があり、前者の作業量は、天候や競合店の動きの影響も受けて変動する。ただ、 スーパーマーケットは日常の食材の提供が役割で、商圏は大体1.5qと狭く、ポイント カード会員の売上が7〜8割を占めており、曜日サービスや特売日も大体決まってい るので、ある程度傾向はつかめる。店長は売上客数の計画を立てるが、誤差は5%以 内に収めるようにしている。 ○ それから、それぞれの作業がどのくらいのスピードでできるのか、やるべきかとい う合理的な期待値(RE(Reasonable Expectancy))を持っている。例えば、鮮魚の 刺身は1時間に60個作るというREになっているが、これは、きちんと備品が定位置に 無なかったり、きちんと準備をしてなかったり、やり方が違ったりするとできない。 できない場合は、できるように増員するのではなく、できなければどこかに問題があ るのでそれを探すことが、LSPのとても重要なポイントとなる。 ○ LSPを導入するときは、現場には抵抗感があった。導入したとき、大体3か月間 ぐらい、あるお店に張りついて、ストップウォッチとカウンターを持って数を数え、 作業分析をした。その時、作業をしている人に、「私は機械どおりなんかできない」、 「そんなの私のやり方と違う」と言われた。それに対して、あなたの行う作業の作業 時間を測っているだけであり、いつも取りに行っていた原料がいつもそばにあるよう になる、まな板の高さは適切になる、チーフが代わるとやり方が変わっていたのが会 社の統一のやり方になるというように働きやすくなったのではないかと話すと、納得 してもらえた。そこがとても重要なポイントであった。 ○ 日々の基本的な売上予測を入れると、REを基に各作業の時間帯ごとに、どのくら い人が必要だということがコンピュータ上で計算されて出てくる(ソフトは自社開 発)。それで、作業割当表を作成する。それでも、不足が生じることもある。すると、 他部門から応援をしてもらったり、パート・アルバイト社員や正社員が残業したり、 若しくは「やらない」という判断をする。「やらない」という判断が下せないと、ど こかに必ず労働強化、サービス残業が出てくる。逆に空き時間が出てくることもある。 ポツポツとした空き時間は余り活用しようがないので、作業の組立てをいろいろ変え て、空き時間をまとめると、何に使おうかということが考えられる。各部門の作業割 当表を店長が見て、どこの部門がどこの部門に人材の応援を出すように事前に指示を する。レジが混むと他部門から応援に行ってレジ打ちをするが、事前に、人的余裕が ある部門から応援に行くというように優先順位が決められている。 ○ 空き時間があり、どこかの部門に応援を出したくても、その作業ができなければ応 援には出せない。したがって、こういうことをできるように教育するといいという共 通認識ができる。限られた人材を有効活用するためには、やはり教育をしなければな らない。また、働いている人たちが働きやすい環境であることがとても大切であり、 みんなが同じように、ある程度平準化された忙しさの中で、楽しく仕事をしていきた いと考えている。そういった意味で、LSPというのは非常に有効なツールである。 <主な意見交換> 【Q】LSPを導入しているのは、御社だけか。そうであるすると、他社で導入が進まな い理由は何か。 【A】LSPの導入にチャレンジしている同業他社はたくさんあるが、結果的にやり切れ ていない状況だと思う。全ての作業を洗い出すと、今まで公式にはやっていなかった 仕事、隠れていた部分が全て白日の下にさらされ、それに対して賃金が発生する。す ると、一時的に人件費が増大し、結果的に生産性が上がる前でやめてしまう会社が多 いのではないかと思う。小売業というのは江戸時代の丁稚奉公から始まっており、住 み込みで働くので、もともと労働時間の概念がないのではないかと考える。日本の小 売業はまだそこから脱却できていないのではないかと思う。当社は、オーナー企業で はなく、トップはサラリーマン社長なので、その辺の感覚は違う。一時的に人件費が 増えても将来的に生産性が上がるということを株主に説明できるかという問題もある が、その点当社は親会社の了解を取れば良かったということもある。また、LSPを 導入するには、正しい作業、無理のない作業ができるように、段差がないバックヤー ドにするなど、店舗の造りも変わってくる。しかし、最近、他社でも、名称は異なる がLSPに近いような形で取り組んでいるようである。   【Q】LSPの導入により、一時的に人件費が増えるとしても、結果的には人件費の削減 につながっているのか。 【A】LSPは、直接的に人件費の削減を目的にしているのではなく、適正な生産性にす ることを目的としている。会社としてサービスレベルを決めて、それに必要なマンア ワーを算出し、そのマンアワーで業務ができるようにしたいということ。最近は店舗 によっては総菜系の商品を充実させているが、これは手間がかかるので、総菜系の商 品を充実させている店舗では生産性が下がる。従ってそういう店舗では低い採算ベー スとなる。生産性が低い店も問題だが、高すぎる店も問題となる。例えば、清掃が不 十分、手間のかかる商品化をしていない、とても残業が多いといった問題である。こ のため、生産性を上げるというより、適切な生産性に持って行くということに注力し ている。 【Q】適切な生産性水準を割り出して、それが達成されているかどうかということが、御 社の評価基準になるという理解でよいか。 【A】そのとおり。結果的に、新たに出店した店舗は、我々(本部のLSP担当)が入っ てチェックしていくと生産性は上がる。ただし、我々が想定している適正な生産性を 超えるところまではいかない。 【Q】LSPは生産性を上げることを目的とするものではないということだが、結果的に LSPを導入する前と現在を比べたとき、マンアワー単位の売上高、利益額は上がっ ているか。 【A】生産性については、外的要因(周囲の同業他社の出店、景気の動向)がない場合、 原則上がっていく。 【Q】日本特有のサービスの高さなどアメリカのスーパーと日本のスーパーの違いといっ たものを何か比較されているのであれば教えて頂きたい。 【A】生鮮食料品の鮮度管理は相当気を使っている。我々は、安心して買えるということ を大前提に、鮮度・品質の良い物を提供して、気持ちよく帰っていただくというとこ ろまで、どのように対応できるかということを重要なポイントと思っている。そのた め、レジで椅子に座って流すのではなく、「いらっしゃいませ」のアイコンタクトか ら始まって「ありがとうございます」までの動作をきちっとする、また、小さいお子 様を抱いているお客様がいたらカゴを運び、袋に詰める、或いは車椅子のお客様がい らっしゃった場合には、付き添い、取れない商品を取って差し上げるといったことを なるべく行っている。アメリカでよく見られるエクスプレスレジの導入も何度かチャ レンジしたものの、アメリカのようにこちらは商品5点以下の方だけですというよう な割り切りはできないし、お客様にもなかなか納得していただけない。日本のスー パーマーケットはそこまで合理的にできないし、顧客もそこまで合理的ではない。  最近は日本人の求めるサービスレベルが高い。かつては総菜やベーカリーというの は、余りやっていなかったが、今はこうした手間の掛かる商品に注力している。そう すると、やはり生産性は悪くなっていく。生産性というのは人時売上高の部分と、人 時付加価値という粗利がある。一般的に「生産性」と言うと人時売上高のほうを指 す。生産性(人時売上高)が悪くなったとしても、付加価値の部分で粗利が増えて最 終的な利益が増えれば良い。  サービスレベルが日本と欧米では違うということを見なければ、日本の生産性が低 いということは一概には言えないだろう。そこは国民性・価値観の違いでもあるか ら、非常に難しいのではないだろうか。   【Q】人時付加価値ベースでも、総菜部門を入れると、生産性は落ちるのか。 【A】付加価値まで見ると、総菜部門がどのぐらいうまく回るかにもよるが、現状だと上 がってきている。なぜ我々は人時売上高を見るかというと、売上は日々追えるし、マ ンアワーも日々追えるが、粗利は月が閉まらないと確定しない。人時売上高で見ない と日々の管理ができないためである。 【Q】クレーム対応といった受動業務的なものもLSPの中に組み込んでいるのか。 【A】クレーム対応については、LSPの基準には入れていない。LSPの基準どおりに やることが目的ではなく、ぶれても理由があればいい。お客様から問い合わせがあっ たら臨機応変に対応し、それに時間がかかったとしても、何ら問題ではない。 【Q】各作業の標準時間を決める際に、人の質、例えば正社員とパート・アルバイトの違 い、熟練度、能力差などについては、どう考慮しているのか。 【A】人の質については、「Bプラスワーカー」と言い、A、B、C、Dと付けたら、A ランクの人を基準にするのは厳しいので、Bの限りなくAに近いレベルを基準にして いる。作業スピードは正社員より熟練したパートタイムの方が速い。 【Q】御社のサービスのレベルは、どういう基準で決めているのか。 【A】出来栄えのレベルは、会社の政策であるので、月2回の営業の会議で議論したり、 月に1回お店に各部署の責任者が行き、売場をチェックする機会があるので、その中 でみんなで目合わせをしながら、徐々に会社全体でオーソライズしていくということ を過去何十年も続けてきた。その積み重ねが当社の1つの文化、社風として残ってき ているのではないかと思う。     【Q】LSPを活用して、それぞれの仕事の空き時間に他部門への応援を行うことで、効 率的に人員配置するということは、従業員には色々なことができる能力や技術が備 わっていなければいけないと思うが、そのような教育をあらかじめ行っているのか。 【A】正社員は、どの部門でも仕事ができるように、入社すると、青果、鮮魚、精肉、総 菜、ベーカリー、チェックスタンドと、全部門の研修を受ける。また、チーフは部門 に配属発令されるが、その下は、部門ごとの配属ではなく店舗に配属しているため、 店長が自在に人員配置を行うことが可能となっている。   また、LSPの導入により、作業工程が細分化されているので、1つの作業が非常 に簡単になっており、応援に出しやすくなっている。 【Q】LSPの導入に当たって、店舗によって業務のやり方が違うということもあったと 思うが、その中で標準の業務フローをどのように決定したのか。 【A】今は標準REという考え方で、全店共通のREとなっているが、LSPの導入当初 は、店別REであった。しかし、店別にREを決めても、大体そろってくる。逆に、 そこが同じになるようなバックヤードにしている。みんなが同じようにやれる環境を つくっている。そうすることが、REの納得性につながってくる。 【Q】標準的な作業時間は、どれくらいの頻度で見直しているのか。 【A】基準の見直しは、毎年春に行っている。新しい作業があれば、新しい作業のREの 基準を作成する。 【Q】新店を出した場合、安定した営業成績が出るまでは、様子を見ることが必要だと思 うが、何か月位の営業成績を見た上で、新店舗の標準売上目標を見極めるのか。 【A】新店については、売上を上げてお客様に認知をしていただき、ある程度地域のシェ アを取ることが最大の役割である。そのため、まずは生産性より売上ということで、 LSP関係では1年位は余り手を入れない。新店が出るとき、当初は生産性が低い部 分があるので、6か月間は、正社員は各部門プラス1で良いとしている。その後は教 育の度合いを見ながら、人員を適正に戻していくという手法を採っている。 【Q】このLSPの数字以外に、何か別の経営判断基準はあるか。自社の店舗の近くに競 合他社の新店が出るとか直接的には数値化できないような指標を、どのように考慮し ているのか。 【A】競合などは周辺把握という手法で見ている。簡単に言うと商圏内の世帯数と、その 商圏にある商業施設の面積によって、どれぐらいお客さんが来るはずだということが わかる。 【Q】LSPの特徴として、作業を統一的・画一的にやることで効率性を高めるというこ とがあると思うが、ある意味、言われたことをやればいいということになり、個人が 行っていた工夫がそがれてしまい、仕事に対するやりがいがなくなってしまう側面が あるのではないか。 【A】我々のLSPのシステムは、マンアワーは算出されてくるが、それをどう配置して いくかというのは自分でやらなければならない。作業をどう組立てるかというのが チーフの段取り屋としての力の発揮のしどころだと思っている。作業をどう組立てた ら一番効率よく作業ができるのか、どう組立てたら一番ピーク時間帯に売場に商品が 出るのか、どうやったら残業せずに帰れるのかということを考えなければならない。 日本人は真面目なので、仕事がないから立っていますということはしない。仕事がな いと、仕事をつくってでも無駄な作業をする。それをいかにコントロールするかとい うのがLSPである。「LSPを導入して生産性を上げよう」ということをひたすら 言っていると、やらされ感たっぷりになるが、会社がどういう目的で何に使うのか、 あなたはどういうようにしたらいいのかということをきちんと教えれば、LSPとい うのは教育のツールとしても、仕事のやりがいとしても、とてもいいものだと思う。