平成21年度パートタイム労働法の施行状況について
1.都道府県労働局雇用均等室への相談
◆ 平成21年度のパートタイム労働に関する相談件数は5,222件であり、その内訳は、事業主からの相談が57.0%(2,978件)、短時間労働者からの相談が24.3%(1,270件)を占めている (表1、図1、図2) 。
◆ 相談内容のうち、指針関係及びその他(年休、解雇、社会保険等)を除いて、最も多いものは「通常の労働者への転換推進措置」に関するもので799件(15.3%)。次いで、「労働条件の文書交付等」が653件(12.5%)、「差別的取扱いの禁止」に関するものが382件(7.3%)となっている。
◆ なお、パートタイム労働法施行初年度の平成20年度に比べ、平成21年度の相談件数は減少している。
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短時間 労働者 |
事業主 | その他 | 合計 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第6条関係 (労働条件の文書交付等) |
123 | ( 9.7% ) | 441 | ( 14.8% ) | 89 | ( 9.1% ) | 653 | ( 12.5% ) |
第7条関係 (就業規則の作成手続) |
21 | ( 1.7% ) | 124 | ( 4.2% ) | 35 | ( 3.6% ) | 180 | ( 3.4% ) |
第8条関係 (差別的取扱いの禁止) |
96 | ( 7.6% ) | 198 | ( 6.6% ) | 88 | ( 9.0% ) | 382 | ( 7.3% ) |
第9条関係 (賃金) |
93 | ( 7.3% ) | 177 | ( 5.9% ) | 75 | ( 7.7% ) | 345 | ( 6.6% ) |
第10条関係 (教育訓練) |
12 | ( 0.9% ) | 56 | ( 1.9% ) | 19 | ( 2.0% ) | 87 | ( 1.7% ) |
第11条関係 (福利厚生施設) |
11 | ( 0.9% ) | 68 | ( 2.3% ) | 16 | ( 1.6% ) | 95 | ( 1.8% ) |
第12条関係 (通常の労働者への転換) |
93 | ( 7.3% ) | 538 | ( 18.1% ) | 168 | ( 17.2% ) | 799 | ( 15.3% ) |
第13条関係 (待遇に関する説明) |
119 | ( 9.4% ) | 83 | ( 2.8% ) | 38 | ( 3.9% ) | 240 | ( 4.6% ) |
第14条関係 (指針関係) |
128 | ( 10.1% ) | 206 | ( 6.9% ) | 87 | ( 8.9% ) | 421 | ( 8.1% ) |
第15条関係 (短時間雇用管理者) |
6 | ( 0.5% ) | 191 | ( 6.4% ) | 27 | ( 2.8% ) | 224 | ( 4.3% ) |
その他 (年休、解雇、社会保険等) |
568 | ( 44.7% ) | 896 | ( 30.1% ) | 332 | ( 34.1% ) | 1,796 | ( 34.4% ) |
合計 | 1,270 | ( 100.0% ) | 2,978 | ( 100.0% ) | 974 | ( 100.0% ) | 5,222 | ( 100.0% ) |
注:「指針関係」とは、法定の措置を講ずるに当たっての留意事項等を明らかにするために定めた指針に関するものである。
図1 相談内容の内訳

図2 相談件数の推移

2. 都道府県労働局雇用均等室における指導(パートタイム労働法第16条)
◆ 平成21年度は、13,992事業所に対し報告徴収(注1)を実施し、このうち何らかのパートタイム労働法違反が確認された12,172事業所に対し、25,928件の是正指導を行った(表2、図3)。
◆ 是正指導の内容としては、「通常の労働者への転換推進措置」に関するものが8,249件(31.8%)、「労働条件の文書交付等」に関するものが、6,036件(23.3%)となっている。
◆ 平成20年度に比べ、報告徴収件数及び是正指導件数が大幅に増えている(注2)。
事項 | 是正指導件数 | |
---|---|---|
第6条関係 (労働条件の文書交付等) |
6,036 | ( 23.3% ) |
第7条関係 (就業規則の作成手続) |
1,435 | ( 5.5% ) |
第8条関係 (差別的取扱いの禁止) |
7 | ( 0.0% ) |
第9条関係 (賃金の均衡待遇) |
2,233 | ( 8.6% ) |
第10条関係 (教育訓練) |
226 | ( 0.9% ) |
第11条関係 (福利厚生施設) |
2 | ( 0.0% ) |
第12条関係 (通常の労働者への転換) |
8,249 | ( 31.8% ) |
第13条関係 (待遇に関する説明) |
16 | ( 0.1% ) |
第15条関係 (短時間雇用管理者の選任) |
5,576 | ( 21.5% ) |
その他 (指針) |
2,148 | ( 8.3% ) |
合計 | 25,928 | ( 100.0% ) |
図3 報告徴収件数、是正指導件数の推移

注1:報告徴収=事業所への現地実情調査等を行うことのほか、法の施行に関し必要な事項につき事業主から報告を求めることをいう。
注2:平成21年2月より、都道府県労働局雇用均等室に配置されている「均衡待遇・正社員化推進プランナー」が増員されている。
3. 都道府県労働局長による紛争解決の援助(パートタイム労働法第21条)
紛争解決援助の申立受理件数は3件(うち2件が通常の労働者への転換に関する事案)であり、申立はすべて労働者からであった。
<問い合わせ先>
厚生労働省 雇用均等・児童家庭局 短時間・在宅労働課 均衡待遇係
電話(代表)03−5253−1111(内線)7869