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第6章 その他ものづくり基盤技術の振興に関し必要な事項


 第1節 国際協力

   アジアを中心とした開発途上地域においても、経済及び産業の発展を支える上
  で、ものづくり基盤技術の振興を図ることが必要である。こうした中、我が国が
  国際社会において求められている役割を積極的に果たすためにも、日本で培われ
  たものづくり基盤技術を伝承するための協力が一層重要となっている。
   このため、ものづくり基盤技術を支える人材育成の支援を行うことが重要であ
  り、研修や専門家派遣による人材育成の支援を行っていく。また、開発途上地域
  における政府間の技術協力及び国際機関等を通じての協力や、企業活動の国際化
  に対応した取組への支援によりものづくり労働者の職業能力の向上を図る。さら
  に、ものづくり分野における我が国民間企業等への外国人研修生や、職業訓練指
  導員の養成のための外国人留学生の適切な受入れを推進する。
   また、我が国のものづくり基盤技術を活かしながら、開発途上地域の実績にあ
  った基盤技術の振興を図るため、開発途上地域における我が国と相手国との共同
  研究を推進する。


 第2節 情報技術の活用

   我が国の製造業が有するものづくりに係る技能・技術・ノウハウを、効率的か
  つ迅速にまとめ上げ、市場に製品として送り出すことのできるような総合的な力
  を強化すること等が必要である。
   このため、長期的な社員教育、製造現場における品質管理に係る継続的な改善
  活動、長期的利益の重視等の我が国製造業の長所に情報技術の活用を取り入れた
  新たな経営モデルを研究・構築する。
   また、グローバルな電子調達などの環境変化に対応し、経営と情報技術の両方
  に卓越した人材の育成を図るとともに、ものづくりの各工程をオンラインでつな
  いで3次元CADデータのやりとりを可能とする新たな生産システムの研究を行う。


 第3節 その他

   ものづくり基盤技術の振興には、ものづくり基盤技術に対する国民の理解と協
  力が必要不可欠である。
   このため、ものづくり基盤技術の重要性を国民各層へ普及すべく、マスコミの
  積極的活用等による広報活動その他の普及啓発を行っていく。
   また、卓越したものづくり能力を有する個人及び企業を対象とする「内閣総理
  大臣賞」を始めとする表彰制度の創設を検討するものとする。
   さらに、ものづくり基盤産業の振興に関する施策の適正な策定及び実施に資す
  るため、ものづくり基盤技術の関係者等の意見を国の施策に反映させるように努
  める。

 


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