不法就労等外国人対策について
平成12年3月7日 警 察 庁 労 働 省 法 務 省 |
警察・労働・法務の三省庁は,これまで相互の協力を深めながら有効かつ適切な不 法滞在・不法就労外国人対策を推進し,我が国に在留する不法残留者の増加に一定の 歯止めをかけるとともに,これを減少基調へと導くなど所要の成果を挙げてきたとこ ろである。 しかしながら,我が国の雇用情勢が低迷する中,依然として国内に不法残留する外 国人は約27万人と高水準で推移しており,他方,密航者や偽装日系人など新たに不 法入国を図る外国人も跡を絶たない状況にある。 これら法違反者の多くは,我が国において不法就労に従事しているとみられ,その 定着化傾向も益々強まりつつあるところ,こうした状況は新たな不法就労者の流入を 促し,我が国労働市場に与える種々の悪影響を増大させるほか,その一部は薬物犯罪 や凶悪犯罪への関与を強めるなど,今や不法就労外国人問題は,我が国の社会や治安 にとって看過できない問題となっている。 近隣諸国の経済情勢はいまだ安定した状況にはなく,賃金格差等を背景とした不法 就労外国人の我が国への流入圧力に顕著な低下の兆しはみられない。また,国際化の 進展に伴い様々な分野で外国人と日本人との関係が密接となる中で,この問題が我が 国社会に与える影響が一層増大することが懸念される。 かかる状況にかんがみ,昨年は入管法の一部を改正し,不法入国者等が我が国に不 法に在留する行為自体を厳正に処罰するための罰則を新設するなど法整備が行われた が,警察・労働・法務の三省庁は,今後もより一層の連携強化を図り,また,各分野 にわたる関係各省庁の協力をも得ながら,下記事項に重点を置いて悪質・巧妙化する 不法滞在・不法就労外国人対策への取組みを強力に推進していくものとする。 記 1 不法就労外国人及び悪質なブローカー・雇用主等に関する緊密な情報交換 2 事業主・団体に対する行政指導及び啓発活動の強化 3 就労資格を有する外国人による資格外活動の防止対策の強化 4 悪質な不法滞在・不法就労事犯等に対する取締り等の強化 5 不法就労防止に向けた国内及び海外広報の積極的実施