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2.業務内容

1 精神障害者の相談に応じること

 精神障害者自身は、精神障害者に対する各種給付制度、税の減免措置等の経済的支援や、社会復帰施設等の社会資源に関する知識を有しないことが通常であり、精神障害者の社会復帰に向けた自助努力を支援するに当たっては、精神障害者の求めに応じて、活用可能な様々な選択肢を提供することが重要です。
 そのため、精神保健福祉士は、精神障害者の精神疾患の状態にも配慮しつつ、その円滑な社会復帰に資する各種の情報提供をその業務として行います。


2 精神障害者に対する助言、指導を行うこと

 精神障害者の社会復帰を支援するためには、精神障害者の相談に応じるだけでなく、当該精神障害者にとって、どのような制度を利用することが有利であるか、どのような選択肢が適しているのか、そのような制度を利用する上で満たすべき条件は何なのか等を分析検討した上で、精神障害者が目指すべき社会復帰の方向を提案し、誘導していくことが重要です。
 そのため、精神保健福祉士は、精神障害者に対して、その精神疾患の状態にも配慮しつつ、その円滑な社会復帰に資する退院後の住居や再就労の場の選択等について、積極的な提案、誘導をその業務として行います。


3 精神障害者に対する日常生活への適応のために必要な訓練を行うこと

 入院中の精神障害者の中には、10年以上入院している者が3分の1以上いるなど入院期間が長期にわたる者が多く、このような者については、入院管理下の生活になれてしまい、病院外での生活から遠ざかっていることから、その社会復帰が円滑に進まない者がいます。
 そのため、精神保健福祉士は、社会復帰の途上にある精神障害者に対し、時間を決めて洗面させる、清掃、洗濯等の習慣を付けさせる、挨拶の練習をさせる、公共交通機関に慣れさせる等の生活技能を身に付けるための訓練を、その業務として行います。


※参考

 具体的な業務内容の例は別紙のとおり。


(別 紙)

精神保健福祉士が行う具体的な業務内容

業 務 具 体 的 な 事 例
相 談 精神障害者に対する各種の情報提供
精神障害者に対する各種給付制度
精神障害者に対する税の減免措置
社会復帰施設等の社会資源に関すること
家庭環境、友人関係、就学・就労等の生活状況の把握
退院先についての相談
助言・指導 家族との連絡、家庭の問題により発病した者の家庭環境の改善への助言
無関心な家庭への精神障害者の理解を深めるための助言
退院後の住居や再就労の場の選択等についての提案、誘導
日常生活訓練 退院に向けた日常生活訓練
規則的な生活、金銭の自己管理、1日の計画を立てる等の訓練
試験的な外出による日常生活訓練(買い物、公共交通機関の利用)
日常生活の訓練
生活技術 (掃除、洗濯等)の修得
集団作業 (集団で、買い物に行き食料品を購入し、皆で調理したものを食べ、後かたづけを行わせる等)
会話、生活マナー等に関する訓練、指導
その他の援助 休業・休学に関する手続きの援助
医療費の確保の手続きの援助
家庭あるいは職場、学校における受け入れ体制の確認


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