97/12/17 中央児童福祉審議会母子保健部会議事録 中央児童福祉審議会母子保健部会 議 事 録   (平成9年12月17日開催) 厚生省児童家庭局母子保健課 中央児童福祉審議会母子保健部会議事次第 日 時:平成9年12月17日(火) 14:00〜17:07 場 所:通商産業省別館 833号会議室 議 題    (1) 小児慢性特定疾患治療研究事業に関する検討会報告について   (2) マターナルPKU(フェニルケトン尿症)対策について   (3) 母子健康手帳の改正について   (4) 幼児の身体体重曲線について   (5) その他 ○事務局  ただいまから中央児童福祉審議会母子保健部会を開催させていただきます。 本日は大変お忙しい中をお集まりいただきましてどうもありがとうございます。  初めに審議官より挨拶をさせていただきます。 ○審議官  本日は年末の大変お忙しい中、各委員の先生方におきましては御出席を賜りましてま ことにありがとうございます。先生方には母子保健あるいは児童福祉の関係で日ごろか ら大変御尽力を賜っていることに対しまして、心から御礼申し上げたいと思います。  当部会におきましては、ことしの6月以来、今日を含めまして3回にわたりまして、 小児の肥満とやせの判定方法や母子健康手帳の改正など御議論いただいてきた訳でござ いますが、きょうは特に小児慢性特定疾患治療研究事業につきまして新たに検討会を設 けまして、10月から12月にかけまして精力的に御検討をいただいてきたところでござい ますが、本日その検討会の結果を当部会にお諮りをいたしまして、今後の事業の在り方 につきまして御意見をちょうだいしたいと考えているところでございます。  小児慢性特定疾患治療研究事業につきましては、昭和49年度から開始された訳でござ いますが、以来、治療研究の推進とともに医療の確立・普及が図られまして、また家族 の経済的負担の軽減によりまして、児童の健全育成に大きく貢献してきたところでござ います。しかしながら、近年給付人員の増加などによりまして、事業費が大きく伸びて きておりまして、一部の疾患におきましては、地域的な偏りが見られるなど、また審査 体制の在り方などについても問題が提起されている訳でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、本検討会の報告またその報告をもとにし ました当部会の御意見に沿いまして、今後の事業の適正化などにつきまして進めさせて いただきたいと思いますので、是非よろしく御審議をいただきたいとお願い申し上げま す。  最後に年末の予算編成を目前に控えまして、大変厳しい状況でございますが、予算の 確保に努力してまいりたいと考えております。  また、恐らくことし最後だと思いますが、ことし1年間大変御苦労いただきましたこ とに感謝申し上げ、また、引き続き来年も御支援・御協力をお願い申し上げまして御挨 拶にかえさせていただきたいと思います。 ○事務局  本日の部会は、A委員が少しおくれるという連絡が入っておりまして、あとは全員そ ろっております。  それでは、部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。 ○部会長  皆様こんにちは。年末お忙しいところ、今審議官からも御挨拶いただきましたが、お 集まりいただいてありがとうございます。  きょうはいろいろ御審議をいただきたい内容が盛りだくさんにございますので、早速 議事に入らせていただきたいと思います。お手元に議事次第がございますが、その議事 の(1)小児慢性特定疾患治療研究事業に関する検討会の報告につきまして、検討会の委 員をされておりますK委員から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いしま す。 ○K委員  それでは、小児慢性特定疾患に関する検討会の検討の結果を御報告申し上げます。た だいま審議官からの御挨拶の中にもありましたように、小児慢性特定疾患に関しては非 常な意義もある一方でさまざまな問題点が指摘されてまいりました。その点について は、以前にこの母子保健部会で、厚生省心身障害研究の小児慢性特定疾患の推進に関す る研究班の研究経過について御説明し、また問題点の指摘もしてきたことがございま す。そういう経緯から小児慢性特定疾患に関する検討会が設置されました。  この検討会は資料の6ページにありますようなメンバーで、11人の委員がおりまし て、鴨下重彦・国立国際医療センター総長が座長をなさっておられます。今まで10月、 11月、12月、3回の検討会を開催し、また一部の委員は個別に小さな会合を持つなどし て検討を重ねてまいりまして報告書を作成いたしました。その報告書の内容について御 説明申し上げます。  まず、小児慢性特定疾患の現状と問題点でございますが、近年において我が国の出生 数が著しく減少して、20歳未満の人口が大幅に減っております。この小児人口の減少に もかかわらず小児慢性特定疾患治療研究事業の給付人員は平成2年10万 4,000人であっ たものが平成8年には12万 3,000人というように大幅に増えております。更に、その事 業費は平成2年度の 148億円に対して、平成8年度には 234億円というように58.5%も の増加をしております。こういった点に関しては7ページのグラフを御覧ください。左 上のグラフを見ますと、20歳未満の人口が下のほうに実線で示されておりますように、 昭和60年度から平成8年度まで減ってきておりますが、小児慢性特定疾患の給付人員は 約8万人から12万数千人まで増えております。それを疾患群別に見てみますと、右上の グラフですが、多くの疾患群で横ばいないし微減である一方3つの疾患群において給付 人員が増加してきております。増加しているものを下から見ていきますと、血友病等血 液疾患、悪性新生物、一番急なカーブをとっているのが内分泌疾患ですけれども、この うちの悪性新生物あるいは血液疾患などについては、治療の進歩とともに生命予後も改 善されたといったことから増えている可能性があります。他の多くの横ばいないし微減 の疾患については、小児人口の推移に沿った経過を示しているのではないかと思いま す。  その一方で、内分泌疾患に関しては非常に急激な増加を示しています。特に昭和 63年、平成元年あたりから急激な増加を示しているのが分かります。途中から内分泌疾 患の中で、特に成長ホルモン分泌不全性低身長症が別掲として点線で示されておりま す。  これを給付額で見たものがその下にある2つのグラフで、これも合計額の増加と平行 した形で内分泌疾患の増加が見られます。そのほかの疾患群に関しては右下のグラフで 見ますようにほぼ横ばい。それに対して内分泌疾患、その中で点線で示す成長ホルモン 分泌不全性低身長症が非常に多くの部分を占めている事がお分かりだろうと思います。  その次のページに円グラフがありますけれども、これは小慢疾患(小児慢性特定疾患) の疾患群別の事業費の割合ですが、これで見ますように、内分泌疾患がちょうど50%を 占めていて、そのうちの大半、全体の約40%が成長ホルモン分泌不全性低身長症によっ て占められている状況にございます。  このように成長ホルモン分泌不全性低身長症(下垂体性小人症)にかかる事業費の伸 びが突出していて、全体の4割を占め、近年における急激な増加の原因は、この成長ホ ルモン治療によるものであることがうかがわれます。  次に給付人員に地域差があるという問題点でございます。小児慢性特定疾患としては 500ぐらいの疾患名が挙げられています。その個々の疾患について地域差を確認するこ とは非常に困難ですが、一般に地域差があるとは思われないさまざまな疾患において小 慢の給付人員についてははっきりした地域差があります。ここでも成長ホルモン分泌不 全性低身長症の地域差が大きく、次のページの表に示されておりますように、最も高い 県では、20歳未満人口 1,000人当たり 1.5人。それに比べて最も低い県では0.23人とい うことで、約7倍の違いがございます。  この地域差の理由としては、各都道府県における審査体制に格差があるのではない か。また、特定の医療機関に患者が集中する傾向がある。医療機関ごとに治療の継続年 数とか終了の時期が異なっている可能性がある。そういうようなことが地域差の原因と なっていると思われます。  次に都道府県等における審査体制ですけれども、この小児慢性特定疾患の審査は、各 都道府県に設置されている小児慢性特定疾患対策協議会で行うということとされており ます。しかし、これがいまだ設置されていない都道府県があり、また設置されていても 委員数に大きな違いがあったり、都道府県によって十分な審査を行うための体制が整備 されていないという現状がございます。  そして、この各都道府県における審査は、主治医から提出された小児慢性特定疾患医 療意見書といういわば診断書に基づいて行われている訳ですが、それが都道府県によっ てさまざまなものが使われていて、一部に詳しい内容を記載するよう求めている意見書 もある一方で、診断名だけで審査をせざるを得ないといったところもあって、判定をき ちんと行うための情報が医療意見書に十分記載されているとは言えない場合があると。 そのような点がこの検討会で問題点として指摘されました。  これらの問題点に対して、どのようにして適正化していくかということを検討してま いりましたが、ここに書いてありますように、まず審査体制の強化。小慢事業を実施す るすべての自治体に小児慢性特定疾患対策協議会を設置すること。設置した上で、各専 門分野の委員をきちんとそろえて、審査体制の強化を図ること。そういうことがまず必 要であろうと思います。  そして、審査を適正かつ迅速に行うために、各疾患群ごとの医療意見書の様式を検討 してまいりました。これらはもとは、私が主任研究者を務めております「小児慢性特定 疾患治療研究事業の評価に関する研究」研究班の平成7年度、平成8年度、更に続いて 平成9年度の研究として作成し、幾つかの県を選んで試しに使っているところのもので す。この研究班の検討結果を踏まえて、更に今度の検討会でいろいろな意見をいただい て疾患群ごとの意見書をつくりました。悪性新生物以下10の疾患群それぞれについての 意見書が資料として添えられております。今まではこのような疾患群ごとの医療意見書 というのがありませんで、1種類の意見書であった訳ですが、疾患群ごとにこのような 意見書をつくって、そこに病気を診断する上で最低限必要な所見、検査データなどを記 入するようになっております。  これで申請していただくことによって各県の対策協議会では適正な審査が行えるであ ろうと考えております。  次に本事業の対象基準の明確化ということで、各疾患群ごとにこの事業の対象とする 範囲の基準を検討した結果、問題点として挙げられてきたのは、慢性腎疾患、内分泌疾 患、先天性代謝異常。これら3つの疾患群に関係しているものですけれども、ヒト成長 ホルモン治療の対象とする疾患について適正化、明確化する必要があります。この具体 的な内容については後ほど御説明いたします。  それから、血友病等血液疾患についても問題点が指摘されました。この中ではアレル ギー性紫斑病が一番多い訳ですが、このアレルギー性紫斑病に関しては、比較的軽症で 一過性のものまで含まれている可能性がある。アレルギー性紫斑病の中で慢性に経過す るもの、また反復するものに対象を限定する必要があるという意見が出ました。ただ、 このアレルギー性紫斑病については、紫斑病性腎炎になりますと、慢性腎疾患として小 児慢性特定疾患の対象疾患になります。  神経・筋疾患については、その中で結節性硬化症、これも非常に重症度に幅のある疾 患ですが、中等度ないし重度の知能障害があるもの、あるいはけいれんとかてんかんを 有している者を対象とする。そういう意見が出ましたが、これによって対象から外れる 者はほとんどないと実際上は考えられます。  これらの検討結果を踏まえて、当面の対応として成長ホルモン分泌不全性低身長症等 で、等でというのは、そのほかにターナー症候群、軟骨異栄養症、慢性腎不全に伴う低 身長症がある訳ですが、ヒト成長ホルモン治療を実施する場合、この事業の対象とする 基準を別紙のとおり設けることが望ましいというように検討会では結論いたしました。 ただし、これらの病気についてヒト成長ホルモン治療以外の治療がもちろん行われる場 合がある訳ですが、これについては従来のとおり実施する必要があります。この基準 は、あくまでも小児慢性特定疾患治療研究事業としての範囲を示すものであって、医療 の必要性の有無を示すものではない。また、保険診療の取り扱いを変えるものではない ということに留意すべきであろうと思います。  先ほど、申し上げたアレルギー性紫斑病については、持続性、反復性のものを対象と するため発病後2カ月を経過したものを本事業の対象とすることが望ましい。そういう ことで、適応の適正化、基準の明確化を図りたいと思います。  そこで、ヒト成長ホルモンの場合の基準ですけれども、これは「小児慢性特定疾患治 療研究事業においてヒト成長ホルモン治療の対象とする範囲」ということで別紙をつく っております。「ヒト成長ホルモンの適応がある児のうち、次の基準を満たすものを本 事業の対象とする。ただし、ターナー症候群及び軟骨異栄養症についての開始基準及び 継続基準並びに慢性腎不全による低身長についての継続基準は従前通りの取扱いとす る。」  その後に「開始基準」、「継続基準」、「終了基準」という3つが記載されておりま す。開始基準については、現在の身長が同性、同年令の小児の標準身長の− 2.5SD以下 の低身長であることといたしました。現在、成長科学協会で定めているヒト成長ホルモ ン治療の開始基準は6歳以上では− 2.0SD、6歳未満の子どもについては−1.5SDと なっておりますのを− 2.5SDとするということです。 それから、継続基準。これは更新の前年の年間成長率が 3.0cm/年以上であること。 これも成長科学協会の基準は、1年目、2年目、3年目と違ってくる訳ですけれども、 大方前の年の年間成長率が 2.0cm/年以上であるといった基準に対して、 3.0cm/年以 上ということにいたします。  終了基準、これは同性の成人の標準身長の− 2.5SDに達したときといたしました。こ れは成長科学協会のほうでは、骨年齢について、男性が17歳、女性が15歳に達したとき というようになっております。  ここで同性の成人の標準身長の− 2.5SDを具体的に申しますと、男性では156.4 cm、 女性では 145.4cmに相当いたします。  この点に関してですが、この検討会の委員の中で内分泌を専門にしておられる3人の 先生からは、この基準をもう少し緩和してほしいといった意見があったことをつけ加え て御報告しておきます。そのような意見として、慢性腎不全の低身長について開始基準 を従前どおりとしてほしいという意見がありました。この別紙にはターナー症候群と軟 骨異栄養症についての開始基準と継続基準を従前どおり。それに対して、慢性腎不全に よる低身長については、継続基準だけを従前どおりで、開始基準はこの基準によるとい うことにしましたけれども、これの開始基準も従前どおりにしてほしいという意見が内 分泌を専門とする委員からありました。しかし、慢性腎疾患を専門とする委員はこの基 準で了解されており、検討会としては別紙のようにいたしました。  なお、この成長ホルモン治療の対象とする範囲について、経済状態の改善したときに は基準の見直しをするということを報告書に加えてほしいといった意見もありましたけ れども、この点に関しては、ほかの委員、また委員長の意見としては、この成長ホルモ ン治療については経済状態だけの問題ではない。経済状態に関係なく現状で適正化ある いは明確化すべき点があるのだという意見がありまして、この意見については検討会と しては採用しないことにいたしました。  ところで、小児慢性特定疾患治療研究事業については、この事業の対象時に関する情 報については、これまでそういう研究事業という名がありながら十分な活用がされてい ませんでした。この研究面の促進をするために、対象者の全国的な登録管理をする必要 があるということで、この点に関しても、厚生省の心身障害研究で登録管理のシステム の構築について現在検討しております。  それから、またこの事業の対象疾病の一覧表に挙げられている疾患名は、現在一般的 に使われていない病気が挙げられていたり、あるいは同じ疾患が別名で重複して掲載さ れているなど、登録管理を行うに当たってはもっと整理が必要であるといったことも意 見としてあり、問題となりました。  なお、この事業の適正化を図るため意見書の様式を定めることによって、都道府県等 の対策協議会の審査に必要な情報を求める。主治医に意見書を記載していただくことに なりますけれども、審査に十分な情報を収集するためには、申請までにある程度の時間 を必要とするといったことが指摘されております。現在はこれを保健所で申請書を受理 したときまでさかのぼって適応されることになっておりますが、それを更に一定程度さ かのぼって適応されるということも検討すべきであるというように考えられました。特 に入院のみが対象の疾患については、入院ごとに申請をすることになりますけれども、 急な入院で申請がおくれることや医療費の負担も大きいことから、入院の初日にさかの ぼって適応することが望ましいというように思われます。  最後に、特にヒト成長ホルモン治療に関する問題が議論されるごとに、ヒト成長ホル モン製剤の薬価が欧米に比べて非常に高いという意見が出まして、その対応について検 討する必要があると思われます。  簡単に御説明申し上げましたけれども、以上でよろしいでしょうか。 ○部会長  ありがとうございました。この小児慢性特定疾患の事業はもう20年以上前に始まった まま余り手直しもなく今日に及んでおりましたが、当然医学の進歩等に伴う見直しなど がこの部会でもかねがね話題になっておりました。心身障害研究の中で御検討いただ き、特に今K先生から御報告のありました専門委員会は、10の疾患群のそれぞれの専門 の学者から全面的な御検討をいただいた結果ということでございまして、大変ありがた いと思っております。  こういう専門家の御意見が少数意見の補足もいただきましたけれども、きょう委員会 としてまとめていただいた見直しの適正化についての案が出ましたので、これをこの部 会で御検討の上、お認めいただければ、それに沿った方向で行政のほうも対応していた だくということにさせていただきたいというのがきょうの御趣旨でございます。  内容的にちょっと復習になって申し訳ありませんけれども、基準の明確化ということ で、ヒト成長ホルモン治療の対象になるもの。アレルギー性紫斑病についての、いわゆ る急性期と言える部分についての見直し。そして神経・筋疾患等についての基準の検討 の結果の意見をいただきまして、成長ホルモンについては、治療の対象とする範囲を、 5ページの別紙にあるような形でいたしたい。これは重ねて念のために申し上げます が、医療の基準でもございませんし、健康保険の適用とも無関係に、この特定疾患の事 業の対象にするかどうか、そういう意味での範囲でございます。医療そのものを制限す るものではありませんが、本事業としてはこういう基準で実施をいたしましょうと、こ ういうふうに考えていただいております。  そして、さらに各疾患群について、医療意見書を出していただく。これに基づいて、 きちんとしたフォローなり医学的な研究事業に役立てていくということで、10種類の疾 患群について、それぞれの意見書の取りまとめまでいただいた群の御報告をいただきま した。  ということでございますが、ただいまの御説明について御質問ございましたらお願い をいたします。前から委員でいらした先生方には何回か議論を聞いていただいておりま すが、新しい委員の先生で何か御質問ございましたらお願いしたいのですが。 ○D委員  産婦人科なんですけれども、各都道府県に審査会を設ける。そこに専門分野の先生と いうのは、それは例えば県が任命するとか、そういうような方法でやるのでしょうか。 ○事務局  県の協議会でございますので、県のほうでお願いをすることになると思います。 ○D委員  そうすると、ここでいろんな医師会に対する意見書を出しますよね。書いていただき たいと。そうしますと、これは10ぐらいあるんですけど、検査項目というのは、例えば 悪性疾患が非常に多い。これを1回出せば、すぐこれが何年間は通用するのかどうか。 あるいは身長がそこまで伸びるかということで。 ○事務局  原則は1年間の期限で認定をしていただいております。ですから、継続につきまして は、継続のときに確認する内容について提出をいただくということになりますので、す べてそこの意見書にあるものを全部埋めないと申請が通らないということではなく、10 疾患群ですので、各疾患群ごとで、中でもいろいろな病気がございますので、その病気 を診断するのに必要な部分を埋めていただいて出していただく。また、継続につきまし ては、継続のときに是非お知らせいただきたい内容を記載いただくということで、すべ てを埋めていただくというものではございません。 ○D委員  そうしますと、悪性新生物でしたら、小児の悪性腫瘍の場合は、例えば超音波だとか マーカーだけで大体推定が、それだけでよろしいんでしょうか。 ○K委員  悪性新生物には先生がおっしゃったようにさまざまな種類がありまして、それを全部 ひっくるめてこの意見書でやる訳で、白血病については最低限白血病と診断する上で必 要な骨髄の所見ですとか、細胞の表面マーカーというように、それぞれの病気に応じて 必要な項目を埋めていただければよろしいかと思います。固形腫瘍については、またそ れぞれの、例えば神経芽細胞腫という診断名に対しては腫瘍マーカーの VMAがどうかと か、そういうような形で埋めていただければよろしいと思います。 ○部会長 疾患群ごとに1枚ずつの案を専門家につくっていただいたので、病名によって必要な 検査とそうでないものが混じって、この紙の中には入っていると御理解ください。  ほかにございましょうか。なお、この件につきましては、参考資料という綴りの最初 に三重県の小児慢性特定疾患対策協議会、これは三重県が依頼しているこういう協議会 がある訳ですが、その会長からごらんいただくような内容の適正化についての要望書が 出ております。きちんとやっておられるところではかねがねいろいろ気になっておられ るところだったんだと思いますが、こういう要望書も出てきているというのを御参考に していただきたいと思います。  大体よろしゅうございましょうか。全国的な問題ですので、医師会として何か問題ご ざいますでしょうか。E先生いかがですか。 ○E委員  特に問題はないというふうに思っております。 ○部会長  B先生いかがでしょうか。 ○B委員  このお話を伺ったとき、やはり一番インパクトがありましたのは、どうしてこんな地 域差があるのかということが非常に不思議でならなかったです。研究班のほうでいろい ろ御検討頂いたのだと思いますけれども、やり方としては、例えば現在− 2SDを 2.5に すれば、確かに減ってはくるだろうと思うんですが、基本的なことはいいのかなと。言 いにくい部分もあるでしょうけれども、その辺をちらっと考えますけれども。 ○部会長 専門家の間にも多少の意見の相違はあるだろうと思いますが、ともかく十分御討議を いただいた結果であり、また、別途小慢の事業そのものにつきましては、3年間にわた るK研究班の結果も踏まえておりますので、現時点では妥当なところではないかと思い ますけれど、この部会として、こういうことで方向を部会も御納得いただいた内容とい うことにさせていただいてよろしゅうございましょうか。 ○E委員  ちょっと趣が違いますけれども、成長ホルモン自体が遺伝子工学で生産されるように なって、しかも薬価のプライスがほとんど下がってない。これは大変奇妙な現象であっ て、大幅に下げてしかるべきである。大幅に下げることによって、今までなだれ込んで いた周辺の方々も多く適応が出来るのではないかと思います。まず薬価を下げるという のは絶対必要であります。 ○部会長  ありがとうございました。これはこの委員会のその他の中にも書いていただいており ますけれども、E先生御指摘のように、大変奇妙なことでございますので、この辺を、 これは薬務の仕事でしょうが、きちんと対応していただいて、この小慢事業を使わない でも医療保険で適正な治療がしやすいように是非していただくように、これも口添えを お願いしたいと思います。 ○H委員  大変適切な御研究のまとめをいただいたと思います。恐らく今後これをどういうふう に実施していくか、そこがかなめになると思います。しかも対象数が12万ぐらいになっ ておりますし、疾患の種類が非常に多いということで、いろんな例えば診断名の統一で あるとか、データをどういうふうに入れるとか、いろんな御苦労があろうかと思います が、それを是非いろいろ研究班その他でサポートしていただいて、それが完成すれば、 恐らくいろんな疾患の基本的な、例えば頻度であるとか、いろんなことを知ることが出 来ますので、むしろ研究面での補強があれば、これをうまく使って慢性疾患の実態をも う少しつかめることが十分可能だと思います。そういう点で是非厚生省で、それをうま くサポートなさるようにお願いしたいと思います。 ○部会長  ありがとうございます。本来これが治療研究事業とついておりますので、この研究面 でも医療支援をしている結果が活用すべきだという御意見でございますので、これもあ わせてお願いをいたします。課長、今御了解いただきましたけど、コメントあるいは補 足していただくことございますか。 ○母子保健課長  ございません。 ○部会長  大変ありがとうございました。では第1の議題につきましては、検討会報告どおり当 部会の意見とさせていただきます。  次に議事の2でございまして、「マターナルPKU対策について」でございますが、 まず事務局から御説明ください。 ○事務局  それでは座ったまま失礼を申し上げます。資料2をごらんいただきたいと思います。 マターナルPKU対策につきましては、前回のこの部会で若干お話を申し上げたところ でございますが、今のこの課題のところにございますように、昭和52年度から先天性代 謝異常検査を実施いたしまして、20年が経過をしているところでございますが、そろそ ろ初期に発見された患者さんが出産する年齢に近づいてきているということがございま す。このため、これまでもマターナルPKU対策につきましては、小児科の先生、産婦 人科の先生、こういった医療機関の先生方が保護者への指導等していただいていたとこ ろではございますけれども、20年を経過したということもございますので、出来るだけ これから出産を望まれる女性のPKUの患者さんに対しまして情報提供していきたいと いう趣旨でございます。  まず2の「情報提供の対象とその内容」でございますけれども、1つ目のアといたし ましては、まず、これから生まれてくるお子さんに対して、そのお母さんに呼びかける という意味で、母子健康手帳を通じまして、マターナルPKUになる可能性のある方の お母さんに情報提供していこうというものでございます。  記載例でございますけれども、「先天性代謝異常等の検査を受けましょう。すべての 新生児を対象として、血液や尿を用いてフェニールケトン尿症や先天性甲状腺機能低下 症などの先天性代謝異常検査が行われています。詳細については、主治医と相談しまし ょう。 フェニールケトン尿症の女性は、妊娠にあたっては、胎児の障害を予防するため血中 フェニルアラニン値が高くならないよう医師の治療・管理を受ける必要があります。ま た、PKUの女児の保護者の方は、お子さんが子どもを産む年齢に達したら妊娠する前 に、医師に相談するようお子さんを御指導下さい。なお、小児の治療のための特殊ミル クは無償で提供されますので主治医にご相談下さい」という文言でございますが、1つ は、母子健康手帳の中に「先天性代謝異常検査を受けましょう」という項目が今まで入 ってございませんでしたので、総論として、その呼びかけをした上で、フェニールケト ン尿症の女児のお母さんに呼びかけるというものでございます。  これが1つ目の情報提供でございますが、イにつきましては、「これまでにPKUと 診断された女児に対して、将来、妊娠を計画した場合には、胎児の障害を予防するた め、妊娠前から医師の治療・管理を受け、あらかじめ血中フェニルアラニン値を低値に 保った状態で妊娠するよう情報提供を行う。」ということで、この(ア)、(イ)の2 つのルートで通知をしたいという案でございます。  (ア)につきましては、愛育のほうにお願いしております特殊ミルク事務局に対しま して、この「『登録特殊ミルク安定供給事業』において登録特殊ミルクの供給を受けて いる医師に対してマターナルPKUに関する注意喚起を促す文書を送付すること。」と いうことでございます。  また(イ)につきましては、「都道府県等に対して以下の内容で通知」ということで、 「先天性代謝異常検査等の実施に伴いフェニールケトン尿症との判定の出た症例につい て過去に遡り、その保護者に対してマターナルPKUに関する注意喚起を促す文書を送 付する」というものでございます。マススクリーニング検査は都道府県が責任を持って やっているものでございますので、そこで持っている情報をもとに保護者に対して呼び かけをしていただくというこの2つのルートの通知を考えているところでございます。  こういったことで、広くマターナルPKUの対策を講じていきたいという案でござい ます。よろしく御審議をお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。前回おおよその御説明はあったとおりですが、今御説明い ただいたようにはっきりした案としてお示しをしていただいております。母子健康手帳 に書き込むのは、PKUの方が妊娠したというのでは手おくれなんですけれども、しか し、これも一応情報の1つのルートとして書いておくことは結構だと思いますし、そう 頻度の高い病気ではないにせよ、こういう書き方がしてあれば、それを読んだ方が、こ ういう病気のお母さんもおられるのだということも逆に知るいい機会になるかもしれま せん。その他のルートを使ってとりあえず一番必要であろうという方に対しての情報は 下のイに相当する部分で、出来るだけ手を尽くそうということでございます。全員がフ ォローされていれば、個別にダイレクトメールも出来るんですけれども、そこまで出来 ていないのと、また下手にやりますと人権問題にもなりますので、その辺を注意しなが らということで、この(ア)と(イ)という2つの方法でまとめていただいておりま す。御意見、御質問等ございましたらお願いをいたします。  ことにこれは産婦人科の先生、大変身近な問題でございますが、F先生は途中で御退 席ということを伺っておりますので、先に御発言いただけましたらありがたいんです が。 ○F委員  こういう先天異常に対する対策をやるというのは、非常に大事だと思いますし、それ を母子手帳などにむしろ囲みをつくって、よく分かるような形でお出しいただくのがい いのではなかろうかと思います。  もう一つ、(イ)の従来のフェニールケトンヌーリアをサーベイして、 100%サーベ イでないにして、それぞれの県の発生その他はどの程度把握されているのでしょうか。 ○事務局 これまで大体マススクリーニングで 200人ぐらいの方が確認されているというふうに 伺っております。県のほうには結果はすべて検査所のほうから還元されておりますが、 文書の保存期間等の問題は確かにあろうかと思いますので、これからこういった文書を お出ししまして、出来る限り努力をしていただくということをお願いしたいと思ってお ります。 ○部会長 今おっしゃった 200人というのは女性だけですか。 ○事務局  男女ともでございます。 ○部会長  男女ともですね。D先生、いかがでしょう。 ○D委員  PKU以外に、いわゆる代謝異常ございますね。これはレセプト開示につながるんで すけれども、やはり情報を提供しなければいけない時代になっているので、ほかの疾患 は、またこの次要望があれば、あるいはそういう時代が来ればやらざるを得ないと思う んですね。その場合の管理というのは県単位で今管理をしていますけれども、やはり全 体で管理するところが今のところない訳です。ですから、そこをどうクリアしていいか ということもあると思うんですね。  日母としては、国がなかなかやっていただけないので、ある程度は管理しています。 今おっしゃったように 200人のPKUの赤ちゃんが分かっているんですが、そのほかは 治療の対象にはならない代謝異常もある訳ですね。そういう人たちのフォローは全く出 来てない。ですから母子手帳に果たして代謝異常陽性でしたと、それは今書いてないん ですけれども、それも入れる必要があるかということも協議していいのか、審議してい いのか、ちょっと分かりませんけれども、提案させていただきます。 ○部会長  これはどなたに伺ったらいいんでしょう。要するにPKU以外に、特に今新生児のマ ススクリーニングの対象になっている病気で、その患者さんが大人になって、次の世代 について心配をしなければいけないということが今言える病気はあるのでしょうか。K 先生、どうですか。 ○K委員  即座に答えるのは難しい。 ○母子保健課長  それに関して、L先生から、このマターナルPKUのお話をいただいたときに、ほか にも代謝異常でそういったケアを要する疾患が幾つかあるのではないかといった話をさ れまして、今その資料をいただいている状況でありまして、まだどの程度の疾患に対し てどんなケアをする必要があるのかというのは、専門家の先生の御意見もお聞きしまし てこれから少し勉強させていただきたいと思っています。 ○部会長  ありがとうございました。その辺、専門家の方も懸念していらっしゃるようですし、 私、寡聞で、不勉強でPKU以外世界的に問題になっているのは知らないんですが、今 の御発言、D先生のお話のように、厚生省としては情報を集めておいていただいて、必 要があればまた追っかけて対応していただくようにお願いをいたします。 ○母子保健課長  とりあえず対象になるのはPKUだろうといったお話でありました。 ○H委員  先天代謝異常はすべて劣性の遺伝病で、ホモになって発病する訳ですから、その遺伝 子は必ず持っている訳ですね。子どもに伝えます。ただ、どの程度、もし結婚して子ど もを持つ場合、相手の遺伝子の正常か異常かで変わってくると思いますし、また突然変 異で変異遺伝子がまたくっつく可能性もあると思います。だけど、もしホモになった場 合でも、どの程度発症するかは、PKUの場合にはかなり分かっていますけど、分かっ てない疾患がかなり多いと思います。  これはL先生のほうで、恐らく遺伝的な視野も含めて御検討ですので、それを待つの が一番適切だと思います。 ○部会長  ありがとうございました。 ○G委員  PKUの場合、最初診断されたときに、お母さま方にその子がまたお母さんになると きの問題以外に説明をこれまではしているのでしょうか。 ○D委員  口頭ではしています。お母さんはミルクをもらったということで、愛育から支給され ているんですけれども、無料でもらっている訳ですね。それが頭にあります。しかし、 この子が飲まなかったら、精神薄弱になるとかということまで強く言われているお母さ んもいる訳ですね。ですから、この次、例えば自分の娘が成長してお嫁に行くときは黙 っている場合もある訳です。この子、本当は精神薄弱になるところだったというような ことを言われてしまうのではないかということで黙っているような、ほとんどそうです ね。  それから、一度お産した施設には次はなかなか行かないです。ですから、次の赤ちゃ んのフォローが同じ施設で行われたというのは、マススクリーニング20周年記念大会で も聞いたことがございません。 ○H委員  小慢の先天代謝異常意見書という、先ほどの議論の中に先天代謝異常の一文が入って くる訳です。それがもしその時点でコンピュータに入っておりますと、その情報という のは、もし分からなくなったときに、将来非常に貴重な情報源になりうると思うんです ね。多分コンピュータが進みますと、レコードリンケージといいまして、別のソースと つき合わせが大型のコンピュータでさっと出来ますので、そういう意味でも小慢のシス テムがもししっかりすれば、プラスの情報としてやっていくことが出来るだろうという ふうに思います。 ○部会長  ありがとうございました。ほかにございましょうか。 ○J委員  母子健康手帳の記載例の問題なんですけれども、一番上から4行目までは、今の妊娠 というか、赤ちゃんが生まれたら検査をしましょうということですね。5行目からは、 フェニールケトン尿症の子どもが女の子の場合の将来の問題ですね。最後のアンダーラ インが引いてあるところは、もしもフェニールケトン尿症だという診断受けたらば、そ の子どものミルクについては無償で提供されますよという問題ですね。  これを素人が読んで、特に一番最後のアンダーラインのところは行も変えてないし、 起こってくる時系列で考えてみても、何となく消化出来るかなと。知っている人にとっ ては分かることですけれども。 ○D委員  大体生後初めにとりますでしょう。退院するまでには大体報告が来るんです。 ○J委員  退院するまでに来ますか。 ○D委員  大体早いところで。 ○J委員  そうですか。今そんなに早くなりましたか。 ○D委員  はい。ですから、患者さんには言う訳ですよ。 ○J委員  でも生後そんなに早く採血しませんね。4〜5日でないと意味がありませんが。 ○D委員  5日目です。 ○J委員  5日目です。大体それで退院してしまいます。だから、分かるのは退院後になります でしょう。 ○D委員  その前に必ず知らせますよ。 ○J委員  もし陽性ならばですね。このページを最初に読むのはもっと早いかも知れないのです から、いつ読んでも分かり易くという意味です。 ○D委員  医療機関に必ず来ますから。ですから、そうしたらお母さんをお呼びしてお話しする ので知らないということはないんです。ましてやミルクを必ず飲んでいただけるから。 ○J委員  もうちょっと整理して記載したらどうかなと思った訳です。 ○F委員  書き方ですね。 ○J委員  書き方です。 ○F委員  私もそれはそう思います。先ほど囲みになすったらいかがですかと言ったのは、そう いう整理も含めて、一般の方が分かりやすくなるような書き方に整理していただくこと は必要だと思いますね。  ただ、D先生おっしゃったように、実際の症例で、次の子どもがというときに、必ず しもお母さんが正確に伝えないということは十分あり得ることなんですね。その辺のこ とをどういうふうな形で、次の子どもが妊娠する年齢に達したときに、どういうふうに して伝えるかといったことをもう少し検討する必要があるんじゃないでしょうか。 ○部会長  母子健康手帳への実際の書き方は、妊婦のページの部分、あの辺に書くのが1つと、 もう一つ後ろの情報のページの中に説明として入れるのと、2通りの書く場所がありま すので、この書き方と並べて全部書いちゃうと、ほとんどのお母さんには関係のないこ とということもありますが、この辺の書き方はもう少し検討していただいて、分けても いいし、字の大きさを変えてもいいし、いろいろの方法があると思いますので、一般の お母さんが見て奇異な感じを持たないような形で書くと。情報としては、母子健康手帳 の中に今まで入っていなかった大事な情報の1つですから、これを入れるというような 御了解で、この席の議論としてはいかがでございましょうか。  もし、それでよろしければ、またいろいろ工夫していただきますけれど、大変今や世 界的にも大事な問題になってきております。たとえ1人、2人でもこれで防げる子ども さんがあれば、大変大事だと思いますので、是非やりたいことの1つだと思いますけれ ども、いかがでしょう。  ほかに何かございますか、御質問、御意見。課長何かございますか。 ○母子保健課長  今の点につきまして、これは私どもで先天性代謝異常の中でも、代謝異常以降の、例 えば神経芽細胞腫なども受診率が6カ月ぐらいになると非常に低くなって、85%ぐらい に落ちてしまうんですね。代謝異常のときは 100%近いんですが、そういったものも含 めて、出来るだけ受けるようにということを初めに喚起したいなと。それから、代謝異 常についてマターナルPKUの話に入っていきたいなと。  舌足らずな文章でまことに申し訳なかったんですが、もう少し分かりやすく工夫させ ていただいて、また、再度委員の先生方には新しくしたものをファックス等でお送りさ せていただいてチェックしていただくといった形にしたいと思います。これは任意記載 のところでありますので、ある程度分かりやすく書いた方がいいかなと思っています。 ○部会長  ありがとうございました。課長のお話もございましたので、この部会としては、マ ターナルPKUの問題について、母子健康手帳及び特殊ミルクの安定事業、都道府県等 を通して、情報提供に努めるという原案を部会の意見として取り上げて御報告としたい と思いますが、よろしゅうございましょうか。                (「はい」と声あり)  ありがとうございました。  それでは、次に議事の3の分でございますが、「母子健康手帳の改正について」、事 務局から御説明をいただきたいと思います。なお、その中に出てきます妊娠中の薬剤に 関する記述について、御出席いただいているC委員から意見書をちょうだいしています ので、事務局の説明の後で御発言をお願いしたいと思います。それでは、まず事務局か らお願いいたします。 ○事務局  資料3の「母子健康手帳の改正について」でございます。これは前回からの引き続き の御検討ということでございますが、まず1の「胆道閉鎖症について」でございます が、これにつきましては、前回とほぼ同じ内容になってございます。改正内容といたし ましては、小児外科の先生方等の統計によりましても、近年便の色が灰白色から白色と いうもののみではなく黄色がかったもの、レモン色といったものの御報告が多いという 結果がございますので、省令改正になりますけれども、母子健康手帳の中の保護者の記 録の1カ月ごろのところでございますが、「便の色は何色ですか」という質問項目を改 正いたしまして、「うすい黄色、もしくは灰白色の便がつづいていますか。※ はい、 いいえ」というようなことに改正させていただければと思います。  但し書きにつきましても、「※便の色がうすい黄色、レモン色、灰白色で、白目皮膚 が黄色〜黄緑色である場合は、胆汁が流れにくい状態が疑われるので、一日も早く、小 児科医、小児外科医等の診察を受けてください。」といった改正を御検討いただきたい と思っております。  お手元に母子健康手帳があれば、大体16ページくらいのところになろうかと思います が、保護者の記録のところの質問の改正でございます。  それから、引き続きまして、2番目の「日光浴について」でございますが、(1)の 改正の趣旨につきましては前回と同じでございまして、最近紫外線による皮膚等への影 響が問題となっておりますが、また逆に日光の下で子どもをのびのびと遊ばせるという 保育方針のメリットもございますので、総合的に検討する必要があると考えられます。  改正案といたしましては、前回一度御検討いただきました際に、外気浴、外に行くと いうことは非常に重要なことでありますので、日光浴につきましては、この括弧書きの 中で具体的な日光浴の方法が記載されているということで、「外気浴をしていますか。 (天気のよい日に薄着で散歩するなどしてあげましょう)」というような表現ではいか がかという案を幾つかいただいたかと思いますので、今回は具体的な改正案をお示し申 し上げました。  また、前回の宿題で、こういった紫外線の害についての何らかのデータ等あれば、提 出させていただくということがございましたので、今回参考資料のほうに、「子どもの 皮膚と太陽光線」についてという文献を載せさせていただいております。これにつきま して、事務局の方から御説明を申し上げます。 ○事務局  座ったままで失礼させていただきます。  資料の3ページ以降の1つ論文がございましたので御紹介させていただきたいと思い ます。これは現在環境庁におきまして、紫外線による健康影響予防対策の一環といたし まして、紫外線検証マニュアル作成のための班会議というのが開かれてございます。そ の中の1人の委員として御参加されていらっしゃいます神戸大の教授の論文です。  補足につきまして、疫学的な問題、そのほか各種皮膚紫外線による皮膚障害に関しま しての総論的なものが記載されてございますので御参考にしていただければと思ってお ります。その中で、まず9ページのところをごらんいただきたいと思いますが、「疫学 は語る--------」というところからの項目でございます。これに関連いたしまして、ま ず最初に皮膚の悪性腫瘍に関してですけれども、これに関しましては、右のほうでデー タに関しては人口動態統計におけます皮膚悪性腫瘍による死亡率、また、病院調査にお きます有病率、推計でございますけれども、このぐらいのデータでございまして、それ に関しまして、前もってチェックいたしましたけれども、少なくとも有病率等に関しま しては、推計ということもございまして、過去から有意な差は現在のところ出てきてい ないというのが現状でございます。  そこで個別に、ほぼ、また各国別とか、皮膚の悪性腫瘍に関しての有病率に関しまし ては、研究がございまして、それが9ページのところに大体書いてございます。日本に 関しましては、下から5行目のところでございますけれども、大体人口10万に対して10 人前後というふうに言われております。  それから、欧米の白人ということに関しましては、下から10行目ほどに大体人口に対 して 150〜 200人といったデータが論文で非常に多く出されているということでござい ます。それから、その欧米の白人の中におりましても地域差がかなりございまして、例 えばオーストラリアというのはその数行上でございますが、人口10万に対して年間 約 800人と非常に高い数字になっているということがデータで出ております。 また、もう一つ宿題のものとして出されておりましたのが、ビタミンDの合成、骨粗 しょう症、その他に関するものでございますけれども、これに関しましては、10ページ から11ページのところ、特に11ページの表をごらんになっていただきたいと思います。 これに関しましては、ある皮膚疾患、具体的には「色素性乾皮症」という病気でござい ますけれども、これは紫外線が細胞の中の遺伝子によく吸収されまして、それで障害を 起こすということはよく知られております。それで一般の健常なお子さんですと、大人 も含めてですが、その障害されました遺伝子を修復するという機能がございますけれど も、この疾患の方、これは常染色体劣性遺伝でございますけれども、その修復する過程 におきまして障害が起こってくるというものでございます。こういう方ですと、生まれ てからすぐに日光浴と太陽紫外線を浴びますと非常に皮膚障害が起こってくる。そし て、かなり早期、10歳未満程度、早い方ですと4歳、5歳ぐらいのところで皮膚の悪性 腫瘍が起こってくると。非常にそういう意味では特殊な状況ではございますけれども、 こういう方に対しましては、生まれてから完全な遮光を行いませんと、今申し上げまし たように皮膚障害が出てくるということでして、年齢のそういう方に対しての遮光を行 ったという症例のグラフでございます。  そして、遮光を最高でごらんになっていただきますと、25年とか30年とかということ で、遮光年数がございますけれども、そういう方におきましても、活性型のビタミンD 3の生成に関しては小児の標準値の数値内にとどまっていると。現在におきましては、 前の10ページのところにもコメントして載せてございますが、右側の下から10行目ほど のところですが、「現在の日本では健康に必要な活性型ビタミンD3 量は食物から十分 とられていると考えられる」と。  このように、前回皮膚科の先生方のサイドから、どのような、今現在こういう太陽紫 外線に対する防御ということではどのようにお考えなのかという御意見に対しまして、 現在の皮膚科学会等でのお考えを集積いたしましたような内容のものをじかにお話をお 伺いした上でこのような資料をいただきまして、本日こちらのほうで御提供させていた だきました。  これらも含めまして、総合的に御審議をしていただければと考えております。よろし くお願いいたします。 ○部会長  ありがとうございました。 ○事務局  今、1、2と御説明を申し上げましたが、議題2の「母子手帳の改正について」引き 続いて、2ページの全体を御説明申し上げてから御審議いただいたほうがよろしいかと 思いますので、引き続き御説明を申し上げたいと思います。  2ページの3でございますが、これは前回御審議をいただいた項目ではございません が、前回のこの母子保健部会の直後ぐらいに新聞の投書があった件でございます。妊婦 の職業に関する記載というのが、母子手帳の最初のほう、大体3ページぐらいのところ にございますけれども、省令事項でございますが、この中で、上の「現行」というとこ ろをごらんいただきたいと思いますけれども、実は「妊娠してからの状況」というとこ ろで、「仕事を休んだ」、「仕事を変えた」、「仕事をやめた」といった記載がござい ます。御指摘は、これからの女性は働きながら子どもを育てるという方が大変多いにも かかわらず、「仕事を続けた」というのがどうしてないのかという御指摘がございまし て、労働省のほうからもそういった御意見をちょうだいしているところでございます が、実はこの欄そのものが、妊娠してから変更があった場合に記載いただくという欄で ございますので誤解がないように、「妊娠してからの変更状況」というふうにさせてい ただいたほうがいいのではないかということでございます。  また、それを検討しておりましたところ、職業の区分けにつきましても、職業と環境 の欄でありながら、「なし」というのか最初にありますので、「なし」は一番最後に持 っていったほうがいいのではないかということ。また、「勤め・パート」となっており ますが、パートも勤めの一種でございますので、「フルタイム」、「パートタイム」と いうような表現ではいかがかということで改正案を出させていただきました。  4番目が妊娠中の薬剤に関する記述でございまして、これにつきましては、C委員か ら御意見をちょうだいしておりますが、それはまた後ほど委員のほうからお話を伺いな がら御検討いただきたいと思っておりますので、改正案につきましては、従前の案につ いて記載をさせていただいております。  任意的記載事項の追加ということでございますけれども、「薬の影響について」とい う欄を設けるか。またはここに記載しておりませんが、母子手帳の後のほうの任意的記 載事項の「健やかな妊娠と出産のために」という一般的な注意事項を追加するという形 か、いずれかの方法で記載をしたらどうかと考えておりますが、改正案といたしまし て、「妊娠中の薬の影響については、事前にその効果と副作用について医師及び薬剤師 に十分説明を受け、適切な用量・用法を守りましょう」という案にしております。これ につきましては、前回もう少し詳しく記載をいたしておりましたが、D委員等の御意見 を踏まえまして、再度もう少し分かりやすい形でシンプルにさせていただいた案を記載 しております。  次に5の「労働3法の改正」でございますが、これにつきましては、1カ所だけ前回 と修正をさせていただいたところがございます。改正の趣旨につきましては、男女雇用 機会均等法、労働基準法の改正に伴う改正でございまして、新たに働く女性の母性健康 管理の措置が事業主に義務化されたということ。また、多胎妊娠の際の産前休暇期間が 14週に延長されたということを受けましての改正でございます。  改正案でございますが、この法改正に伴った改正でございますが、1カ所、この労働 基準法の最初のところの4行目のところに、「産後6週間は強制的な休業です」という 記載を追加させていただいております。これにつきましては、新たに改正された項目で はございませんが、非常に大事な項目でありながら従前この母子手帳に記載がございま せんでしたので、これについても合わせて掲載したらいかがかという案でございます。  それ以外につきましては、総論のところで御説明申し上げましたように、事業主への 義務化、男女雇用機会均等法をもとに保健指導、健康診査を受ける回数等の具体的な記 載等々でございまして、下線の部分について改正をさせていただきたいと思います。こ れにつきましては、4ページから5ページに分けて掲載しております。内容については 前回どおりでございます。  6の「里帰り出産について」でございますが、これにつきましても前回御検討をお願 いいたしたところでございますが、里帰り出産につきましては、去年の11月20日付で、 私どものほうから「母性・乳幼児の健康診査及び保健指導に関する実施要領」という中 で、産婦が一時実家に帰省する場合、「産褥期を住所地以外で過ごす産婦を把握し、訪 問指導等が適切に行われるよう地方公共団体相互の連携を図るようにすること」といっ た指導をしているところでございますけれども、必ずしもこういったサービスを十分受 けていらっしゃらない方も多いということがございますので、母子手帳にこのような掲 載をいたしまして、妊産婦の方から役所のほうにどういったサービスが受けられるのか というお問い合わせをいただいたほうがいいのではないかというものでございます。  改正案につきましては、任意的記載事項の部分の「健やかな妊娠と出産のために」の 欄に追加をしたいと考えておりまして、改正案でございますが、「帰省する場合 分娩 前後に帰省するなど、住所地以外で過ごす場合は、その旨住所地及び帰省地の市町村役 場保健担当に申し出、母子保健サービスの説明を受けましょう」というものでございま す。  次のページをお願いいたします。これにつきましても前回御議論いただいておりませ ん新しい内容でございますが、過去から母子健康手帳につきましては、6歳以下のお子 さん、幼児の記載が中心になっておりましたが、更に長く利用出来ないかということが 過去からの懸案になっていたかと思います。そうしたことで「7歳以降の成長記録につ いて」ということで、改正の趣旨といたしましては、「個人の健康を継続的に把握する ことは、生涯を通じた健康づくりのために不可欠であることから、乳幼児期の記録に加 えて、7歳以降の成長の記録欄を設けることによって小児期における健康情報の自己管 理の一助とする」ということで、子どもの健康づくりのための具体的内容の中で、母子 保健部会でも過去に御検討いただきました「今後の子どもの健康づくり対策について (中間取りまとめ)」の中にもそういった御提言がございます。  こういったことを受けまして、改正案といたしましては、任意的記載事項の内容の追 加ということで、任意的記載事項の欄の最初のほうのページに、歯の健康の記入欄があ りますが、その直後くらいに、この7歳以降の保護者の記録欄を設けたらいかがかとい う案でございます。  また、「このページは学校等における健診の記録を保護者自身で記入してください」 ということで、健診、保健センターですとか学校等でこういった体重、身長の測定、ま た予防接種、そういったことがあった場合に保護者の方に記録いただけるような欄を設 けるというものでございます。  以上、7項目でございますが、よろしく御審議お願いしたいと思います。 ○部会長  ありがとうございました。全部で7項目ございますが、そのうちの第4の妊娠中の薬 剤の部分について、先ほど申し上げましたように、C先生から意見書をちょうだいして おります。別紙の参考資料の最後のところに載っておりますが、C先生から直接御説明 をちょうだいしたいと思います。よろしくお願いします。 ○C委員  前回、何となく私に対して宿題になっていたような気持ちがして帰りましたことと、 それから、前回案のレベルで、これについては反対だという強い御意見を述べられた委 員の方がいらしたので、私なりにちょっと考えてみたものです。  私は、15ページになるんですけれども、結論的には記載することに賛成というふうに 考えています。私は前回案でもいいのではないかというふうに考えていますが、そこは ともかくとして、本来ここに書くということ自身は、書いて注意を喚起するというのが 一番の目的だろうと思われるんですね。どういう状況の場合に注意を喚起することを考 えているのかといいますと、妊娠を知らなかった、妊娠を故意に隠して医者から治療薬 を受ける、あるいは売薬を勝手に買う、そういったケースで、薬の影響が妊婦や子ども に対してどのような影響を与えるのか。そこで注意を喚起しようという問題の提起だと いうふうに思われます。私は新人ですので、率直な感想を言わせていただくと、その限 度でこの文案を入れることは大変時宜にかなったというか、遅きに失したという気すら していた訳です。  ところがかなり強い反対意見がありましたので、その反対意見の方のお立場も考えま して、私の手元にある資料で多少調べましたものがこの意見書に書いてある問題点で す。反対意見を述べられました方は、要するに医師のほうが既に十分インフォームド・ コンセントを果たしているのであるから、ここにまで明記するというのはバランスを欠 くといった感じの御発言だったかのように議事録上は拝見いたしました。  そこで、厚生省がインフォームド・コンセントに関して、平成7年6月21日に検討会 の報告書を出しています。これはインフォームド・コンセントに関する法律を制定する ことの可否報告書です。それによりますと、一律に法律上強制するということはかえっ て現段階では形式的な説明と同意になってしまうので、信頼関係を損なったり混乱させ たりするおそれがあるから不適切だというふうには結論づけているのですけれども、そ の中でむしろ積極的には医療の現場でインフォームド・コンセントを充実させていくべ きだということが強くうたわれている意見書なんです。  ここに縷々書きましたのでお読みいただければ分かると思いますけれども、基本理念 のところでは、「医療従事者側から患者の理解が得られるよう懇切丁寧な説明が、あら ゆる医療の提供において必要不可欠であること」とか、また、目的と理念という項を見 ると、患者の権利の主張と医療従事者の責任回避という対立的な側面でこの問題を考え るべきではなくて「より良い医療環境」、「医療環境を築くという基本的な考え方に基 づくものでなけれはならない」。だから「懇切丁寧な説明を受けたいと望む患者と十分 な説明を行うことが医療提供の重要な要素であるとの認識を持つ医療従事者が協力し合 うような環境を築くことが目標なのである」と言っています。そうすると十分丁寧な説 明を受けなければいけないのだということを自覚している妊婦は構わない訳ですが、妊 婦になったときに、即その自覚が生ずるとは分からない訳ですから、母子手帳をもらっ て読んでみたら、今後は十分な説明のもとに、薬を今後は飲んだほうがいいんだよとい うことが書いてあるということは、この報告書の趣旨を生かす意味でも大切なことなの ではないだろうかと考える訳です。  具体的な在り方としては、そこに書きましたように、各種の保険だとか医療サービス についての情報だとか、それにかかる費用などについても含まれる必要があるというふ うに、極めて広い分野についてのインフォームド・コンセントを提案しています。  そして、こういうインフォームド・コンセントを普及・定着させるために、様々な医 療環境の整備が必要だ。「医療環境の整備」ということが何度もこの報告書では出てく るんですね。「関係者が身近なところから取り組んでいく姿勢が重要である。まずより 良い医療の提供に関するインフォームド・コンセントを実現させるためには、医療従事 者側と患者……」、国民全体がこれを理解していこうといった報告書になっています。 私は、一方で厚生省が医療環境を整備する、あるいはいい医療をやるための患者と医療 従事者との信頼関係づくりといったことを積極的にうたっているという延長線上でこの 問題を考えるべきではないのだろうかと思いました。  その次の日本医師会の報告書なんですが、これは私の手元にありましたもので、日弁 連で開きました「患者の人権」というシンポジュームの資料の中からの孫引きです。資 料として古いのかもしれませんけれども、そこに引用しましたように、全体として、日 医の立場でもインフォームド・コンセントに積極的な姿勢を示しているというふうに思 いました。  それから、第3点目に検討しましたのは、医療過誤裁判の件なんですけれども、この 会議が終わってしばらくたって、本年11月22日付の朝日に小さな記事だったのですが、 医療情報センターという弁護士や医療過誤被害者などがつくっているセンターがあるの ですけれども、そこからの報告として「医療過誤裁判は昨年全国で約 580件提訴され、 年を追って増える傾向にある」。「原告が勝訴する割合も昨年は4割に達した」という ふうに報道されているます。医療に素人の弁護士や原告が提訴したときの勝訴率として は、専門家である医師会ないしは医師側を相手に裁判をする訳ですので、この4割とい う数字は注目すべき数字だろうというふうに私は思いました。  先ほど言いました日弁連の資料の中に10年前の資料があるんですけれども、1989年の 最高裁の調査によりますと、年間約 400件の訴訟が新たに起こされているというふうに ありますのて、この10年見ましても非常な増加率を示しているというのが現状です。特 に産科についてなのですけれども、産科の場合はなぜ医療過誤事件が起こしやすいか、 あるいは起きやすいかということを聞きましたところ非常に感覚的な話なんですが、内 科やその他の病気の場合には、患者側が疾患があるから病院に行く。ところが産科の場 合には、健康な妊婦が出産に行く訳ですね。そうして、健康保険が健康な限りは使えな いということをはっきり認識させられながら診療を受けているにもかかわらず何かトラ ブルがあるということで、患者のほうが不信感を非常に強く持つ領域であるし、勝訴率 も、これは勘でしかありませんけれども、極めて高い領域だというふうに言える、とい うことを医療過誤を専門にしている弁護士が話してくれました。 もう一つは、私は呼吸器学会の顧問をしているものですから、多少医療ジャーナルの 本があるんですが、それなどぺらぺらめくってみても、患者の権利章典や患者の人権に 取り組んでいる民間医療機関が幾つか出てくる。こういう情勢の中で、この問題をどう 考えるのかというふうに考えたときには、私は前回の記載も含めて賛成したいと思いま した。初めてですので、事前に書面を出させていただいたにすぎません。そういう趣旨 で御理解ください。 ○部会長 ありがとうございました。大変分かりやすい御説明をいただきました。今のお話は第 4点についての御意見でございましたが、順番として手帳改正の1番から順番に御議論 をしていただきたいと思います。最初1番の「胆道閉鎖症について」の便の色について の記載の改正案でございますが、これは前回大体御説明があったとおりだと思います。 これについて、何かその後御意見ありましたら。K先生。 ○K委員  前回もちょっと指摘した点ですが、今度の改正案における質問と但し書きはこのとお りで結構だと思いますが、これでも実際上お母さんの認識する乳児の便の色は非常にさ まざまな場合があり得るので、一部で現在試しに行っているカードにさまざまな便の色 をカラーで印刷して、例えば、健診に来る前の日の便の色がどの番号の色に当たるかと いうのを記入するような、そういうカードですが、母子健康手帳にちょうど挟めるよう な大きさに出来ておりますので、そういうものを今後の検討課題にしていただければと 思います。 ○部会長  ありがとうございました。これは私も試しのカラーの印刷を拝見したことがあります が、このごろカラー印刷もいい色が割合安く出来るので、可能になったらやっていただ くといいかなと思いますが、何かお返事ありますか。 ○事務局  宿題になっておりました既に使っている栃木県のスケールを手に入ったらお見せする というお約束になっておりまして、私ども入手して忘れてきてしまったので、今取りに 行っておりますので後ほどごらんいただきたいと思います。 ○G委員  今のカラーのことなんですけれども、保護者の方というのは、子どもの便の色という のは非常に関心があるというんですか、気になるようで、よく便の色のことについて問 い合わせがあります。ですので、母子手帳にこういう内容のものを出しますと、ちょっ と黄色いということでまた不安もあって、問い合わせも大変多くなるんじゃないかと思 いますので、各自治体の末端の保健センターなどにも便の色のスケールとか、指導の方 法等をきちんと流したほうがいいのではないかと思います。 ○部会長  ごもっともでございますね。確かに「うすい黄色」、「レモン色」ぐらいだと、何で もなくても、お母さんがそういうふうに思って心配するケースが増えるかもしれません ので、この辺は両刃の何とかみたいなものでございますけれども、かねがね問題になっ ていた色の表現の点なんですが、ほかに御意見ございますか。今のGさんの御発言は別 に反対ということではなくて、答えが出来るような対応をしようと、こういうことです よね。 ○G委員  そうです。 ○部会長  いかがでしょうか。J先生、最初の時期に指導なさる立場だといかがですか。 ○J委員  これでよろしいんじゃないかと思います。ただ、本当に今度はスケールの色が入りま すと、毎日それと見比べるのではないかという気がしまして、というのは、笑い話のよ うなのですけれども、おむつのコマーシャルがみんなブルーの液をこぼして見せるもの ですから、うちの子どものおしっこは青くない、という相談があるんですね。うそかと 思うのですけれども、今度は便の色のスケールを見比べるようになるのではないかと思 います。 ○部会長  確かに我々の常識からいくととんでもないお母さんもいるのは確かですね。後ほどカ ラーの見本を拝見して、それが使えるかどうかというのは、また別にもう一回御検討い ただくとして、原則的にはこの改正案でよろしゅうございますか。B先生、よろしいで すか、原則的には。 ○B委員  はい。 ○部会長  それでは、一応それでパスさせていただきまして、2番の日光浴の点です。これもこ の前から皮膚科から大分クレームが強いという話が出ておりましたが、きょう具体的な 皮膚科の先生の意見の文章を見せていただきました。この点についていかがでございま しょう。「日光浴」という言葉を外して「外気浴」、「お散歩」という表現だけにしよ う。 ○H委員  お母さんが忠実に書かれたことを実行すると過剰に紫外線を受けることもありますの で、表現はこの改正案の程度でいいと思います。ただ、先ほどF先生が御紹介になった 先生のを少し読ませていただきますと、もし、皮膚がんにつながるとなると、しかも小 児期の問題になりますと、文部省の学校保健などもいろいろ考えなければいけない非常 に大きな問題になります。  この論文を見ますと、少し先生過剰反応なさっているのではないかという気がいたし ます。実際にお使いになっている病気の名前は「色素性乾皮症」というのが何度も出て くるのですが、もともとそういう遺伝子があって、紫外線に弱いというのは昔から分か っているので、ちょっとそれと今の子どもたち全体の問題とは分けて考える必要がある と思います。だけど、先ほどのお母さんの行動を考えますと、少しやわらかくしたほう がいいかなという点で改正案に賛成いたします。 ○部会長  ありがとうございました。 ○B委員  私も基本的にはH先生のお話に賛成なんですけれども、この論文を拝見しています と、これはやはり後ろのほうの文献見ているとコーカシアンが対象でやっているんです ね。これは我々とは人種が違って感受性が10倍ぐらい違います。ですから、ここに欧米 人と日本人の差が出てくる。だけど、日本人種であってもハワイに行って日に当たって いると多少増えているという傾向はあります。それから、黒人になると10分の1ぐらい だろうというデータがあったと思いますけど、ですからH先生言われたのはその辺だろ うと思うんですね。  だから、このデータどおりにきちんとやるのはこれは大変なことなんで、でも、この ぐらいのやわらかい書き方でちょうどいいのかなという気がいたします。 ○部会長  A先生、ビタミンDの話はどうですか。この程度の表現なら問題ないでしょうか。 ○A委員  よろしいと思います。 ○部会長  ありがとうございます。これは余り問題なさそうでございますので、この表現でとい うことにさせていただきます。  次に3番に移らせていただいて、「妊婦の職業に関する記載」、前回まだ出てなく て、今回出てきたんですが、御説明いただいたように、今の時代とすれば、ごもっとも という話でございますし、フルタイム、パートタイム。今の厚生大臣は片仮名がお嫌い ということですが、このくらいは大丈夫ですか。 ○事務局  1つはパートタイムというのが、労働省のほうが公式に使っている言葉のようでござ いまして、パートタイムというところは正式な用語といった理解です。フルタイムのほ うは少し議論のあるところかとは思います。常勤とか、そういうものがいいのかどうか というところは議論があるところかと思いますが、パートタイムに対応する言葉とし て、一応ここの案としては「フルタイム」という表現を使わせていただいております。 ○部会長  そうですね。私もそのほうが分かりやすいとは思いますけれど。 ○A委員  私ども栄養指導とか保健指導する立場からしますと、フルタイム・パートタイムとい うのは就業の時間の長さですね。それに対して家業・内職というのは、仕事をする場所 や雇用関係の問題だと思うんですね。ですから家業・内職が並ぶのは少しカテゴリーの 違うものが並んでいる感じです。むしろ家庭外の就労なのか、家庭内の就労なのかが子 どもとの接触の時間の長さとか、いろいろ情報を得てくる広がりとか、いろんな点から して必要な情報になるかと思うのですが、ここの並びのもとの意味みたいなのが何かあ るのでしたらお教えください。少し違和感があります。 ○部会長 何かございますか。 ○事務局  すいません。過去どういった形でこの区分けになったかというところがいまひとつ分 からない部分が多いのですが、今、先生に御指摘いただきましたように、家業や内職の 場合は確かに家の中で仕事をするということから、完全にお子さんと分かれてといった 認識ではない部分ではないかと思いますが、用語の問題あるかと思いますが、このフル タイム・パートタイムにつきましては、勤めに出ているというような表現でその時間で 分ける。ですから正確に言いますと、勤務と家業で、その中にフルタイム・パートタイ ム、家業・内職というのが大きな2つのカテゴリーの中にそれぞれあるのかといった認 識はありますけれども、それを大きく2つに分けた上で、また2つに分けるか、横並び にしていくかというところの問題はあろうかと思います。 ○部会長 ありがとうございます。パートにしてもフルタイムにしても、これはいわゆる被傭 者、使われている、勤めているという感じで、家業は自営業、内職も自営業の中のパー トみたいなものということだとは思いますけれども、この辺の言葉の並びについては、 このフルタイムでいいかどうかということも含めて、なお御検討いただきますが、とに かく職業「なし」がトップにあるのは確かに問題でしょうし、勤めとパートが並んでい るのも指摘されればおかしいと思いますので、その辺をフルタイム・パートタイム、勤 めに出ている格好を分けるという趣旨で、下のほうの妊娠してからの状況を変更状況と 揚げ足取られないようにしておく。この2点についてはよろしゅうございますか。 ○F委員  妊娠したら仕事を休みなさいとか、変えなさいとか言っているような感じがするので すが、仕事は休まなかったとかいうものがあって、もとの項目で、そういう項目を加え たほうがいいのではないかという感じがします。これはもちろんその次の労働基準法の 就業の産前休業等は含んでいない訳でしょう。ここに言っていますのはそうですね。 ○事務局  はい。 ○F委員  大体弁護士さんとか医者は余り仕事休まないんですね。最後までするのが多いんです ね。これは全然関係ございませんけれども、仕事を続けるということも1つ非常に大き なあれなんてすね。妊娠したから仕事を休みなさいとか、かえなさいとかということに とらわれるような感じがするんですが、いかがですかね。 ○A委員  F先生と同じような疑問なんですけど、今かなり就業の形態は多様になりましたか ら、同じ企業等で同じような仕事をしていても、例えば家庭内でコンピュータを使って 出来るような仕事にある期間かわるとか、非常に積極的な意味での就業の形態を変える 場合と、仕事の種類をすっかりかえてしまう場合とすごく多様になりましたね。だか ら、ここで何のためにこの質問があるのかがちょっと分からなくなってきちゃったんで すけど。  私ども指導に携わる者からすれば、むしろ子どもとの関係の中でライフスタイルがど う変わってきて、そのことが広い意味での養育にどう影響しているかが非常に大事な情 報になるので、それには役に立たないような感じが少ししちゃうのですけど。 ○J委員  妊娠中かかわっている者からしますと、私たち助産婦はどちらかというと、日常生活 をどう調整して、自分の体ないしは胎児とうまく調和して生活をしていくかというとこ ろを主にやっておりますので、ちょうど「妊婦の」と書いてありますように、妊娠し て、そのとおり働ける人は働いていて、支障のない人は、仕事の性質もあるでしょう し、その人の体調もあるだろうと思うんですけれども、それでよろしいのですけれど も、中にはそうはいかない方たちがたくさんある訳ですね。妊娠の負荷によって、どう もいろんなことがうまくいかなくなるということがあるものですから、そういう状況に ついて、特に仕事の種類については本当に整合性がないとしても、このくらいの大ざっ ぱなところでも、御本人がマルをつけておいてくださると、そこから入っていける訳で す、お話が、母子健康手帳見ながら。  そして、既にそういう手を打っているかどうかということも、ここの欄を見ると分か るという点では、確かにそういうことがあるので、仕事を変えたという中には、就業先 を変えただけではなくて、A先生がおっしゃったように、仕事のやり方を変えたという のも入るのではないかと思うんですけれども、これをきっかけにしてもう少しいろいろ な話をしながら、どうやって本人が調整していくことを考えられるかということで、お なかの調子とかそういうことを見ながら御相談をする時の手がかりにしている訳です。  だから赤ちゃんとのコミュニケーションだけではない訳でして、本人の労働との、妊 娠の持続との関係で考えるというところももちろん含まれているので、そういう意味で はあっていいけれども、本当に変えなければならないかと思わせるような書き方をした というふうに考えられると困るなというふうに私も思います。 ○部会長 これは妊婦の指導の材料のページですから、今最後におっしゃったあたりの、休みな さいということがこの中に含まれているのかというふうに思われては困りますけど、D 先生、いかがですか。この辺は、前の変更などのときは、日母の先生の意見が入ってい る部分だと思いますけど。 ○D委員  働く女性が産みやすい環境を育てる為に少し前とは環境が違ってますから。今、だれ かがおっしゃったように、この資料は、例えば書いて、どういう方面に反映出来るかと いうことですね。調査してどういうふうになったかということも余りないと思うんで す。妊婦さんが書きまして、あなた何やってますかというのは分かってますからね。で すから果たしてこれを変えた場合ですね。 ○F委員  私はこういう項目あっていいと思うんだけれども、「仕事を変えなかった」という項 目を一緒に入れておいたらどうですかということなんですね。むしろ、中の内容が少し ずつ変わってくるとかということがあるのかもしれませんけれども、多胎妊娠とか、今 回の場合は14週でしょう。14週というのは随分前です。26週で休めるんですね。そうい う妊婦に対する具体的な休養が医学的に必要なというところは労働基準法のほうでは抑 えたつもりなんですね。  こちらの改定のほうは、私委員長していましたので、その辺のことは考慮して、労働 基準法は改定のときに考えたはずなんです。 ○部会長 これはいつの時点で書き込むかというのも1つ問題で、かなり前から今のお話のよう に休めるようなのを拝見しましたけど、そのときになったら、ここの休んだところへ書 いていくとか、時間を追ってここに書き込んでいくのかどうか、その辺の使い方の問題 がありますね。最初に母子健康手帳をもらったときにわあっとみんな書いちゃってとい う方もあるかもしれないし、そうでなしに。 ○J委員  ここはそんなふうには書けないと思います。現実に例えば同業の看護婦の方が産前休 業寸前まで働いていて、もちろん配置がえなどをしてもらって働いているのですけれど も、その方がずっとフォローしていまして、産前休業の前ぐらいになったときと、産前 休業に入ってからとではがらっと体調がやはり変わるんですね。産前休業に入ってから よくなる訳です。ですから、そのあたりのところをどういうふうに体調を整えていくか ということに、少しそういうことでどうかなと思っている人たちをフォローしていくと きには、その辺のところを見ていくということがありますので、そういう意味で考える と、最初のほうに、何のお仕事をどんなふうに、職業はカルテの1ページに書いてある としても、そのほかの細かいところでもって、話し合いをするのにはこういうのを材料 にすると非常にやりやすいということがありますので、そういう意味で使っています し、その都度、最初休んだときもあっても、また切迫流産がよくなって出てきて、また その後になって体調が悪くなってとか、そういうことも繰り返されて、子どもが後から 見たときには、お母さんも妊娠中は大変だったんだなと分かることもあるかもしれない んですけれどもそれはともかくとして、現実にはそんなふうにして、労働と妊娠の持続 の問題というのは御本人に考えてもらいながら対応していく。  私、学校で臨床に出ておりましたものですから、きめ細かい対応をずっとやってまい りましたので、その辺のところは十分に活用出来るというふうに自信を持っておりま す。 ○C委員  私は何のためにこれを書くのかがよく分からなかったんですけれども、確かに中途か ら妊婦さんと接触したときに、それ以前の妊娠状況や仕事の状況が分かるということが 必要だということはよく理解出来ました。しかし、そういう経過を見るといった趣旨で あるならばまま、例えば「仕事を休んだ」というのも1つしか括弧が今なくて、だけ ど、それも2回、3回、休んだときに、その都度記入していくことを予定していること をもう少しきめ細かく、ここは欄が必要なのではないかというふうに思うことが1つ。  それから、先ほどの職業の欄ですが、多少先走りすぎかもしれませんけれども、特に 弁護士なんかだと、自分で仕切って自分でやっているという点で頑張らざるを得ないと ころもあるんですが、人を雇って働いている女の人も今は結構いる訳ですね。病院なん か経営している女性もそうですが。本来的には雇っているのか、雇われているのかとい うまず分類があって、その後細かく分類されるべきではないでしょうか。この家業とい うのは、D先生にも言われたんですけれども、家業を継ぐという日本語はあるけど、家 業という職業というのはどう考えてもよく分からないという感じもあります。 ○J委員  例えば商業などとか、零細企業など、専従家族があります。経営者でもあるかもしれ ないんですけれども、夫とともに。例えば、御夫婦でもってお店をやっているけれど も、いよいよ産まれるから休まなけれはならない。ですけれども、なかなかパートタイ マーが雇えないとか、そういうようないろんな話もある訳ですよ。そういうのが家業だ というふうに思います。 ○C委員  例えば雇用者か被雇用者かを区別するのは、労働基準法が適用のある業種にいるの か、そうではなくて、自分で自分の健康管理をしなければならない職種にいるのかとい うことはまずそこで分かると思うんですね。だから、そういうふうな趣旨も含めての職 業分類をしたほうが意味があるのではないかなという気が法律的にはします。 ○部会長 G委員いかがですか、現場的な目で見て。 ○G委員  私もそういう見方もあるのかと、ちょっと聞いただけで、これを見たときは、確かに 今の雇用形態はフルタイムとパートタイムというそういう意識しかありませんでしたの で、申し訳ありませんが、この案でいいと思っていました。 ○J委員  確かにおっしゃるとおり自由業の方は自分にかわる人がいない。例えば編集者などと いうのはそういう意味で非常に厳しい立場にいるので、どうしても無理をするというこ とがありまして、それでもあなた産んでる瞬間には仕事が出来ないのよと私は言ったこ ともあるんですけれども、それで何とか手当てをしましょうよというような話をしたこ とがあるんですが、そういうところはあります。だんだんその数が増えてきてますか ら、本当におっしゃるとおりだと思います。 ○C委員  例えば雇われている立場であるならば、権利の問題になるのだけれども、そうじゃな くて自分でやりくりをしてやらなければならないとなると、ただ単に休みなさい、休み なさいというだけでやっても意味がないという、そこらあたりは指導の点ではすごく違 うような気がしたのです。 ○部会長 こういう立場からの区分けというのはありますね。 ○J委員  先生おっしゃるとおりだと思います。私、そういうケースに随分遭ってます から。 ○部会長 H先生、保健所長さんからは。 ○H委員  やり出すときりがないと思っておりますが、各省まちまちですし、お母さんが率直に 書きやすいかと、そういうことでは家業というのは自営業のほうがとりやすいでしょう が、大体ここに書かれている形でいいのではないかと思います。 ○部会長 B先生、どうですか。 ○B委員  私もそれでいいいと思います。家業というのは、私は単純におうちが八百屋さんやっ ていれば八百屋さんを経営して手伝っている。ただ、1つ専業主婦を家業とするおそれ があるかなと思いましたけど。 ○部会長 ありがとうございました。それでは、これはいろいろ労働省との兼ね合いもあります し、基本的にはこの辺を上手に直していただくということをこの場では決めていただい て、厚生省と一番関係の深い日母、あるいは助産婦会あたりとの最終的な詰めで決めて いただくということで、この場ではそんなところで、改正していただくことはこの場で も了解して、方向としてはこの案でいいんだけど、具体的な区分けやら、言葉遣いは更 に検討をお願いしますというふうにしたいと思いますけれど、課長どうぞ。 ○母子保健課長  実は資料の出し方が非常に不十分だったんですが、職業についてはここで御意見が出 たように、雇用労働者とそうでない自営業等で1つ大きく変わると。もう一つは、自営 業等でも内容を若干変える。そういうことで後の労働基準法関係のものが適用されるか 否かというところを少し分ける必要があるのではないか。  もう一つ、これも必要最小限の変更で、「妊娠してからの変更状況」ということにし たんですが、ここにつきましても、もともとの内容が女性の就労状況に関係して、妊娠 してから仕事を続けたというのがないのがおかしいじゃないかというのが訴えなんです ね。それについてこれで答えているのかなという気もしたりするものですから、そこら 辺も含めてもう一回検討させていただきたいと思います。これにつきましても、先ほど 申し上げましたように、各委員に、最終的にこういう形で考えますということの御連絡 をしたいと思います。  あと、フルタイム・パートタイム等については、これは省令改正なものですから、法 令用語として、あるいは職業分類なども法令用語として適当かどうかといったことで、 また、用語等については別途、そういう法令審査の段階で変わってくるかと思います。 また、それについては結論は御報告したいと思いますが、そういったところで、本日は 私どものほうで引き取らせていただきたいと思うのですが。 ○部会長 その方向でよろしくお願いをいたします。さっき、カラーの印刷を取り寄せていただ きまして、先生方、皆さんお手元にお持ちですね。こういうもののようで、これで見る と、3番までが問題になるんですか。ただ、3番程度だと、クリーム色とかレモン色。 うすい黄色、レモン色という部分は実際にはないんだけれど、どうでしょうかね。これ で見れば、3番目までがちょっと気になるなと、一目で分かるけれども。 ○K委員  最終的に現在のこの写真の色が区分けとしてベストかどうかというのは問題ですけ ど、このようなことで、お母さんとしてはより判断しやすいということだと思います。 健診の場では実際に便が出ているとは限りませんので、前の日の便でチェックしていた だくことになります。 ○部会長 改正案で今気がついたんですが、黄色のほうには「うすい」とついていて、レモン色 のほうにうすいがかかるかどうか、これ分からないんですけれども、レモン色という と、普通かなり黄色いですね。だからレモン色だったら、やはりうすいレモン色なのか なという気がするのですが、この辺の表現をもう一度間違われないように、レモン色の まんまだと、かなりの方が気にしちゃうのではないかという気が少ししてまいりました ので。 ○J委員  むしろ、具体的にこの便の色だったらば、もし、これが入るとしたら、文字でなくて 番号で言ったほうがよろしいのではないかというような気もしますけれど。 ○部会長 これが一緒にくっついていれば、そう言えるんですけど、これが今すぐ全部につくと いうあてがないので、とりあえずは文字の表現で誤解のない、見落としがなくて、極力 お母さんが余計な心配をしない程度の表現というのが難しい点かと思うんですけれど も。あるいは「うすい黄ないしレモン色」とか、レモン色のほうにも「うすい」という ニュアンスをもう少しはっきりかぶせないと、4番ぐらいまで気にされちゃうと困るな という気がいたしますので。 ○J委員  むしろレモンという色を本当に入れなければならないのかどうか。うすい黄色とかク リーム色とか。 ○K委員  クリーム色というのは異常なんですね。 ○部会長 そうですね。うすいクリームないし黄色とか、そんな表現のほうがいいかもしれませ んね。 ○K委員  そうですね。無胆汁便をクリーム色というふうに表現されるお母さんはいると思いま す。ですから、レモン色といった答えは余りないと思います。 ○J委員  このレモン色というのは、どこか専門家から出てきた色なんでしょうか。 ○K委員  よくわかりません。 ○部会長 何かそういう例もあったんでしょうが、レモンというと、かなり黄色いのまで入っち ゃいそうですね。その辺もう一息言葉の表現を工夫していただきましょう。 ○K委員  もう少しつけ加えれば、この病気は生まれたときから病気の場合に、1、2、3のよ うな白い便がずっと続くとは限らなくて、生後2〜3週間、割と黄色い便が出ていたと 思っても、その後白っぽくなってくるという経過をとる場合がむしろ多いので、ですか ら実際「つづいていますか」と書いてあるのは、生まれてからずっとという意味では必 ずしもない。例えば1カ月近くなって、1週間前からといった場合もあり得る訳です。 ○部会長 そうすると早い時期の黄色っぽい色というのはどこから来るの。 ○K委員  それは生まれてから進行性に閉塞していきますので。 ○部会長 そうですか。 ○母子保健課長  ここに「最近」とかなんとかという言葉を入れたほうがいいですか。 ○J委員  生後1カ月のところ。 ○部会長 1カ月過ぎてから始まることもあるから。 ○K委員  「最近」と限らない方がよいと思います。生まれてからずっとという場合もないこと はないですから ○J委員  皮膚が渋紙色になったケースを見たことがあるんですけど、小児の病棟の婦長してい るとき。 ○部会長 すいませんが、改正することは、先ほど決めていただいたようによろしいとして、こ の表現はもう一息工夫していただくということで、後ほどまた変えた案を教えていただ くことできょうは御勘弁ください。  ではすいません、次に移らせていただきます。4番の点です。先ほどC先生からもい ろいろ御意見のあった分で、ただ、C先生の御意見書の最後のところに「なお『妊娠・ 出産にあたっての薬の影響については……』」という表現のほうが望ましいという御意 見がございまして、それも確かに。 ○C委員  私、素人なのでよく分からないんですが、妊娠・出産は普通1つの言葉ですし、な ぜ、出産というのは入らないのかなと素朴な疑問を持ったものですから、そういうふう にしたんですけど。 ○部会長 これは出産時の薬の使い方についても、今いろいろ問題になっているので、それをそ のまま受けとめれば、C先生おっしゃるように、妊娠・出産にあたっての薬の影響」と いう表現をはっきり書いていただいたほうがよりいい訳ですけれど、この辺はD先生ど うなんですか。 ○D委員  要するに陣痛促進剤で子宮破裂とか起こった人たちの被害者の方たちからの要望の中 に、陣痛促進剤は一切使用しないでくださいとか、あるいは母子手帳の中に、陣痛促進 剤の禁止項目を入れるべきだということ。しかし、C先生、最初におっしゃったよう に、妊娠とかお産というのは健康保険がきかない。すなわち薬は使わない訳ですね。で すけど、妊娠中にいつ何どきいろんな疾病が起こるか分からない。例えば破水をしてし まったとか、あるいは赤ちゃんがおなかの中で心音が落ちてきた、その場合は何として でも赤ちゃんを助けなければならない。その場合には薬を使わざるを得ないということ で使った。それに対して、あるいは使わなくても脳性麻痺が起こったかもしれない。そ の因果関係というのはなかなか分からないです。  現実には前も説明しましたけれども、帝王切開で赤ちゃんが生まれても脳性麻痺は起 こる訳なんですね。ですから必ず健康な人に薬を飲ませるとは何事だということも言っ ている人たちもいますので、やはりこの中には、今おっしゃったような妊婦さんは健康 保険は使えないんだという概念からすると、薬というのは使わないのが本来の、薬とい うのは治療するために使う薬であって、何でもない人は飲まなくていい訳ですから、現 実にはこれは使わざるを得ないものですから、何もきちんとお産のときにこういうもの を使わなくてはいけませんというような要望があった場合には、私たちの日産婦学会と しては挙げないほうがいいのではないか。そういうのが前回の趣旨でございました。 ○部会長 それはよく分かりましたが、ただ、ここで言う改正案は、今まで薬の問題が全然触れ てなかったから、それに触れましょう。ここで言う、妊娠中の薬の影響というのは、例 えば風邪を引いたけど、風邪薬飲んでいいかというような問題も全部入っている訳です から、そういう意味で、妊娠中の薬の影響という表現なら差し支えないということで御 了解がとれていれば、これでいいと思いますし。 ○D委員  妊娠・分娩・産褥、そういう一連のものとして考えるのでなくて、やはり妊娠あるい は妊娠中、今、部会長がおっしゃったようなことで文章を入れれば、何ら問題はないの ではないか。出産というのは、何もしなければ一番いい訳です。だけど、妊娠中の、例 えば今おっしゃったような風邪、胃痛とか、妊婦さんにとってはそういうようなものに 対しての心配なんですね。出産のとき薬を使ってはいけないと、そういう要望ではない 訳ですね。私はそういうふうに理解しています。 ○J委員  ただ、産婦人科医の立場から言うと、分娩のときには医師か助産婦が立ち会っており まして、助産婦は医療行為が出来ませんから、そういうことをしないのですが、医師の 場合には正常から離れていこうとしているときに、どこの場面から医療を施すかという ことの判断をする資格を持っている方たちですので、今、日本ではほとんど無介助分娩 はありませんから、そういう中で考えると自分たちがいるので分娩ということは、そう いう医師の判断のもとにやるのだから、薬を使うとすれば、だから、そんなことは書か なくてもいいのではないかということが裏にあるのかなというふうに私は、そういうふ うに御説明すれば、C先生にもお分かりになるかというふうに思っていましたのですけ れども、このお話については。 ○D委員  一番は、母子手帳の中に陣痛促進剤を使わないようにというのを入れてくれという要 望もあった訳です。 ○J委員  その話についてはここでは取り上げてはいない訳ですよね。 ○D委員  出産のときに、今、先生がおっしゃったように、普通なら薬なんて何にも使わないで すよね。 ○J委員  日母からは使うのが正当だというような声明も出ておりまして、人手が足りないから という話が出ておりました。 ○D委員  そんなことは一切言ってないですよ。何もなければ、何もないのが一番ですからね。 わざわざ薬を使って分娩するようなことはやってないです。だから、破水をしたり、赤 ちゃんがおなかの中で具合が悪くなった場合には緊急的にやらざるを得ない場合がほと んどですね。 ○部会長  理屈を言えば、出産に当たっての薬の使用だって、生まれる前に使っている訳ですか ら妊娠中には違いないので。 ○J委員  でも分類から言いますと、妊娠から産褥までの時期を区切るのには周期的な陣痛が始 まれば分娩期ですから。 ○D委員  分娩第1期です。 ○J委員  第1期ですから、そこは妊娠中とは考えない訳です。ただ、ひっくるめて法律で使っ ている言葉は「妊産婦」という言葉を、妊娠から産後1年ですか、その間を「妊産婦」 という言葉を使っている訳です。だから2つの区分けはある訳です。 ○部会長  そう言われると大変困っちゃう。 ○C委員  ほかのそういうセンスの違いみたいなものは業界によって少し違うのかもしれません が、十分説明を受け、守りましょうという提案ですので、基本的には妊婦が守りましょ う、妊婦が十分説明を受けて、こういう主語ですよね。ですから、それに対応するもの として、対応義務みたいなもので、医者のほうもそういうことを受けたら、十分説明し なければならなくなりましたよという意味はあると思うんですね。 ○D委員  そうですね。 ○C委員  なぜ説明するのかと言えば、前回の案で言えば、やっぱり薬にはいい作用と副作用が ある。また、妊婦の場合には特別な作用があるということがあるから、だから特に説明 を受けることも必要だし、十分守ることも必要なんだよという意味では、私は前の案の ほうがそういう意味で親切なのではないかというふうに思ったりもしているんですけれ ども、D先生が言われるいろんな団体のいろんな要求はあるのでしょうけれども、ここ ではこの限度であれば、私はいいのではないかなという気がしますけれども。 ○D委員  一番最初、要するに薬の影響については記載がなかった訳ですよね。やはり何か説明 をしたほうがいいのではないかということで、それにはまず強い団体もいますし、やわ らかい表現をする場合もあるので、なるべくならば、いきなり強い、今、C先生がおっ しゃったように書かないほうがいいのではないかと、それが第一だと思います。 ○部会長  ともかくこの文章が載れば、例えば風邪引いたときの風邪薬とか、例えば抗ヒスタミ ン剤の影響なんていうのだって議論になる訳ですから、そういうことに気をつけましょ うという趣旨で入っているなと普通はみんな思うので、余り問題ないと思いますが、た だ、周産期の問題を言ってきた人にとっては、自分たちのことがこの中に入っていると は全然思わないだろうというだけの話ですね。 ○D委員  歯医者さんをよく受けますね、妊婦さんが。そのときも必ず言ってきますよね。飲ん でよろしいかと。ですから、それは当然妊婦さんであれば、理解している訳ですね。本 来でしたらば、薬の影響云々。 ○J委員  ほかのことも分かり切っていることがいっぱい書いてありますから、そういう意味で は薬のことが抜けているというのは事実だというふうに私は思いますけど、だから、啓 発的な意味ではいろいろな妊産婦さんがいますから、こういうことが入っていたほうが 私はよいのではないかと思います。 ○G委員  私も現場の立場から言いますと、妊娠したんだけど、知らずに薬を飲んでいた。どう したらいいかという相談はよくありますので、こういう項目が入っておりますと、妊婦 さんも安心するんじゃないかという気はします。 ○部会長  受け取り方が、常識的にみんなが受け取ってくれる。たまたまこの薬の影響の説明が 全くなかったから、この際入れておきましょうというふうに受け取っていただいていい なら、この表現でここに改正案、新しくこれを入れることについては、この部会として は御異議ございませんね。一応部会としてそういう了解をしておいていただければよろ しいでしょうか。 (「はい」と声あり)  すいません、そうさせていただきます。いろいろ議論をしていただいたし、ことにC 先生、御専門の立場から資料をちょうだいしまして、これまた勉強のたねになります。 ありがとうございました。  それでは、5番の「労働3法の改正」、ここの部分はよろしゅうございますね。 ○J委員  書かれている項目ではありませんが、表現でどうかなということが2〜3ありまし て、少し神経質なのかもしれませんけれども、法律の原文と対照して見てみたのです が、例えば、3ページの一番最初のところですが、「強制的な休業です」という表現 は、確かにそうなんですが、これは法律の原文では、請求があったときには6週を過ぎ ていれば、就労してもいいということであって、こういうふうに休ませなければならな いというのがもともとあった上で、それを解除するという形で書かれているんですが、 これしか表現の仕方はないのかなという気が私はしたんですけれども、ちょっと神経質 すぎるかもしれないのですが。  それから、育児・介護休業法のところの2行目なんですが、順序は「母親、父親」な のかというところが、何となく性別役割分業がちらついているのかなというような気も しまして、普通「父親、母親」という書き方はするのですが、「母親、父親」というこ とは余りないし、熟語だったら「父母」と来る訳ですが、「母父」とは言わない。やは りこういうふうに書くのかなと。ここは、「労働者」と原文ではなっているんですけれ ども、両親どっちでもとれますよということは書いたほうがよいと思うのですが、やっ ぱり母親が先なのかなと、すみません、変なことを言いまして。 ○D委員  私も、今、先生おっしゃったような疑問、例えば優生保護法は母体保護法、母体に対 する反対語はない訳で、「父体」なんていう。そういうのを幾ら議論しても法律化され ていて、慣れているのは我々は父親、母親、父兄会ですね。いずれ慣れてくれば、どう なんですかね。 ○J委員  育児休業をとるのは母親が先なんだよという意識が下にあるのかなと。だから、どっ ちでも構わないのかもしれませんが、変なことを気にしてすみません。  それから、もう一つ申し上げますと、次のページに行きまして、連絡カードなんです けれども、「望まれます」という表現、何となく母親に対して伝達するときに、なぜ情 報として提供するときに「望まれます」という言葉で言うのかというのがどうもちょっ とはっきりしないのです。労基法関係の本の解説では、「母性健康管理指導事項連絡カ ードが設けられ事業主はこの利用に努めることとされている」というふうに書いてあり ます。ただ、「努める」が「望まれます」ということなのかなと。努力目標だから、こ ういう書き方をするのかなと思いました。何となく母親に対する解説として語感が違う のではないかという気がしたのですけれども、取るに足らぬことかもしれないのですが。 ○部会長  これはジェンダー論に入りますと、またあれなんですが、今、御指摘の3点について は、最初の「強制的な休業」という表現がいいか悪いか。これは労働基準法もとのほう との照らし合わせで、課にも法令の専門の方がおられますので、ここの部分と3番目に 指摘された「望まれます」という表現については、法令的に御検討ください。 それから、真ん中の「母親、父親」の母親が先なのはいかがというのは、気になれば、 両親と書いていただければ、それっきりですから、そうしていただければ、解決すると 思いますので、その辺でよろしくお願いをいたします。それでよろしいでしょうか。 ○D委員  1つ気になったのは、5ページの「母性健康管理指導事項連絡カード」の記載の内 容、これは労働省のほうだと思うのですが、医師が診断する項目がある訳です。そうす ると、それが文書料として取っていいかということですね。診断料ですか、文書料、あ るいは証明書料。そこだけ確認しておきます。これを我々産婦人科のほうで言ったら、 これは先ほどの小児慢性疾患と同じように随分記載が十分なんです。ですから、それだ け時間をとる。当然妊娠何カ月ですだけでも診断料は取れる訳です。それの10倍ぐらい の項目を書かなければならないので、取ってよろしいかどうかということも確認。先ほ ど日医のE先生にお聞きしたら当然だと言うんです。 ○部会長  これはここへ記載する話ではないですね。 ○D委員  違います。ですけど、ここに書いてありますから、それは持っていって、雇用主が、 これを書いてもらってきてくださいと言う訳ですね、連絡事項の中に。 ○部会長  これは、この記載等の話とは別に、これは労働省ですか。 ○事務局  もともとは労働省ですが、これは要するに文書料として自費で取るかどうかというと ころの医療機関の判断になろうかと思いますので、そこは特にうちのほうでは。伝え聞 くところによりますと、自費で取れるというお話で進んでいるようでございます。 ○D委員  ありがとうございました。 ○部会長  その辺はよろしくお願いいたします。ほかにございますか。  それでは、すいません、次へ行きまして、6の「里帰り出産について」の改正案、帰 省する場合というので。これも前回里帰り出産を勧める訳ではないけれども、する場合 にはということで御説明があったところですが、これはよろしゅうございますか。 ○A委員  不勉強で分からないんですけど、これは里帰りという現象に限った考え方なんです か。例えば女性で今単身赴任で仕事をしている人などが増えている中で、出産のときの 身近な例でもあったのですけど、住民登録は勤め先にあって、それで出産で自分の家の ほうに戻ってくるような、そういうケースなども少し出てくる中で、ここで「里帰り」 という概念だけでこれからも扱われていくものなのか。 ○J委員  改正案の記載事項を見ると、帰省する場合ということだけが今度の母子健康手帳に上 がってくる訳ですから、そうするとまさに先生がおっしゃった例も、任地から自分の家 へ帰るという意味では帰省というふうに、「住所地以外で過ごす」とも書いてあります ので、それに入るのではないでしょうか。 ○部会長  帰省先が女性の実家であるか。 ○A委員  家族がいるところであるか。 ○部会長  どっちであっても単身赴任なら帰省には違いないですね。 ○A委員  そうしますと、6番の項立てなんですが、「里帰り出産等について」ぐらいにしてお いていただくと少し広がりが出来るでしょうか。 ○母子保健課長  項立ては別途考えさせていただきます。そういったものが一応全部読めるような形 で。 ○部会長  よろしくお願いいたします。よろしゅうございますか、ほかに。  次の7番の7歳以降のページを入れる件でございますが、これは前から児童ないしは 生徒健康手帳につなげる話が要望として出ておりまして、相手がある話で難しいという ことで、母子健康手帳のほうにとりあえず入れていこうという方向だと思います。これ は小児科医会からの御要望が前あった点ですが、当面こういう案が出てきましたけど、 いかがでございますか、B先生。 ○B先生  1つ進歩だと思いますけれども、学校保健に直結した場合に取り扱いやすいような形 を考えておいていただく。例えば、あのとき一番言われましたのは、本音は別として、 プライバシーをどうするとか、そういったことが出てきました。ですから、例えばミシ ン目が入っていて切り離せるとかいろんな工夫があろうかと思いますが、今とりあえず はそこまでいかなくてもいいんでしょうが、こういうものを入れたよで十分かもしれま せん。 ○G委員  ここに予防接種等も記入しましょうとなっているんですけれども、母子手帳の予防接 種の記録の欄には、例えば学童になってからする欄が入っていませんが、これは必要な いのでしょうか。 ○B委員  予備欄にあります。 ○G委員  予備欄になっているんですけど、例えばよく問題になるのは、日本脳炎などの、中学 生になって、小学生のときに受けたかどうかをお母さんが忘れているというのがよくあ るので、例えば予防接種の記録欄の中に、2期、3期というのを追加するということは 難しいのでしょうか。 ○部会長  私も少し気になっていたんですけれども、これは別の課のほうの所管内容をこの中に 入れている訳でしょうけど、学校へ入ってからの分は、今まで意識的に入れてなかった と思いますけれど、7歳以降の成長の記録が入るについて、小学校入学後に定期接種と して決められている欄を設けるかどうか。これは感染症の所管の課と。 ○B委員  以前は確かに2年前は学校でやっていましたから、家族ないしは本人のほうにそうい ったデータは行かないんですね。今は個別になってからは、すべてやったところでカー ドをくれます。熱心なお母さんはそれを母子手帳に張ってくれますけど、なくなっちゃ う場合もあるみたいです。ですから、これは印刷でなくても張ってさえくだされば分か るようになると思います。小学校6年生のDTもありますし、4年生のときの日本脳炎 もありますから、その辺は全部張れるようには今はなっています。 ○部会長  その辺も含めて、あわせて検討しておいていただけると。 ○母子保健課長  予防接種の記録は省令事項の変更になります。そうすると、例えば学童の関係を入れ るということになると、省令改正になりますので多分文部省に正式に協議する形になる と思います。そうすると、これまでそこら辺は仕切りをしてきた経緯があるはずなの で、その辺とどうかということで。 ○部会長  予防接種は全部厚生になってしまって、学校はタッチしなくなってしまっているの で。 ○事務局  母子健康手帳に予防接種の記録をしていただくときに、これが予防接種済書として使 えるという効力がございますので、原則は多分接種をされた先生がここにぽんと判こを 押してくださるというものだと思うのです。ですから仮に、責任はもともと厚生省サイ ドに予防接種はすべてあるのですけれども、接種する場が学校だった場合に学校にこの 母子健康手帳を持ち込むのかどうかというようなことがあります。予防接種の記録につ きましては、予防接種済書として使えるように、お母さんが医療機関に持ち込んで判こ をついていただけるページと、それから、その他の予防接種ということで、任意で受け てた分を記載出来る欄と分けているのはそのせいではないかということも考えられま す。そういたしますと、例えば学校で受けた分を記録する場合、7番目の「7歳以降の 成長記録」というところに、仮にメモがわりにお母さんが書くということですと、学校 で受けたという記録をもとに御自分でメモをしていただくということでいいと思うので すが、予防接種済書として使うことになりますと、母子健康手帳を学校に持ち込まなけ ればいけないということが出てくるのだろうと思うのです。 ○部会長  今のお話は、このごろは学校の現場では予防接種しないのです。全部個別接種で。 ○事務局  原則はそういうふうに厚生省では進めているのですが、若干まだ学校でやっていると ころが少し残っているのかなということがありまして、そうすると予防接種済書とし て、母子手帳を学校に持ち込んでいいかどうかという問題も少し出てくるのかというこ とは懸念されますので、ここに予防接種は「その他の予防接種」という欄がありますの で、そこに全部書いていただいて、今回の案のところに「予防接種」を外してしまうと いうのも1つの方法ではございますが、いずれにしましても、予防接種の記録の中でも 乳幼児期にお母さんが医療機関にもともと連れていって受ける定期の予防接種とその他 の予防接種ということでは分かれて書くことにはなっておりますので、そこがどういう ふうに整理出来るのか、こちらのほうにまた改めて7歳以上の予防接種について書いた ほうがいいのかどうか、また検討させていただきたいと思います。 ○部会長  それは無理にそうしていただかくなくても、非常に難しい話なら、とりあえずはいい と思います。ただ、今は自分で予防接種しようと思うと、個別にやったり、学校でやる 場所があったにしても、接種証明書を下さいと言わなければ、何も自分のところには残 らない。 ○B委員  あれにサインしてもらって持っていけばいいです。 ○部会長  あれをとっておけばいい訳ですか。 ○G委員  個別であれば、お母さんが母子手帳を持っていくことが十分可能です。そうすれば、 2年の予防接種の中に日本脳炎等が含まれていますので、欄だけあっていいのではない かと思うんですけど、難しい話。 ○部会長  その欄をつくっておいて、使っても使わなくてもいいという話で使っていただく手も あるでしょうが、ややこしいようなら余りここで急ぐ必要がある話ではありませんの で。 ○母子保健課長  省令改正事項になりますので、それなりの正当な理由がないとこちらのほうがいい程 度の話でなかなか変えていくという訳にもいきませんので、その辺は検討させていただ きたいと思います。結核・BCG接種などもあれですか。あれは学校のほう。 ○部会長  あれは学校の現場でやっていて、ツベルクリン検査は学校の責任。BCGは予防接 種、厚生省になっていたのではないですか。 ○事務局  法律的には結核予防法上なのですが、実はBCG接種をする責任については、ツベル クリン検査をした人が責任を持ってやることに決まっているので、学校でツベルクリン 判定をやりますと、学校が責任を持ってBCGをやらなければいけないという制度にな っております。 ○母子保健課長  だから、その辺は少し違うんですね。だから全部の予防接種が移ってしまっていると やりやすいのかもしれませんが、一部少し学校に残っている分があるというのもありま すので、そこら辺もう少し勉強させていただきます。 ○部会長  この辺は余り問題なくやれるのならということでありますので、難しそうなら、また 見送っていただいて結構です。 ○A委員  今のお話難しいかと思いますけど、時間がどんなにかかっても是非実現してほしいと いうお願いです。ということは、ここにも書いてあるように、生涯を通した健康づくり の省庁を超えた生活者側に立った健康づくりの極めて具体的な1つの例になっていくと すれば、先ほどB先生がおっしゃられたように数段の進歩のような気がして、とても期 待をしておりますので、大変なのは大変なのかと思いますけど、是非よろしくお願いし たいと思います。 ○部会長  ありがとうございました。それでは、7歳以降の欄、これは任意記載の分の中に入れ る話でございますけれど、こういうページがつくということは結構だと思いますので、 少なくともこの案については部会の御了承を得たことにさせていただきます。更に予防 接種欄については御検討おきいただきたい。お願いいたします。  それでは、すいません。少し先走ってしまいましたけれども、母子健康手帳の改正の 分については、一部事務局といいますか、厚生省に宿題を残させていただいてしまいま したけれども、基本的には原案どおり改正していくという方向で、この部会の御了承を いただいたということにさせていただきます。どうも長い間ありがとうございました。  残り時間が余りないのですけれども、議題の4、「幼児の身体体重曲線について」を お願いしたいと思います。まず御説明をお願いいたします。 ○事務局  1ページ目に「策定の趣旨」、「身長体重曲線の概要」ということで、今まで既に御 説明申し上げたとおりでございますけれども、概略をそこに記載させていただいており ます。説明は省略させていただきたいと思います。  前回、御指摘ございましたこれらの身長体重曲線の使用状況につきましては、上から 3分の1程度のところに若干示しておりますけれども、幾つかの保育所、幼稚園並びに 保健所におきまして、一部活用されておりまして、それにつきましてのアンケート調査 を別紙、4ページ、5ページでございますが、このような結果が得られております。こ れにつきまして若干御説明申し上げまして、あわせて今後のこの曲線を母子健康手帳に 掲載して活用していくこと等について御検討をお願いしたいというふうに思っておりま す。  ちょっと飛びますが、まず4ページでございますが、「子どもの肥満に関するアンケ ート調査結果の概要」ということでございます。調査Aと申しますのが、名寄市内の4 保育所の保護者 164名に対する集計結果でございます。調査Bが旭川市内のある幼稚園 の保護者 127名に対するもの。そして調査Cと申しますのが旭川保健所管内における住 民 123名に対する集計結果ということで、A+B+Cというのはその総体ということ で、一応この総体についてのことで概略御説明申し上げたいと思います。 質問項目はそこに書いてございます。一番左にありますように、今までに「肥満度」 という用語を聞いたことがあるかということにつきまして、81.6%の者が「ある」とい うふうに答えてございます。  そして、この「はい」と答えた人につきまして、「『肥満度』の計算方法を知ってい るか?」「『肥満度』の正常値を知っているか?」、「『肥満度』が何%以上を肥満と するか知っているか?」 につきましては、すべてがいて80%以上の方が「いいえ」と 答えております。  「『肥満度』という考え方は理解しやすいか?」ということにつきましては、85.7% の方が「はい」と答えてございます。  一方「カウプ指数」ということにつきまして、大体ほぼ同じようなことを質問してご ざいまして、「『カウプ指数』という用語を聞いたことがあるか?」につきましては、 87%の者が「はい」。  その「はい」と答えた人につきまして、同じように「『カウプ指数』の計算方法を知 っているか?」、「 正常値を知っているか?」、「いくつ以上が肥満とするか知って いるか?」につきまして、先ほどのとほぼ同じというか、若干パーセントが下がります が、大体70%台の方が「いいえ」というような状況でございます。  次の5ページでございますが「カウプ指数と肥満度ということで、「どちらが適切で あると思うか?」ということにつきましては、「わからない」という方が50.6%で圧倒 的に多いのですが、あえて分けていきますと「肥満度」と答えた方が39.6%、「カウプ 指数」と答えた方が 8.5%ということで、肥満度のほうがやはり分かりやすいのかとい うような感じでございます。 実際に使い勝手と申しましょうか、「身長と体重から肥満度の点を描くことができ た」ということにつきましては、85%弱の方が「できた」。  そしてできた人につきまして、発育パターンが分かった方につきましても82.5%の 方が「わかった」ということで、まあまあ使い勝手がいいのかという感じでございま す。  そして「このような肥満度判定曲線があれば、体重管理、健康管理に役立つと思う か?」につきましても70%以上の方が、そう「思う」ということでございます。  あと、「母子健康手帳にこの肥満度判定曲線が載っていれば使ってみたいと思う か?」につきましても、75%の方がそう「思う」ということでございました。  少し質問の要旨が違うのですが、調査につきましてのみ、5ページの一番上にものと 少し違うような質問がされておりましたのであわせて載せておきました。「『カウプ指 数』という言葉は理解しやすいか?」ということにつきまして、やはり「いいえ」とお っしゃる方が圧倒的に多かったようでございます。  また「母子健康手帳にある『乳児・幼児身体発育曲線』を利用していますか?」とい うことにつきましては、78.9%が利用されておりますし、その中で「発育パターンがわ かった」方が85.6%というような状況でございます。 全体的に「カウプ指数」と比較して、肥満と今回の身長体重曲線、いわゆる肥満判定 曲線といったようなものがかなり使いやすいということは一応これで言えるのではない かというような状況がうかがえます。 本日、以上、3点につきまして御検討をお願いしたいと思っております。実はまずあ っさりと「身長体重曲線」という言葉をそこに載せさせていただいております。別紙の 2ページ、3ページでございますが、「幼児の身長体重曲線」という言葉は抜けており ますけれども、前回「肥満度」という名称がよくないというようなことから、便宜上、 成長度(肥満・やせ)判定曲線」というようなことにさせていただきましたけれども、 その後、一部の方から「標準成長曲線」とかいったようなことが一部で既に使われてお って、「成長曲線」という名称は、そちらのほうと混同することで余りよくないのでは ないかというような御指摘も受けました。  そういったことで、とりあえず事務局といたしまして「身長体重曲線」とさせていた だいたということでございますが、この名称につきましても御議論いただきたいと思っ ております。  それから、第1回目の当部会におきまして、この曲線だけでなくて、1歳児から5歳 児における従来使っておりました身体発育値の3パーセンタイルと97パーセンタイル値 の枠を入れたらどうかということで、前回におきまして、それを記載したものをお示し 申し上げた訳でございますが、このことにつきまして、幾つかのまた指摘がまいってお ります。これははっきり申し上げまして、1歳児なら1歳児、2歳児なら2歳児の3パ ーセンタイル値、97パーセンタイル値というのが実はない訳でございます。例えば2歳 児につきましては、2歳0カ月児のもの、また2歳6カ月児のもの。そしてその間にお ける2歳0から5カ月児のものと、2歳6カ月から11カ月のもの、いわゆる4つについ ての数値はある訳です。ですが、2歳児全体についての3パーセンタイル値、97パーセ ンタイル値はないということでございます。  前回お示しさせていただきましたものは、この中で一番小さいものの3パーセンタイ ル値、一番大きいものの97パーセンタイル値を2歳児の3%、97%ということで枠を示 した訳ですが、ですからより広がったような形の枠になってしまっているというような 状況でございます。  一応そのようなことで、前回御説明いただきましたM先生に御相談して、そのデータ しかなのだから、それでいいのではないかということで、それでお示しいたしましたけ れども、やはりそれはおかしいのだということが統計の専門の方からもいただきまし て、かえってそういうことでは紛らわしい。また、前回、ここでも御指摘いただきまし た。特に左上のほうの枠の数字とか、右下のほうの枠といったようなものがこの肥満の 曲線からは抜けているけれども、その中では適正というふうに見られるような条件もあ るので、少しややこしい、説明が必要かなということの御意見もいただきました。  そういったようなことから、ここの先生とも御相談させていただきまして、あくまで も枠は便宜のためにあったらいいのかというようなことでお示ししたものでございます ので、それを示すことによって、かえって、本来の肥満、やせの判定に支障が出来る。 また、余分な説明をつけ加えなければ理解していただけないというような状態になるの であれば、むしろないほうがいいのではないかというようなこともございまして、一応 そこにお示ししております図には取ってしまったものをお示ししております。このこと につきましても御議論をお願いしたいと思っています。  それから、3番目といたしまして、先ほど申し上げましたようなアンケート調査の結 果といったようなものを踏まえまして、今後これを活用していくに当たりまして、母子 健康手帳に掲載すればいいのではないかと考えておりますけれども、実際に掲載するに 当たりましては、これは省令改正が必要でございますが、その改正を行いまして、そし て現在の母子健康手帳にある乳児・乳幼児身体発育曲線の後のところに別紙1のような ものを掲載させていただければと思っております。  以上、3点、特に名称につきまして、3パーセンタイル値、97パーセンタイル値の枠 の省略につきまして、それから母子健康手帳に掲載することにつきまして御検討いただ ければと思っております。よろしくお願い申し上げます。 ○部会長  ありがとうございました。復習になりますが、前回のこの席上で、当時あのときは、 「肥満」、「やせ」の判定の曲線という格好で、こういうものがあると非常に判断しや すいし、親に理解してもらうのにもいいということで、こういうものを厚生省として取 り上げるということに御了承いただきまして、記者発表が行われ、一部の新聞にはかな り大きく載ったりしたところでございます。  ちょうどその後、実は小児保健学会がございまして、京都でありましたときに、役員 会などでも話題になりましたところ、実は説明を前回までM教授に来ていただいていま したが、この曲線のオリジナルは旭川医大の小児科のN教授の教室で出したデータでし て、その仲間うちの委員会でこの曲線がいろいろ討議されて、これがいいということに なった。それでMさんが近場におられたのでお願いをしたいといういきさつだった訳で すが、前回、これは使い勝手がどうだろうというのが宿題になっておりまして、今、事 務局から御説明がありましたように、あるいは小児保健学会の折も、旭川医大のN教授 から、北海道で大分使ってみている。アンケートなどもやったりして大変評判もいいか ら、出来ることなら大きく取り上げて実用化してほしい、そんな御要望もあったところ でございました。  というこうとで、きょうお諮りするのは前回より一歩踏み出しまして、活用方法のほ うから言いますと、先ほど御議論いただいた母子健康手帳に今「体重身長の発育曲線」 という名前で載っておりますパーセンタイルの図が出ておりますが、その後に討議に並 べてこういうものも使えるように載せていったらいかがか。あるいはこれをもう少し大 きなものにでも刷って、現場ごとに支援・指導の場で使いやすいものもつくって使った らどうか、こういう御提案でございます。  まず、名前のこともございますが、活用するという点ではいかがでございますか。前 回はここまでは考えてなかったのですが、その後の様子で、実際に北海道でかなり広く 使われ、新聞等に出た後での専門家の評判もよろしいようでございますので、出来れ ば、ほかの部分いろいろ直す機会に早めに実際に使える形にしていただいたほうがいい のではないかということでございますが、御意見ございましょうか。もし、御賛成いた だければ、その分は実用向けに考えさせていただきたいと思います。  あと、2点は、まず曲線の名称ですが、これは厚生省でもいろいろお考えいただいた けれども、愛称的なものはなかなか難しいとして、身長、体重の両方を縦軸、横軸にと った曲線というそのままの名前。これを母子健康手帳に載せる場合の表現としてこれを 使ったらどうだろうということで提案をいただいている訳ですが、いかがでしょうか。  A先生、名前をこの間からいろいろおっしゃってましたが、いかがですか。 ○A委員  今の御説明で、仕方がないといったら失礼ですけれども、いずれ愛称が生まれること を期待して、これでよろしいと思います。 ○部会長  ありがとうございます。急にいい名前というのは難しいですので、少しお役所的な表 現ですが、科学的にはこういう曲線例になると思いますので、母子健康手帳に載せると いう前提でこの表現をとりあえず使わせていただくということでいいでしょうか。                (「はい」と声あり)  ありがとうございます。  もう一点は、この前入っていた枠があって、正直言って、あれは何だかよく分からな かったのですけれども、いろいろややこしいし、あの枠取ってしまえというお話で、こ こに出た図を拝見するとこのほうがすっきりしていますので、特に枠にこだわるお考え がなければ、取り払ってしまい、これで実際に使っていただく。パーセンタイルが非常 に気になる場合は身長、体重それぞれにパーセンタイルがありますので、それで判断し ていただくということですっきりいきたいと私も思いますが、いかがでしょうか。 ○D委員  この枠というのは、前回のときに、この曲線に載っていたあれですか。成長曲線とか身長と体重のパーセンタイルのカーブの後につくのであれば、要らないと思います。 ○部会長  ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。  ありがとうございました。それでは、原案どおり、これを利用させていただくという ことで、本部会の意見とさせていただきます。 ○J委員  そうすると、1歳までの分は今までどおりのグラフが残る訳でございますね。12カ月 の分は。 ○部会長  体重、身長はそのまま全部残る。これはおまけに。 ○J委員  わかりました。 ○部会長  指導の現場では両方にチェックして教えてあげなければいけないことかもしれません が、お母さん方にはよく分かってもらえると思います。 ○G委員  私、保育園で使ってもらったのですけど、大変分かりやすいと言っておりました。 ○部会長  ありがとうございました。  それでは、いろいろありがとうございました。司会の不手際で5時までのお約束少し オーバーしてしまいましたが、特に最後が盛りだくさんでしたので勝手に急がせていた だいて大変失礼いたしました。御勘弁をいただきたいと思います。いずれにしまして も、大変盛りだくさんの内容で大事なことをきょう御審議いただき、お決めをいただき ましてありがとうございました。あと多少の積み残しといいますか、宿題が残っていま すので、母子保健課といたしまして、きょうのディスカッションを踏まえました多少の モディファイをお願いすることになると思いますが、あとをよろしくお願いしたいと思 います。ありがとうございました。課長、最後御挨拶をお願いいたします。 ○母子保健課長  本当に長時間にわたりまして、たくさんの内容を御審議いただきましてありがとうご ざいました。おかげさまで私どもも安心して正月が迎えられると思います。小児慢性特 定疾患の関係につきましては、これは年度の切りかえとは関係なく、出来るだけ早い機 会に都道府県の体制が整った段階で実施したいと考えています。  また、もう一つの母子健康手帳の改正につきましては、先ほど来御指摘のありました 文言等を訂正させていただいたものをまた先生方に御配布する形で御了承を得まして、 出来るだけ早い機会に省令改正を行い施行させていただきたいと思いますが、ただ、こ の母子健康手帳、市町村等が購入するのが年度単位でどうもやっているようでありまし て、4月に間に合えば非常にいいのですが、間に合わないと5月とか6月というと非常 に在庫の支障を来すこともありますので、4月に間に合わなければ、例えばある程度周 知期間を置いて10月とか、そういうことも含めて御検討させていただきたいと思いま す。  いずれにしろ出来るだけ早くやりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いした いと思います。 ○部会長  議題の最後の「その他」を飛ばしたのですが、何か事務局ございましょうか。何か御 連絡いただくことございますか。 ○事務局  ありません。 ○部会長  次回、必要なときにはお集まりいただいて御議論いただきますが、その節はまた厚生 省から御連絡あると思います。どうもありがとうございました。   問い合わせ先:    所 属  児童家庭局母子保健課    担当者  今村 則継    電 話  内線3174