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平成12年 6月 23日

平成9年度の一般廃棄物の排出及び処理状況等について

−日本の廃棄物処理(平成9年度版)の概要−

 平成9年度における全国の一般廃棄物(ごみ及びし尿)の排出及び処理状況等に関する状況について調査し、その結果を取りまとめたので公表する。なお、結果の概要は次のとおり。

1.ごみの排出・処理状況

(1)全国のごみ総排出量

○ここ数年ほぼ横ばい

 ・平成9年度ごみ総排出量 5,120万トン(前年度 5,115万トン)
 ・1人1日当たりの排出量 1,112グラム(前年度 1,114グラム)

(2)ごみの処理状況

○ごみの減量処理率、リサイクル率はここ数年増加傾向

ごみの減量処理率 91.4% (前年度 89.7%)
 ごみの直接焼却率 78.0% (前年度 76.9%)
 資源化等の中間処理率 13.4% (前年度 12.8%)
リサイクル率 11.0% (前年度 10.3%)
(注:減量処理率=直接焼却率+資源化等の中間処理率)

○直接埋立率はここ数年減少傾向
・直接埋立率 8.6%(前年度 10.3%)

2.最終処分場の残存容量(平成10年4月1日現在)

○前年度から8.7%増、残余年数も1.8年増加
・残余容量 1億6,431万m3(前年度 1億5,116万m3
・残余年数 11.2年(前年度 9.4年)

3.市町村及び一部事務組合における廃棄物処理経費の状況

○ごみ処理経費はほぼ横ばい

・廃棄物処理事業経費 2兆6,654億円 (対 前年度 2兆6,990億円)
・1人当たりの年間ごみ処理経費 17,700円 (対前年度 2.3%減)
・1人当たりの年間し尿処理経費 6,900円 (対前年度 6.8%増)

1.調査方法

(1)調査対象

 全国の3,233市町村(東京23区を含む)、871事務組合

(2)データの集計、解析

 市町村、事務組合から都道府県を経由して厚生省に報告されたデータを集計し、取りまとめた。


2.ごみの排出・処理状況について

(1)ごみの排出状況

 平成9年度におけるごみの排出量(注1)5,120万トン(東京ドーム138杯分(注2)、8年度は5,115万トン)となっており、ここ数年はほぼ横ばいである。
 また、1人1日当たりの排出量は1,112グラム(8年度は1,114グラム)であり、前年度並みである(図-1参照)。

図

図−1 ごみ排出量の推移



注1:「ごみ排出量」=「収集ごみ量+直接搬入ごみ量+自家処理量」
 なお、ダイオキシン類対策推進基本指針(ダイオキシン対策関係閣僚会議決定)に基づき、政府が平成22年度を目標年次として設定した「廃棄物の減量化の目標量」においては、平成8年度の一般廃棄物の排出量を、「収集ごみ量+直接搬入ごみ量+資源ごみの集団回収量」と定義し、約5,300万トン(≒5,291万トン)としている。
 これと同様の定義により平成9年度の排出量を計算すると、約5,300万トン(≒5,310万トン)となり、ほぼ横ばいとなっている。

注2:ごみの比重を0.3として算出。(東京ドーム地上部の体積:1,240,000m3

(2)ごみの処理状況

(1)処理フロー(図-2参照)
 ごみの総処理量のうち、焼却、破砕・選別等により中間処理されたものは4,630万トン(全体の91.4%(=減量処理率)。8年度は89.7%)、直接最終処分されたものは434万トン(8.6%。8年度は10.3%)となっている。
 中間処理されたごみのうち、直接焼却の割合は78.0%(8年度76.9%)、焼却以外の中間処理(破砕・選別による資源化、高速堆肥化等)の割合は13.4%(8年度12.8%)である(図-3参照)。
 また、中間処理されたごみ4,630万トンは、処理の結果、1,102万トンまで減量化され、再生利用(335万トン。8年度は300万トン)または最終処分(767万トン。8年度は791万トン)されている。
 結局、直接最終処分されたものと併せて、約1,201万トン(8年度1,309万トン)が最終処分された(図-4参照)。
図
図-2 全国のごみ処理のフロー


図

図−3 ごみ処理方法の推移


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図−4 最終処分量の推移


(2)ごみのリサイクルの状況
 市町村において分別収集や中間処理により資源化された量は335万トン(8年度300万トン)、住民団体等によって資源回収された集団回収量は252万t(8年度247万t)であった。
 市町村における資源化と集団回収とを合わせたリサイクル率(注3)は、11.0%(8年度10.3%)であり、リサイクル率の集計を始めた平成元年度以来、毎年0.8%程度ずつ上昇している(図-5参照)。

図

図−5 リサイクル率の推移



注3:リサイクル率(%)= 資源化量 + 集団回収量 × 100
──────────
ごみの総処理量 + 集団回収量


(3)ごみ焼却施設の整備状況

 ごみ焼却施設数(着工ベース)は1,843施設(8年度1,872施設)であった(図-6参照)。その燃焼方法に着目すると、間欠燃焼方式(固定バッチ、機械化バッチ及び准連続)の焼却施設の数は減少し、24時間燃焼方式(全連続)の焼却施設が増加している。


図

図−6 ごみ焼却施設数(着工ベース)の推移



(4)一般廃棄物最終処分場の状況

 一般廃棄物最終処分場は2,266施設(8年度2,388施設)であり、その残余容量は1億6,431万m3(8年度1億5,116万m3(注4))と前年度より8.7%増加し、また、残余年数(注5)は全国平均で11.2年分(8年度9.4年分)であった。(図-7参照)。
 大都市圏における残余年数の状況については、首都圏(注6)では10.3年分(8年度6.5年分)、近畿圏では9.5年分(8年度6.5年分)と、それぞれ増加した。
 これは、一部の自治体において、大規模な最終処分場の建設着工があったためである。一方、全国の都道府県別に見ると、残余年数が5年未満の都道府県が6県あり、市町村単位ではさらに残余年数の長短のばらつきがあると考えられる。


図

図−7 一般廃棄物最終処分場の残余容量と残余年数の推移



注4:前年度調査における一部自治体の未報告分を加算したため、日本の廃棄物処理(平成8年度)と異なった値となっている。

注5:残余年数 = 当該年度末の残余容量
─────────────
当該年度の最終処分量 / 埋立ごみ比重
(埋立ごみ比重は 0.8163とする。)

注6:首都圏とは、茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・山梨県をいう。
 近畿圏とは、三重県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県をいう。


3.し尿処理の状況について

(1)水洗化の状況

 総人口1億2,614万人のうち、水洗化人口は9,953万人(78.9%。8年度77.2%)となっており、年々増加している。
 うち、浄化槽人口が3,510万人(総人口の27.8%)、下水道人口が6,443万人(総人口の51.1%)となっており、浄化槽人口はほぼ横ばいの推移であるが、下水道人口の増加により水洗化人口が増加している。
 一方、非水洗化人口は2,661万人(総人口の21.1%)となっている(図-8参照)。


図

図−8 し尿処理の推移



(2)くみ取りし尿及び浄化槽汚泥の処理状況

 くみ取りし尿及び浄化槽汚泥の処理量3,314万klのうち、し尿処理施設又は下水道投入によってその93.1%(8年度93.0%)が処理されている。
 また、海洋投入処分量は207万kl(8年度212万kl)と、年々わずかずつ減少している(図-9参照)。


図

図−9 計画処理量に占める海洋投入処分の割合の推移



(3)浄化槽の設置状況

 浄化槽設置基数は837万基(8年度817万基)であり、増加傾向が続いている。うち、単独処理浄化槽(し尿のみの処理)が736万基(8年度730万基)、合併処理浄化槽(し尿と生活雑排水の処理)が101万基(8年度87万基)であり、合併処理浄化槽の割合は12.0%であった。
 なお、平成9年度に設置された浄化槽に占める合併処理浄化槽の割合は41.0%(8年度37.8%)と、年々増加している。

4.廃棄物処理事業経費の状況について

 市町村及び一部事務組合が一般廃棄物の処理に要した経費(ごみ処理事業経費及びし尿処理事業経費の合計)は、2兆6,654億円(8年度2兆6,990億円)であり、前年度とほぼ同額であった。
 うち、ごみ処理事業経費については、2兆2,368億円(8年度2兆2,843億円)であり、国民1人当たりに換算すると、17,700円(8年度18,200円)となり、昨年度より若干減少している(図-10参照)。


図

図−10 ごみ処理事業経費の推移



 一方、し尿処理経費については、4,287億円(8年度4,147億円)となっており、し尿処理の対象人口(非水洗化人口及び浄化槽人口の合計)当たりに換算すると、6,900円(8年度6,500円)となっている(図-11参照)。


図

図−11 し尿処理事業経費の推移



<照会先>
水道環境部環境整備課
(代表 [現在ご利用いただけません])
補佐 山田 一成 (内線4045)


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