平成9年7月28日
販売名(メーカー名:所在地): | カンプト注(ヤクルト本社:東京都港区) |
トポテシン注(第一製薬:東京都中央区) | |
効能効果: | 小細胞肺がん、非小細胞肺がん、子宮頸がん、卵巣がん、胃がん(手術不能又は再発)、結腸・直腸がん(手術不能又は再発)、乳がん(手術不能又は再発)、有棘細胞がん、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫) |
承認: | 平成6年1月 |
販売: | 年間5.6億円(平成8年:薬価ベース) |
(1)
塩酸イリノテカンは、我が国で開発された新しい型のDNA合成阻害作用を有する抗悪性腫瘍剤であって、平成6年1月に製造承認され、平成7年9月に承認事項の一部変更(効能の追加)が行われた。
(2)
本剤については、治験の段階から骨髄機能抑制や高度の下痢などの重篤な副作用が認められたため、承認当初より添付文書の使用上の注意に警告を付すとともに、効能追加の際に再審査期間中の全症例を調査の対象とすることを承認の条件とした。また、適正使用の推進のため、承認時及び一部変更時に新医薬品承認審査概要(SBA)を公表したほか、平成6年10月に、厚生省の発行する「医薬品副作用情報」に適正使用のための解説記事を掲載する等、これまでも安全対策上必要な措置を講じてきたところである。
(3)
7月25日に開催された中央薬事審議会副作用調査会において、販売開始から平成9年3月末までの全投与例5,445例のうち、本剤の投与との因果関係が否定できない死亡症例42例について詳細な分析が行われた。
その結果、その主要な副作用である白血球減少、血小板減少等の重篤な骨髄機能抑制を防ぐためには、使用上の注意の警告等を改訂して医療関係者への一層の注意喚起を行うとともに、以下の内容からなる緊急安全性情報(ドクターレター)を配布することにより、その周知徹底を図ることが適当との結論が得られた。
中央薬事審議会副作用調査会の結論を踏まえ、次の対応をとることとした。
(1)厚生省
(1)
ヤクルト本社及び第一製薬に対して、使用上の注意の改訂を指示するとともに、「緊急安全性情報」の作成及び医療機関等への配布を指示する。
(2)
次号の「医薬品等安全性情報」(8月下旬発行予定)において、本剤の適正使用に関する解説記事を掲載する。
(2)製造メーカー(ヤクルト本社、第一製薬)
(1)
使用上の注意の改訂
警告欄等の記載内容について、重篤な骨髄機能抑制の防止のための具体的な記載を追加する。
(2)
緊急安全性情報の配布
「緊急安全性情報」を作成し、MRが医師、薬剤師等に対して情報提供を行う。
(3)
投与の適否判定のためのチェックリストの改定とその利用の徹底
警告等の変更に対応して医師が投与の開始及び継続の際の判定に使用するチェックリストの改訂を行うとともに、必ずチェックリストにより登録者の適否を確認した上で製品を供給する等、管理の徹底を図る。
問い合わせ先 厚生省医薬安全局安全対策課 担 当 山本(内2748)、桂(内2751) 電 話(代)[現在ご利用いただけません] (直)03−3595−2435 ヤクルト本社 担 当 広報室 電 話 03−3574−8920 第一製薬株式会社 担 当 広報室 電 話 03−3273−7107