第1 |
心身ともに健康な生活と安心で質の高い効率的な医療の確保等のための施策の推進 |
|
国民の健康寿命を伸ばすことを目標に、「生活習慣病対策」と「介護予防」を推進するとともに、それらを支える科学技術の振興を図る「健康フロンティア戦略」を本格的に実施する。なかでも死亡原因の3割を占めるがんの罹患率と死亡率の減少を目指し、がん対策を総合的かつ重点的に推進するほか、メタボリックシンドローム対策の総合的な推進及び本年6月に成立した食育基本法に基づく食育を推進する。
また、地域の医療機能の適切な分化・連携を進める医療計画制度の見直しや小児救急をはじめとする救急医療体制の確保等を通じ、安全・安心で質の高い医療提供体制の構築に向けた改革を行う。さらに、国民誰もがいつでもどこでも良質な医療を受けることができるよう、国民皆保険を堅持し、国民の安心と制度の持続可能性を確保するため、新たな高齢者医療制度の創設をはじめとする医療保険制度の改革を行う。
(1) |
「働き盛りの健康安心プラン」による生活習慣病対策等の推進 |
58億円 |
|
○ |
メタボリックシンドローム(高血糖、高血圧、高脂血等の状態)に着目した健診・保健指導の重点化(新規) |
2.4億円 |
糖尿病、高血圧症に代表されるメタボリックシンドローム(高血糖、高血圧、高脂血等の状態)等の予防のため、健診・保健指導の重点化・効率化を推進する。
|
○ |
若年期からの肥満予防対策の推進(新規) |
73百万円 |
近年増加している成人男性の肥満を予防するため、地域と学校が連携し、若年期からの健全な食生活や運動習慣の指導など肥満予防対策を推進する。
|
○ |
未成年者や子どもへの影響の大きい若い親世代を対象とした喫煙防止対策及び対策が遅れている娯楽施設等に対する受動喫煙対策を推進する。 |
○ |
女性のがん罹患率の第一位である乳がんについて、死亡率減少効果のあるがん検診を推進するため、マンモグラフィの緊急整備や撮影技師及び読影医師の育成を図るとともに、乳がん、子宮がん検診の普及啓発等を推進する。 |
(3) |
「介護予防10カ年戦略」による効果的な介護予防対策の推進 |
990億円 |
|
○ |
日常生活圏域で高齢者の生活の継続性が確保できるように、既存の老人福祉センター等の改修等、介護予防サービス提供のための拠点整備を行うとともに、適切な介護予防サービスを提供するため、地域支援事業を推進する。
|
○ |
効果的な介護予防プログラムを開発普及するため、事業の実施状況や効果について、評価分析等を行うとともに、介護予防プログラムを推進していく上で中核となる地域包括支援センター職員等の養成を行う。
|
○ |
地域住民に対する認知症への理解の促進、主治医等を中心とした認知症の地域医療体制の充実、早期段階に対応したサービスの普及、認知症介護の専門職員に対する研修の充実等、各ステージに応じた「認知症対策等総合支援事業」を推進する。 |
○ |
ゲノム科学等の基礎的研究の実施や、その臨床応用の促進を図るとともに、治験を含む臨床研究基盤の整備等を実施し、創薬環境の充実を目指す。
|
○ |
疾病・障害の予防、診断、治療法等の開発を推進する。特に「第3次対がん10か年総合戦略」に基づいた、がんの本態解明や革新的な予防、診断、治療法の開発等を推進する。
また、老化抑制機構の解明や介護予防及び介護技術に関する研究を推進する。 |
○ |
がんをより効果的・効率的に早期発見する精度の高い検診を実施するため、最新の知見に基づくがん検診方法等の検討やがん検診の事業評価を推進する。
|
○ |
効果的ながん検診の普及(「女性のがん緊急対策」を再掲) |
41億円 |
死亡率減少効果のあるがん検診を推進するため、マンモグラフィの緊急整備や撮影技師及び読影医師の育成を図るとともに、乳がん、子宮がん検診の普及啓発等を推進する。
|
○ |
効果的な禁煙支援マニュアルや、研究成果を踏まえた生活習慣の改善によるがんの予防法を普及啓発し、がん予防を推進する。 |
○ |
がん専門医等がん医療専門スタッフの育成(新規) |
2.7億円 |
がん診療に従事する医師等に対して研修の機会を提供するとともに、国立がんセンターの研修修了者等を登録するデータバンクを整備し、医療機関等の要請に応じて情報提供等を行う。
|
○ |
地域がん診療拠点病院(仮称)の機能強化と診療連携の推進 |
27億円 |
がん医療水準の向上と地域格差の縮小を図るため、2次医療圏に1カ所程度の「地域がん診療拠点病院(仮称)」を整備し、緩和医療の提供、患者等に対する相談支援等の機能を強化するとともに、地域の医療機関との診療連携を推進する。 |
(3) |
がんの在宅療養・終末期医療を推進するため、医療従事者の研修や在宅ホスピスケア推進のためのアドバイザー派遣、普及啓発等を行う。 |
○ |
基礎研究の成果を迅速に臨床応用へと結実させる橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)等の推進と、これを支える研究基盤の充実を図る。
また、優先度や重複排除に配慮した課題設定を行うことにより、国民のニーズに応えるがん研究を効率的に推進する。
|
○ |
抗がん剤等の治験とがん治療法の臨床研究の推進(新規) |
23百万円 |
優先度の高い抗がん剤等について迅速かつ確実な治験実施につなげるとともに、標準治療法開発のための臨床研究や治験の円滑な実施環境を整備する。
|
○ |
がん対策を総合的に推進するための戦略的な研究の実施(新規) |
5億円 |
研究の成果目標及び研究方法を予め設定し、研究者や研究協力施設等を公募する「戦略研究」をがん研究において実施する。 |
(5) |
がん対策情報センター(仮称)の設置(新規) |
18億円 |
がん診療に関する最新の情報を収集し、利用者の立場で整理した情報を提供するとともに、がん対策の企画立案に必要な基礎データの収集・蓄積・分析・発信機能を担う「がん対策情報センター(仮称)」を国立がんセンターに設置する。 |
(1) |
国民健康づくり運動を通じた「食育」の推進 |
6.6億円 |
「食事バランスガイド」の普及啓発、ボランティアによる食生活改善及び若年期からの肥満予防対策等を推進する。 |
(2) |
「健やか親子21」による母子保健運動を通じた「食育」の推進 |
6百万円 |
授乳及び離乳期を連続したものととらえ、従来の離乳ガイドを見直し、母乳育児推進のための具体的内容を盛り込んだ「授乳・離乳の支援ガイド」を新たに作成し、普及啓発を図る。 |
(3) |
消費者等とのリスクコミュニケーションを通じた「食育」の推進 |
83百万円 |
食品の安全性に関するシンポジウムの開催など消費者と双方向のコミュニケーションを通じて、食品の安全性の確保に関する知識と理解を深める。 |
(1) |
抗ウイルス療法の導入によるC型肝炎治療の目覚ましい進歩等を踏まえ、肝炎ウイルス検査体制の充実、肝炎等の治療体制の強化、予防や治療法等の研究の推進、肝炎ウイルス感染者に対する専門相談・保健指導や肝炎に関する正しい情報の提供など、C型肝炎等緊急総合対策に基づく総合的な対策を推進する。 |
○ |
新型インフルエンザをはじめとする新興・再興感染症に関する研究を推進する。
|
○ |
性感染症に関する予防指針の見直しに伴い、正しい知識の普及啓発や検査機会の提供など、性感染症の予防を支援する環境づくりを推進する。 |
(3) |
エイズ発生動向を踏まえ、青少年や同性愛者等に対する普及啓発や、大都市における休日・夜間の検査・相談体制等を充実する。 |
○ |
臓器提供に関する意思をより確実に活かすため、臓器提供意思登録システムを構築するなど臓器移植の普及啓発の一層の推進を図る。
|
○ |
骨髄バンクコーディネートシステムの再構築によりコーディネート業務の強化を図る。また、より移植に適した細胞数の多いさい帯血の確保を図る。
|
(5) |
難治性疾患に関する調査・研究の推進により、治療法等の確立と普及を図るとともに、難病相談・支援センター事業の充実により、地域における難病患者の生活支援等の推進を図る。 |
(6) |
ハンセン病療養所入所者の療養を確保するとともに、退所者等の社会生活を支援する。また、ハンセン病資料館の開館(平成19年2月予定)など、ハンセン病に関する正しい知識の普及啓発の充実を図る。 |
○ |
ぜんそく
喘息 |
死ゼロ作戦(仮称)の実施(新規) |
17百万円 |
|
|
喘息死を減少させることを目的に、患者による自己管理の徹底、かかりつけ医を中心とした医療連携体制の確保を推進する。
|
○ |
免疫アレルギー疾患に関する研究の推進と正しい知識の普及 |
16億円 |
リウマチ、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなど免疫アレルギー疾患の治療法の開発等の研究を推進するとともに、その研究成果を活用し、リウマチ・アレルギー相談員養成研修会やシンポジウムの開催等を通じ、正しい知識の普及を図る。 |
(8) |
シックハウス症候群の原因分析、診断・治療法等の研究を進めるとともに、その成果を活用した相談体制の整備等を図りつつ、関係省庁と連携した総合的な対策を推進する。 |
(1) |
保健医療提供体制推進事業(統合補助金)及び保健医療提供体制整備交付金の創設(新規) |
382億円 |
|
○ |
保健医療提供体制推進事業(統合補助金)の創設(新規) |
221億円 |
新たな医療計画制度等の実効性を確保し、医療提供体制と地域保健及び健康増進体制との連携強化を図る観点から、都道府県が作成する「保健医療提供体制事業計画」に基づき主体的かつ弾力的な事業運営を行えるよう、救急医療施設運営費や地域保健医療等推進事業等について補助基準の緩和等を図った統合補助金を創設する。
|
○ |
保健医療提供体制整備交付金の創設(新規) |
161億円 |
新たな医療計画制度等の実効性を確保し、医療提供体制と地域保健及び健康増進体制との連携強化を図る観点から、都道府県が作成する「保健医療提供体制事業計画」に基づき、救急医療施設、周産期医療施設、市町村保健センター等の施設整備を支援する保健医療提供体制整備交付金を創設する。
|
(2) |
医療計画上、がん医療・小児救急医療等の主要な事業ごとに地域の医療機能を明示することにより医療機関の適切な機能分化・連携を進める。これにより、急性期・回復期・慢性期・在宅療養という医療の切れ目のない流れを作り、必要かつ十分な医療を受けつつ総治療期間が短くなる仕組みを構築するなど効率的な医療を提供し、患者の生活の質(QOL)を高める。 |
(3) |
救急医療の充実をはじめとする地域医療の確保 |
392億円 |
|
○ |
救急医療体制の計画的かつ体系的な整備を図るため、救命救急センター、救急医療情報センター、ドクターヘリ導入促進事業等に対する助成を行う。特に、小児救急については、急病時の対応等について保護者へ啓発を行うとともに、初期から三次までの救急医療体制の整備を図る。
|
○ |
へき地・離島の診療所に勤務する医師からの診療相談体制の整備及び代診医として派遣する医師の確保により、へき地・離島の診療支援体制の整備を図る。 |
(4) |
医師確保対策の推進等と医療従事者の資質の向上 |
353億円 |
|
○ |
女性医師のライフステージに応じた就労を支援するため女性医師バンク(仮称)を設立するほか、離職医師の再就業を支援するための講習会などを実施する。
|
○ |
平成18年度から必修化される歯科医師臨床研修の円滑な実施を図るため、臨床研修を行う施設に対し必要な支援を行う。
|
○ |
専門分野(がん・糖尿病)における質の高い看護師の育成(新規) |
1.6億円 |
がん及び糖尿病の患者に対する看護ケアを充実するため、臨床実務研修の実施により、臨床実践能力の高い専門的な看護師の育成を図る。
|
○ |
潜在助産師等を対象に臨床実務研修を行い、助産師の産科診療所での就業を促進するとともに、産科診療所と助産所との連携を強化する。
|
○ |
約55万人といわれる潜在看護職員について、臨床実務研修等の実施を通じて再就業を促進し、看護職員の確保を図る。 |
○ |
医療紛争における調整・調停を担う人材の養成研修事業(新規) |
35百万円 |
医療を巡る苦情や相談等に対応するための人材の養成研修を行うことにより、医療安全支援センター等の機能の強化を図る。
|
○ |
患者に重大な影響を及ぼすことが予想される行為や技術の情報を迅速に医療機関等に発信し、発生予防・再発防止のための注意喚起を行う。
|
○ |
診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業 |
1.2億円 |
診療行為に関連した死亡等について、医療機関からの調査依頼を受け付け、臨床医、法医、病理医による解剖と臨床医による事案調査に基づき診療上の問題点と死亡との因果関係を明らかにし、再発防止策を検討するモデル事業の充実を図る。 |
○ |
保健医療分野の公開鍵基盤(PKI)認証局の構築・運営(新規) |
20百万円 |
安全かつ円滑な診療情報共有を実現するため、電子署名自体が医療従事者の公的資格の確認機能を有する、保健医療分野に適した公開鍵基盤の整備を行う。
|
○ |
標準的電子カルテ情報交換システムの開発(新規) |
1.3億円 |
医療施設間の情報連携のための標準化を推進するため、国際標準規格に準拠した医療用の定型文書情報の出入力を可能とするシステム等の開発を行う。
|
○ |
診療情報連携のための電子カルテシステムの普及 |
6.9億円 |
診療情報連携ネットワークの構築を効率的に推進するため、地域の医療機関が電子カルテの導入に必要な設備等を幅広く共同利用可能な体制を整備(共同利用型データセンター設置等)し、電子カルテ導入費用を軽減しつつ、情報連携に適した電子カルテシステムの普及を図る。 |
○ |
政府管掌健康保険、国民健康保険、老人保健制度等に係る医療費国庫負担 |
8兆3,622億円 |
医療保険制度改革の内容について検討を進め、所要の改革を実施する。 |
第2 |
少子化の流れを変えるための更なる次世代育成支援対策の展開 |
|
少子化の流れを変えるため、平成17年4月からスタートした地方公共団体・企業の次世代育成支援行動計画を着実に実行し、全国どの地域でも国民一人ひとりが子育てしやすい環境に変わったと実感できるようにしていく必要がある。
このため、待機児童の解消を目指した次世代育成支援対策施設整備交付金の大幅な充実をはじめ、「子ども・子育て応援プラン」の実現に向けて、以下の事項を強力に推進する。
(1) |
すべての子どもとすべての家庭に支援が行き届くような地域における子育て支援対策や多様な保育サービスの充実 |
(2) |
男女ともに子育てしながら安心して働くことのできる雇用環境の整備 |
(3) |
すべての子どもの命を大切にするための児童虐待防止対策や小児科・産科医療の確保 |
なお、「子ども・子育て応援プラン」において検討課題とされている経済的支援等については、さらにそのあり方等を幅広く検討する。
1 |
すべての家庭を対象とした地域子育て支援対策の充実 |
|
649億円(578億円) |
|
○ |
地域の特性や創意工夫を生かした子育て支援事業の充実 |
393億円 |
各市町村が次世代育成支援対策推進法に基づく地域行動計画により展開している様々な子育て支援事業について、「子ども・子育て応援プラン」で掲げた目標の達成に向け、地域のニーズを踏まえて充実できるよう、次世代育成支援対策交付金(ソフト交付金)の充実を図る。
(対象となる主な事業)
・ |
つどいの広場事業 |
・ |
育児支援家庭訪問事業 |
・ |
ファミリー・サポート・センター事業 |
・ |
子育て短期支援事業 |
・ |
延長保育促進事業 |
・ |
乳幼児健康支援一時預かり事業 |
|
(2) |
放課後児童クラブの一層の拡充を図るとともに、障害児の受入れを推進する。 |
(3) |
全市町村で中・高校生が乳幼児とふれあう機会が確保されることを目指し、児童ふれあい交流事業の推進を図る。 |
(1) |
待機児童解消に向けた保育所の受入れ児童数の拡大 |
383億円 |
待機児童の解消を目指し、保育所受入れ児童数を増やすとともに、各市町村の整備計画による保育所の整備が図られるよう、次世代育成支援対策施設整備交付金(ハード交付金)の充実を図る。
次世代育成支援対策施設整備交付金(ハード交付金)
平成17年度予算 |
|
平成18年度要求 |
167億円 |
→ |
268億円(60.5%増) |
|
○ |
延長保育の充実
11時間の開所時間を超えて実施する延長保育を推進する。(次世代育成支援対策交付金) |
○ |
専業主婦等のための緊急・一時的な保育を行う「一時保育」、保護者の就労形態の多様化などに伴う柔軟な保育を行う「特定保育」及び「休日保育」等を推進するなど多様な保育ニーズに対応する。
|
○ |
保育ママの積極的な活用を図るため、保育所が自ら実施する保育ママ(保育所実施型)を創設し、低年齢児の受入拡大を図る。また、看護師等の資格を有する保育ママが軽度の発熱等のある子どもを預かる「病後児・病児保育モデル事業」を新たに実施する。 |
(3) |
総合施設(仮称)の本格実施
「就学前の教育・保育を一体として捉えた一貫した総合施設(仮称)」について、17年度実施のモデル事業を踏まえ、18年度から本格実施する。 |
3 |
仕事と子育ての両立など仕事と生活のバランスのとれた働き方 の実現 |
|
137億円(54億円) |
|
○ |
仕事と家庭の両立支援に取り組む事業主への支援の充実 |
56億円 |
中小企業において仕事と子育ての両立をしやすくするため、育児休業取得者や短時間勤務制度の適用者等が初めて出た中小企業事業主に対し5年間に限り特別に手厚い助成を行う。また、育児・介護休業中の従業員の職業能力開発の取組等を行う事業主への助成措置の拡充を図る。
|
○ |
子育てする女性に対する再就職・再就業支援の充実 |
53億円 |
出産・育児で離職した女性が再就職に向けた計画的な取組を行えるよう相談・助言を充実するとともに、マザーズハローワーク(仮称)を新設し、子供連れで相談しやすい環境の整備、地方公共団体等との連携による子育て情報の提供、個々の希望を踏まえた相談・求人確保等の就職支援を行う。
起業についても総合的情報提供を行う専用サイトやメンター(先輩の助言者)紹介サービス事業を実施するとともに、子育てする女性の起業に着目した助成制度を設ける。 |
(2) |
仕事と生活のバランスのとれた働き方の推進 |
22億円 |
|
○ |
労働時間等設定改善に向けた取組の推進(新規) |
16億円 |
労働時間等の設定改善の進め方について助言・指導を行う「労働時間等設定改善アドバイザー」を設置し、中小企業事業主を計画的に指導する等労働時間等の設定改善に向けた取組を推進する。
|
○ |
仕事と生活の調和に係る社会的機運の醸成(新規) |
4.7億円 |
「仕事と生活の調和推進会議」の開催等により、意欲と能力に応じた多様な働き方ができるよう社会的機運の醸成に取り組む。
|
○ |
短時間正社員など公正かつ多様な働き方の推進(新規) |
89百万円 |
マニュアルの普及及び業種別団体におけるモデル事業の実施により、適正な評価と公正な処遇の図られた短時間・短日勤務の正社員制度等の普及を図る。 |
○ |
均衡処遇推進のための事業主への支援の充実 |
5.6億円 |
短時間労働者雇用管理改善等助成金を抜本的に見直し、パートタイム労働者の均衡処遇に向けた事業主の取組への支援を強化する。
|
○ |
時間比例賃金の導入に向けたモデル事業の実施(新規) |
78百万円 |
業種別団体において労働時間に比例した賃金制度の導入のためのモデル事業を実施し、普及を図る。
|
○ |
育児支援家庭訪問事業の強化
妊娠期からの継続的な支援を行うため、分娩に関わった助産師等による訪問支援を推進するとともに、子育て中の親が集まりやすい場所においても心理的カウンセリングを実施できるよう派遣対象場所を拡大する。(次世代育成支援対策交付金)
|
○ |
児童相談所等の体制強化
児童虐待防止対策支援事業に、親支援を強化するための家族療法事業を加えるとともに、一時保護所における心理療法担当職員の配置の充実など、児童相談所及び一時保護所の機能強化等を図る。
|
○ |
児童福祉施設における支援体制の強化
児童養護施設等の小規模グループケアを推進するとともに、心理療法担当職員の配置の充実、家族療法事業の対象施設の拡大を図る。
|
○ |
里親委託推進事業(仮称)等の創設(新規)
児童相談所に「里親委託推進員」を配置し、乳児院等の児童福祉施設と里親との間の連携を図り、施設から里親への委託を総合的に推進する。
また、ひきこもり等の子どもを持つ保護者の交流のための事業を創設する。(児童虐待・DV対策等総合支援事業) |
(2) |
配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)への対策等の推進 |
21億円 |
婦人相談所、婦人保護施設等における相談・保護、自立支援等の一層の推進を図る。また、婦人保護施設、民間シェルター等において人身取引被害者の一時保護の処遇の充実を図る。 |
(1) |
小児科・産科医療の確保に向けた取組の推進 |
148億円 |
|
○ |
小児の急病時の対応等について保護者への啓発を行うとともに、初期から三次までの小児救急医療体制の整備を図る。
|
○ |
医師再就業支援事業の実施(新規)(再掲) |
1.4億円 |
女性医師のライフステージに応じた就労を支援するため女性医師バンク(仮称)を設立するほか、離職医師の再就業を支援するための講習会などを実施する。
|
○ |
小児科・産科医療体制整備事業の実施(新規)
小児科医・産科医の不足に対応するため、医師の確保、女性医師の就労支援策など、都道府県における小児科医療・産科医療の体制整備に必要な経費の補助を行う。(母子保健医療対策等総合支援事業) |
(2) |
小児慢性特定疾患治療研究事業を実施するとともに、日常生活用具の給付などの福祉サービスを実施する。 |
(3) |
不妊治療に対する支援
「体外受精・顕微授精を対象に年度10万円・通算2年」としている現行助成制度の「通算2年」を「通算5年」に拡大する。(母子保健医療対策等総合支援事業) |
(1) |
母子家庭等の自立のための子育て・生活、就業支援等の推進 |
46億円 |
|
○ |
母子自立支援プログラム策定事業の全国展開
モデル事業として実施している母子自立支援プログラム策定事業を全国展開する。(母子家庭等対策総合支援事業)
|
○ |
常用雇用転換奨励金の支給要件の緩和
母子家庭の母の常用雇用化を促進するため、常用雇用転換奨励金の支給要件の緩和を図り、母子家庭の母の自立を支援する。(母子家庭等対策総合支援事業) |
○ |
医療・介護を受けている間についても「生活資金」の単独貸付を可能とし、母子家庭等の自立を積極的に促進する。
|
○ |
※ |
児童扶養手当給付費負担金の改革については、平成16年11月26日の政府・与党の合意において「地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成17年秋までに結論を得て、平成18年度から実施する」こととされている。 |
|
第3 |
安心・安全な職場づくりと公正かつ多様な働き方の実現 |
|
経済環境が著しく変化する中で発生している重大な災害を防止するとともに、職場における化学物質管理を促進すること等により労働者の健康障害予防を図る。
特に、アスベストによる健康障害に関する対策を充実強化するため、建物の解体現場への監督指導等による石綿飛散防止対策を徹底し、石綿製品の早期代替化に向けた施策を推進するほか、石綿作業離職者の健康管理の充実等を図る。
また、男女雇用機会均等の更なる推進やパートタイム労働対策の充実などにより、公正かつ多様な働き方を実現する。
※ |
アスベスト問題へ早急に対応するため、17年度において、建築物の解体時等の飛散予防の徹底、製造・新規使用等の早期の全面禁止に向けた取組、健康相談窓ロの開設等の取組について重点的に実施するほか、病院等におけるアスべストの使用状況等について、早急に調査を行っているところである。
18年度については、下記の施策のほか、現在行っている調査の結果等を踏まえ、予算編成過程において、必要な予算措置の検討を行う。 |
○ |
発注者、建築物解体事業者を対象に、石綿ばく露防止マニュアル等に基づく説明会を開催するほか、事業主団体によるパトロールの実施等により、石綿飛散防止対策を徹底する。また、解体工事現場等に対する監督指導を実施する。
|
○ |
石綿含有製品の製造等の全面禁止に向けて、石綿含有製品の代替化についての専門家検討会を開催し、その結果を踏まえ、早期代替化に向けた対策を推進する。
|
○ |
過去に石綿作業に従事した労働者の健康管理の充実強化等 |
3.3億円 |
健康診断の受診を広く呼びかけるとともに、健康管理手帳の交付要件の見直しを含め、石綿作業離職者の健康管理の充実を図る。
また、石綿による疾病に関する労災補償制度の周知徹底を図るとともに、医療機関等に対し、診断技術研修を実施する。 |
○ |
事業者による自主的な安全衛生活動の促進 |
2.2億円 |
事業場における危険性、有害性等の調査結果を踏まえて作成した安全衛生計画の実施、評価、改善を行う自主的な取組みである「労働安全衛生マネジメントシステム」の普及を推進し、安全衛生水準のより一層の向上を図る。
|
○ |
化学物質管理に係る人材養成研修、GHS対応のモデル表示・文書例の作成等を行い、事業者が行う化学物質管理を支援するとともに未規制化学物質について、有害性等のリスク評価を行う。
|
○ |
事業主が留意すべき事項をまとめた手引きの普及・啓発を行うとともに、地域産業保健センターにおける面接指導の窓口の充実等を図る。 |
○ |
事業場におけるメンタルヘルス対策への支援 |
2.6億円 |
事業場の要請に応じてメンタルヘルスに関する専門家を派遣し、指導助言を行うとともに、管理監督者等に対する研修等を実施する。
|
○ |
地域産業保健センターにおいて、保健所等地域の保健機関と協力し、労働者及びその家族を対象としたセミナーや相談会を実施する。
また、産業医等を対象にメンタルヘルスに関する知識、対応方法等について研修を実施する。 |
(3) |
労災かくしの排除に向けて、建設業関係者による協議会を開催するとともに、周知徹底と行政指導の一層の強化を図る。 |
(4) |
増加する個別労働紛争の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るための紛争解決制度を着実に推進する。 |
(1) |
男女雇用機会均等確保のため、積極的な行政指導を展開するとともに、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの問題等、労働政策審議会雇用均等分科会の検討結果を踏まえ、均等施策の充実を図る。 |
(2) |
短時間正社員など公正かつ多様な働き方の推進(再掲) |
89百万円 |
マニュアルの普及及び業種別団体におけるモデル事業の実施により、適正な評価と公正な処遇の図られた短時間・短日勤務の正社員制度等の普及を図る。 |
○ |
均衡処遇推進のための事業主への支援の充実 |
5.6億円 |
短時間労働者雇用管理改善等助成金を抜本的に見直し、パートタイム労働者の均衡処遇に向けた事業主の取組への支援を強化する。
|
○ |
時間比例賃金の導入に向けたモデル事業の実施 |
78百万円 |
業種別団体において労働時間に比例した賃金制度の導入のためのモデル事業を実施し、普及を図る。 |
第4 |
各世代に必要とされる職業能力の開発・向上の促進 〜2007年問題への対応〜 |
|
人口減少社会の到来により、経済社会を支える者が減少する一方で、若者をはじめとする人材育成が進まず今後の我が国の産業を支える人材の質が低下し、生産性の向上が困難となることが懸念されている。加えて、2007年から「団塊の世代」が引退過程を迎えることによる技能継承の問題なども重要な課題となっている。このため、若年、壮年、高齢といった各世代に必要とされる職業能力の開発・向上を促進するとともに、「団塊の世代」の高齢化に伴う技能継承問題に対する支援を実施する。
(1) |
実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)の推進 |
103億円 |
若者の実践的で効果的な職業能力開発を支援するため、企業実習と座学を連結させた教育訓練(日本版デュアルシステム)を導入する企業に対する助成措置の拡充等導入環境の整備を行い、同システムの社会的定着を図る。 |
(2) |
ニート等の自立を支援するための地域における体制の構築 |
11億円 |
各地域に「地域若者サポートステーション(仮称)」を設置し、若者の置かれた状況に応じた専門的な相談を行うとともに、地域の若者支援機関のネットワークを構築し、その中核として各機関のサービスが効果的に受けられるようにすることにより、ニート等の自立を支援する。 |
(3) |
合宿形式による集団生活の中で、生活訓練、労働体験等を通じて、職業人、社会人として必要な基本的能力の獲得、勤労観の醸成を図り、働く自信と意欲を付与する「若者自立塾」を拡充する。
20箇所→40箇所 |
(4) |
学卒、若者向けの実践的能力評価・公証の仕組みの整備 |
5.8億円 |
学卒、若者が、職業能力開発について目標を持ち、意欲を持って取り組むことができるよう、若年者就職基礎能力支援事業(YES(イエス)−プログラム)の普及促進を図るとともに、3級技能検定職種の拡大を図る。 |
(5) |
インターネット等を利用し、いつでもどこでも能力開発ができる仕組み(eラーニング)の活用を促進するため、eラーニングに関する情報提供体制の整備等を図る。 |
(1) |
個人のニーズを踏まえた能力開発に取り組む企業への支援の拡充 |
82億円 |
労働者に対して時間的、金銭的配慮を行う等労働者個人のニーズを踏まえた能力開発に取り組む企業に対する助成措置を拡充する。 |
(2) |
企業の教育訓練担当者を育成する訓練カリキュラムの開発・普及を図る。 |
(3) |
民間機関、職業能力開発大学校等におけるキャリア・コンサルタントの養成を推進し質の向上を図るとともに、企業内におけるキャリア・コンサルティング導入のための講習等を行うなど、キャリア形成支援を推進する。 |
3 |
職業生活の転換期にある高齢者のキャリア形成の支援 |
|
12億円(12億円) |
|
(1) |
地域における創業を支援する能力開発の推進 |
5.3億円 |
地域における創業や新分野展開に係る相談援助、能力開発を実施する体制を整備する。 |
(2) |
起業等を支援するための多様な職業訓練機会の確保 |
7.1億円 |
高齢者の起業等を支援するため、そのニーズに応じた委託訓練を推進する。 |
(1) |
幅広い職種を対象とした職業能力評価制度の整備 |
2.3億円 |
労働者のキャリア形成や労働市場の機能強化を図るため、ホワイトカラーを含め、幅広い職種を対象とした職業能力評価基準の策定を業界団体等との連携の下で進めるとともに、策定された評価基準等の普及促進を図る。 |
(2) |
民間教育訓練機関の積極的な活用等効果的な職業能力開発の推進 |
205億円 |
専修学校等の民間教育訓練機関を活用した職業訓練を推進し、人材ニーズに的確に応えた効果的な職業能力開発を促進する。 |
(3) |
能力開発に積極的な企業を推称する制度の創設(新規) |
45百万円 |
能力開発に積極的に取り組む企業についてその内容、成果等を評価・公表し、企業による職業能力開発の取組の促進に視する制度を創設する。 |
(1) |
2007年問題に直面する中小企業等への技能継承支援の創設 |
4.5億円 |
技能継承に係る相談窓口の設置、中小企業団体等による技能継承支援の推進、技能継承を行う企業に対する助成制度の創設等により2007年からの団塊世代の引退に伴う問題に取り組む企業を支援する。 |
(2) |
工場、民間・公共の訓練施設等の親子等への開放促進、ものづくり技能に関するシンポジウムの開催、若者によるものづくり技能競技大会の実施等を通じ、ものづくりに親しむ社会を形成し、その基盤の上に熟練技能の一層の高度化を図る。 |
(3) |
ITを活用した新しい安全衛生管理手法の開発(新規) |
1.1億円 |
2007年問題をはじめとする労働の現場を取り巻く状況変化に伴う事業場における安全衛生水準の低下に対応するため、近年進歩の著しいIT技術を駆使した新たな安全衛生管理手法の構築を図る。 |
第5 |
フリーター、ニート等若者の人間力の強化の推進 |
|
若者の職業意識の変化や人材ニーズの変化等を背景としたフリーターの増加傾向の転換を確かなものとするため、フリーター25万人常用雇用化プランを推進するとともに、ニート等の自立を支援するための地域における体制の構築、若者の就業をめぐる悩みに対する専門的な相談体制の整備など、働く意欲や能力を高めるための総合的な取組により若者の職業的自立を促進する。また、学生から職業人への円滑な移行の実現を図るため、募集採用方法等の見直しなどを推進する。
(1) |
ジョブ・カフェ等によるきめ細かな就職支援 |
27億円 |
若年者のためのワンストップサービスセンター(ジョブ・カフェ)において、フリーター向けのセミナーを充実するなど、若者の状況に応じたきめ細かな就職支援を実施する。 |
(2) |
フリーターの常用雇用化を促進するため、全国のハローワークにおいて、若年者ジョブサポーター等の担当制による一貫した就職支援措置を拡充実施する。 |
(3) |
若年者試行雇用事業について対象者数を拡充するとともに、新たに長期若年無業者等を対象に、働く自信と意欲を高めつつ、段階的に常用雇用への移行を促進するため、短時間勤務による試行雇用事業を実施する。
対象者数 60,000人→73,000人 |
(4) |
実務・教育連結型人材育成システム(日本版デュアルシステム)の推進(再掲) |
103億円 |
若者の実践的で効果的な職業能力開発を支援するため、企業実習と座学を連結させた教育訓練(日本版デュアルシステム)を導入する企業に対する助成措置の拡充等導入環境の整備を行い、同システムの社会的定着を図る。 |
(5) |
フリーター正社員登用マニュアルの開発・普及、経済団体の協力によるモデル事業の推進等により、フリーター正社員登用に取り組む企業の拡大を図る。 |
(6) |
フリーター等の若者に対し農作業を体験できる機会等を提供し、働くことについての意識の明確化を図るとともに、農業への就業を希望する者に対しては、情報提供や農業研修のあっせん等により農業への就業を支援する。 |
2 |
若者の働く意欲や能力を高めるための総合的な取組 |
|
113億円(88億円) |
|
(1) |
ニート等の自立を支援するための地域における体制の構築(再掲) |
11億円 |
各地域に「地域若者サポートステーション(仮称)」を設置し、若者の置かれた状況に応じた専門的な相談を行うとともに、地域の若者支援機関のネットワークを構築し、その中核として各機関のサービスが効果的に受けられるようにすることにより、ニート等の自立を支援する。 |
(2) |
若者の就業をめぐる悩みに対する専門的相談体制の整備(新規) |
4.9億円 |
全国のハローワーク、ヤングワークプラザ等において、専門的人材によるカウンセリングサービスを提供する体制を整備し、若者の就業をめぐる悩みに的確に対応する。 |
(3) |
合宿形式による集団生活の中で、生活訓練、労働体験等を通じて、職業人、社会人として必要な基本的能力の獲得、勤労観の醸成を図り、働く自信と意欲を付与する「若者自立塾」を拡充する。
20箇所→40箇所 |
(4) |
無償の労働体験等を通じての就職力強化事業(ジョブパスポート事業)の充実 |
1.5億円 |
ボランティア活動など無償の労働体験の活動実績を記録し、企業の採用選考に反映されるよう、「ジョブパスポート」の普及、内容の充実を図る。 |
(5) |
若者の人間力を高めるための国民運動の充実 |
2.7億円 |
若者の雇用問題についての国民各層の関心を喚起し、若者に働くことの意義を実感させ、働く意欲・能力を高めるため、経済界、労働界、教育界、地域社会、政府等の関係者が一体となって取り組む国民運動の充実を図る。 |
(1) |
若者の募集採用方法等の見直しの推進(新規) |
80百万円 |
若者の就職機会の拡大、公平性の確保等を促す観点から、若者募集採用マニュアルの開発・普及、経済団体の協力によるモデル事業の推進等、若者の募集採用方法等の見直しの取組を推進する。 |
(2) |
若者向けキャリア・コンサルタントの養成・普及の推進 |
1.1億円 |
若者向けのキャリア・コンサルタントを職業能力開発大学校等で養成するとともに、市町村の既存施設等を活用したキャリア・コンサルティング等を実施する。 |
(3) |
学卒、若者向けの実践的能力評価・公証の仕組みの整備(再掲) |
5.8億円 |
学卒、若者が、職業能力開発について目標を持ち、意欲を持って取り組むことができるよう、若年者就職基礎能力支援事業(YES(イエス)−プログラム)の普及促進を図るとともに、3級技能検定職種の拡大を図る。 |
第6 |
雇用のミスマッチの縮小のための雇用対策の推進 |
|
依然として大きい雇用のミスマッチや地域差がみられる雇用失業情勢等に対応するため、地域における創業支援を充実するなど雇用情勢が厳しい地域に重点化した雇用対策を実施するとともに、成長分野への労働移動の推進や、労働者が職場定着しやすい魅力ある職場づくりを推進する。
また、ハローワークにおいて、個々の求職者の状況に応じた個別総合的なサービスの提供や求人充足に向けたコンサルティングなど求人者サービスの充実を図るとともに、生活保護受給者及び児童扶養手当受給者に対する就労支援を実施する。
1 |
雇用情勢が厳しい地域に重点化した雇用対策の実施 |
|
262億円(362億円) |
|
(1) |
中小事業主団体等による地域での雇用開発の推進(新規) |
40億円 |
地域における雇用の改善、2007年問題の対応等のため、中小事業主団体等による地域の実情を踏まえた高年齢者の活用、後継者の確保等を図る取組を支援する。 |
(2) |
地域における雇用創造のための構想を策定しようとする市町村等に対し、専門家による助言や参考となる成功事例の紹介等により、企画・構想段階から支援する。 |
(3) |
雇用情勢が厳しい地域における創業支援の充実 |
44億円 |
|
○ |
大都市圏から移動した者の創業支援の創設(新規) |
3.7億円 |
雇用情勢が厳しい地域において、大都市圏の企業で習得された知識・ノウハウを活用した地域雇用開発を推進するため、大都市圏から当該地域に移動した者の創業を支援する助成措置を創設する。 |
(1) |
労働移動支援助成金について、今後の成長産業や発展分野への労働移動が実現した場合の支援を拡充するなど円滑な労働移動を推進する。 |
(2) |
労働者の定着を図るための雇用管理改善の推進 |
37億円 |
中小企業におけるメンタルヘルス対策の取組への支援を充実するとともに、介護分野における標準的な雇用管理モデル策定の検討や労働者の健康確保など雇用管理改善に関する相談援助の充実等を図る。 |
(1) |
個々の求職者の状況に応じた個別総合的なサービスの提供 |
62億円 |
再就職に向けた求職活動計画(就職実現プラン)に基づく個別相談援助、早期再就職の緊要度が高い求職者に対する専任の支援員による一貫した就職支援、長期失業を予防するための担当制による個別支援など、求職者の個々の状況に応じたきめ細かな就職支援を行う。 |
(2) |
求人充足に向けたコンサルティングなど求人者サービスの充実 |
7.1億円 |
未充足求人に対するフォローアップを確実に実施するとともに、労働市場の動向や求職者のニーズを踏まえた、就職に結びつきやすい求人条件を提案するなど求人充足の緊要度の高い求人事業主に対するコンサルティングを実施する。 |
(3) |
生活保護受給者及び児童扶養手当受給者に対する就労支援の拡充 |
24億円 |
生活保護受給者及び児童扶養手当受給者の自立支援プログラムの一環として、ハローワークと福祉事務所とが連携して行う就労支援について、生活保護受給者の就労支援対象者数を拡充するとともに、児童扶養手当受給者に対する支援の充実を図る。 |
(4) |
ハローワーク情報プラザ、パートバンク等の再編
ハローワーク情報プラザ、パートバンク等について、総合的な職業紹介サービスを提供する施設として再編し、各施設が提供しているサービスを集約するなど利用者の利便性の向上を図る。 |
第7 |
高齢者が生きがいを持ち安心して暮らせる社会の実現 |
|
急速な高齢化に対応し、将来にわたって持続可能な介護保険制度を構築するため、予防重視型システムへの転換、新たなサービス体系の確立など、改正介護保険制度を着実に実施する。
また、65歳までの雇用の確保や中高年齢者に対する再就職支援を推進するとともに、高年齢者の多様な就業機会の確保など意欲がある限り働き続けられる環境整備を図る。
年金制度については、国民の信頼に応えられる持続可能で安心できる制度を構築するため、基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げを図るとともに、制度を効率的に運営するため、社会保険庁改革を推進する。
○ |
要支援・要介護状態になる前から介護予防サービスを提供し、効果的な介護予防システムを確立するとともに、地域の総合相談、権利擁護事業等を行う地域支援事業を円滑に実施するため、現行の介護予防・地域支え合い事業等を見直し、「地域支援事業交付金」を創設する。
|
○ |
政策・事業の継続的評価分析の実施(新規) |
7.7億円 |
介護保険制度改革に伴い創設される新予防給付サービス及び介護予防事業(地域支援事業)について、その実施状況や効果に関するデータを収集し、評価分析を行う。
|
○ |
|
○ |
地域密着型サービス等を中心とする面的基盤整備や広域型の特別養護老人ホーム等の整備を計画的に実施するとともに、既存の特別養護老人ホームや老人保健施設等の個室・ユニット化を推進する。 |
○ |
介護サービスの質の向上、利用者の権利擁護等の観点から、介護サービス事業所が利用者に対し、サービス選択に必要な情報を公表する「介護サービス情報の公表」制度の施行に当たり、各都道府県における制度の円滑な導入を支援するとともに、全国的見地から、将来にわたり、安定的かつ継続的に制度運営を支援する体制を構築する。
|
○ |
介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質の向上を図るため、実務研修や資格更新の際の研修など、体系的な研修事業を実施する。 |
(4) |
地域住民に対する認知症への理解の促進、主治医等を中心とした認知症の地域医療体制の充実、早期段階に対応したサービスの普及、認知症介護の専門職員に対する研修の充実等、各ステージに応じた「認知症対策等総合支援事業」を推進する。 |
(1) |
改正高年齢者雇用安定法を踏まえ、事業主への指導を徹底するとともに、継続雇用定着促進助成金の見直しを行う。また、「65歳雇用導入プロジェクト」を引き続き推進し、事業主団体を通じた支援を行う。 |
(2) |
中高年試行雇用事業について、対象者の要件等を見直し、再就職の緊要性が高い中高年齢求職者の早期再就職の促進を図る。また、中高年齢者の紹介予定派遣に係る活用事例集を作成して周知・広報を行うことにより、中高年齢者の紹介予定派遣の促進を図る。 |
(3) |
いくつになっても働くことができる社会を実現するための施策の推進 |
262億円 |
|
○ |
高年齢者が生きがいを持って地域社会で生活するため、定年退職後等において、軽易な就労を希望する高年齢者に対し、高年齢者の意欲や能力に応じた就労機会、社会参加の場を総合的に提供するシルバー人材センター事業を推進する。
|
○ |
退職前高齢者生きがい就業体験事業(仮称)の実施(新規) |
1.6億円 |
団塊世代を中心とした高年齢者が、現役時代から定年退職後の雇用・就業、生活に関する設計を立てる際の参考となるよう、シルバー人材センターにおいてセミナーや就業体験などを行う「退職前高齢者生きがい就業体験事業(仮称)」を実施する。
|
○ |
定年退職者等再就職支援事業(仮称)の実施(新規) |
81百万円 |
65歳を超えても働くことができるよう、事業主に対して高年齢者を雇用することの利点を啓発するとともに、高年齢者の多様なニーズに対応した求人開拓や面接会を実施する。 |
※ |
平成17年度に引き続き、基礎年金国庫負担2分の1に向けた段階的引上げに係る取扱いについて、平成17年度税制改正による定率減税縮減の平年度化に係る増収分の取扱いとともに、平成18年度税制改正の検討結果を踏まえ、今後の予算編成過程において検討する。
(参考)
平成17年度予算・税制に関する合意(平成16年12月15日自民党・公明党政調会長合意)−抜粋−
3. |
平成18年度予算以降における増収分の取扱いについては、平成17年度与党税制改正大綱及び平成18年度以降の税制改正の検討結果を踏まえ、また、政府の経済財政運営の方針との整合性を確保しつつ、平成18年度以降の予算編成過程において検討するものとする。 |
|
※ |
厚生年金及び国民年金に関する過去の国庫負担繰り入れの特例措置に係る取扱いについては今後の予算編成過程において検討する。 |
○ |
国際的な人的交流が活発化し、企業間の国際競争が激しさを増す中で、日本と外国の年金制度等への二重加入の回避と年金の受給権確保を図るため、社会保障協定の締結に向けた取組を着実に推進する。 |
4 |
安定的で効率的な年金制度の運営の確保等
<社会保険庁改革の推進 〜改革のセカンドステージ〜> |
|
5,522億円(5,324億円) |
|
○ |
組織改革の実施
国民の意向が十分に反映されるとともに、適正かつ効率的で透明性のある事業運営を確保するため、「年金運営会議(仮称)」を設置する。
また、業務全般に係る会計監査、業務監査、個人情報管理監査について、民間のノウハウを活かした監査を行うための体制を整備する。
さらに、効率的な業務運営等を実現するため、新たな人事評価システムを導入し、能力主義・実績主義に立った人事・処遇の実施を通じて、職員一人ひとりの意識改革を徹底する。 |
○ |
社会保険オンラインシステムの見直し |
1,692億円 |
社会保険オンラインシステムについて、競争入札を可能とし運用調達コストを削減するため、平成17年度に策定する「社会保険業務に係る業務・システム最適化計画」に基づきオープン化(専用機器から汎用機器への移行等)を図ることにより、汎用性のある効率的なシステムを構築する。
|
○ |
「市場化テスト」のモデル事業の大幅な拡大 |
17億円 |
平成17年度から実施している市場化テストのモデル事業のうち、厚生年金保険・健康保険の未適用事業所の適用促進事業及び国民年金保険料の収納事業について、実施対象社会保険事務所を大幅に拡大する。
・ |
未適用事業所の適用促進事業 |
5事務所 |
→ |
104事務所 |
・ |
国民年金保険料の収納事業 |
5事務所 |
→ |
35事務所 |
|
○ |
被保険者が、被保険者期間の中間点(35歳)における年金加入の状況を確認することにより、将来の年金受給権について意識し、年金制度の重要性を再認識していただけるよう「被保険者期間中間点通知」の送付を新たに実施する。
|
○ |
中央年金相談室の電話相談体制を拡充(180人体制)するとともに、統一電話番号を導入し、中央年金相談室と全国23カ所の年金電話相談センターとのネットワーク化による応答率の向上を図る。また、年金相談センターについては、地域のニーズに応じた配置の見直しを行う。
|
○ |
年金請求者の利便性の向上を図るため、年金支給年齢に到達する直前に、あらかじめ年金加入履歴等を記載した「裁定請求書」を送付するとともに、住民基本台帳ネットワークシステム等を活用して生存確認を行うことにより、現況届の提出を省略する。
また、国民年金の全額免除又は若年者納付猶予の承認を受けた被保険者から事前に申し出があった場合には、翌年度以降、所得要件を満たせば申請書の提出を省略できる仕組みを導入する。 |
○ |
年度別行動計画に基づく納付督励活動の徹底した進捗管理と達成状況の検証による着実な収納対策の実施により、より効率的で効果的な徴収業務を全国的に展開し、保険料の収納対策を強化する。
具体的には、市町村からの所得情報を活用した効率的な強制徴収及び効果的な免除勧奨の実施、国民年金推進員による戸別訪問活動の強化等により、保険料収納対策を一層強化するとともに、クレジットカードによる国民年金保険料の納付を可能とするなど、保険料を納めやすい環境づくりを進める。 |
※ |
特例措置が講じられている厚生年金等の事務費財源の取扱いについては、今後の予算編成過程において検討する。 |
第8 |
障害者の自立支援の推進、生活保護制度の適正な実施 |
|
障害者の地域における自立した生活を支援するため、早期に「障害者自立支援法案」を再提出し、市町村を中心に、障害の種別にかかわらず一元的にサービスを提供する体制を整備するとともに、サービスの提供に必要となる費用を皆で支え合うという考え方に立って、在宅サービスに関する国及び都道府県の負担を義務的なものとすると同時に、利用者負担を見直すなど、障害者保健福祉施策を抜本的に改革する。
また、雇用と福祉の連携による障害者施策の推進や障害者の多様な就業機会の拡大を図るとともに、障害者に対する職業能力開発を推進する。
さらに、生活保護受給者の自立・就労を支援するため、福祉事務所等における自立支援プログラムの導入を一層推進するほか、引き続き生活保護基準の見直しを図る。
1 |
障害者の自立した地域生活を支援するための施策の推進 |
|
8,090億円(7,445億円) |
|
(1) |
障害者保健福祉施策を抜本的に改革し、障害者が身近な地域で自立した生活を送れるよう、新たな障害福祉サービス体系として、ホームヘルプサービスや生活介護等の介護給付、自立訓練や就労移行支援等の訓練等給付を提供するなど、必要なサービスを確保する。 |
(2) |
障害者に対する良質かつ適切な医療の提供 |
795億円 |
障害者の心身の障害の状態の軽減を図るための自立支援医療(公費負担医療)等を提供する。 |
○ |
地域生活支援事業の実施
市町村等が主体となり、移動支援や地域活動支援センターなど障害者の自立支援のための事業(地域生活支援事業)を実施する。
|
○ |
発達障害者に対する支援
在宅の自閉症等の特有な発達障害を有する障害者とその家族に対し、相談、助言、情報提供、就労等にかかる支援を総合的に行う「発達障害者支援センター」の充実を図る。 |
2 |
障害者に対する雇用・就労支援と職業能力開発の推進 |
|
155億円(141億円) |
|
○ |
ハローワークが中心となり福祉等の関係者による連携体制を確立し、就職の準備段階から職場定着までの一連の支援を行う事業を拡充し、障害者の福祉的就労から雇用への移行の一層の促進を図る。
|
○ |
企業ノウハウを活用した福祉施設における就労支援の促進 |
53百万円 |
障害者雇用に実績のある企業関係者の知識・経験等を活用して、福祉施設に対し、企業で働くことについての理解の促進、就労に向けての支援のノウハウの向上を図る事業を、都道府県労働局において実施する。
|
○ |
障害者に対する就業及び日常生活に係る相談、助言等を実施する「障害者就業・生活支援センター」の設置箇所数を拡充する。
90箇所→140箇所 |
(2) |
ハローワークによる相談・支援体制の充実・強化 |
11億円 |
障害者一人ひとりの障害の態様や適性に応じた就労支援を実施するため、専門的な知識・経験を有する者をハローワークに配置するなど、障害者に対する相談支援体制の充実・強化を図る。 |
○ |
ITを活用した在宅就業支援団体の育成支援 |
1.1億円 |
先駆的に在宅就業支援に取り組んできた団体のノウハウを活用し、新たに支援に取り組む団体へのノウハウの提供・普及、事業主が、障害者の在宅業務を創出するための支援を行い、障害者の在宅就業のさらなる普及を図る。
|
○ |
事業主に障害者雇用のきっかけを提供するとともに、障害者に実践的な能力を取得させ、常用雇用へ移行するため短期間の試行雇用を実施して、障害者雇用を推進する。
対象者数 6,000人→8,000人 |
○ |
公共職業能力開発施設における障害者職業訓練の推進 |
52億円 |
障害者職業能力開発校が未設置の地域において、職業能力開発校に知的障害者等を対象とした訓練コースを設定し、障害者の職業訓練を推進する。
|
○ |
事業主や社会福祉法人等による実践的な職業訓練の推進 |
15億円 |
企業、社会福祉法人等の多様な委託訓練先を開拓し、知的障害者、精神障害者等の障害の態様に応じた職業訓練を推進する。
委託訓練対象者数 6,000人→6,500人 |
○ |
障害者職業能力開発プロモート事業(仮称)の実施(新規) |
42百万円 |
福祉施設、養護学校等の関係機関の連携体制を確立することにより、障害者の職業能力開発を促進する事業を政令指定都市において試行的に実施する。
|
3 |
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に関する医療体制の整備 |
|
148億円(82億円) |
|
心神喪失者等医療観察法を適切に施行するため、引き続き、指定入院医療機関の確保を図るとともに、医療従事者等の研修を行うなど医療の提供体制の整備を推進する。
4 |
自立支援に重点をおいた生活保護制度の適正な実施 |
|
2兆1,084億円(1兆9,366億円) |
|
(1) |
生活保護受給者の就労自立(就労による経済的自立)、日常生活自立(日常生活において自立した生活を送ること)及び社会生活自立(地域社会の一員として充実した生活を送ること)を目指す「自立支援プログラム」の福祉事務所等における導入を一層推進する。 |
○ |
老齢加算の段階的廃止(最終年)
平成16年度からの3年間で段階的に廃止する。
|
○ |
母子加算等生活扶助基準の見直し(2年目)
16〜18歳の子どものみを養育するひとり親世帯について、母子加算の支給額を平成17年度からの3年間で段階的に廃止する。また、多人数(4人以上)世帯の生活扶助基準額について平成17年度からの3年間で適正化を図る。 |
※ |
生活保護費負担金の改革については、平成16年11月26日の政府・与党合意において「地方団体関係者が参加する協議機関を設置して検討を行い、平成17年秋までに結論を得て、平成18年度から実施する」こととされている。 |
医薬品等の安全対策については、市販直後の使用状況等を評価するなど、迅速な安全対策を講じるほか、医薬品・医療機器審査の充実・強化、薬剤師の資質向上、血液対策、麻薬・覚せい剤対策等を推進する。
また、残留農薬等ポジティブリスト制度の導入や輸入食品の監視体制の強化により食品安全対策を推進するほか、消費者等との食品安全に関するリスクコミュニケーションを充実し、食品に対する安心を確保する。
あわせて、安全な水の確保、健康危機管理体制の強化、自殺予防対策を推進する。
○ |
新規性が高く、国内の治験症例が少ない新医薬品について、市販後一定期間、使用状況や副作用等の臨床現場の情報を収集・評価し、適正使用ガイドラインを作成するなど、安全対策の強化を図る。 |
○ |
遺伝子利用技術に対応した審査体制の整備(新規) |
14百万円 |
ゲノム薬理学を利用した新医薬品について、承認審査に関する指針の作成に向けた検討を行うとともに、遺伝子診断用の体外診断薬について、臨床性能試験の実施基準や評価指針を策定し、審査の迅速化、開発の効率化を図る。 |
○ |
薬学教育6年制の実施に伴い、既卒薬剤師を対象に、現行4年制では履修していない医療薬学、実務実習について、教材の作成などの環境整備を進める。
|
○ |
がん薬物療法等の専門分野における高度な知識・技能を有する薬剤師を養成するため、一定の実務経験を有する勤務薬剤師を対象に研修を実施する。 |
(4) |
少子高齢化による構造的な献血者の減少傾向、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病患者の発生に伴う海外滞在歴による献血制限の強化の中で、血液製剤の安定供給を確保するため、若年層に対する献血推進、事業所等における集団献血の拡大、複数回献血者の確保を柱とした献血構造改革を推進する。 |
○ |
基礎研究成果について実用化の可能性を探り、画期的医薬品・医療機器等を提供する機会を増加させるための探索的な臨床研究等を推進する。あわせて、ゲノム研究の成果を活用し、ゲノムレベルでの個人の特性に応じた最適な処方を可能とし、より安全・安心な医療技術の提供の実現を図る。
また、次代を担う子どもに科学的根拠に基づく先端医療を提供するため、小児医療分野における質の高い臨床試験を実施する。
|
○ |
医薬品の承認に不可欠な治験を推進するため、治験基盤の強化・充実を図り、国際競争力のある創薬環境の整備を行う。あわせて、根拠に基づく医療(EBM)の推進に不可欠な人材育成を行い臨床研究の質の向上に努める。
|
○ |
効果的医療技術、萌芽(ほうが)的先端医療技術の確立研究の推進 |
46億円 |
民間企業との連携のもと、トキシコゲノミクス技術やナノテクノロジーを活用した、より安全かつ効率的な医薬品・医療機器の開発に資する研究を推進する。また、ゲノム、タンパク質に次ぐ第三の生体内情報伝達分子である糖鎖について研究を行い、優れた医薬品等の開発を図る。 |
○ |
最近、乱用が拡大している、いわゆる脱法ドラッグの実態を把握し、青少年を中心に啓発活動の強化を図るとともに、薬物再乱用防止のため、薬物依存者の社会復帰を支援するモデル事業を行う。
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○ |
巧妙化する薬物密輸入事犯に機動的に対処するため、取締体制を強化する。 |
○ |
基準が策定されていない農薬等が残留する食品の流通を原則禁止する「ポジティブリスト制度」を施行(平成18年5月末まで)するにあたり、分析法の開発や摂取量の調査等を計画的に実施し、制度の円滑な運用を推進する。
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○ |
長い食習慣等を考慮して使用が認められている既存添加物や国際的に広く使用が認められている食品添加物について、毒性試験等を計画的に実施し、食品添加物の安全性確保を推進する。 |
○ |
食品安全に関する情報提供や意見交換(リスクコミュニケーション)の充実 |
36百万円 |
食品安全に関する施策について国民の理解や信頼を構築するため、的確な情報提供や消費者等との意見交換会を行うなど、リスクコミュニケーションの取組を充実する。
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○ |
消費者が健康食品を適切に選択できるよう、適切な利用方法や食品の機能に関する十分な情報提供を行う。 |
○ |
残留農薬等のポジティブリスト制度の施行にあわせて、検疫所が行う輸入食品等のモニタリング検査等についても、新たな分析法を導入するなど検査項目の大幅な増加への対応を図り、輸入食品の安全対策を強化する。
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○ |
BSE対策を推進するため、と畜場におけるBSE検査キットについて引き続き特例措置として国庫補助を行うとともに、ピッシングの中止に必要な設備整備等を行う。 |
(4) |
先端技術を融合・応用した検出技術の開発や科学的根拠に基づいた安全性に関する調査研究、食中毒、食品テロ等の危機管理に関する研究など食品安全確保に資する研究を推進する。 |
○ |
すべての国民に安全で良質な水道水の安定的な供給を行うなど、「水道ビジョン」(平成16年6月策定)の実現に向けた取組を推進する。 |
○ |
SARS等の新興感染症や生物製剤テロによる国民の健康被害を最小限にするため、感染症等の発生動向の監視評価、健康危機管理に当たる人材育成等に関する研究を推進する。また、テロ対策に係る公衆衛生上の情報交換や国際協力について協議するため、世界健康安全保障閣僚級会合等を我が国において開催し、我が国を含む国際的な健康危機管理ネットワークの強化及びテロ対策の充実を図る。
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○ |
国立感染症研究所における危機管理体制の強化 |
1.7億円 |
国立感染症研究所の危機管理能力の強化を図るため、国内外での未知の感染症等発生時におけるWHO等が編成する広範な疫学調査チームに積極的に参加し、国際的な感染症の情報収集、解析、還元及び情報提供を行う。また、病原体のゲノム情報の蓄積、データベース化や科学的解析を引き続き推進する。
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○ |
地域における多種多様な健康危機事例に的確に対応するため、実地訓練マニュアルの作成や訓練教材の開発、広域連携体制の整備等、健康危機管理対策を推進する。 |
(1) |
自殺予防総合対策センター(仮称)の設置 |
22百万円 |
総合的な自殺予防対策を実施するため、国内外の情報収集、Webサイトを通じた情報提供や関係団体等との連絡調整等を行う自殺予防総合対策センター(仮称)を設置する。 |
○ |
「いのちの電話」において、フリーダイヤルによる相談の実施や相談員の研修などを行い、相談体制の充実を図る。
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○ |
メンタルヘルス相談実施体制の整備(再掲) |
2.3億円 |
地域産業保健センターにおいて、保健所等地域の保健機関と協力し、労働者及びその家族を対象としたセミナーや相談会を実施する。
また、産業医等を対象にメンタルヘルスに関する知識、対応方法等について研修を実施する。 |
○ |
都道府県において地域の実情に即したPR活動を行うことにより、地域におけるこころの健康問題に関する正しい知識の普及啓発を推進する。
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○ |
自殺予防活動を行うボランティア団体等に対する支援 |
2億円 |
地域福祉の担い手として活動しているボランティア団体等に対し、自殺を考えている者と接するために必要な知識の研修等の支援を実施する。
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○ |
事業場におけるメンタルヘルス対策への支援(再掲) |
2.6億円 |
事業場の要請に応じてメンタルヘルスに関する専門家を派遣し、指導助言を行うとともに、管理監督者等に対する研修等を実施する。 |
(4) |
データの収集と分析による自殺の実態把握を行うとともに、自殺関連予防プログラムの開発や労働者のメンタルヘルス等に関する研究を推進する。
また、労災請求された自殺事案等について、自殺原因や経緯などの調査・分析を行う。 |
○ |
世界保健機関(WHO)等を通じた活動の推進 |
110億円 |
世界保健機関(WHO)、国連合同エイズ計画(UNAIDS)への拠出等を通じ、SARSや鳥インフルエンザ等の新興・再興感染症、エイズ、結核等への対応や食品の安全対策の国際的な活動を推進する。
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○ |
国際労働機関(ILO)を通じた活動の推進 |
65億円 |
国際労働機関(ILO)への拠出等を通じ、労働者の基本的な権利の実現、人材育成等の国際的な活動を推進する。 |
(2) |
ASEAN諸国やアフリカ諸国等に対し、保健医療、福祉分野への支援、労使関係の安定化、人材養成に関する支援などの協力を積極的に行う。 |
○ |
社会保険・労働保険の徴収事務の一元化の推進
事業主の利便性の向上及び行政事務の効率化を図るため、社会保険と労働保険の徴収事務の一元化を一層推進する。 |
○ |
戦傷病者等の妻に対する特別給付金の継続支給(支給事務経費) |
36百万円 |
現行の特別給付金国債が最終償還を迎えることから、国として改めて特別の慰藉(いしゃ)を行うこととし、戦傷病者等の妻に対する特別給付金を継続して支給する。
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○ |
戦後60年が経過し、年々未送還遺骨の情報が減少していることから、民間団体等の協力を得て、激戦や玉砕のあった地域の遺骨情報を積極的かつ集中的に収集することにより、遺骨収集の推進を図る。 |
○ |
中国帰国者等の減少に伴い帰国直後に初歩的な日本語教育等を行う定着促進センター及び自立研修センターを縮小し、支援・交流センター(就労に結びつく日本語習得支援等を中長期的に行う。)を拡充する。 |
○ |
保健、医療、福祉にわたる総合的な施策の推進 |
1,595億円 |
原爆被爆者に対する健康診断の実施、医療の給付及び諸手当の支給のほか、在外被爆者に対する支援、調査研究及び国立原爆死没者追悼平和祈念館の運営等を行う。 |
○ |
経営の健全化、衛生水準の維持向上を図るため、全国生活衛生同業組合連合会等における経営革新、消費者サービスの向上や健康増進のための自主的活動を支援する。 |
7 |
ホームレスの自立支援等基本方針を踏まえた施策の推進 |
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35億円(32億円) |
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○ |
総合相談推進事業や技能講習事業等を実施するとともに、生活相談・指導、職業相談、健康診断等を行う自立支援事業の充実を図る。
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○ |
個々のホームレスの就業意欲等の把握・見極めを行うとともに、基礎的な労働・生活習慣の体得等を支援する事業を実施する。 |
○ |
刑務所出所者等就労支援事業の実施(新規) |
3.8億円 |
法務省との連携の下、刑務所出所者等に対し、職業相談、職業紹介や協力雇用主を対象とした求人開拓等を行うとともに、試行雇用奨励金の支給や職場体験講習などを更生保護法人に委託して実施する。 |