別添2

○ 厚生労働省における継続事業に関する事業評価書要旨(平成18年度)

番号 政策(事業)の名称 評価結果の概要 評価結果の政策への反映状況
地域医療連携のための電子カルテシステム導入補助事業(1−3−I)   本事業は、地域において中心的役割を果たしている医療機関と周辺の医療機関が、医療情報ネットワークを構築し、患者の診療情報を共有すること等によって、質が高く効率的なチーム医療・グループ診療の実践が可能な地域医療連携体制の構築を図るため、当該補助事業により、電子カルテの導入の推進を図るものである。
 電子カルテシステムによる業務効率化の利点の低い中小の医療機関の導入費用負担軽減が行える事、地域における医療機関間の連携がスムーズに行える等の利点があり、これにより電子カルテシステムの普及と地域医療連携がより一層図られるものと期待されている。
  平成19年度予算概算要求を行った。 
国立がんセンターにおけるがん予防・検診研究センターの開設(1−4−I)  本事業は、がん等について、地域医療との連携を重視しつつ、先端科学の研究を重点的に振興するとともに、その成果を活用し、予防と治療成績の向上を目的としたメディカル・フロンティア戦略に基づき、がん対策の充実の一環として、がん予防・検診研究センターを開設し、がんの発生を予防する研究や、がんを早期発見するための新たな検診法の開発等により、(1) 国立がんセンターにおける新たながん予防のための最新の検診技法の研究開発 (2) 最新の検診技術による標準的ながん検診手法の確立及び全国への技術移転等、を推進するものである。
 がん予防・検診研究センターにおいて引き続き研究が推進されることにより、がん予防のための先端的検診技法の研究開発、最新検診技術による標準的ながん検診手法の確立及び全国への技術移転などが進み、最終的には国民の健康寿命の延伸につながるものと期待されている。
 平成19年度予算概算要求を行った。
老人医療費適正化推進事業(1−11−I) 本事業は、老人医療費の伸びを適正化するため、「老人医療費の伸びを適正化するための指針」(平成15年9月11日厚生労働省告示第305号)に基づき、都道府県及び市町村が取り組む適正化の推進のための事業に対して助成等を行うものである。本事業により、都道府県等において各地域の老人医療費の地域格差の分析を行うとともに、その結果を踏まえた施策(健康づくり・疾病予防等の推進、高齢者の心身の特性を踏まえた適切かつ効率的な医療の提供、適正な受診の促進等)に取り組んできた結果、平成15年度においては、老人医療費の伸び率がマイナス0.7%となっており、今後とも、本事業の実施により、都道府県と市町村が連携・協力し、分析を通じて把握された地域の実情を踏まえた施策を推進することにより、老人医療費の伸びの適正化に向けて、更なる効果が上がることが期待される。   平成19年度予算概算要求を行った。
 なお、都道府県における医療費適正化計画の策定(平成20年度実施)に係る費用について、本事業の補助金により助成等の対応を行う方針。
フリーター等若年者のキャリア形成支援機能の強化(5−1−I)   フリーター等若年者が職業意識を高め、適職選択やキャリア形成を促すため、フリーター等若年者が集中する都市に「ヤングジョブスポット」を開設(全国14カ所)し、支援対象者同士が職業に関する情報交換を行える場の提供等により、若年者のキャリア形成支援を行う。
 年々来所者数が増えていること及び来所者への行動変容に焦点を当てたアンケート調査の結果によれば、80%以上がより就職に結びつく方向に変化していることから、効果があったものと考えられ、今後見込まれる効果として、若年者個人のキャリア形成の向上により、職業能力の開発・向上が促進され、その結果、職業能力のミスマッチが解消されることによる、若年者の雇用の安定・拡大が図られる。
  事業内容については、独立行政法人の業務として毎年度、事業の評価を行っているところであり、こうした評価等も踏まえ予算概算要求に反映させた。
求人、新規学卒者等の求める能力の明確化の促進(5−1−I)   能力要件明確化アドバイザーを公共職業安定所及び雇用・能力開発機構都道府県センターに配置し、求人の職業能力要件を明確化したうえで求職者はその情報を提供するとともに、求人者のニーズに即し、求職者の個々人の能力・適性等に応じた訓練コースのコーディネート等を実施する。
 能力要件明確化アドバイザーの相談件数は、平成17年度においては、事業開始年度である平成15年度の2倍以上の伸びを示しており、一定のニーズには対応し、政策効果があったものと考えられ、また、「訓練コースの設定数」も着実な伸びを示していることからも、本事業が効果を上げていることが検証され、能力要件明確化アドバイザーの相談とあわせて求職者の早期再就職に寄与したものと考えられる。
  能力要件明確化アドバイザーについては、労働力需給におけるミスマッチを解消し、より就職に結びつく実践的な職業能力の習得を図るため、
(1) 公共職業安定所に配置して、求人企業(求人票)の能力要件を明確化するとともに、
(2) 雇用・能力開発機構都道府県センターに配置して、委託訓練実施事業主等の求める出来上がり像となる訓練受講者個々人の能力に即した事業主委託訓練コース設定等を行い、密接な連携により効果的な職業訓練を実施している。しかしながら、能力要件の明確化については能力要件明確化アドバイザーによらずとも公共職業安定所において実施していることから、今後は、相談業務等の求人ニーズに基づく事業主委託訓練等の設定等の業務に特化することとする。
児童ふれあい交流促進事業(6−5)   本事業は、親子のふれあい、様々な人との出会い、地域の仲間づくりを促進するため、市町村において児童館等を活用し、(1)年長児童の赤ちゃん出会い・ふれあい・交流事業、(2)中・高校生居場所づくり推進事業、(3)絵本の読み聞かせ事業(親が子どもに読み聞かせを行うための講習会の実施)、(4)親と子の食事セミナー事業、(5)巡回児童館事業、を実施する。本事業が多くの市町村で取り組まれることにより、年長児童の健全育成を図るとともに、将来の子育ての貴重な予備体験となり、また、育児不安を原因とする虐待の予防にも資することが期待される。実際に、本事業により乳幼児とのふれあいを体験した年長児童が、小さい子どもに対して肯定的な印象をうけたり、本事業後も各自で交流を続けているなどのケースがある。   平成19年度予算概算要求を行った。 
食育等推進事業(6−7)  本事業は、子どもの栄養改善と食を通じた心の健全育成(「食育」)、思いやりのある行動がとれるようにし、望まない妊娠をなくすための性に関する理解の促進(「性育」)、安全で快適なお産(「いいお産」)に関する知識の普及を図るための、先駆的・モデル的事業に対し補助を実施するものである。本事業により、食育や十代の人工妊娠中絶の予防対策等に取り組む自治体が多くなってきており、子どもの食を通じた健全育成や思春期やせ等の防止、人工妊娠中絶の減少、満足できるお産の実現については、指標上も改善の傾向が見られる。今後も、これらの取組を継続的に行うことにより、健やかに子どもを産み育てることできる基盤づくりといった少子化対策としての効果も期待できる。   平成19年度予算概算要求を行った。
特定事業推進モデル事業(6−8−II)  母子家庭の特有の事情(子育てと生計の担い手という二重の負担)を考慮した在宅就業を促進する観点から、母子家庭の母の就業の機会を創出できる可能性の高い先駆的な事業(必要な高度機能訓練)を自治体において実施するとともに、事業の円滑な実施のためのサポート体制を整備し、全国的な展開を目視するモデル事業を実施する。本事業の実施により、実施自治体において在宅就業事業が創設され、データ入力などの在宅就業による母子家庭の母の就業が確保され、あわせてそのスキルアップが効率的に図られた。また、子育てと生計の担い手という二重の負担を抱えた母子家庭の母の就業支援が今後も期待できるため、引き続き当該事業を実施する必要がある。   平成19年度予算概算要求を行った。 
要介護認定実態調査事業(9−4−I)   本事業は、市町村における要介護認定の実態、特に、平成18年4月施行の介護保険制度改正に伴い導入された新たな要介護認定手法(状態の維持・改善可能性に係る審査判定の導入等)による要介護認定が適切に実施されているかを調査・把握し、その適正化・平準化の観点から検証を行い、得られた結果について、二次判定指標の作成の検討や、認定調査マニュアル等の研修資料、介護認定審査会運営要綱等の通知等の作成に反映させることで、二次判定による要介護度の変更割合に係る地域差を是正し、もって要介護認定の客観性を確保することを目的とするものである。本事業により、事例の解釈を共通化し、二次判定による要介護度の変更割合に係る地域差が是正され、もって要介護認定の客観性を担保しているところであり(平成18年7月末現在の報告データによると、平成15年度から平成18年度にかけて、例えば、重度変更率については2.8%の減少が見られている。)、ひいては介護保険制度の信頼性を高めつつ、その持続可能性を担保することが可能となっていることから、今後とも、引き続き本事業を実施することで、更なる効果の発現が見込まれる。   本事業は、新たな要介護認定手法の導入等によって市町村における実態を調査、検証する必要があるとき、所要の予算を要求するものである(H19予算概算要求はなし)。 
10 介護認定平準化研修事業(9−4−I)   本事業は、介護認定審査会委員長、合議体の長及びこれに準ずる委員並びに市町村職員を対象に、審査判定が困難な事例における審査会の進め方、事例の考え方等に関する研修を実施し、当該研修において、審査会の運営方法の確認、審査判定に迷う事例の検討等を行うことで、二次判定による要介護度の変更割合に係る地域差を是正し、もって要介護認定の客観性を確保するものである。本事業により、事例の解釈を共通化し、二次判定による要介護度の変更割合に係る地域差が是正され、もって要介護認定の客観性を確保しているところであり(平成18年7月末現在の報告データによると、平成15年度から平成18年度にかけて、例えば、重度変更率については2.8%の減少が見られている。)、ひいては介護保険制度の信頼性を高めつつ、その持続可能性を担保することが可能となっていることから、今後とも、引き続き本事業を実施することで、更なる効果の発現が見込まれる。   平成19年度予算概算要求を行った。
11 難治性疾患克服研究費(11−2−I)   本事業は、患者数が少なく、原因不明で、有効な治療法が無く、長期にわたる生活への支障を来す疾患について対象疾患(現在121疾患)としたうえで、研究班を選定し、重点的・効率的に研究を行うことにより、病状の進行の阻止、機能回復・再生を目指した画期的な診断・治療法の開発を行うとともに、地域における難病患者のQOL(quality of life(生活の質))の向上を目的とした研究を推進するものである。
 診断方法や対症療法の開発については一定の成果が得られたところであるが、難治性疾患の根治に至る治療法の開発についてはなお課題であり、引き続き事業を推進していく必要がある。研究を促進することにより今後さらなる診断・治療法の開発及び地域における難病患者のQOLの向上が見込まれる。
  平成19年度予算概算要求を行った。
12 電子入札システムの導入(12−1)   本事業は、厚生労働省調達に係る国内外企業の入札参加機会の拡大、競争性の向上並びに企業の負担軽減と行政事務の簡素合理化を図るため、インターネット技術を活用した電子入札システムの導入を図ったものである。本事業の実施により、平成16年度までに159機関でシステムが導入され、より多くの企業が電子入札に参加する機会を得ることができるようになったと考えられる。また、企業側の移動コストの低減や、容易な入札への参加が可能となることから、企業間の競争性の向上が図られ、全体的な調達コストの低減に寄与したものと考えられる。今後は運用コスト分も含め、本事業を実施していく必要がある。   平成19年度予算概算要求を行った。
継続事業に関する事業評価書(事後評価)については、平成18年8月31日付けで総務省あて送付している。
継続事業に関する事業評価(事後評価)は、平成14年度に事業評価(事前評価)を実施した平成15年度予算概算要求に係る新規事業を対象として実施した(平成18年度において継続中でないもの及び他の検証手段によるものを除く。)。
「政策(事業)の名称」欄におけるかっこ書きについては、その継続事業に関連する政策体系の施策目標を表示している。

トップへ