(3−7−I)
実績評価書
平成17年8月

政策体系 番号  
基本目標 労働者が安心して快適に働くことができる環境を整備すること
施策目標 個別労働関係紛争の解決の促進を図ること
I 個別労働関係紛争の解決の促進を図ること
担当部局・課 主管部局・課 大臣官房地方課
関係部局・課  


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 個別労働関係紛争の迅速適正な解決を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 社会経済情勢の変化に伴い、企業組織の再編や人事労務管理の個別化の進展等を背景として、労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(以下「個別労働関係紛争」という。)が増加していることにかんがみ、これらの紛争の実情に即した迅速かつ適正な解決を図るため、以下の総合的な個別労働関係紛争解決システムの整備を図る。
(1) 都道府県労働局長による情報提供、相談等
 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争の未然防止及び自主的な解決の促進のため、労働者又は事業主に対し、情報の提供、相談その他の援助を行うものとする。
(2) 都道府県労働局長による助言及び指導
 都道府県労働局長は、個別労働関係紛争(男女雇用機会均等法第12条に規定する紛争を除く。)に関し、当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当事者に対し、必要な助言又は指導をすることができるものとする。
(3) 紛争調整委員会によるあっせん
 都道府県労働局に紛争調整委員会を置き、都道府県労働局長は、個別労働関係紛争(男女雇用機会均等法第12条に規定する紛争を除く。)について、当事者の双方又は一方からあっせんの申請があった場合において、当該紛争の解決のために必要があると認めるときは、紛争調整委員会にあっせんを行わせるものとする。
(評価指標) 民事上の個別労働紛争
相談件数(件)
H12 H13 H14 H15 H16
41,284 103,194 140,822 160,166
(備考)
 個別労働紛争解決制度は、平成13年10月1日から施行されたものであり、平成13年度の数値は、下半期分のみのものである。当該指標にかかる調査は平成14年度までは3ヵ月ごとに、平成15年度からは半年ごとに実施している。
(評価指標) 助言・指導申出受付件数
(件)
H12 H13 H14 H15 H16
714 2,332 4,377 5,287
(備考)
 個別労働紛争解決制度は、平成13年10月1日から施行されたものであり、平成13年度の数値は、下半期分のみのものである。当該指標にかかる調査は平成14年度までは3ヵ月ごとに、平成15年度からは半年ごとに実施している。
(評価指標) あっせん申請受理件数
(件)
H12 H13 H14 H15 H16
764 3,036 5,352 6,014
(備考)
 個別労働紛争解決制度は、平成13年10月1日から施行されたものであり、平成13年度の数値は、下半期分のみのものである。当該指標にかかる調査は平成14年度までは3ヵ月ごとに、平成15年度からは半年ごとに実施している。
(評価指標)処理期間ごとの割合(%) H12 H13 H14 H15 H16
  助言・指導 1か月以内 66 76 90 94
1ヶ月〜2か月以内 21 15 7 4
2ヶ月〜3か月以内 8 5 1 1
3ヶ月超え 5 4 2 1
あっせん 1か月以内 59 61 64 67
1ヶ月〜2か月以内 33 28 28 26
2ヶ月〜3か月以内 6 8 5 5
3ヶ月超え 2 3 3 2
(備考)
 助言・指導、あっせんそれぞれの手続終了件数に占める当該処理期間の割合(パーセント)を示すもの。
 個別労働紛争解決制度は、平成13年10月1日から施行されたものであり、平成13年度の数値は、下半期分のみのものである。当該指標にかかる調査は平成14年度までは3ヵ月ごとに、平成15年度からは半年ごとに実施している。
(評価指標)手続終了件数(件) H12 H13 H14 H15 H16
  助言・指導 701 2,244 4,339 5,279
あっせん 523 2,882 5,100 5,878
(備考)
 個別労働紛争解決制度は、平成13年10月1日から施行されたものであり、平成13年度の数値は、下半期分のみのものである。当該指標にかかる調査は平成14年度までは3ヵ月ごとに、平成15年度からは半年ごとに実施している。

関連する経費
個別労働紛争対策の推進事業(平成16年度予算額) 1,397百万円


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 社会経済情勢の変化に伴う企業再編、人事労務管理の個別化等を背景に、個々の労働者と事業主との間の紛争が増加している。また、助言・指導の申出受付件数及びあっせん申請受理件数も増加しており、紛争を解決するための援助制度へのニーズはますます高まっている。
 平成16年度においても、労働者と事業主との間の紛争について、都道府県労働局長による情報提供・相談等、都道府県労働局長による助言・指導制度及び紛争調整委員会によるあっせん制度の運用を引き続き行ってきたところである。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 民事上の個別労働紛争相談件数
 労働基準法等法令違反を伴わない民事上の個別労働関係紛争に関する相談件数は、平成16年度が160,166件で、平成15年度の140,822件と比較すると1.14倍に増加している。
 助言・指導申出受付件数
 都道府県労働局長による助言・指導に係る申出受付件数は、平成16年度が5,287件で、平成15年度の4,377件と比較すると1.21倍に増加している。
 あっせん申請受理件数
 紛争調整委員会によるあっせんに係る申請受理件数は、平成16年度で6,014件であり、平成15年度の5,352件と比較すると1.12倍に増加している。
 個別労働紛争解決制度に関する件数は、平成13年10月1日の施行以来、毎年増加し続けている。
 このことは、利用者である労働者及び事業主にとって、種々の紛争解決手段が存在する中で、本制度が紛争解決の手段として有効に機能していることの現れである。
 また、処理期間について、助言・指導制度、あっせん制度とも、その多くが1ヶ月以内に処理されており、本制度が迅速性を特性とするADR(裁判外紛争処理)の一つとして有効な制度であるといえる。
政策手段の効率性の評価
 個別労働関係紛争の解決を図るために講じている都道府県労働局長による助言・指導制度及び紛争調整委員会によるあっせん制度は、それぞれの特性を生かした迅速かつ適正な処理が行われており、効率的な運用がなされているといえる。
総合的な評価
 民事上の個別労働紛争相談件数、助言・指導申出受付件数及びあっせん申請受理件数ともに増加しており、個別労働紛争解決制度が紛争解決の手段として有効であること、また、それぞれの制度の特性を生かした迅速かつ適正な処理を行っており、運用が効率的になされていることから、目標の達成に向けて進展があったと考える。
評価結果分類 分析分類
(2) (2)


3.特記事項
(1)  学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
特になし
(2)  各種政府決定との関係及び遵守状況
特になし
(3)  総務省による行政評価・監視等の状況
特になし
(4)  国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
特になし
(5)  会計検査院による指摘
特になし

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