(2−3−II)
実績評価書
平成17年8月

政策体系 番号  
基本目標 安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進すること
施策目標 安全で質が高く災害に強い水道を整備すること
II 災害に強い水道の整備など水道水の安定供給を図ること
担当部局・課 主管部局・課 健康局水道課
関係部局・課  


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 水道事業の広域化を図り、広域水道受水人口を前年度に比べ、増加させる
(実績目標を達成するための手段の概要)
 水源の安定的確保、広域的な水運用及び水道施設の効率的利用を図るため、国庫補助事業等により水道広域化施設の整備を推進した。

 ○ 関連する経費(平成16年度予算額)
 ・ 簡易水道再編推進事業  12,894百万円
 ・ 水道広域化施設整備費  29,562百万円
(評価指標)
広域水道受水人口(千人)
H12 H13 H14 H15 H16
77,291 78,483 79,155 80,064 -
(備考)
 広域水道受水人口=広域水道事業(企業団等地方自治体が共同で行っている水道事業及び県営水道事業)による給水人口+用水供給事業から受水している水道事業(広域水道事業は除く。)の給水人口
 平成16年度実績は集計に時間がかかる(平成17年度末見込み)ため記載不可能。
実績目標2 災害対応力を強化すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 (1) 国庫補助事業等により、水道水源の確保、水源の複数化、老朽管等の水道施設の計画的・効率的な更新、基幹管路の耐震化を推進した。
 (2) 水道施設の耐震化並びに地震対策の推進について、水道関係担当者会議等において技術的助言を行った。

 ○ 関連する経費(平成16年度予算額)
 ・ 生活基盤近代化事業  4,423百万円
 ・ ライフライン機能強化等事業費  6,315百万円
(評価指標)
管種別布設延長割合
H12 H13 H14 H15 H16
 (ダクタイル鋳鉄管) 52.2% 53.1% 53.5% 54.2% -
 (内耐震継ぎ手を有する管) 3.5% 3.9% 4.2% 4.6% -
 (石綿セメント管) 4.8% 4.2% 3.7% 3.2% -
 (その他) 43.0% 42.7% 42.8% 42.6% -
基幹管路の耐震化率 12.4% 12.7% 13.2% 13.5% -
(備考)
 基幹管路の耐震化率:基幹管路(導水管、送水管、配水本管)において、耐震継手付きダクタイル鋳鉄管、鋼管、ポリエチレン管の延長が基幹管路延長に占める割合
 平成16年度実績は集計に時間がかかる(平成17年度末見込み)ため記載不可能。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
・平成15年度現在水道事業の総数は10,296に上り、小規模水道事業者においては基幹施設の耐震化、安全な水道水を供給するための技術者の確保及び経営基盤強化等が困難となる場合が多いため、さらに広域化を推進することが求められている。
・水道ビジョンにおいては、基幹管路の耐震化率を100%とすることを目標として掲げている。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 広域水道受水人口は、平成12年度に77,291(千人)に対して平成15年度は80,064(千人)となり、水道事業の統合による広域化が毎年着実に進んでいる。
 地震に強いダクタイル鋳鉄管の布設延長割合は、毎年着実に増加し、かつ、強度が低い石綿セメント管の布設延長割合は減少している。また、基幹管路の耐震化率は、平成12年度に12.4%に対して平成15年度は13.5%となり、低い水準にあるものの毎年着実に増加しており、国庫補助等の施策は災害対応力の強化に有効である。
政策手段の効率性の評価
 水道管路近代化推進事業に係る国庫補助事業については、平成11年度新規採択分より、費用対効果について確認した上で補助採択しているところであり、平成16年度に水道管路近代化推進事業費として新規国庫補助採択を行った41件の事業の費用対効果は最低1.12、最大109.2であり、いずれも社会経済的に効率的であるといえる。
 また、耐震性の高いダクタイル鋳鉄管の布設延長割合が平成12年度から平成15年度にかけて2.1ポイント増加し、比較的耐震性の低い石綿セメント管の布設延長割合が同1.6ポイント減少している。また、基幹管路の耐震化率についても、同1.1ポイント増加しており、災害対応力の強化を推進することにより水道水の安定供給が効率的に行われている。
総合的な評価
 広域化の推進による経営基盤の強化、耐震管路延長の増加等水道水の安定供給のための基盤整備が進んでいると評価できる。
 今後も引き続き現行の施策を推進し、災害に強い水道の整備など水道水の安定供給を図ることが必要である。
評価結果分類 分析分類
(2) (1)


3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 「21世紀における水道及び水道行政のあり方」(平成11年6月水道基本問題検討会)
・渇水対策、災害対策のための水源確保や水道施設の増強の整備水準は、地域の特性を踏まえつつ、需要者の求める水準と費用負担との関係を考慮した上で、シビル・ミニマムとしての整備目標を定め、渇水や災害に強い水道の整備に計画的に取り組む必要がある。
・今後も引き続き、水道の広域的整備を図る必要があるが、経営基盤の一層の強化を図る観点からは、地域の実情を踏まえ、できるだけ末端給水までの水道事業の形態で広域的整備を推進することが適切と考えられる。

「水道ビジョン」(平成16年6月厚生労働省健康局)
 地震、渇水等の災害発生時、テロ等の事態においても、断減水による国民生活・社会経済活動への影響を未然に防止あるいは軽減するため、改善の指示を可能とする水道施設機能評価、渇水に対する給水安定性の向上、防災担当部局等と共同・連携した施設の重点的・戦略的な整備などにより水道システム全体の安全度・安定度を向上させるとともに、災害時における応急給水、応急復旧体制の充実等の一層の促進を図る。
(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
なし。
(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
なし。
(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 平成13年5月29日「水道法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(参議院厚生労働委員会)
・水道施設の老朽化や震災等への対策を充実する観点から、水道施設の更新が適切に行われるよう、技術的な支援や的確な助言の提供を行うこと。
 平成13年6月22日「水道法の一部を改正する法律案」に対する附帯決議(衆議院厚生労働委員会)
・水道施設の老朽化や震災等への対策を充実する観点から、水道施設の技術水準の向上および適切な更新が行われるよう、必要な支援や技術的な助言に努めること。
(5) 会計検査院による指摘
なし。

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