(10−2−I)
平成17年8月
政策体系 | 番号 | |
基本目標 | 10 | 国際化時代にふさわしい厚生労働行政を推進すること |
施策目標 | 2 | 国際協力の促進により国際社会へ貢献すること |
I | 労働分野における人材育成のための技術協力を推進すること | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 大臣官房国際課 |
関係部局・課 | 職業能力開発局外国人研修推進室 |
実績目標1 | 開発途上国の健全な労使関係の構築に貢献する人材を育成すること | |||||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) (1)開発途上国人事・労務管理者育成事業 アジア地域の開発途上国を対象に人事・労務管理能力の向上を図り、各国の経済発展を推進することを目的として、(財)日本経団連国際協力センターが、当該諸国の人事・労務管理を担当し、企業等の組織においてリーダーシップを有する中堅幹部を我が国の企業に受け入れ、研修を行う事業に対し、国庫補助を行う。
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(評価指標) 研修参加者数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
28 | 29 | 16 | 14 | 15 | ||||||||||||
(評価指標) 参加者からの事業評価 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考) ・平成14年度に参加者数に減少が生じたのは、平成13年度をもって東欧諸国からの招聘を終了し、アジア地域からの招聘のみとなったため。 ・参加者からの事業評価は定性的な評価である。 |
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(実績目標を達成するための手段の概要) (2)ASEAN労使関係プロジェクト支援事業 ASEAN域内で安定的な労使関係を構築し、経済の安定成長を促進することを目的として、ASEAN地域に対し我が国の経験を提供し、後発の国々(カンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム)における労使関係制度の整備を支援する。2002(H14)年度から3か年計画で、ASEAN事務局を通じ、日・ASEAN協力委員会の開催、実地調査の実施、国別及び地域セミナーの開催等の支援事業を行う。 なお、セミナーの開催は、(財)日本ILO協会に委託して行う。
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(評価指標) セミナー等参加者数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | 276 | 313 | 326 | ||||||||||||
(評価指標) 参加者からの事業評価 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考) 参加者からの事業評価は定性的な評価である。 |
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実績目標2 | 開発途上国において職業訓練指導を担う者を養成すること | |||||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 開発途上国における工業化の進展等に伴う技能者不足に対処するため、開発途上国における職業訓練体制の整備充実を目的として、我が国で職業訓練指導員を養成する唯一の専門的施設として設置運営されている職業能力開発総合大学校の長期課程(4年間)及び研究課程(2年間)において留学生を受け入れ、職業訓練指導員として必要な専門科目、指導技法、訓練開発施設の運営管理ノウハウに至るまで幅広い分野にわたる技術、知識を付与する「外国人留学生受入事業」を実施する。
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(評価指標) 外国人留学生受入事業における外国人留学生の受入人数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
16 | 18 | 18 | 17 | 18 | ||||||||||||
(備考)
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(評価指標) 外国人留学生受入事業における帰国留学生の就職状況 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考) ・フォローアップ等の調査を実施しているが、個々留学生により就職までの期間が異なることもあり、単年度の事業成果として定量的な表現は困難である。 |
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実績目標3 | 開発途上国の労働者等の受入れを通して、開発途上国への技能移転を推進すること | |||||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) (1)開発途上国から民間企業の在職労働者を研修生として受け入れ、将来これら諸国の民間企業において指導的立場に立つ者を養成する「国際技能開発計画」、(2)開発途上国で将来熟練労働者となる青年を我が国へ受け入れ、高度な産業技術に係る職種を中心として技能を修得する「外国人基礎技能研修生受入事業」、(3)外国人研修生受入れ企業等に対する各種の指導、援助を行う「外国人研修指導、援助事業」、(4)技能実習制度の適正かつ円滑な推進を図るための「技能実習制度推進事業」を実施する。
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(評価指標) 国際技能開発計画における外国人研修受入人数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
158 | 141 | 75 | 166 | 141 | ||||||||||||
(備考)
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(評価指標) 国際技能開発計画における帰国研修生の復職、就職、待遇、昇進状況 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考) ・フォローアップ等の調査を実施しているが、個々の研修生により復職等までの期間が異なることもあり、単年度の事業成果として定量的な表現は困難である。 |
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(評価指標) 外国人基礎技能研修生受入事業における外国人研修生受入人数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
534 | 450 | 249 | − | − | ||||||||||||
(備考)
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(評価指標) 外国人基礎技能研修生受入事業における帰国研修生の復職、就職、待遇、昇進状況 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考) ・フォローアップ等の調査を実施しているが、個々の研修生により復職等までの期間が異なることもあり、単年度の事業成果として定量的な表現は困難である。 ・当事業は14年度受け入れをもって16年度中に廃止。 |
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(評価指標) 外国人研修指導、援助事業における、集合座学研修を効果的に実施するための公共職業能力開発施設での集合研修実施支援人数 (人) ・当事業は16年度限りで廃止。 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
1,081 | 533 | 579 | 269 | 71 | ||||||||||||
(備考)
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(評価指標) 外国人研修指導、援助事業における、中小企業に対する日本語教育における支援研修生人数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
1,821 | 2,288 | 1,823 | 2,459 | 4,211 | ||||||||||||
(備考)
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(評価指標) 技能実習制度推進事業における、セミナー参加者数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
251 | 350 | 247 | 293 | 384 | ||||||||||||
(備考)
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(評価指標) 技能実習制度推進事業における、指導書等の作成数 (部) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
8,000 | 9,000 | 4,500 | 19,300 | 4,000 | ||||||||||||
(備考)
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(1) 現状分析
東南アジア諸国を始めとするアジア・太平洋地域の開発途上国においては、過去の我が国の援助及び自国の経済成長によってある程度の開発が進められてきたが、20世紀末に起こったアジア通貨危機に見るように、その社会的基盤は未だ脆弱である。今後の一層の開発には、人材開発を中心としたソフト分野の支援を始めとする技術支援が不可欠であるが、経済・産業発展のために必要とされる技術者及び技能労働者の人材不足はもとより、これら人材を指導する管理・監督者、職業訓練を行う指導員、特に開発の礎となる労使関係安定のための取組みを行う人材が非常に不足している現状にある。 加えて、開発途上国からも、我が国に対し各種分野の技術、技能移転を通じた人材養成に係る国際協力の要請が強く、こうした人材の育成に対する支援を積極的かつ効果的に行うことが必要となっている。 |
(2) 評価結果
(1)について 本事業は、相手国経営者団体を通じた適正な研修対象者の選定に始まり、日本語を使用して行われる企業内実地研修に備えた日本語研修、日本の人事労務管理の基礎研修、企業内実地研修等日本の人事労務管理システムを学べるだけでなく、システムの背景にある日本文化や歴史等も無理なく学べるプログラムが組まれており、平成16年度に実施したフォローアップ調査における対象国の経営者団体代表者及び研修修了生から帰国後の研修成果について極めて高い評価を得ている。さらに、当該研修に参加した者は、研修終了後アンケートやフォローアップ調査報告書に示されているように、研修で取得・経験した技術を実際の人事・労務管理に適用して実践し、各国企業のリーダーとして活躍するのみならず、研修中に培われた連帯感により、継続した人的ネットワークを構築し、日本及び各途上国間の友好的で安定的な協力関係を持続させる効果も認められている。 (2)について 本事業は、厚生労働省が直接、日・ASEAN協力委員会の開催、現地実地調査等の支援事業を行うことにより、ASEAN側の要望と必要な支援内容を的確に把握し、速やかに事業計画に反映することができるため、有効である。また、(財)日本ILO協会に委託するセミナー事業については、平成16年度に取りまとめた本事業の最終評価レポートではセミナー参加者に対して行ったアンケート結果を取りまとめており、これによるとアンケート回答者のうち約98%がセミナーの講義を役立ったと回答する等全体として高い評価を得ている。特に後発の国々において、健全な労使関係の構築を支援していく点で極めて意義は大きい。また、本プロジェクトの活動内容はASEAN高級労働事務官SLOMなどでも高い評価を受けるとともに、16年5月の日本・ASEAN協力委員会では、出席したASEAN各国から当初計画の3年終了後も本プロジェクトの継続実施を求められるなど、その成果は高く評価されている。 (実績目標2) 外国人留学生受入事業における平成16度の外国人留学生の受入れ状況は、長期課程16人、研究課程2人、合計18人となっており、職業訓練指導員として必要な専門科目、指導技法、訓練開発施設の運営管理ノウハウに至るまで幅広い分野にわたる技術、知識を付与していることから、開発途上国の職業訓練指導員の養成に有効であったと認められる。 また、当該事業における帰国留学生の就職状況を見れば、その多くが母国において公共職業訓練施設の職業訓練指導員又は職業能力開発行政に従事しており、母国の職業訓練体制の整備に大きな役割を果たしていることから、開発途上国における職業訓練指導を担う者を養成する効果が高く、有効性は高いものと認められる。 (実績目標3) 国際技能開発計画における平成16年度の外国人研修生の受入れは141人となっており、開発途上国の民間企業において指導的立場に立つ者や熟練労働者となる者への技術・技能の修得が図られていることから、開発途上国への技術移転に有効であったと認められる。なお、年度毎に受入人数が変動しているのは、本事業が、事業の性質上、送り出し政府の実情により、受入年度の人数に変動が生じることによるものである。 また、これら事業における、帰国研修生の復職、就職、待遇、昇進状況を見れば、これまでに受入れた多くの開発途上国の研修生が、母国において管理職や熟練技能労働者として従事し、ILO等の国際機関のみならずアジア等世界各国における関係各界からも高い評価を得ていることから、開発途上国への技術移転を推進する効果が高く、有効性は高いものと認められる。 さらに、平成16年度の外国人研修指導、援助事業における中小企業に対する日本語教育における支援研修生人数は4,211人となっており、また、技能実習制度推進事業におけるセミナー参加者数は384人、指導書等の作成数は4,000部(16年度は増刷のみの対応であったため部数が減っている)となっており、これらの事業により、我が国の有する技術・技能の開発途上国への移転を図ることを目的とする外国人研修・技能実習制度の適正かつ円滑な推進が図られており、開発途上国への技術移転を推進する効果が高く、有効性は高いものと認められる。 |
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(1)について 対象国のニーズ・研修実施の必要性を考察するため、実地研修受入れ企業の担当者も交えた研修のフォローアップを行っており、研修員の帰国後の動向の把握、研修員との会合、対象国における評価調査等を行い、その結果を踏まえ事業をより効率的に実施するよう努めている。また、受入れ企業の担当者も交えてフォローアップを実施することは、受入れ企業への理解を深めることに寄与しており、その結果、研修員が希望する業種で企業実習を受けられることにもつながっている。 (2)について 本事業は、ASEAN地域活動の調整・実施を行う機関であるASEAN事務局を通じて行うものであり、ASEAN地域の一体性を損ねることなく、各国への連絡・調整を滞りなく行うことができる。また、ASEAN各国の要望等を的確に把握することが可能であり、後発の国々を中心に国別に必要性の高い支援を実施することができるので、効率的である。また、(財)日本ILO協会に委託するセミナー事業については、厚生労働省が直接行う支援事業と緊密な連携を図り、効果的に実施している。 (実績目標2) 外国人留学生受入事業は、職業訓練指導員養成施設が整備されていない国を対象とし、毎年、18名程度の留学生を受け入れているところであるが、我が国唯一の職業訓練指導員養成の専門的施設である職業能力開発総合大学校を受入れ施設として、その有する貴重な資源やノウハウを開発途上国の職業訓練指導員の養成確保に積極的に活用していくものであり、最も効率的であると認められる。 (実績目標3) 国際技能開発計画は、アジア各国から毎年120名程度の研修生を受け入れる事業として(財)日本ILO協会への補助事業として実施しているものであるが、指導者養成のためには、我が国企業の既存の企業内訓練システムの活用、すなわち、民間企業の生産現場を活用しながら技能のみならず品質管理、生産・工程管理等の能力を付与する研修が最も効率的であり、また、労使の理解を得るためにも、公労使三者の協力の下設立された(財)日本ILO協会の補助事業とすることが最も適切かつ効率的であると認められる。 外国人研修指導、援助事業及び技能実習制度推進事業は、年々増加傾向にある研修生・技能実習生及び受け入れ機関等を対象とする事業であり、(財)国際研修協力機構(JITCO)への補助及び委託事業として実施しているものであるが、これら事業の目的は、外国人研修・技能実習制度の適正かつ円滑な推進を図ることにあるところ、外国人研修生の受入れの拡大と開発途上国への技術、技能等の円滑な移転を支援することを目的として設立され、外国人研修・技能実習制度運用の中核的組織である(財)国際研修協力機構が一元的に実施することが、最も効果的かつ効率的であると認められる。 |
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3.特記事項
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