(10−1−I)
平成17年8月
政策体系 | 番号 | |
基本目標 | 10 | 国際化時代にふさわしい厚生労働行政を推進すること |
施策目標 | 1 | 国際機関の活動に対し協力すること |
I | 国際労働機関が行う技術協力に対し積極的に協力すること | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 大臣官房国際課 |
関係部局・課 | 職業能力開発局海外協力課 |
実績目標1 | 国際労働機関(ILO)が実施する技術協力プロジェクトへの財政支援を通じ、開発途上国における性差問題を考慮した雇用開発、女性の就業・雇用機会の拡大に貢献すること | |||||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) ILOへの任意拠出を通じて、ILO専門家等の活用により、以下のプロジェクトを実施する。
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(評価指標) プロジェクトの対象人数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | 72 | 654 | 6,885 | 12,261 | ||||||||||||
(評価指標) プロジェクト参画者からの事業評価 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考)
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実績目標2 | 開発途上国の労働基準の向上のためのセミナー等を通じて、健全な労働環境の整備に貢献すること | |||||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) ILOへの任意拠出を通じて、アジア・太平洋地域を対象として、以下のセミナー、調査研究及び研修事業を行う。
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(評価指標) 参加者数 (人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
81 | 304 | 261 | 40 | 99 | ||||||||||||
(評価指標) 参加者等からの事業評価 |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考)
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実績目標3 | アジア太平洋地域技能開発計画(APSDEP)への協力を通じて、アジア太平洋地域の職業能力開発の向上に貢献すること | |||||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 任意拠出金(平成16年度13万ドル)を拠出し、APSDEPの事業活動等を支援するとともに、我が国において、我が国の有する経験、専門知識、施設等を活かしたセミナーの開催等の支援事業を実施する。
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(評価指標) APSDEP活動数(セミナー、会議等の件数) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
7 | 6 | 5 | 5 | 5 | ||||||||||||
(備考) APSDEP事務局の事業報告から集計したもの。APSDEPが実施しているインターネットを通じた情報提供、職業能力開発分野における調査研究等は、定量的な把握が困難であるため、上記活動数には含めていない。 |
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(評価指標) 支援事業の参加者数(人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
40 | 40 | 23 | 28 | 42 | ||||||||||||
(備考) APSDEP事務局、(財)海外職業訓練協会の事業報告から集計したもの。 |
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(評価指標) 支援事業の参加国数(国) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
14 | 22 | 13 | 19 | 16 | ||||||||||||
(備考) APSDEP事務局、(財)海外職業訓練協会の事業報告から集計したもの。 |
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(評価指標) 支援事業の参加者満足度(ポイント) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | 4.54 | 4.35 | 4.22 | 4.30 | ||||||||||||
(備考) APSDEP事務局実施のアンケート調査結果(5段階評価)を集計したもの。(同調査がすべての支援事業で開始されたのは平成13年度からである。) |
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実績目標4 | 技術協力に携わる日本人専門家を育成すること | |||||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) ILOが技術協力を行うアジア・太平洋地域のプロジェクトサイトにおいて、日本人研修生の実地研修を通じた国際協力活動を行う。
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(評価指標) 対象者数(人) |
H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | |||||||||||
− | − | − | − | 4 | ||||||||||||
(評価指標) 配属先責任者の評価 |
H11 | H12 | H13 | H14 | H15 | |||||||||||
− | − | − | − | − | ||||||||||||
(備考) ・配属先責任者の評価は、定性的な指標である。 |
(1) 現状分析
特に、労働者の職業能力開発は、急速な技術革新、産業構造の変化に伴い、労働者に求められる職業能力が高度化していることから、先進国も含めた各国共通の重要課題となっている。一方、アジア太平洋地域開発途上国においては、未だ非常に脆弱な基盤しか備えていないため、このような諸問題を自立的に解決するための体制が十分ではない。 こうした状況において、アジア太平洋地域の安定的で継続的な経済発展に資するためには、雇用・労働分野において見識、ノウハウ等を豊富に有するグローバルな組織である国際労働機関の枠組みを活用することが効果的であることから、国際労働機関の行う技術協力に対する資金・技術両面での積極的な協力が重要となっている。 |
(2) 評価結果
(1)については、フィリピン・タイ等で実施されたプロジェクトの方法に、実践的な起業訓練と信用保証という二つの手法を加えることにより、零細企業の起業及び拡大が促進され、開発途上国の自立と持続可能な開発を確保する上での有効性を高めたものであり、雇用開発に効果的である。5年計画である本事業の最終年度である平成16年度は外部専門家等による本事業の最終評価が行われ、試行都市での本プロジェクトの有効性を評価した中国政府が本プロジェクトと同様の政策を全国に拡大する等本事業の有効性を高く評価した。また、中国中央政府のみならず地方のプロジェクト関係者による最終評価会合においても好事例が報告され、当該プロジェクトの有効性が認められている。 (2)については、インドネシア・ネパール等で同様の方法によるプロジェクトを実施した実績があり、開発途上国の自立と持続可能な開発を確保する上で有効性が確認されている手法を用いていることから、女性の就業・雇用機会の拡大に効果的である。平成16年度に外部専門家等により行われた中間評価に係る報告書においては、評価会合に出席した中央政府関係者のみならず地方のプロジェクト現場の実施関係者からも、女性の就業機会の拡大があったものとその成果が評価されている。 実績目標2 日本との経済的な結び付きが強いアジア・太平洋地域開発途上国では、特有の歴史的・社会的背景のために中核的労働基準の実施が進んでいない現状がある。そこで、政労使代表を参加させて三者が一体的に中核的労働基準の普及・啓発を図ってきたところであり、この手法は当該諸国における適正な雇用を促すために有効であるが、平成16年度については、前年度から延期されていた政労使セミナーが平成16年5月に開催された。セミナー参加者数が平成15年度には40人と急減しているが、平成16年度には99人となっており、これは平成14年度の参加者数が、「「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」の普及啓発を目的とした政労使三者構成地域セミナー」と「労働政策フェローシップ・プロジェクト」の他に、平成14年度で終了した「児童家庭内労働撲滅のための行動に関する政労使三者構成地域セミナー」など3セミナーの出席者を含むことなど、年ごとの事業の違いや対象国、開催時期等の違いによるものである。労働問題に係る当事者である政労使三者を対象として行う本セミナーはバランスの取れた施策を促進し、アジア・太平洋地域全体における経済と政労使三者の関係の安定的かつ均衡が取れた発展に資することから有効であった。 セミナーの出席者からは、本セミナーで取り上げたテーマを世界のグローバル化及び社会対話といったより大きな文脈の中で位置づける機会を得たとする意見が述べられるなど、本セミナーの成果が評価された。 実績目標3 任意拠出金による平成16年度の活動実績としては、セミナー、会議等5件の活動を行った。開催数やその内容についてはAPSDEP事務局と協議を行って決めており、教育・訓練政策に係るUNESCO/ILO合同会議を始めとする会議や各種研修等APSDEPの主要な活動の一部経費として充当されていることから、有効に活用されている。 支援事業については、平成16年度は「コミュニティーに立脚した訓練手法を用いた技能開発に関する専門家会合」及び「職業訓練機関マネジメントハンドブックに関する実務者会議」を新たに開催するなど、加盟国のニーズを踏まえたテーマ設定を行っており、16カ国から42名の参加者が我が国の有する職業能力開発分野における知識・経験等を学ぶとともに、積極的な意見の交換がなされた。また、支援事業のアンケート結果(平成16年度)によると、5段階評価で平均4.30ポイントとの評価を得るなど、参加者からもその有効性が評価されている。 実績目標4 本事業は、我が国によるILOへの任意拠出事業として、ILOが技術協力を行うアジア・太平洋地域のプロジェクトサイトにおける実地研修等を通じて日本人の技術協力水準の向上を図った。、プロジェクトの受益国に対しては、ILOが行う技術協力に日本人が直接携わることで、日本の行う積極的な国際協力についての理解を促進した。。研修生の配属先責任者となっている事業の実施責任者からは、日本人研修生の有する専門的知見やきめ細やかな配慮がプロジェクトの推進に役立ったとする意見が得られた。 |
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プロジェクト実施に当たっては、ILOにおいて過去に同様のプロジェクトを実施した際に収集したノウハウを活かすのみならず、都市規模及び経済基盤等を加味したプロジェクトに最適な試行都市の選定や対象地域の実情を熟知したNGOの活用により、無駄を省いた効率的な運営を行っている。また、前年度のプロジェクトの実施結果報告をふまえた上で、翌年度の実施内容及び方法を決定する委員会を開催することで、より一層効率的なプロジェクト運営を行う制度を採用している。 実績目標2 セミナーの実施に当たっては、ILOの持つ専門的知識やノウハウを活用して実践的で有用な内容で実施するだけでなく、ILOの特質を活かした政労使三者構成で実施することで、より成果を活かせることから効率的である。平成16年度はアジア・太平洋地域28か国及びILOから計99名の政労使の代表者等が出席してセミナーが行われており、当該地域全体としてのILO宣言に係る中核的労働基準の適用を促進する集合的な取り組みは効率的であった。 実績目標3 活動の実施に当たっては、APSDEPのILO地域プログラムとしてのネットワークを活かし、域内諸国の知識・経験・施設等を相互に活用するなど、域内共通の課題等に対応した二国間協力では難しい効率的な国際協力を推進している。 実績目標4 平成16年度は4名の研修生を、ILOのバンコク事務所及びニューデリー事務所にそれぞれ2名ずつ派遣し、協力分野は労働安全衛生、ジェンダー、児童労働、社会保障の4分野を担当し研修を行った。このようなことから本プロジェクトの研修に係る地域、分野に幅を持たせることで、バランスの取れた専門家育成のため偏りのない効率的な取組を行っている。また、研修生の指導に当たるILOの専門家の定期的な評価・意見等に係る報告制度を設けており、より効率的な研修の実施に係るプロジェクト運営が行われている。 |
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ILOは計画期間に応じて、第3者機関等による中間評価、最終評価を行い、客観的な事業の評価を行い、より効率的かつ効果的なプロジェクト運営が行われるよう積極的に取り組んでいる。また、全体として、各国政府及び労使団体等により高い評価を得ている。 APSDEPに関しても、平成16年度には、加盟国からのニーズを踏まえ「地域に立脚した訓練手法を用いた技能開発に関する専門家会合」を開催する等効果的な事業実施を図っている。 全体として、各国政府及び労使団体より高い評価を得ており、国際機関の活動に協力し、国際化時代にふさわしい厚生労働行政を推進するという目標の達成に貢献しているものと考えられ、目標の達成に向けて進展があった。
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3.特記事項
なし |