(整理番号21)
事業評価書( |
| ・事後) |
平成17年8月
評価対象(事業名) | 退職前高齢者生きがい就業体験事業(仮称) | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 職業安定局高齢・障害者雇用対策部高齢者雇用対策課 |
関係部局・課 | 職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課 |
1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
番号 | ||
基本目標 | 4 | 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること |
施策目標 | 3 | 労働者等の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること |
I | 高齢者の雇用就業を促進すること |
(2) 事業の概要
事業内容(新規) | ||||||
団塊世代を中心とした定年退職前の高齢者が、定年退職後の雇用・就業、生活に関する設計を立てる際の参考となるよう、シルバー人材センターで提供している仕事を実際に体験するなど退職前高齢者生きがい就業体験事業を実施する。 | ||||||
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H14 | H15 | H16 | H17 | H18 | ||
− | − | − | − | 155百万円 |
(3) 問題分析
(1)現状分析 2007年には、いわゆる「団塊の世代」が定年退職年齢に達することから、この世代の定年退職後の雇用・就業、生活設計について支援することが喫緊の課題となっている。 このような中、「団塊世代の退職と日本経済に関する研究会」報告書(財務省財務総合政策研究所)によれば、老後の生活希望について、男性の45.8%、女性の53.3%が「金額は少なくてもいいから、なんらかの収入を伴う活動や仕事をしたい」と回答しており、シルバー人材センターで提供しているような臨時的、短期的、軽易な就業へのニーズは高い。 (2)問題点 2007年から2009年にかけて60歳に達する約700万人といわれる団塊の世代については、他の世代と比較して人数が多いため、集団内部の激しい競争にさらされるとともに、社会全体に対し様々なインパクトを及ぼしてきた世代であり、これらの世代が定年退職を迎えることが日本社会に与える影響は大きい。 (3)問題分析 「人生80年時代」の到来といわれる中、これら就業意欲の高い団塊の世代の方々に、定年退職後も健康を維持しつつ、社会の担い手となって活躍してもらうことが、急速な高齢化が進行する日本社会にとって重要である。しかしながら、これらの世代は、高度成長期後期に就職し、いわゆる会社人間として、激しい競争にさらされてきた者が多いため、定年退職後の雇用・就業、生活設計について、事前に準備をしている者はきわめて限られていると考えられる。一方、定年退職後の生活に円滑に順応するためには、早い時期からの準備が大切である。 (4)事業の必要性 このため、これらの世代が、定年退職後の生活に円滑に順応できるよう、シルバー人材センターにおいて、定年退職後の雇用・就業、生活に関する設計を立てる際の参考となるセミナーや就業体験等を実施し、現役時代からの定年退職後に備えた準備を支援していく必要がある。 |
(4) 事業の目標
目標達成年度 | |||||||
政策効果が発現する時期 | 事業開始後順次 | ||||||
アウトカム指標 | H18 | H19 | H20 | H21 | H22 | 目標値/基準値 | |
「定年退職後の雇用・就業、生活に関する設計を立てる際の参考となった」と回答を得た割合 | 80%以上 | ||||||
(説明) | (モニタリングの方法) センターからの報告を当局にて集計。 |
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アウトプット指標 | H18 | H19 | H20 | H21 | H22 | 目標値/基準値 | |
体験就業実施回数 | 188回 | ||||||
体験就業参加者数 | 1,880人 | ||||||
(説明) | (モニタリングの方法) |
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参考指標(過去数年度の推移を含む) | H12 | H13 | H14 | H15 | H16 | ||
(説明) | (モニタリングの方法) |
2.評価
行政関与の必要性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
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(理由) 本事業は、団塊の世代が定年退職年齢に達することが目前となる中で、高齢者の就業を通じた多様な社会参加を促進するものであり、民間に任せたままでは、目標の政策課題への迅速な対応が困難であるという意味で高い公益性を有するもであり、行政が関与する必要性がある。 | ||||
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
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(理由) 退職前高齢者生きがい就業体験事業は、今後、全国的に展開する必要のある先駆的な事業であり、国として積極的に事業の実施を図る必要がある。 | ||||
民営化や外部委託の可否 |
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(理由) 本事業は、定年退職者等の就業について専門的なノウハウを有するシルバー人材センター連合に委託して実施するものである。 | ||||
緊要性の有無 |
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(理由) 団塊の世代が定年退職年齢となることが間近であり、これらの世代の定年退職後の雇用・就業、生活設計の構築に係る問題については、早急に取り組むべき行政課題である。 |
(2) 有効性
政策効果が発現する経路 |
国から委託を受けたシルバー人材センター連合が体験就業事業を実施→団塊の世代を中心とした定年退職前の高年齢者が体験就業に参加→定年退職後の雇用・就業、生活設計の構築 |
これまで達成された効果、今後見込まれる効果 |
本事業の実施により、団塊の世代を中心とした定年退職前の高年齢者が定年退職後の雇用・就業、生活に関する設計を立てる際の参考とすることが可能となり、円滑かつ適切な定年退職後の雇用・就業、生活に関する設計の構築が可能となる。 |
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 |
特になし。 |
(3) 効率性
手段の適正性 | |||||
本事業は、定年退職者等の就業について専門的なノウハウを有するシルバー人材センター連合に委託して実施するものであり、手段として適正である。 | |||||
費用と効果の関係に関する評価 | |||||
事業実施に係る経費については、事業実施に必要なもののみとしており、シルバー人材センター連合がこれまで蓄積してきたノウハウ、資源を活用することにより、一定の必要な経費で最大限の効果を得ることができると思料される。 | |||||
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
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(有の場合の整理の考え方) なし。 |
(4) その他
特になし。 |
(5) 反映の方向性
評価結果を踏まえ、平成18年度予算概算要求において所要の予算を要求する。 |
3.特記事項
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 「仕事と生活の調和に関する検討会議」報告書(平成16年6月)において、「特に、職業キャリアの成熟期における施策については、個々人が定年後の自己認識の喪失に陥らず、いきいきと老後の生活を送ることができるよう、例えば、引退過程において企業勤務から徐々に地域活動などに軸足を移していくことなど、その準備に向けた在職中からの取組に対応できるものとしておくことが求められる。」とされている。 「人口減少下における雇用・労働政策の課題」(平成17年7月雇用政策研究会報告)において、「中年期からの再就職・創業等、高齢期における多様な働き方を視野に入れた職業生活設計に関する取組に対しても支援する。さらに、雇用以外の就業・社会参加に向けて、現に地域に根付いているシルバー人材センターの活用等による地域密着型の就業を支援する。」とされている。 (2)各種政府決定との関係及び遵守状況 高年齢者等職業安定対策基本方針(平成17年4月1日厚生労働省告示第205号)において、「高齢期には、個々の労働者の意欲、体力等個人差が拡大し、その雇用・就業ニーズも雇用就業形態、労働条件等において多様化することから、このような多様なニーズに対応した雇用・就業機会の確保を図る。」とされている。 (3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) なし (5)会計検査院による指摘 なし |