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(1−4−II)
実績評価書
平成16年8月

政策体系 番号  
基本目標 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標 広域を対象とした高度先駆的な医療や結核・難病などの専門的医療等(政策医療)を推進すること
II 経営基盤の安定化を図ること
担当部局・課 主管部局・課 医政局国立病院課(旧健康局国立病院部医療指導課)
関係部局・課  

1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 経営の改善を行うこと
(実績目標を達成するための手段の概要)
 経営の改善を行うための実践的な取組として、各施設において収入に見合った支出を原則とした事業計画を作成し、経営状況の自己評価に基づき各施設が行う収入(収入増加方策)及び支出(経費削減方策)の両面からの経営改善の取組について、厚生労働省本省及び地方厚生局において指導・フォローアップを行う。
(評価指標)
・経常収支率(%)
*国立高度専門医療センター等を除く
H11 H12 H13 H14 H15
98.8 100.8 102.8 104.4
(備考)
 平成15年度分の評価指標(経常収支率)については未確定(平成16年冬に集計が完了)であるので、今回は平成14年までの評価指標の推移を用いて評価する。
 評価指標は国立病院部(現医政局国立病院課)調べ。
 経常収支率= (経常収入÷経常支出)×100
 経常収入: 入院患者収入、外来患者収入、雑収入の収納済額
 経常支出: 人件費、材料費その他の経費(看護師等養成費、施設整備費、医療機器整備費等は除外)

2.評価
(1) 現状分析
現状分析
 国立病院・療養所の経常収支率については、平成4年度は83.9%であったものが、平成14年度は104.4%となっている。
 一般会計からの繰入額については年々縮減してきており、平成6年度予算では2,588億円であったものが、平成15年度予算においては1,124億円とされたところである。なお、平成16年4月1日以降、国立病院・療養所は国立高度専門医療センター及び国立ハンセン病療養所を除いて独立行政法人国立病院機構に移行した。
(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 国立病院・療養所全体の経常収支率については、平成13年度は102.8%であったものが、平成14年度は104.4%となっており、平成5年度以降行われてきた経営改善の取組について、本年度においても継続して一定の効果が現れている。
政策手段の効率性の評価
 平成5年度から毎年度、各施設における取組について本省、地方厚生局が組織的にフォローアップするという体制をとっていることから、個別の施設における取組を他の施設への指導に活用することが可能になるなど、経営改善の取組を効率的に行うことができていると評価できる。15年度においても引き続き、事業計画の作成等の取組を実施し、その結果、上記のとおり経常収支率は前年度実績を上回り、平成4年度以降、経常収支率は各年度において着実に改善している。
総合的な評価
 上記の取組を実施することにより、国立病院・療養所の経営基盤の安定化に向けての組織的な取組は、これまで一定の効果を上げてきており、一般会計からの繰入の縮減と相まって、経営基盤の安定化を図るという施策目標はほぼ達成されていると評価できる。
 診療報酬改定や再編成の推進による影響等、国立病院・療養所の経営を取り巻く状況は年度によって異なるところであるが、昨今の状況を見ると、上記取組は、各年度において経営の安定化を図るための前提条件となっているといえる。
評価結果分類 分析分類
(2) (2)

3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 なし。

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
行政改革に関する第5次答申(昭和58年3月臨時行政調査会)(抄)
 国立病院・療養所の経営の合理化…国立医療機関として維持されるべき国立病院療養所については、共通管理的業務の民間委託の促進、利用率の低い病床の他の病床への転換等による病床利用率及び収支率の改善等により経営管理の徹底を図る。
国立病院・療養所の再編成・合理化の基本方針(昭和60年3月閣議報告)(抄)
5  経営の合理化
 国立病院・療養所の運営については、公共性と効率性の両方の観点から、次のような経営の合理化の方策を推進し、効率的な経営体制の確立を図るものとする。
(1) 経費の負担区分の明確化等(略)
(2) 経営努力(略)
(3) 業務委託(略)
(4) 主体的経営(略)

(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
国立病院・療養所に関する行政監察結果に基づく勧告(平成11年10月総務庁)(抄)
 経営管理の徹底(略)
 病院運営の効率化
(1) 職員配置の見直しと業務委託の推進(略)
(2) 病床利用の効率化(略)
(3) 政策医療に係る病棟運営の効率化(略)
(4) 医療機器の整備・利用の効率化(略)
 会計・契約事務の適性化(略)
 経営・監査指導等の実効の確保(略)

(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 なし。

(5) 会計検査院による指摘
 なし。



国立病院・療養所の経常収支率の推移

国立病院・療養所の経常収支率の推移のグラフ

(単位:%)
年度 61' 62' 63' 元' 2' 3' 4' 5' 6' 7' 8' 9' 10' 11' 12' 13' 14'
特別会計(NC除く) 93.7 95.3 93.4 90.6 88.3 85.3 83.9 88.7 90.8 94.1 97.7 97.9 98.5 98.8 100.8 102.8 104.4
独法移行施設分 95.0 97.0 94.8 92.4 90.2 87.6 85.7 90.6 93.0 96.4 100.1 100.4 101.0 101.1 103.2 104.4 105.2
NC 79.1 80.8 77.3 75.9 76.3 75.1 73.4 77.0 80.5 85.5 88.2 88.7 88.0 91.7 94.0 96.7 92.2
 (注) 各年度の再編成実施施設を除く。
 ※ 経常収支率= 経常収入(診療収入及び不用物品売払代、検査及使用料収入などの雑収入) ×100
経常支出(人件費、材料費及び光熱費などの経費)


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