戻る

(1−2−II)
実績評価書
平成16年8月

政策体系 番号  
基本目標  安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標  必要な医療従事者を確保するとともに、資質の向上をはかること
II  医療従事者の資質の向上を図ること
担当部局・課 主管部局・課 医政局医事課
関係部局・課 医政局指導課、歯科保健課、看護課、医薬食品局総務課

1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 医師、歯科医師の臨床研修の履修促進と内容充実を図ること
(実績目標を達成するまでの手段の概要)
 医師の臨床研修について、研修に必要な運営経費、施設整備費の補助、臨床研修指導医養成講習会の実施などにより、その推進を図った。
 歯科医師の臨床研修について、研修に必要な運営経費・施設整備費の補助、歯科医師臨床研修指導医講習会の実施などにより、その推進を図った。
 臨床研修の必修化(医師:平成16年度から、歯科医師:平成18年度から)に向けての検討や準備を行った。
(評価指標) H11 H12 H13 H14 H15
医師の臨床研修履修率
(%)
87.0 90.2 87.4
(備考)
評価指標は「臨床研修病院ガイドブック2004」及び平成13年8月厚生労働省・文部科学省調べによる。平成14年度及び平成15年度は未把握。なお、平成16年4月1日以降、医師の臨床研修制度は必修化された。
(評価指標) H11 H12 H13 H14 H15
歯科医師の臨床研修履修率
(%)
61.1 57.8
(備考)
評価指標は医政局歯科保健課調べによるが、平成13年度以降は未把握。なお、平成18年度から歯科医師の臨床研修制度は必修化の予定。
実績目標2 医療従事者に対する研修等を充実すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 がん看護や感染管理などの専門性の高い看護師を育成を促進するため、看護職員専門分野研修を実施。
 看護教育の質の向上を図るため、看護師等養成所の看護教員を対象にした看護教員養成講習会及び専任教員再教育研修を実施。
 看護師等養成カリキュラムにおける看護実習を効果的に行うため、病院、訪問看護ステーション、老人保健施設、社会福祉施設等の実習指導者を対象にした実習指導者講習会を実施。
 看護研修研究センターにおいて、看護教育の基盤の充実強化を図るための看護師等養成所の幹部教員を対象とした幹部看護教員養成課程等の研修を実施。
 充実した訪問看護の推進を図るため、訪問看護ステーションと医療機関に勤務する看護師の相互交流による研修及び在宅で活動する看護師がホスピスケアの専門的知識を得るための研修等を実施。
 診療放射線技師、臨床検査技師、視能訓練士及び歯科技工士の養成カリキュラムにおける実習を効果的に行うため、実習施設の実習指導者を対象とした実習指導者講習会を実施。
 理学療法士・作業療法士養成所の教員や実習施設の実習指導者を対象とした教員等講習会を実施。
(評価指標) H11 H12 H13 H14 H15
看護職員に対する研修会等の実施回数
(回)
132 213 317 310 287
(備考)
医政局看護課調べ。
(評価指標) H11 H12 H13 H14 H15
診療放射線技師実習指導者に対する講習会修了者数
(人)
83 85 78 78 147
臨床検査技師実習指導者に対する講習会修了者数
(人)
78 99 138 117 101
視能訓練士実習指導者に対する講習会修了者数
(人)
95 58 52 64 72
歯科技工士実習指導者に対する講習会修了者数
(人)
16 14 16 26 20
理学療法士・作業療法士養成所の教員等に対する講習会修了者数
(人)
129 128 127 126 127
(備考)
医政局医事課調べ
実績目標3 薬剤師の資質の向上を図ること
 医薬分業の進展や薬剤師業務の多様化に伴い、卒前教育とともに、生涯教育とりわけ実務研修の充実が必要であるため、経験豊かで適切な指導者の下で、薬剤師業務全般についての幅広い基本的な研修を行っている。
 薬剤師養成を目的とする大学における薬学教育については、教養教育、医療薬学、実務実習を充実し、臨床にかかる薬学教育の修業年限を4年から6年に延長することとされ、また薬剤師国家試験の受験資格についても、薬学の正規の過程のうち修業年限6年とする過程を修めて卒業した者に与えることとした。(平成18年4月1日より施行)
(評価指標) H11 H12 H13 H14 H15
 薬剤師実務研修終了者数
(人)
95 80 56 71 71
(備考)
当該事業は(財)日本薬剤師研修センターが行っている研修業務への補助事業である。

2.評価
(1) 現状分析
現状分析
 国民から信頼される安全な医療を提供するため、医療技術の進歩等に伴い、医療従事者の資質の向上が求められているが、このような中で医師については平成16年度から、歯科医師についても平成18年度から臨床研修制度の必須化を行い、一層の資質の向上を図っている。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 医師及び歯科医師の臨床研修について、研修に必要な運営費等の補助、臨床研修指導医養成講習会の実施等により、内容の充実が求められている。臨床研修の履修については、医師は平成16年度から必修化され、歯科医師についても平成18年度から必修化されることとなっている。
 医療従事者に対する研修等の充実という目標に対し、毎年度、着実に一定レベルの研修会等の実施回数及び講習会修了者数の実績を重ねており、概ね目標に沿った事業効果を上げているものと考える。
 薬剤師に対する実務研修についても、15年度も14年度と同程度の人数に対し研修が実施され、これにより医療現場において必要とされる知識・技能・態度が改善され、薬剤師の資質の向上が図られている。
政策手段の効率性の評価
 医療従事者、養成所教員等に対して研修を実施することにより、医療現場における医療従事者の技術の向上が、また、基礎教育を通じての医療従事者の質の向上が相乗的に果たされており、効率的に医療従事者の資質の向上が図られている。
総合的な評価
 各種講習会において昨年と同程度の修了者数を維持し、また、中には修了者数が昨年よりも増加した講習会もあることから、各種研修の実施、臨床研修の補助等、現在講じている施策により、医療従事者の資質の向上が図られ、施策目標の達成に向けて進展があったものと考えられる。
 しかし、医療技術の進歩等に伴い、今後とも臨床研修や講習会の実施等により、医療従事者の質の向上を図る必要がある。
評価結果分類 分析分類
(3) (2)

3.特記事項
(1) 学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 「医道審議会医師分科会医師臨床研修検討部会」(平成14年5月中間取りまとめ)、「医療関係者審議会歯科医師臨床研修部会」(平成11年2月意見書提出)、「薬剤師問題検討会」(平成14年6月設置)、「新医師臨床研修制度ワーキンググループ」(平成14年6月設置)「新人看護職員の臨床実践能力の向上に関する検討会」(平成15年9月設置)

(2) 各種政府決定との関係及び遵守状況
 なし。

(3) 総務省による行政評価・監視等の状況
 なし。

(4) 国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 平成12年11月30日参議院国民福祉委員会「医療法等の一部を改正する法律案」の審議において、「医師及び歯科医師の臨床研修については、インフォームドコンセントなどの取組や人事教育を通じて医療倫理の確立を図るとともに、精神障害や感染症への理解を進め、更にプライマリーケアやへき地医療への理解を深めるなど全人的、総合的な制度へ充実すること。その際、臨床研修を効果的に進めるために指導体制の充実、研修医の身分の安定及び労働条件の向上に努めること。」との附帯決議がなされている。
 平成8年6月17日参議院厚生委員会「薬事法等の一部を改正する法律案」の審議において、「薬学教育や研修の充実に努めること。」との附帯決議がなされている。また、平成14年7月24日衆議院厚生労働委員会「薬事法及び採血及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律案」の審議において、「医薬品技術の高度化をはじめとする保健医療の重要な担い手としての必要な資質を有する薬剤師が求められることを踏まえ、薬剤師の生涯研修の拡充、薬剤師国家試験の受験資格の見直し、薬学を履修する教育課程の在り方等について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。」との委員会決議がなされている。
 薬剤師の資質の向上に関しては、平成16年5月13日参議院厚生労働委員会及び平成16年6月11日衆議院厚生労働委員会「薬事法等の一部を改正する法律案」の審議において、「卒後教育の一環として実務研修の充実・改善を図ること。」との附帯決議がなされている。

(5) 会計検査院による指摘
 なし。


トップへ
戻る