事業評価書( |
| ・事後) |
評価対象(事業名) | 女性のがん緊急対策:女性のがん検診及び骨粗鬆症啓発普及等事業 | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 老健局老人保健課 |
関係部局・課 | 健康局総務課生活習慣病対策室 |
番号 | ||
基本目標 | 9 | 高齢者ができる限り自立し、生きがいを持ち、安心して暮らせる社会づくりを推進すること |
施策目標 | 3 | 高齢者の健康づくり・生きがいづくりを推進するとともに、生活支援を推進すること |
I | 高齢者の介護予防、健康づくり・生きがいづくり及び社会参加の支援を推進すること |
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市町村が実施する「乳がん検診」及び「子宮がん検診」について、受診率の向上及び死亡率減少効果のある検診を推進するため、適齢層への啓発活動を展開するとともに、休日や夜間等における検診の利便性の向上等を通じた受診率向上のための啓発事業等を行い、女性の健康支援対策を推進する。 また、寝たきり原因の第1位が脳卒中、第2位が老衰、第3位が骨折であり、骨粗鬆症は高齢社会が抱える問題の一つとなっている。その予防対策を行うことは、高齢期において寝たきりとなることを予防し、ひいては要介護状態とならないことにつながるものである。骨粗鬆症予防は、骨の成長過程で対策を実施する必要があるため、若年者に対しての啓発事業を実施する。 ・事業内容
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H13 | H14 | H15 | H16 | H17 | ||||||||||||||||||
− | − | − | − | 284 |
(1)現状分析 乳がんは、女性のがん罹患率の第1位となっており、年間約3万5千人が発症し、約1万人が死亡しており、子宮がんは年間約7千人が罹患し、約2千人が死亡している。また、要介護認定の要支援、要介護1の者が大きく増加しているが、要介護状態への契機となりうる骨粗鬆症への対策の重要性は高い。 このような現状の中で、これらの疾病に対応した検診が重要であるが、2002年度に市町村が実施した乳がん検診の受診者は約334万人(受診率12.4%、そのうちマンモグラフィによる受診者は約56万人、受診率2.1%)、子宮がん検診の受診者は約386万人(同14.6%)、骨粗鬆症検診の受診者は約8万人となっており、受診者数及び受診率は低い状況にある。 (2)問題点 受診率が低い。 (3)問題分析 検診を受けない理由として、以下のものが考えられる ・自分には関係ないと思っている女性が多い。 ・検診を行っていることを知らない。 ・がん、骨粗鬆症の知識が少ない。 ・女性のがんや骨粗鬆症についての情報に触れる機会が少ない。 (4)事業の必要性 受診率の向上によって死亡者数を減少させるためには、地域住民などの関係者に対し、女性のがんや骨粗鬆症に関する正しい知識を普及させるための組織的な啓発活動を行うとともに、検診の実施等に関する情報提供を行うことが必要である。 |
目標達成年度 | |||||||
政策効果が発現する時期 | 平成17年度 | ||||||
アウトカム指標 | H17 | H18 | H19 | H20 | H21 | 目標値/基準値 | |
乳がん患者発見数(マンモグラフィ) | 2,000 | 3,200 | 4,300 | ||||
子宮がん患者発見数 | 3,100 | 3,200 | 3,300 | ||||
骨粗鬆症検診要精検者数 | 7,600 | 9,500 | 11,300 | ||||
(説明) 乳がん・子宮がん患者発見数及び骨粗鬆症検診要精検者数を増加させる。 |
(モニタリングの方法) 地域保健・老人保健事業報告 |
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アウトプット指標 | H17 | H18 | H19 | H20 | H21 | 目標値/基準値 | |
乳がん受診者数(マンモグラフィ) |
100万人 | 170万人 | 200万人 | ||||
子宮がん受診者数 | 390万人 | 400万人 | 410万人 | ||||
骨粗鬆症受診者数 | 20万人 | 25万人 | 30万人 | ||||
(説明) 乳がん・子宮がん・骨粗鬆症受診者数を増加させる。 |
(モニタリングの方法) 地域保健・老人保健事業報告 |
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参考指標(過去数年度の推移を含む) | H11 | H12 | H13 | H14 | H15 | ||
乳がん受診者数(マンモグラフィ) | − | 31万人 | 49万人 | 56万人 | |||
子宮がん受診者数 | 351万人 | 359万人 | 383万人 | 386万人 | |||
骨粗鬆症受診者数 | 1.5万人 | 6.7万人 | 8.0万人 | 8.3万人 | |||
(説明) 過去の乳がん・子宮がん・骨粗鬆症受診者数。 |
(モニタリングの方法) 地域保健・老人保健事業報告 |
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から) |
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(理由) 国民の生命を守ることは国に与えられた責務であり、民間のみならず、がん、骨粗鬆症対策の啓発の進展のため、高い公益性からの公的支援が求められる。 |
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国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から) |
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(理由) 全国的な展開及び普及が必要であるため。 |
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民営化や外部委託の可否 |
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(理由) 啓発に関するポスターやパンフレットの発行は、民間に外部委託することが考えられる。 |
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緊要性の有無 |
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(理由) 年間約1万人が乳がんで、約2千人が子宮がんで死亡しており、検診による早期発見により、死亡率を減少させることが急務である。 また、寝たきり要因の1つである高齢期の骨折の予防のため、検診受診者のうち特に骨粗鬆症の進行が見られる者に対して、早急に警告を発するとともに、思春期における生活習慣改善のための啓発活動を行うことが急務である。 |
政策効果が発現する経路 |
乳がん及び子宮がんに関する啓発活動に対する補助を行い、女性の関心を高めることにより、受診率が向上し、死亡率の減少効果が見込まれる。 骨粗鬆症に関する啓発活動に対する補助を行い、女性の関心を高めることにより、受診率が向上し、高齢期の骨折による要介護者の減少効果が見込まれる。 |
これまで達成された効果、今後見込まれる効果 |
・今後見込まれる効果 乳がん及び子宮がんについては、啓発活動により検診受診者が増加し、受診率が上昇することにより、死亡率を減少させることが期待される。 骨粗鬆症については、高齢に達してからの骨折を原因とする要介護者を減少させることが期待される。 |
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項 |
<波及効果> 乳がん及び子宮がんに関する啓発活動については、女性の健康づくり、ひいては働く女性の支援に資する。なお、副次的効果として、少子化対策にも有効であると考えられる。 |
手段の適正性 | |||||
都道府県における啓発活動を確実に実施することにより、がんによる死亡者を減少させ、若い女性の骨粗鬆症に対する意識を高め、また高齢期における骨折による要介護者の増加を抑制することができる。 | |||||
費用と効果の関係に関する評価 | |||||
乳がん及び子宮がんについては、啓発活動により検診受診者が増加し、受診率が上昇することで、早期発見により、死亡率の減少及び医療費の効率化が見込まれる。 骨粗鬆症については、高齢に達してからの骨折を原因とする要介護者を減少させることにより、介護給付費の効率化が見込まれる。 |
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他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無 |
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(有の場合の整理の考え方) |
なし。 |
3.特記事項
(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項 老健局長の私的検討会である「がん検診に関する検討会」(座長:国立がんセンター総長垣添忠生)の中間報告書(平成16年3月)によると、
経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004(平成16年6月4日閣議決定) において、明るく活力ある社会を構築するため、女性層、高齢者層などを対象とした生活習慣病対策及び介護予防について、平成17年度からの10か年戦略(「健康フロンティア戦略」)として、関係府省が連携して重点的に政策を推進することが決定されている。 (3)総務省による行政評価・監視等の状況 なし。 (4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等) なし。 (5)会計検査院による指摘 なし。 |