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(整理番号 21)
事業評価書(
事前
・事後)
平成16年8月

評価対象(事業名) 若者自立塾(仮称)創出推進事業の創設について
担当部局・課 主管部局・課 職業能力開発局育成支援課キャリア形成支援室
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること
施策目標 労働者の就業状況等に対応した多様な職業訓練・教育訓練の機会の確保を図ること
II 若年者の職業能力開発を推進すること

(2) 事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 社会生活や職業生活の前提となる生活態度や就労意識が欠如し、親への依存から脱却できないため、教育訓練も受けず就労することもできないでいる若年者等に対し、合宿形式による集団生活の中で生活訓練や労働体験等を通じて、職業人、社会人としての基本的能力の獲得、勤労観の醸成を図り、働くことについての自信と意欲を付与することとする。
予算概算要求額(単位:百万円)
H13 H14 H15 H16 H17
2,744

(3) 問題分析
(1)現状分析
 近年、若年者については、フリーターや無業者が増加しているほか、高い離職率等の問題が生じており、このような状況が続けば、若年者の職業能力の蓄積を妨げ、将来的には、経済社会に大きな影響を与えかねない状態となっている。
 (参考)

 ○ フリーター数  1992年101万人 → 2002年193万人
 ○ 無業者数  大卒無業比率 1992年5.7%→2002年21.7%(約12万人)
 高卒無業比率 1992年4.7%→2002年10.5%(約14万人)
 ○ 高い離職率(7・5・3現象)
 就職後3年以内の離職率が中卒7割、高卒5割、大卒3割

(2)問題点
 背景として、(@)キャリア意識を涵養する職業教育や、就職に当たっての職業情報の提供、指導・助言等の機能が不足していること、(A)少子化、核家族化の進展により、集団生活に馴染めないまま成人し、社会的な不適応を引き起しやすくなっていること、(B)親がその状態を許容していること等が挙げられる。
(3)問題分析
 就労意欲等が著しく低い若年者に対し、社会の基本ルールを体得させ、精神力、社会性を身に付けさせること、働くことの価値に気付かせることが重要である。
(4)事業の必要性
 このような問題に鑑み、若年者に対し、合宿形式による集団生活の中で生活訓練、労働体験等を行わせ、社会人として基本的な能力等を付与し、職業意識を涵養していくことが必要である。

(4) 事業の目標
目標達成年度 年度
政策効果が発現する時期 17年度
アウトプット指標 H17 H18 H19 H20 H21 目標値/基準値
実施箇所数(箇所) 40          
入塾生数(人) 2,400          
(説明) (モニタリングの方法)
 事業実施報告
アウトカム指標 H17 H18 H19 H20 H21 目標値/基準値
就職、訓練受講等への移行率(%)            
(説明)
当該指数を確認することにより、当該事業の対象となる若年者の就業意識を啓発するための支援状況の確認が可能
(モニタリングの方法)
 事業実施報告
参考指標(過去数年度の推移を含む) H11 H12 H13 H14 H15
           
(説明)

(モニタリングの方法)



2.評価

(1) 必要性
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 本事業は、職業生活の前提となる生活習慣や就労意欲が低い若年者に対し、職業生活に必要となる能力を付与し、職業意識を啓発するものであるが、これにより、若年者自身の安定的な就労と、キャリアの形成を促進するとともに我が国の良質な労働力の確保、経済の安定・拡大に資するものであることから、公益性を有する。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)
 若年者の職業的自立を促すための支援については、地域の実情に応じて、地域が主体となって行うものと考えるが、本事業のように合宿形態を基本とする取組については、現段階ではほとんど行われておらず、ノウハウ等が蓄積されていない。このような若年者支援の取組を全国に普及するため、本事業では、地域レベルで実施しようとする取組のうち、効果が期待できるものについて国が支援し、その結果を普及していくことととしており、国と地方の役割分担は適当である。
民営化や外部委託の可否
   否
(理由)
 本事業は、若年者支援に関する経験、ノウハウ等を有するNPO法人等民間団体の取組に対し、国が支援するものであり、また、合宿先等についても可能な限り民間を活用することとしているものである。
緊要性の有無
   無
(理由)
 無業者、フリーター等が増加していること、無業期間や目的意識の低いフリーター期間が長期化していることは、若年者の職業能力の蓄積等を妨げ、雇用安定上の問題を引き起こすだけでなく、経済社会を担うべき人材の不足をもたらし、経済の脆弱化に繋がるおそれがあることから、緊急に対応することが必要である。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
(1)本事業のスキームに合致する若年者支援の取組を行う民間団体を国が支援する。
(2)(1)の支援を受けた若年者には、支援を通じて、社会人としての基本的なルール、能力が身に付き、勤労観が醸成される。支援終了後、職業紹介機関、訓練機関等に誘導される。
(3)(2)の結果、これまで生活態度、職業意識が著しく欠如していた若年者が、安定的な雇用へと導かれ、キャリア形成が促進される。
(4)さらに、上記のような取組を全国に普及していくことにより、より多くの若年者が支援を受け、安定的な雇用等へと導かれる。
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 本事業の支援の対象となった若年者の円滑な職業生活への移行、職場不適応の防止、さらに安定的な雇用、主体的なキャリア形成が見込まれる。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 特になし。

(3) 効率性
手段の適正性
 合宿形式で行うことは、親と切り離し集団生活の中で生活規律を身につけ、自立した社会人として自覚を促すためにも効率的であり適正である。
費用と効果の関係に関する評価
 本事業は、NPO法人等民間団体が従来より持つ機能・ノウハウを活用して実施するものであり、より少ない費用で一定の効果が得られるものと思料している。また、「合宿」施設については、新たに設置するのではなく、既存のものを活用することとしている。
 本事業の実施に当たっては、民間団体が提案する企画の中から優れたものを選定する方式をとることとしており、更に事業の実施により得られたノウハウを全国に普及することで、同様の取組が円滑に進められるようになることも期待できることから、費用対効果は高い。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
  
(有の場合の整理の考え方)


(4) その他
 



3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 特になし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況

 「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」において「フリーター・無業者を重点に若年者の雇用・就業対策を強力に推進するとともに、個人の選択を機能させた若年者の能力開発施策の拡充、……を行う」「働く意欲の涵養、向上を図る取組、労働体験や職場定着の推進のための施策など、若年者に働く意義を実感させ、その意欲や能力を高める総合的な対策を講じる」とされているところである。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
 特になし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 特になし

(5)会計検査院による指摘
 特になし


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