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(整理番号 19)
事業評価書(
事前
・事後)
平成16年8月

評価対象(事業名) ホームレス就業支援事業(仮称)
担当部局・課 主管部局・課 職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課
関係部局・課  


1.事業の内容
(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 経済・社会の変化に伴う多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること
施策目標 労働者の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること
V 就職困難者等の雇用の安定・促進を図ること

(2) 事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 全国でもホームレスが多数存在する地域において、野宿生活を余儀なくされているホームレスのうち就業意欲がある者を対象に、就業支援相談やホームレスの就業ニーズに合った仕事の開拓・提供、職場体験講習を、地方公共団体等で構成される協議会への委託により実施し、就業機会の確保を支援する。具体的には、以下の支援を実施する。
(1) 就業支援相談
 就業支援相談員を配置し、就業を支援するための相談を実施する。
(2) 就業機会確保支援
 企業や商店街等から清掃の仕事等の開拓・提供等を行う。
(3) 職場体験講習
 ホームレスが従事しやすい職域、例えば、過去の職業経験を活かせる分野、比較的軽作業の分野等の仕事がある企業等の職場を実際に体験してもらうことにより、ホームレスと企業等の相互理解を深め、就業機会の確保を図る。
予算概算要求額(単位:百万円)
H13 H14 H15 H16 H17
145

(3) 問題分析
(1)現状分析
 平成15年3月に公表されたホームレスの実態に関する全国調査(厚生労働省社会・援護局)の結果によると、すべての都道府県でホームレスが確認され、全国でのホームレスの数は、25,296人であった。ホームレスとなった主な理由として、「仕事が減った」が35.6%、次いで「倒産・失業」が32.9%と仕事関係が多くを占めており、ホームレスの増加は、現下の厳しい経済情勢が主な原因であると考えられる。
 また、今後の望む生活については、「きちんと就職して働きたい」が49.7%と約5割を占め、就業機会の確保を望む者が多数いることが確認された。
(2)問題点
 就業機会の確保を望む者が多数いる中、自立支援センター入所者に対しては、職業相談や技能講習等の就業による自立支援策を講じているが、野宿生活を余儀なくされている者のうち就業意欲がある者に対しては、これまで、必ずしも有効な対策を講じていない。
(3)問題分析
 野宿生活を余儀なくされている者のうち、就業意欲があり、自立支援センターへの入所を希望している者等については、就業機会を得ることが困難な状況にある。
(4)事業の必要性
 野宿生活を余儀なくされている者の中には、就業意欲がある者が多数存在しており、これらの者に対する就業機会の確保策を講じる必要がある。

(4) 事業の目標
目標達成年度  
政策効果が発現する時期  
アウトカム指標 H17 H18 H19 H20 H21 目標値/基準値
就業者数            
(説明)
 本事業により就業した者の数
(モニタリングの方法)
 業務報告により把握


2.評価

(1) 必要性
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)近年の経済情勢を背景として、大都市部を中心に公園、河川敷等で野宿生活を送るホームレスが増加傾向にあり、大きな社会問題となっている。就業機会の確保を支援することは、ホームレス問題の解決に資するものであり、公益性は高い。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
 無 その他
(理由)「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」において、ホームレスの自立の支援等に関する施策の実施に当たっては、国と地方公共団体は相互の緊密な連携の確保に努めることとなっており、国の関与が必要である。
民営化や外部委託の可否
   否
(理由)本事業は、地方公共団体等で構成される協議会への委託により実施する。
緊要性の有無
   無
(理由)全国のホームレスの数は、平成15年調査では、25,296人となっており、現下の厳しい経済情勢の下、ホームレスの就業機会の確保策については、早急な対応が必要である。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 就業支援相談による相談者の就業の意思等の把握 → 相談者個々の状況に応じた各種支援(清掃等の仕事の提供、職場体験講習) → 就業機会の確保
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 本事業を実施することにより、自立支援センターに入所していないホームレスに対しても就業支援が可能となり、多くの就業意欲のあるホームレスの就業機会の確保が見込まれる。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
なし

(3) 効率性
手段の適正性
 ホームレスの自立のためには、就業機会の確保が最も重要であり、就業意欲がある者については、自立支援センター入所者以外の者に対しても就業支援が必要であり、ホームレス対策に関しノウハウを有する地方公共団体等で構成される協議会を主体として実施する本事業は手段として適正である。
費用と効果の関係に関する評価
 本事業は、ホームレスの就業機会を確保するという効果を得るものであるが、この実施にあたっては、ホームレス対策に関しノウハウを有する地方公共団体等で構成される協議会へ委託して実施することにより、最低限の費用で効果を得るものである。
他の類似事業(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
  
(有の場合の整理の考え方)


(4) その他
 なし



3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 なし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
 なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 第154回国会において「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が平成14年7月31日に成立、同年8月7日施行。

(5)会計検査院による指摘
 なし


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