戻る

(5−1−II)
実績評価書
平成15年8月

政策体系 番号  
基本目標 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること
施策目標 雇用の安定・拡大をはかるための職業能力開発の枠組みを構築すること
II 職業能力開発に関する情報の収集、整理及び提供の体制を充実強化すること
担当部局・課 主管部局・課 職業能力開発局総務課基盤整備室
関係部局・課 職業能力開発局キャリア形成支援室、職業意識啓発推進室


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1  若年者に対するキャリア形成支援を総合的に行う中核的な拠点として「私のしごと館」を運営すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 若年者を中心に様々な職業体験機会を提供するとともに、学校、企業、地域社会や他の若年者支援施設・機関とも連携しながら、職業に関する情報提供や職業生活設計に関する相談・援助等を行い、キャリア形成を総合的に支援することを目的として、15年3月30日に「私のしごと館」の運営を開始した。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
同館の利用者数(人) 3,282
(備考)
 14年度は3月30日(運営開始日)及び31日の2日間。
実績目標2  キャリア形成支援コーナーを拠点として、労働者、事業主に対するキャリア形成に係る情報の収集、整理及び提供を行うこと
(実績目標を達成するための手段の概要)
 各都道府県に設置されているキャリア形成支援コーナー及び公共職業安定所において、キャリア形成に係る情報の収集を行い、これらを整理し、労働者・事業主に対し提供する。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
キャリア形成支援コーナー及び公共職業安定所における相談援助・情報提供件数 91,150 1,077,536
(備考)
 雇用・能力開発機構調べ。
 13年10月にキャリア形成支援コーナー設置のため、13年度は半年間の件数。
 14年1月に公共職業安定所等に配置した能力開発支援アドバイザーによる相談等の数値を含む。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 労働移動の増加等により、これまでのような企業主導の能力開発だけでは限界が生じてきている。また、労働者に求められる職業能力は、企業内外を問わず通用するものへと変化してきている。このような中、労働力需給における職業能力のミスマッチを解消し、雇用の安定を図るためには、労働者個人が適切な情報を入手したり、自らの職業能力を確認しつつ、その職業生活設計に即して職業訓練・教育訓練を受け、キャリア形成を図っていく必要がある。
 このため、労働市場が有効に機能するためのインフラストラクチャーの1つとして、職業能力開発に関する情報の収集、整理及び提供のための体制強化が必要となっている。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
(実績目標1)
 「私のしごと館」の開館準備については、企業の第一線の職員から構成されるアドバイザリィ会議、さらには個別業種団体や企業からの意見等を受けながら進めた。また、同館の事業の実施にあたっては、ハローワークや雇用・能力開発機構都道府県センター、職業能力開発施設はもちろんのこと、地方自治体、学校等の関係機関との緊密な連携を図ることとしているところである。
 これらにより、産業界のニーズを反映しつつ主に若年者の職業意識を啓発し、適職選択による就職やその後の職業生活設計及び職業能力開発を含めたキャリア形成を総合的に支援しているものとなっており、有効であるといえる。
(実績目標2)
 キャリア形成支援コーナー等においては、公共・民間で実施する訓練の設定状況・訓練内容、企業内における労働者のキャリア形成を支援するための具体的な取組等、労働者のキャリア形成支援に資する情報を収集、整理した上で、相談内容、ニーズに応じた情報を労働者、事業主に対して提供していることから、本施策は施策目標の達成にあたり有効であると評価できる。
政策手段の効率性の評価
(実績目標1)
 「私のしごと館」においては、
 (1)利用者が実際の職業をリアルに体感できるよう、シミュレーションを含め本物の職場等を再現し、一時に多種多様な職業体験機会を提供するとともに、
 (2)キャリア・コンサルティング、若年者のキャリア形成支援に係る研修・セミナー、プログラム・ツールを開発・普及
といった幅広い関連の事業を実施しており、若年者のキャリア形成を総合的に支援する拠点となっている。同時に、
 (3)館内のみならず全国に対し、インターネット等を活用した、幅広く、分かりやすい職業情報を提供すること
により、効率的な運営を図っている。
(実績目標2)
 キャリア形成支援コーナーにおいては、雇用・能力開発機構が収集した情報を、整理し提供しているものであり、効率的な運営となっている。また、全国のキャリア形成支援コーナーやハローワーク等においてキャリア形成支援に係る情報の収集ができ、かつ提供できる点からも、効率的といえる。
総合的な評価
 「私のしごと館」については、
 (1)施設・設備やプログラム・ツールが、産業界の実態を反映した内容のものであること
 (2)若年者が様々な職業に関する体験や職業情報を体系的に収集していること
などから、的確なキャリア形成を行うことを支援する拠点としての効果は大きいものと考えられる。
 キャリア形成支援コーナー等においては、労働者、事業主等に対するキャリア形成に係る情報を収集し、整理した上で、それぞれのニーズ等に応じた情報提供等を実施する体制を整備しており、労働者個人のキャリア形成を進める上で評価できる。
 以上により、施策目標の達成に向け進展はあったと考えられるものの、目標達成の状況を判断するには、引き続き事業を実施し更に一定期間様子をみる必要がある。
評価結果分類 分析分類
(3) (2)


3.政策への反映方針

 「私のしごと館」については、若年者に対するキャリア形成の中核的な拠点として、他の若年者支援施設とも連携を図りつつ、社会ニーズを反映しながら各事業を実施していく。また、15年10月に本格的開館を迎え、一層の事業充実を図り、利用者数の増加による入館料等の収入増加を目指すとともに、効率的な実施を図ることとする。
 キャリア形成支援コーナー等については、引き続き労働者のキャリア形成に関する情報の収集、提供等を行うこととするが、情報提供等の結果が、労働者の訓練受講や、事業主による労働者のキャリア形成支援につながったか等の観点から本施策を点検する仕組みを取り入れるなど、コーナーの一層の充実を図りつつ所要の見直しを実施する。
反映分類
(4)


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
@平成3年9月「若年者等の職業意識に関する懇談会」(「私のしごと館」)
A平成5年2月「働きがいと技能尊重に関する有識者懇談会」(「私のしごと館」)
B平成8年5月(第1回)・8年12月(第2回)・9年12月(第3回)・10年6月(第4回)・12年12月(第5回)・14年3月(第6回)・14年11月(第7回)「私のしごと館開設推進有識者会議」(「私のしごと館」)
(注:第1回〜第5回会議までは、「勤労体験プラザ(仮称)開設推進有識者会議」)

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 (「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)
特になし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
特になし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、附帯決議等)
特になし

(5)会計検査院による指摘
特になし


トップへ
戻る