政策体系 | 番号 | |
基本目標 | 4 | 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること |
施策目標 | 3 | 労働者等の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること |
V | 就職困難者等の雇用の安定・促進を図ること | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 職業安定局雇用開発課 |
関係部局・課 | 職業安定局高齢・障害者雇用対策部企画課 | |
関係部局・課 | 職業安定局雇用保険課 |
1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 | 就職困難者等の円滑な就職等を図ること | ||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 就職困難者等の円滑な就職等を図るため下記の事業を実施している。
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
特定求職者雇用開発助成金支給決定件数 (件) |
167,325 | 265,620 | 259,280 | 188,400 | 122,938 | ||||||||
254,279 | 399,736 | 267,206 | 209,078 | 183,098 | |||||||||
特定求職者雇用開発助成金支給決定金額 (百万円) |
57,110 | 85,598 | 88,169 | 65,900 | 39,575 | ||||||||
94,700 | 139,707 | 100,130 | 82,273 | 72,843 | |||||||||
(備考)
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
ホームレス等試行雇用の実施件数 (件) |
− | − | − | − | − | ||||||||
ホームレス等試行雇用を経由して就職した件数 (件) |
− | − | − | − | − | ||||||||
(備考)
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
日雇技能講習の受講者数(人) | − | − | − | 852 | 1,379 | ||||||||
(備考)
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
母子家庭の母試行雇用奨励給付金支給決定件数(件) | − | − | − | − | 0 | ||||||||
− | − | − | − | − | |||||||||
母子家庭の母試行雇用を経由して就職した件数(件) | − | − | − | − | 0 | ||||||||
− | − | − | − | − | |||||||||
(備考)
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実績目標2 | 不良債権処理の加速に伴う離職者の円滑な就職等を図ること | ||||||||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 不良債権処理が加速化される中で、不良債権処理の影響により離職を余儀なくされる者に対する体系的な再就職支援(不良債権処理就業支援特別奨励金を活用した常用雇用支援・トライアル雇用支援・起業支援、民間活用による再就職支援、個別求人開拓)を行う。また、雇用保険受給者が、支給残日数を2/3以上残して常用就職した場合、早期再就職者支援金として支給残日数の4割に相当する日数分の基本手当の額を支給する。 |
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
不良債権処理就業支援特別奨励金の支給決定人数 (人) |
− | − | − | − | − | ||||||||
不良債権処理就業支援特別奨励金の支給決定金額 (百万円) |
− | − | − | − | − | ||||||||
(備考)
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
民間再就職支援事業の支援対象者数(人) | − | − | − | − | 0 | ||||||||
− | − | − | − | ※ | |||||||||
(備考)
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
個別求人開拓推進事業の開拓求人数(人) | − | − | − | − | 3,597 | ||||||||
− | − | − | − | − | |||||||||
(備考)
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 | ||||||||
早期再就職者支援金支給者数(人) | − | − | − | − | 0 | ||||||||
早期再就職者支援金支給決定金額 (百万円) |
− | − | − | − | 0 | ||||||||
(備考)
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2.評価
(1) 現状分析
また、これらの就職困難者等の他に、「金融再生プログラム」(平成14年10月30日、金融庁)において、目標として「平成16年度には、主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させ、問題の正常化を図る」とされていることから、不良債権処理の加速化に伴い、離職者を余儀なくされる者に対する体系的な再就職支援を行う必要がある。なお、不良債権処理の加速に伴う離職者として支援の対象となっている雇用調整方針対象者は、平成15年3月末日現在で、2,477人となっている。 雇用保険受給者については、実人員が平成13年度(1,106千人)に比べて、平成14年度(1,048千人)は減少しているものの、依然として高い水準にある。また、平成12年度においては、雇用保険受給者の就職時期は支給終了後1ヶ月以内が最も多くなっており、早期再就職がなされていない状況にある。 |
(2) 評価結果
特定求職者雇用開発助成金は、高齢者、障害者その他就職が特に困難な者を継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対する助成措置であり、これらの円滑な就職促進に有効である。平成14年度は、計122,938件の支給があり、第1期支給決定件数は57,072件となっていることから、約6万人の高齢者、障害者等の雇用促進に資している。また、雇入れ後の助成金対象労働者の定着状況をサンプル調査(平成11年8-9月に雇い入れられた者100名を対象。平成13年10月実施)したところによると、定着状況は雇入れ後1年で80%、2年で71%と、一般労働者の定着状況の割合より高くなっている。なお、平成14年4月より、近年の多様な就労形態に対応するため、高齢者、重度障害者、精神障害者に限らず、全対象労働者について短時間労働被保険者としての雇い入れを支給対象とすることとし、制度の充実を図ったところであり、平成14年度は支給対象となる短時間労働被保険者として約3千人が雇用された。 日雇労働者については「技能・知識・経験の不足」のような理由で不採用になる者がいることから、資格や免許等の取得させるため講習を実施することは、これらの者の円滑な就職の促進に有効な手段であり、受講者数は、平成13年度から平成14年度にかけて約500人増加し、1,379人となっており、これらの者の就業への可能性を高めた。 母子家庭の母トライアル雇用事業は、就職を希望する母子家庭の母と求人者が相互に十分な理解が出来る期間を確保できるため、母子家庭の母の円滑な就職の促進手段として有効であるが、平成14年度(平成15年2月事業開始)の雇用開始者が9人と活用実績が乏しかった。これは制度創設後2か月間における制度周知、受入事業所の開拓等が十分でなかったためと考えられる。 不良債権処理就業支援特別奨励金は、雇用調整方針対象者の雇入れ等に対する助成措置であり、これらの者の円滑な就職等の促進手段として有効であるが、支給対象者の最初の発生が平成15年1月であり、雇い入れ日から起算して3か月経過後に支給申請を行うものであるため、平成14年度の支給はなく、現段階では評価できない。今後の実績を注視していく。 民間再就職支援事業は、雇用調整方針対象者のうち、民間のノウハウの活用が有効と判断される場合に、対象者本人の希望に応じて、きめ細かな就職支援サービスを民営職業紹介事業者に委託して実施するものであり、これらの者の円滑な就職の促進手段として有効であるが、平成15年2月10日に開始したばかりの事業であり、十分な周知がなされていないこと及び支援対象となる中小企業事業主からの雇用調整方針対象者数が420名(平成15年3月末現在)と少数であったため、平成14年度の利用実績はなかった。 個別求人開拓推進事業は、不良債権処理の影響により離職を余儀なくされる者の個別のニーズに対応した求人開拓により、就職に確実に結びつけることを目指すものであり、これらの者の円滑な就職の促進手段として有効であるが、雇用調整方針対象者が少なく(2,477人:平成15年3月末現在)、対象者個々のニーズに応じた個別の求人開拓は少ないと考えられるが、全体として対象者に提供しうる求人数の開拓はなされており、再就職の支援に効果があったものと考えられる。 早期再就職者支援基金事業については、再就職手当は支給残日数が1/3以上の場合に、その30%に相当する基本手当の額が支給されるのに対して、本支援金は支給残日数が2/3以上の場合にその40%に相当する基本手当の額が支給されることから、本支援金は雇用保険受給者の早期再就職を図るために有効な手法であるが、平成15年3月からの事業であり、支給要件確認に相当期間を要したため、平成14年度中には支給実績はなかった。 (参考)
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特定求職者雇用開発助成金は、より就職が困難な重度障害者等には助成率、助成期間が手厚くなっており、また、雇い入れを行う企業の規模により、中小企業に対して高率助成を行うなど、効率的な実施がなされている。なお、精神障害者については、就職困難な実情を踏まえ、平成14年4月より重度障害者等と同様に助成率、助成期間を手厚くし、また、全対象労働者について短時間労働被保険者としての雇い入れを支給対象とし、近年の多様な就労形態に対応を図るなど、効率的な運用がなされている。 日雇労働者等技能講習事業については、求人側のニーズやホームレスの就業ニーズを踏まえた必要な講習科目の設定に努め、事業の効率化を図っている。 母子家庭の母トライアル雇用事業については、求職者である母子家庭の母と求人者が相互に十分な理解が出来る期間を確保するトライアル雇用を実施した場合に母子家庭の母試行雇用奨励金を支給することにより、事業主の負担の軽減が図られることから、効率的なものとなっている。 実績目標2について 不良債権処理の加速化に伴う離職者の再就職支援については、早期再就職を図る緊急性の高い離職者を支援対象者として、不良債権処理就業支援特別奨励金の活用、支援対象者の多様なニーズに応じた民間活用による再就職支援、個別求人開拓等により総合的かつ重点的な支援を行う効率的な仕組みといえるが、いずれも平成14年度後半に開始した事業であり、若干の実績はあるものの、現段階では事業全体についての効率性の評価はできない。 早期再就職者支援基金事業については、雇用保険受給者が再就職した場合、雇用保険の基本手当の支給残日数が2/3以上の場合には早期再就職者支援金が、1/3以上2/3未満の場合には雇用保険の再就職手当が支給されるが、前者が支給される場合には後者は支給されないことから施策の重複はない。また、早期再就職者支援金は支給残日数の4割に相当する日数分の基本手当日額を、雇用保険の再就職手当は支給残日数の3割に相当する日数分の基本手当日額を、それぞれ支給するものであることから、早期再就職者支援金は給付率が高いため早期再就職が促進されれば、その分の雇用保険の基本手当の支給が減少し、全体として国の支出も減少することから、効率的である。 | |||||
なお、個別事業の留意点等については、以下のとおり。 日雇技能労働者等講習事業について、日雇労働者に対し、一定の効果が認められたため平成15年度からは自立支援センターに入所しているホームレスも対象に拡大する見直しを実施した。 母子家庭の母トライアル雇用事業については、事業主に対する制度周知、受入事業所の開拓等が十分でなかったと考えられることから、周知を徹底するとともに、受入事業所の積極的な開拓を行うことが必要である。 不良債権処理就業支援特別奨励金、民間再就職支援事業については、(1)不良債権処理の影響により雇用調整を余儀なくされる事業主から雇用調整方針が適時適切に提出されること、(2)雇用調整方針対象者に対する再就職支援が有効に機能すること、の2点が必要であることから、金融機関や事業主団体等を通じた事業主に対する本事業の周知の強化を図ることとしたところである。 また、現時点における雇用調整方針対象労働者の求職活動に関する計画ないし見通しを公共職業安定所等関係機関が改めて確認し、常用紹介、トライアル雇用、個別求人開拓等個々の求職者の実情に応じた、計画性・目的性をもった再就職支援を徹底したところである。 個別求人開拓推進事業については、効果的な運営のため、求職者のニーズに応じ開拓した求人とのマッチング率を高めていくことが必要であり、より求職者の個別のニーズに合致した求人を開拓し、確実に就職・充足に結びつけるための個別求人開拓業務の見直しを行ったところである。 なお、雇用調整方針について、従来、主要行と取引関係のある事業主が作成することができるとしてきたところであるが、中小・地域金融機関が取引先企業の早期事業再生に向けた取組を進めていく中での雇用への影響に的確に対応する等のため、平成15年8月1日より、その対象となる事業主の範囲を拡大し、中小・地域金融機関と取引関係のある事業主も作成できるよう見直しを実施した。 早期再就職者支援基金事業については、平成14年度補正予算により措置され、平成15年3月に開始された事業であり、支給要件確認に相当期間を要したため、平成14年度は支給実績がないものの、平成14年度中に13,019件の支給申請があったため、雇用保険受給者の早期再就職を促すとともに、雇用保険財政の安定的運営の確保に資しているものと考えられることから、離職者の円滑な就職を図るという目標の達成に向けて進展があったものと判断される。
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3.政策への反映方針
特定求職者雇用開発助成金については、助成対象労働者の範囲について、労働市場の状況等を勘案し、真に援助が必要な範囲となるよう今後とも適時適切な見直しに努めるほか、本助成金によって就職困難者等の雇用促進が、実際に図られているかについても引き続き把握に努める。なお、予算額と実績額が乖離しており、適切な予算計上に留意する。 母子家庭の母トライアル雇用事業については、事業主に対する制度周知の強化、受入事業所の積極的な開拓を図るとともに、制度の適切な運営によりトライアル雇用対象者の常用移行の促進に努める。
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4.特記事項
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