政策体系 | 番号 | |
基本目標 | 2 | 安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進すること |
施策目標 | 2 | 麻薬・覚せい剤等の乱用を防止すること |
III | 脱法ドラッグの不正使用を防止するとともに、薬物依存・中毒者の治療と社会復帰を支援すること | |
担当部局・課 | 主管部局・課 | 医薬食品局 監視指導・麻薬対策課 |
関係部局・課 | 社会援護局障害保健福祉部精神保健福祉課 |
1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 | 薬物依存・中毒者に対し相談・指導を行うこと | ||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 昭和62年より覚せい剤乱用の未然防止対策の一環として、覚せい剤相談窓口事業が実施されており、各都道府県の保健所等に相談窓口を開設し、地域住民からの覚せい剤に関する相談等に応ずることとしていたが、平成11年度より名称を薬物相談窓口事業と改称し、薬物乱用の予防啓発の観点から、薬物に関する一般的な相談に応ずることとし、精神保健福祉センターでの相談業務も開始した。精神保健福祉センターでは、保健所等では対応が困難な精神保健福祉に関する複雑困難な相談指導を始め、(1)技術指導及び技術支援(2)薬物関連問題に関する知識の普及(3)薬物関連問題に関する家族教室の開催(4)個別相談指導、を実施することにより、薬物関連問題の発生予防、薬物依存者の社会復帰の促進等を図っている。 |
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 |
薬物相談窓口における相談件数(件) | 3,230 | 4,188 | 8,962 | 8,991 | 9,031 |
(−) | (−) | (4049) | (3461) | (4426) | |
(備考) 平成12年度より精神保健福祉センターにおける薬物相談件数も計上した。( )内はセンターにおける相談件数で内数 | |||||
(評価指標)薬物事犯の再犯率(覚せい剤)(%) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 |
薬物事犯の再犯率(覚せい剤)(%) | 49.1 | 50.2 | 49.7 | 51.1 | 53.1 |
実績目標2 | インターネット監視等を徹底すること | ||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 脱法ドラッグについては、急速なインターネットインフラ整備の結果、容易に、どの地域においてもインターネットを通じて購入することができるようになってきている。これらインターネットを通じ販売する場合には、未承認医薬品の流通等を禁止した薬事法に抵触する恐れがあることから、インターネット上の広告を包括的に監視する。 また、脱法ドラッグの種類によっては、麻薬に構造が類似している成分が含有されているとの情報もあり、これらを摂取することによる健康被害の発生が懸念されることから、これらの買上げ調査を実施し、成分分析を行う。 |
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(評価指標) | H10 | H11 | H12 | H13 | H14 |
警告件数 | − | − | − | 120 | 44 |
(備考) ・関係都道府県への通報件数をもって警告件数に代えている。(脱法ドラッグを含む未承認医薬品の総通報件数は、平成13年度333件、平成14年度89件である。) ・なお、件数については、本施策が平成13年度から開始されたため、それ以前の実績は不明。 |
2.評価
(1) 現状分析
薬物依存・中毒者に対する相談・指導は、精神保健福祉センターでの薬物相談窓口事業を始めてから、相談件数が約2倍に増えており、相談箇所の増加が必要とされていることがうかがえることから、相談者が来所しやすい環境づくりが今後も必要である。 インターネット広告監視を行い、関係都道府県に情報提供し、都道府県等から薬事法違反を指摘することにより、違法なインターネット広告が減少し、青少年を含む薬物乱用者が、脱法ドラッグを手に入れる手段を減少させることができる。 |
(2) 評価結果
また、平成13年度の買上げ調査により、サイロシン、サイロシビンを含有する幻覚性を有するきのこ類(いわゆるマジックマッシュルーム)について、その流通実態、麻薬成分の含有量等が明らかとなったため、平成14年5月に「麻薬、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」を改正し、改正後の「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」において、当該きのこ類を新たに麻薬原料植物として指定することとなった。(同政令は、平成14年5月7日公布、同年6月6日施行) 薬物相談窓口における相談件数は年々増えており、薬物相談窓口事業の浸透及び有効性が認められ、一定の相談・指導効果を上げている。 |
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また、買上げ調査については、全国一律で行うことにより、買い上げる製品の重複を排除することが可能であるとともに、脱法ドラッグの乱用実態を国が一元的に把握することが出来ることなどから効率的であると考えられる。 薬物依存・中毒者に対する相談・指導に関しては、内閣総理大臣を本部長とする薬物乱用対策推進本部において策定された「薬物乱用防止新五か年戦」の下、統一目標の達成に向け、関係省庁、関係機関との緊密な連携の下に、相談窓口の周知、業務分担等、協力体制の確立を図りつつ推進していることから、効率的といえる。 | |||||
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3.政策への反映方針
脱法ドラッグとして流通している製品のうち、麻薬等と構造類似のものや麻薬成分を含有する植物等について、その流通実態を把握し、我が国において乱用の恐れがあると判断される場合にあっては、麻薬等に指定することができるものと考えられる。 また、麻薬等に指定された後にも次々と新たな脱法ドラッグが流通することが出現してきており、これらは麻薬や覚せい剤など薬物乱用の契機となる薬物となることが危惧されるため、今後とも引き続きインターネット監視等を継続し、脱法ドラッグ対策を継続することとする。その際、インターネット上の脱法ドラッグの広告が巧妙化していることを踏まえ、インターネット上の広告監視基準の見直しについても検討することとする。 精神保健福祉センターでの薬物相談窓口事業を始めてから相談件数が飛躍的に増加しており、今後とも、相談者が来所しやすい環境づくり、関係機関との緊密な連携により、相談事業を充実させていく必要がある。 このため、家族教室等の場を活用した薬物依存・中毒者の家族に対する支援の強化、社会復帰支援のための関係機関の連携の在り方の検討等を行いつつ、引き続き施策を進めていくこととする。
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4.特記事項
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