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(1−7−III)
実績評価書
平成15年8月

政策体系 番号  
基本目標 安心・信頼してかかれる医療の確保と国民の健康づくりを推進すること
施策目標 血液製剤の国内自給を推進するとともに、安全性の向上を図ること
III 血液製剤の安全性の向上を図ること
担当部局・課 主管部局・課 医薬食品局血液対策課
関係部局・課  


1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 各種抗体検査等を実施すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 安全かつ良質な血液製剤を供給するため、抗原・抗体検査、核酸増幅検査(NAT)等各種検査を実施している。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
 検査項目数 3項目 4項目 4項目 4項目 4項目
 検査実施率 100% 100% 100% 100% 100%
(備考)
 血液型検査、抗原・抗体検査及び生化学検査等は、採取された全ての血液について実施されており、これらの検査に合格した血液について核酸増幅検査が実施されている。また、平成14年3月28日より、ウエストナイル熱やSARS(重症急性呼吸器症候群)等の輸入感染症への対策として、献血者への問診を徹底するとともに、全ての帰国者に対し帰国後3週間は献血を禁止とした。
実績目標2 複数回献血を推進すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 血液製剤の一層の安全性を図る観点から、個々の献血者が複数回、献血を行うことを推進するため、「複数回献血検討会」における関係者の議論を通じ、我が国に相応しい複数回献血の推進のための環境整備方策を検討している。
(評価指標) H10 H11 H12 H13 H14
平均献血回数
(備考)
 複数回献血検討会における検討(評価指標の在り方も含む。)を平成13年度から開始し、平成14年度も引き続き開催している。


2.評価

(1) 現状分析
現状分析
 NAT等新たな検査法の導入や献血者への問診強化等により、一層安全性の高い血液製剤が提供されている。また、複数回献血の推進方策等について、現在、「複数回献血検討会」において検討中である。
 また、平成14年7月30日に「薬事法及び採血及び供血あつせん業取締法の一部を改正する法律」が制定され、「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」が成立し、血液製剤の安全性確保等に関する採血事業者及び製造業者等の責務が明確化された。

(2) 評価結果
政策手段の有効性の評価
 血液型検査、抗原・抗体検査及び生化学検査等は、採取された全ての血液について実施されており、これらの検査に合格した血液について核酸増幅検査が実施されていることから、血液製剤の安全性の向上に有効である。
政策手段の効率性の評価
 現在、実施している各種検査は、採取された血液について機械による自動化により効率的に検査を実施できるものである。また、複数回献血は、同一人が複数回献血をするという簡単な方法により血液製剤の安全性の向上につながるため、効率的な手法といえる。
総合的な評価
 複数回献血検討会についての検討は今後の課題であるが、SARS等の輸入感染症への対策として、献血者への問診を徹底するなど血液製剤の安全性の向上についての取り組みは評価でき、施策目標の達成に向けて進展があったものと評価できる。
評価結果分類 分析分類
(3) (3)


3.政策への反映方針

 NAT等新たな高感度の検査方法の導入によりウインドウ・ピリオド(感染の初期に、ウイルス量が少なく検査で陰性になってしまう期間)は短縮されたが、それでも血液を介した感染の危険性をゼロにすることはできないことから、今後、複数回献血を推進するとともに、IT技術の活用等による血液製剤の追跡調査や遡及調査を充実させるなどの最新の技術を導入すること等により、血液製剤の安全性の向上に係る各般の施策を各地域の実情を踏まえつつ、効果的かつ総合的に推進することとしている。
反映分類
(4)


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 血液事業部会、安全技術調査会の意見を踏まえ、輸入感染症対策の充実(海外より帰国後、一定期間の献血禁止)を行った。

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
(「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)
特になし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
特になし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
特になし

(5)会計検査院による指摘
特になし


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