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(5−3−V)
実績評価書
平成14年9月

政策体系 番号  
基本目標 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること
施策目標 労働者の就業状況等に対応した多様な職業訓練・教育訓練の機会の確保を図ること
V 障害者等特別な配慮を必要とする人たちへの対応を推進すること
担当部局・課 主管課 職業能力開発局特別訓練対策室
関係課  


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 一般の職業能力開発施設への障害者の受入れの促進を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 障害者に対する職業訓練については、ノーマライゼーションの観点から可能な限り一般の公共職業能力開発施設において健常者と共に訓練を実施することとしており、その受入れを容易にするために自動ドア、スロープ、手すり、トイレ等の施設整備を図りつつその受け入れを推進する。
(評価指標)
一般校における障害者の入校者数(人)
H9 H10 H11 H12 H13
352 434 436 347 363
(備考)
評価指標は厚生労働省「職業能力開発定例業務統計報告」による。
実績目標2 障害の特性や程度に配慮した障害者職業能力開発校における職業訓練の推進を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 一般の公共職業能力開発施設において職業訓練を受けることが困難な障害者に対し、その障害程度の重度化、訓練ニーズの多様化に対応した訓練科目の整備等を図りつつ職業訓練を実施する(障害者職業能力開発校:全国19校、訓練定員2,390人)。
(評価指標)
障害者職業能力開発校における職業訓練の受講者数(人)
H9 H10 H11 H12 H13
1,886 1,801 1,831 1,733 1,752
(備考)
評価指標は厚生労働省「職業能力開発定例業務統計報告」による。
実績目標3 同和関係住民、北海道アイヌ地区住民等の職業訓練の受講促進を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 アイヌ地区住民等の就職困難者に対し、公共職業安定所におけるきめ細かな職業相談・指導を通じ、職業訓練を実施する。また、訓練受講期間中、訓練手当を支給することにより職業訓練の受講の促進を図る。
(評価指標)
職業訓練の受講者数(訓練手当支給者数)(人)
H9 H10 H11 H12 H13
5,792 5,499 5,481 5,173 5,074
(備考)
評価指標は厚生労働省「施設別訓練手当支給状況調べ」による。
実績目標4 炭鉱離職者に対し、委託訓練等を通じた職業訓練の実施等、積極的な支援措置等を推進し円滑な再就職の促進、在職者訓練等円滑な労働力移動を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 炭鉱離職者等に対し、公共職業能力開発施設での訓練のほか委託訓練等による機動的な職業訓練を推進することにより再就職の促進を図るとともに、早期の職業転換等による円滑な労働移動を図る。
(評価指標)
職業訓練の受講者数(人)
H9 H10 H11 H12 H13
144 131 28 6 153
(備考)
評価指標は道県からの報告による。


2.評価

(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 一般の職業能力開発施設への障害者の受入れの促進を図ること
有効性  一般の公共職業能力開発施設のバリアフリー化を促進することにより、毎年度、一定規模で一般の公共職業能力開発施設への障害者の受入れが行われている。(平成13年度363人)障害者が可能な限り健常者とともに職業訓練を受講することは、健常者と同等の職業能力を身につけることにつながるとともに、一般の公共職業能力開発に設けられている幅広い訓練科を受講でき、多様な職業能力を身につけることができる。さらに、これらは障害者が健常者と同じ社会生活を営むというノーマライゼーションの理念にも合致したものである。
効率性  障害者の訓練施設として一般の公共職業能力開発施設を活用した場合、一般の公共職業訓練施設に設置されている訓練コースをそのまま活用し訓練が実施できるなど、障害者向けの訓練施設を別に設置するのに比べ、新たな人員配置や設備投資を省くことができ、これらの面で効率的である。
実績目標2 障害の特性や程度に配慮した障害者職業能力開発校における職業訓練の推進を図ること
有効性  障害者に対する職業訓練は、障害程度の重度化、障害の重複化、あるいは知的障害者等に対する訓練の実施など、ますます多様化、個別化している中、障害者職業能力開発校では、障害者の能力、障害の特性や程度に配慮した職業訓練を行うことにより、毎年度、一定規模(平成13年度1,752人)の入校者を受入れており、訓練受講機会の確保及び雇用の促進が期待できることから有効性は高い。
効率性  各都道府県の雇用失業情勢に即し、また、地域の特性に応じた職業訓練を行うため、障害者職業能力開発校は、関係都道府県が運営することを基本としており、これにより、地域の特性、障害の特性や程度に配慮し、多様な職業訓練を効率的に行うことができる。
実績目標3 同和関係住民、北海道アイヌ地区住民等の職業訓練の受講促進を図ること
有効性  アイヌ地区住民等の就職困難者に対しては、公共職業安定所におけるきめ細かな職業相談・指導を通じ、公共職業能力開発施設での職業訓練を実施しており、また、受講期間中の生活の安定を図ることにより、訓練受講を容易にするため訓練手当を支給し受講の促進を図っている。平成13年度の公共職業能力開発施設での職業訓練の受講者数は5,074人(訓練手当支給者数)であり、毎年度、一定規模の者に対し職業の安定を図るため職業訓練の受講が促進されており有効である。
効率性  アイヌ地区住民等の就職困難者に対する職業訓練は、公共職業安定所におけるきめ細かな職業相談・指導を通じ、公共職業能力開発施設の行う既存の職業訓練の中で実施しているところであり、効率的に実施されている。
実績目標4 炭鉱離職者に対し、委託訓練等を通じた職業訓練の実施等、積極的な支援措置等を推進し円滑な再就職の促進、在職者訓練等円滑な労働力移動を図ること
有効性  炭鉱離職者に対する職業訓練は、平成13年度は池島炭鉱(長崎)、太平洋炭鉱(北海道)の閉山に伴い、受講者数が153人と平成12年度の6人より大幅に増加している。受講者数の増減に見られるとおり、これまで数次の石炭政策に伴い発生した炭鉱離職者の対し機動的に職業訓練を実施しているところであり、円滑な再就職の促進を図る観点から有効に行われている。
効率性  炭鉱離職者に対する職業訓練は、公共職業能力開発施設内で行う訓練のほか民間訓練機関を活用した委託訓練により、効率的かつ効果的に再就職の促進が図られる。

(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析  障害者等特別な配慮を必要とする人たちについては、社会的事情等により、不安定な就労状態にある者が多く、公共職業能力開発施設での職業訓練を通じた、就職機会の確保、職業の安定による自立支援が求められている。
 また、障害者の職業訓練については、障害の程度等に対応した職業訓練とともに、ノーマライゼーションの観点から健常者と共に訓練を実施することが求められている。
施策手段の適正性の評価  障害者等の特別な配慮を必要とする人たちに対する職業訓練の実施にあたっては、一般の公共職業能力開発施設の行う既存の職業訓練、民間訓練機関への委託訓練を活用した職業訓練(実績目標3、4)に加え、一般の公共職業能力開発施設のバリアフリー化による有効活用(実績目標1)、障害者の障害の程度等に応じた障害者職業能力開発校での職業訓練(実績目標2)を実施しているところであり、対象者の状況に応じ適正な対応が推進されている。
総合的な評価  障害者等特別な配慮を必要とする人たちへの職業訓練については、公共職業安定所におけるきめ細かな職業相談・指導を通じ実施しているところであり、訓練手当を支給することにより訓練期間中の生活の安定を図りつつ受講を促進している。
 また、訓練科目の設定等に当たっても受講者の再就職の促進に資するよう受講希望者や地域ニーズ等を踏まえた多様なものとなるよう努めている。
 なお、障害者等特別な配慮を必要とする人たちへの職業訓練については、上記評価のとおり対象者の状況に応じ適正に推進されている。


3.政策への反映方針

 今後の実施状況等を見極めた上で、必要に応じ事業の見直しを図る。


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 (「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)
なし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
なし

(5)会計検査院による指摘
なし


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