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(5−2−I)
実績評価書
平成14年9月

政策体系 番号  
基本目標 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること
施策目標 労働力需給の動向に対応した職業能力開発を展開すること
I IT分野における職業能力開発を推進すること
担当部局・課 主管課 職業能力開発局能力開発課
関係課 職業能力開発局育成支援課


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 IT公共職業訓練の実施、能力水準に応じたITに係る職業能力習得の支援、先導的な教育訓練コース・システムの開発など、IT化に対応した総合的な職業能力開発施策の推進を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 労働者(在職者および離職者)が職務上必要とする様々なレベルのITに係る能力習得を支援するため、公共職業訓練の拡大・弾力的な受講機会の確保や、能力水準に応じたIT職業能力の習得の支援(学習支援事業)を約140万人の労働者を対象に展開する。また、IT化に対応した先導的な教育訓練コース・システムの開発・展開を図る。(平成12,13年度計画143万人)
(評価指標)
IT訓練受講者数(万人)
(計画達成率)(%)
H9 H10 H11 H12 H13



95
(125)
(備考)
「日本新生のための新発展施策」(平成12年10月経済対策閣僚会議決定)に基づくIT普及国民運動の一環として実施。
「e-Japan重点計画」(平成13年3月戦略本部決定)、「e-Japan2002プログラム」(平成13年6月戦略本部決定)に基づく施策としても位置づけている。
評価指標は厚生労働省「職業能力開発定例業務統計報告」による。
(評価指標)
学習支援事業利用者数(万人)
(計画達成率)(%)
H9 H10 H11 H12 H13



106
(158)
(備考)
「日本新生のための新発展施策」(平成12年10月経済対策閣僚会議決定)に基づくIT普及国民運動の一環として実施。
「e-Japan重点計画」(平成13年3月戦略本部決定)、「e-Japan2002プログラム」(平成13年6月戦略本部決定)に基づく施策としても位置づけている。
評価指標は厚生労働省「職業能力開発定例業務統計報告」による。
(評価指標)
先導的訓練コース開発数
H9 H10 H11 H12 H13
(備考)
「日本新生のための新発展施策」(平成12年10月経済対策閣僚会議決定)に基づくIT普及国民運動の一環として実施。
「e-Japan重点計画」(平成13年3月IT略本部決定)、「e-Japan2002プログラム」(平成13年6月IT戦略本部決定)に基づく施策としても位置づけている。
評価指標は雇用・能力開発機構調べである。
実績目標2 情報関連人材育成事業推進助成金等を通して、情報処理に関する専門的な知識及び技能に係る職業能力開発を推進すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 情報関連人材育成事業は、新事業創出促進法(平成10年法律第152号)の基本方針に基づいて都道府県等が策定する「基本構想」に定められた新事業支援機関(新たな事業の創出を行う者に対して技術開発等の支援を行う者)において実施される高度な職業訓練を通して、情報処理に関する高度な人材の育成を行うことを支援する事業である。
 (1)情報関連事業推進助成金
 新事業支援機関が情報関連人材育成事業に係る高度な職業訓練を実施したとき、その運営費の1/3を助成する。
 (2)情報関連人材育成事業派遣奨励金
 その雇用する労働者に新事業支援機関が実施する情報関連人材育成事業に係る職業訓練を受講させた事業主に対し、奨励金として受講料の1/3(大企業は1/4)を助成する。
(評価指標)
情報関連人材育成事業推進助成金支給件数 (施設数)
H9 H10 H11 H12 H13
15 16 15 13 10
(評価指標)
情報関連人材育成事業推進助成金支給額(千円)
H9 H10 H11 H12 H13
47,268 43,954 35,792 23,390 18,151
(評価指標)
情報関連人材育成事業派遣奨励金支給件数(人)
H9 H10 H11 H12 H13
72 85 73 76 47
(評価指標)
情報関連人材育成事業派遣奨励金支給額(千円)
H9 H10 H11 H12 H13
3,432 4,031 2,676 2,441 1,677
(備考)
 平成11年度までの実績は情報関連人材育成事業の前身として実施されていた地域ソフトウェア供給力開発事業において実施された助成金(ソフトウェア人材育成事業助成金及びソフトウェア人材育成事業派遣奨励金)の実績である。
 なお、職業訓練の効果は、当該訓練を受ける労働者の従事する仕事の内容や事業主のニーズ等、様々な要因に応じてその結果が発現する時期や効果の度合いが異なるものであるため、給付金の支給金額や件数等によって決まるものではない。このため、上記指標は参考指標として用いるものである。


2.評価

(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 IT公共職業訓練の実施、能力水準に応じたITに係る職業能力習得の支援、先導的な教育訓練コース・システムの開発など、IT化に対応した総合的な職業能力開発施策の推進を図ること
有効性  IT化に係る公共職業能力開発の拡大・弾力的な受講機会の確保については計画数76万人に対し実績95万人、能力水準に応じたITに係る職業能力習得の支援については計画数67万人に対し実績106万人といずれも計画数を大幅に上回る実績を上げているところである。
 上記のとおり本事業は、総合的なIT公共訓練の実施、労働者の能力水準に応じたIT化に係る職業能力習得の支援により、IT化に対応した総合的な職業能力開発施策の推進に資し、多数の労働者に対しIT訓練の受講機会を付与しているものであり、その有効性は高いと考えられる。
効率性  IT化に係る職業訓練等の実施に当たっては、多様なレベル、内容の訓練機会を確保するとともに、民間の主体的な取り組みを尊重する観点から、あらゆる民間教育訓練機関等を活用して実施しているものであり、公共職業能力開発機関が直接実施することに比し、効率的に職業訓練等を実施しているもの。
実績目標2 情報関連人材育成事業推進助成金等を通して、情報処理に関する専門的な知識及び技能に係る職業能力開発を推進すること
有効性  本事業により実施される職業訓練は、高度な情報処理技術者に必要とされるスキルなど、レベルの高いITスキルに関するものであり、他の民間教育訓練機関等においては採算が取れないためほとんど実施されていないが、高度情報処理技術者の養成は経済社会の発展に必要であり、平成13年度は全国の10施設に助成金を支給するなど、有効性があると考えられる。
効率性  上記のとおり、情報処理に関する専門的な人材養成には効果的であるが、政策効果は限定的なものに止まっており、効率性の観点からも、現在、見直しを検討中である。

(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析  一層厳しさを増す雇用情勢の下、急速なIT化の進展に伴い、あらゆる職種の労働者にIT活用能力が求められる状況となっている。このため、離職者、在職者を含めた幅広い労働者が、それぞれのレベル、ニーズに応じた職務上必要なIT能力を習得することを支援し、これに起因する雇用不安を解消する施策が求められているところである。
施策手段の適正性の評価  IT化に係る総合的な職業能力開発については、多数の労働者を対象として短期間に多様なIT活用能力習得機会を提供するため、民間の教育訓練機関等を活用しているものであり、実績を踏まえればその手段は適正であったと考えられる。
 情報関連人材育成推進事業助成金については、情報処理に関する高度な人材の育成を支援する重要性は変わらないものの、その手段については引き続き検討する必要があると考えられる。
総合的な評価  IT化に対応した総合的な職業能力の開発については既に多数の受講実績を上げているが、今後においては訓練内容のレベルアップを図る等、なお一層の充実を図ることとする。
 情報関連人材育成推進事業助成金の活用実績は低調であるが、事業の目標である「情報処理に関する専門的な知識及び技能に係る職業能力開発」は情報処理試験の実施状況(在職者で高度な試験を受ける者約15万人(平成13年度情報処理技術者試験受検者実績))等を勘案しても、今後とも必要と考える。このため、本事業の目標の達成のために実施方法の見直し等が必要と考えられる。


3.政策への反映方針

 IT化に対応した総合的な職業能力開発の促進については、今後の実施状況を見極めた上で、必要に応じ事業の見直しを図ることとする。
 IT分野における職業能力開発の推進のための情報関連人材育成事業助成金については、費用対効果の観点から、見直しを検討する必要がある。


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 平成13年12月19日に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」において、雇用・能力開発機構の助成金事業につき講ずべき措置として、「国が明確な政策目標を定め、併せて当該目標が達成された場合又は一定期間経過後には助成措置を終了することを明記する。さらに、事後評価を行い、その評価結果を踏まえて助成の在り方を適宜見直す」こととされている。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
なし

(5)会計検査院による指摘
なし


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