政策体系 | 番号 | |
基本目標 | 5 | 労働者の職業能力の開発及び向上を図るとともに、その能力を十分に発揮できるような環境を整備すること |
施策目標 | 1 | 雇用の安定・拡大を図るための職業能力開発の枠組みを構築すること |
III | 職業能力評価システムを整備すること | |
担当部局・課 | 主管課 | 職業能力開発局育成支援課、技能振興課 |
関係課 |
1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 | 民間における職業能力評価制度の構築を図ること | |||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 職業能力評価制度の確立していないホワイトカラー労働者等の職種等を対象とした包括的な職業能力評価制度を、既存の技能検定制度等のノウハウを活用しつつ、業界団体等との連携の下で構築する。(平成14年度より実施) |
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(評価指標) 職種別の職業能力評価基準等の整備状況 (職種数) |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |||
− | − | − | − | − | ||||
(備考) 平成14年度より実施している事業のため、現段階で実績は出ていない。 |
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実績目標2 | 国による職業能力評価を受ける機会の確保を図ること | |||||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 技能検定は、労働者の有する技能を一定の基準によって検定し、これを公証する技能の国家検定制度であり、労働者の技能と地位の向上を図り、ひいては我が国の産業の発展に寄与しようとするものであって、職業能力開発促進法に基づいて実施されている。技能検定は、労働者の技能習得意欲を増進させるとともに、労働者の雇用の安定、円滑な再就職、労働者の社会的な評価の向上に重要な役割を有するものである 今後、同制度において、民間機関への試験業務の委託を拡大する等民間機関の活力を活用しつつ、事務系職種を含めた技能検定職種の拡大及び見直しにより、労働者が技能検定を受ける機会の拡大を図っていく。 |
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(評価指標) 技能検定実施状況(受検者数) |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |||
175,771 | 183,061 | 180,511 | 180,498 | 179,975 | ||||
(備考)
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2.評価
(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 | 民間における職業能力評価制度の構築を図ること | |
有効性 | 本事業を通じて職業能力評価制度が整備されることにより、企業等にとっては、必要とする職務要件を体系的に把握でき、必要とする人材を効率的に確保することができるほか、労働者の能力に応じた人事処遇等の判断材料として活用することができる。 また、労働者個人にとっては、キャリア形成を行う際の自己現状認識や課題の洗い出しが容易になり、キャリア形成を図る上で到達すべき目標が明確になるほか、自己の職務に必要な資格等についての判断が容易になる。 なお、当該事業は平成14年度から開始であるため、まだ実績がない。 |
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効率性 | 本事業は、職業能力評価のための基準・手法を体系的に整備することを目的として、既に実施している技能検定や民間の資格制度のノウハウ等を積極的に活用しながら、評価制度が未整備である職種について、業界団体等の実態に即した職業能力評価の基準・手法を策定するものである。既存の資格制度等において蓄積されたノウハウを活用することから、その策定に係る費用は他の手段を用いた場合と比較して抑制されるものであり、効率的かつ適正な手段である。 なお、当該事業は平成14年度から開始であるため、まだ実績がない。 |
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実績目標2 | 国による職業能力評価を受ける機会の確保を図ること | |
有効性 | 昭和34年度から技能検定が実施されてきており、平成13年度には全国で約18万人が技能検定を受検し、約10万人が合格している。 技能検定制度開始から平成13年度までの累計では、延べ約569万人が技能検定を受検し、延べ約252万人が合格して技能士となっている。 近年の受検者数は年間18万人程度で推移し、また、平成14年4月には、社会のニーズに基づき、技能検定に4職種を追加したところであり、ファイナンシャル・プランニング、金融窓口サービスといったホワイトカラー職種についても技能検定の対象とするなど労働者が国による職業能力評価を受ける機会の維持・拡大を図っている。 |
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効率性 | 技能検定は、現在137職種について実施されているが、技能検定を行う職種やその試験内容について、技術革新の進展等に的確に対応し、時代のニーズに合致した技能検定となるよう試験基準の見直しを毎年行っている。平成13年度には技能検定の36職種について試験基準の見直しを行い、このうち製版職種及びテクニカルイラストレーション職種のうち現場の技術の変化に伴い業界のニーズに合致しなくなった10作業を廃止するとともに、業界の要望に基づきプリント配線板製造職種に基礎1、2級、寝具製作職種に3級、基礎1、2級の追加を行ったところである。 また、平成13年10月の改正職業能力開発促進法の施行により、民間機関に技能検定の試験業務を行わせることができる範囲を拡大し、民間活力を活用した効率的な技能検定の実施ができるように制度が改正されたところである。 |
(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析 | 労働移動の増加等により、企業主導の能力開発だけでは限界が生じてきている一方、労働者に求められる職業能力が企業内外を問わず通用するものへと変化してきている。このような中、労働力需給における職業能力のミスマッチを解消し、労働者が雇用の安定を図るためには、適切な情報を入手したり、自らの職業能力を確認しつつ、その職業生活設計に即して職業訓練・教育訓練を受け、キャリア形成を図ることの重要性が増している。 このため、労働者のキャリア形成を促進するための、労働市場のインフラストラクチャーとして、職業能力を適正に評価するための基準、仕組みの整備が必要となってきている。 |
施策手段の適正性の評価 | 技能検定については、「公益法人に対する検査等の委託等に関する基準」(平成8年9月20日閣議決定)に対応するとともに、民間活力を活用して技能検定制度の整備を図るため、指定試験機関制度を創設したところであり、行政改革の理念に合致しており、適正な施策手段であると思料される。 職業能力評価制度の整備については、既存の技能検定制度等も活用しつつ、業界団体等との連携の下で行うこととしている点から、手段の適正さの担保に一定の効果が期待できる。 |
総合的な評価 | 技能検定については、137職種ごとに等級に区分して行われ、職業生活全般に渡り3級、2級、1級、特級と多段階的に技能を検定できるようになっていることから、毎年の受検者が18万人に達し、昭和34年度の技能検定制度開始から平成13年度までの受検者累計で569万人に達し、国が行う職業能力評価として重要なインフラであり、その効果は大きいと考えられる。 平成13年度においては、時代のニーズに合致する試験基準の見直しが行われたこと、民間機関に技能検定の試験業務を行わせることができる範囲が拡大されたこと及びファイナンシャル・プランニング、金融窓口サービスといったホワイトカラー職種についても技能検定の対象とされたことなど、今後、技能検定の受検者数の拡大が期待できる等、労働者が国による職業能力評価を受ける機会の維持・拡大が図られているところである。 |
3.政策への反映方針
民間における職業能力評価制度の整備については、今後の動向を見極めた上で、必要に応じて所要の見直しを図ることとする。 技能検定制度については、今後は民間機関への試験業務の委託を拡大する等民間機関の活力を活用しつつ、事務系職種を含めた技能検定職種の拡大及び見直しにより、労働者が技能検定を受ける機会の拡大を図っていく。また、受検資格についても見直しを行い、労働者が技能検定を受ける機会の拡大を図っていくこととしている。 また、職業能力評価制度の整備を行っていくにあたって、ホワイトカラーを含めた幅広い職務分析、これを基にした能力評価基準・手法の確立・普及を図ることが必要である。現在、職業能力開発局においては、ブルーカラーを主な対象とする技能検定を所管する技能振興課と、能力評価制度を含めてホワイトカラーの能力開発を所管する育成支援課に、それぞれ担当課が分かれているが、能力評価制度について所管を一元化し、効率的かつ効果的に能力評価制度を整備するために、技能振興課に育成支援課の能力評価制度の構築に関する業務を統合し、能力評価課(仮称)を設置等するのが適当である。 |
4.特記事項
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