政策体系 | 番号 | |
基本目標 | 4 | 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること |
施策目標 | 3 | 労働者等の特性に応じた雇用の安定・促進を図ること |
III | 若年者の雇用を促進すること | |
担当部局・課 | 主管課 | 職業安定局業務指導課 |
関係課 |
1.施策目標に関する実績の状況
実績目標1 | 新卒者に対する就職支援を実施し、その円滑な就職を図ること | |||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 大学生等について、学生職業センター等において就職に関する情報の提供、職業相談、職業紹介等を行い、就職を図る。 高校生については、学校と連携しながら、求人の開拓、職業相談、就職面接会の実施等により、新規卒業者の就職を図る。 |
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(評価指標) 学生職業センター利用者数 |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
173,385 | 207,950 | 299,569 | 370,024 | 395,022 | ||
(備考) 業務報告(職業安定局調べ)により把握。 |
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(評価指標) 高校新卒者就職率 |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
98.2 | 96.8 | 95.6 | 95.9 | 94.8 | ||
(備考) 各年6月末現在。 |
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実績目標2 | 若年者の職業意識啓発を図ること | |||||
(実績目標を達成するための手段の概要) 大学生:職業意識啓発のための各種セミナー、インターンシップの実施 高校生:職業講話等の実施、ジュニアインターンシップの実施 |
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(評価指標) セミナー等参加者数(大学等) |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
− | − | 10,171 | 15,770 | 14,176 | ||
(備考) 業務報告(職業安定局調べ)により把握。 |
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(評価指標) インターンシップ参加者数 (大学等) |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
− | − | 1,347 | 1,601 | 2,316 | ||
(備考) 業務報告(職業安定局調べ)により把握。 |
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(評価指標) 職業講話等参加者数(高校) |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
− | − | − | 121,704 | 187,731 | ||
(備考) 業務報告(職業安定局調べ)により把握。 |
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(評価指標) ジュニアインターンシップ参加者数(高校) |
H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
− | − | 2,923 | 21,569 | 40,924 | ||
(備考) 業務報告(職業安定局調べ)により把握。 |
2.評価
(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 | 新卒者に対する就職支援を実施し、その円滑な就職を図ること | |
有効性 | 大学生等については、学生センター等の利用者が6.8%増加し、また、4月1日時点の就職率も、前年差0.2ポイント増加し、92.1%となった。 一方、高校生については、経済情勢が低迷する中、企業の即戦力志向、大卒等への採用のシフトにより、高校生向け求人が大幅に減少し(平成13年度24万1千人、対前年比△11.4%、ピーク時(平成3年度)の約1/7、特に事務系職種では平成3年度54万9千人が平成13年度6万1千人、販売職では平成3年度27万1千人が平成13年度3万の大幅減)就職率が94.8%と過去最低となった。 このため、高校生の就職支援については、厳しい就職環境を背景として有効に働かなかったと考えられる。 |
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効率性 | 大学生等については、比較的自由に活動できるため、学生センター等やインターネットによる情報提供を行い、希望する者に学生センター等で職業相談等を行うこととしている。一方、高校生の就職については、学事日程への影響を考慮して、採用活動が適正に行われるようにする観点から選考開始期日が定められており、学校を通じた就職活動を支援することとしており、実施の時期についてはいずれの場合も効率的なものであったと考えられる。 ただし、高校生の就職に関しては十分な成果を上げることができなかったことから、支援のあり方について見直しを行う必要があると考えられる。 |
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実績目標2 | 若年者の職業意識啓発を図ること | |
有効性 | 大学生等については、セミナー等参加者が平成12年度は前年比55.0%の増、13年度は若干減少したが依然高い水準となっているほか、インターンシップ参加者が12年度は18.9%、13年度は44.7%の増となった。また、高校生については、ジュニアインターンシップの参加者が大幅に増加した(12年度対前年比637.9%増、13年度89.7%増)ことから、若年者の職業意識の啓発に効果があったと考えられる。 | |
効率性 | 若年者の失業率・離職率の高さの要因として職業意識形成の不十分さがあるため、在学中の段階でセミナー等やインターンシップ等により職業意識の啓発を図ることは効率的である。 |
(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析 | 経済状況が低迷する中、大卒者については、依然厳しい状況が続いているものの、前年をわずかに上回る就職率(92.1%、対前年差+0.2%ポイント)となった。一方、高卒者の就職状況については、企業が採用を手控え、採用する企業でも大学等の高学歴層にシフトしたことなどから、求人が大幅に減少し(平成13年度24万1千人、対前年比△11.4%)、就職率が過去最低と厳しい結果になった。 |
施策手段の適正性の評価 | 大学生等の就職の支援については、各大学において職業紹介を行っていることから、これを側面から支援する観点から、学生職業センター等において、求人情報の提供、職業指導、職業相談等を行うことは適正である。一方、高校生の就職の支援については、学校が職業紹介を行っていることから、これと連携し、求人の確保等に努めることは施策として適正である。 また、職業意識啓発については、各学校と連携し、在学中の早い段階からインターンシップ、各種セミナー等により意識啓発を図っていく必要があるが、高校生については、ジュニアインターンシップ等の実施が就職率の向上に必ずしも結びついていないことから、その内容について見直しを行う必要がある。 |
総合的な評価 | 大学生等については、これらの施策によって前年並みの就職率を達成したものの、高校生については、景気の影響や企業の即戦力志向等により過去最低となった。今後は、求人の確保に努めるとともに、求人情報の共有化を進める等の効果的な活用が必要である。 職業意識啓発については、参加者が大幅に増加しており、若年者の当該事業に対する期待が大きいことが伺えるため、就職時の適職選択、就職後の定着のためにも引き続き実施していくべきである。しかしながら、高校生の内定率が過去最低になったこと等を考えれば、施策をより有効なものとするための見直しを行う必要がある。 |
3.政策への反映方針
高卒者については、未就職のまま卒業した者が多数に上ることから、個別支援方針の策定や職業講習の実施、若年者試行雇用の活用等による就職支援を今年度から実施している。また、地域の実情に応じた支援を行うことを目的として、地域求職活動援助事業を活用した就職支援を今年度から実施している。 さらにこれらに加えて、今年度から、インターネットを活用した情報提供等を行う高卒者就職支援システムを実施している。 また、平成15年度概算要求において、継続事業のうち新規高卒就職者需給調整事業、大学等職業意識啓発事業など若年者雇用対策関係事業(要求額2,400百万円)、新規事業として要求する、新規卒業予定者に対する職業講習の充実(同1,094百万円)、学校の進路指導に対する支援(同10百万円)及び中高生の職業意識啓発の強化(同974百万円)は、若年者が社会において持てる能力を十分発揮できる環境を整備するためのものであり、「新重点4分野」の「(1) 人間力の向上・発揮」に資することから各事業は優先性を有すると考える。 なお、若年者に対する職業体験機会の提供や、不安定就労若年者対策としての就労支援、若年者の試行雇用の推進を少子化対策プラスワンに掲げたところである。 |
4.特記事項
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