戻る

(2−3−II)
実績評価書
平成14年9月

政策体系 番号  
基本目標 安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進すること
施策目標 安全で質が高く災害に強い水道を整備すること
II 災害に強い水道の整備など水道水の安定供給を図ること
担当部局・課 主管課 健康局水道課
関係課  


1.施策目標に関する実績の状況

実績目標1 水道事業の広域化を図ること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 (1)水源の安定的確保、広域的な水運用及び水道施設の効率的利用を図るため、国庫補助事業等により水道広域化施設の整備を推進した。
 (2)平成13年の水道法の改正により、水道事業を統合する場合の事業認可等の手続を簡素化した。(平成14年4月1日施行)
(評価指標)
広域水道受水人口(千人)
H8 H9 H10 H11 H12
83,660 84,502 86,119 86,692 87,565
(備考)
広域水道受水人口=広域水道事業者(企業団等地方自治体が共同で行っている水道事業及び県営水道事業)の給水人口+用水供給事業から受水している水道事業(広域水道事業は除く)の給水人口+現在給水人口50万人以上の水道事業(広域水道事業及び用供受水水道事業を除く)の給水人口
実績目標2 災害対応力を強化すること
(実績目標を達成するための手段の概要)
 (1)国庫補助事業等により、水道水源の確保、水源の複数化、老朽管等の水道施設の計画的・効率的な更新、基幹管路の耐震化を推進した。
 (2)水道施設の耐震化並びに地震対策の推進について、水道関係担当者会議等において技術的助言を行った。
(評価指標) H8 H9 H10 H11 H12
管種別布設延長割合          
(ダクタイル鋳鉄管) 48.5% 48.8% 50.0% 50.9% 52.2%
(内耐震継ぎ手を有する管) 2.4% 2.0% 2.8% 3.1% 3.5%
(石綿セメント管) 8.3% 7.5% 6.6% 5.7% 4.8%
(その他) 43.2% 43.7% 43.5% 43.4% 43.0%
(備考)
・平成8年度から平成12年度までの水道統計より


2.評価

(1) 実績目標の達成状況の評価
実績目標1 水道事業の広域化を図ること
有効性  広域水道受水人口は年々増加しており、国庫補助等の施策は、水道事業の広域化を図ることにより水道水の安定供給を図るという施策の推進に有効であった。
効率性  特定広域化施設整備に係る国庫補助事業については、平成11年度新規採択分より、費用対効果について確認した上で補助採択しているところであり、広域水道受水人口が増加していることから、全国ベースにおいても水道事業の広域化による水道水の安定供給が効率的に行われているといえる。
 例えば、平成14年度に特定広域化施設整備費として新規国庫補助採択を行った長崎県南部特定広域化施設整備事業において、2市6町を供給対象とした水道用水供給設備の整備を行うこととなっているが、総費用合計約530億円に対し、総便益約3,490億円である。
実績目標2 災害対応力を強化すること
有効性  ダクタイル鋳鉄管の布設延長割合は、毎年約1%ずつ増加し52.2%となり、一方、石綿セメント管の布設延長割合については着実に減少し4.8%となった。地震に強いダクタイル鋳鉄管の布設延長割合は、毎年着実に増加し、かつ、強度が低い石綿セメント管の布設延長割合は減少しており、国庫補助等の施策は災害対応力の強化に有効であった。
効率性  水道管路近代化推進事業に係る国庫補助事業については、平成11年度新規採択分より、費用対効果について確認した上で補助採択しているところであり、ダクタイル鋳鉄管の布設延長割合が増加し、石綿セメント管の布設延長割合が減少していることから、水道管の更新による水道水の安定供給が効率的に行われているといえる。
 例えば、平成12年度に水道管路近代化推進事業費として新規国庫補助採択を行った埼玉県妻沼町石綿セメント管更新事業において、石綿セメント管をダクタイル鋳鉄管に更新することとなっているが、総費用合計約34億円に対し、総便益約44億円である。

(2) 施策目標の達成状況と総合的な評価
現状分析  広域水道受水人口は年々着実に増加し、また、ダクタイル鋳鉄管の布設延長割合は着実に増加する一方、石綿セメント管の布設延長割合は年々減少していることから、災害に強く、安定的な供給が可能である水道の整備が進んでいると評価できる。
施策手段の適正性の評価  水道事業の広域化、災害対応力の強化を行うことで、災害に強い水道の整備など水道水の安定供給のために適正な施策が行われたと評価している。
 例えば、H13年の芸予地震において、広島県の配水管の被害数は、石綿セメント管14か所(総延長149km)、ダクタイル鋳鉄管15か所(総延長6689km)であった。配水管100kmあたりの被害数は、石綿セメント管9.4か所に対して、ダクタイル鋳鉄管0.22か所であり、このデータからも石綿セメント管等の老朽管の更新は、水道水の安定供給の確保のために適正な施策である。
総合的な評価  災害に強い水道の整備など水道水の安定供給のために一定の効果はあったと評価できる。
 今後も引き続き現行の施策を推進し、水道水の安定供給の推進に努めて参りたい。


3.政策への反映方針

 災害に強い水道の整備など水道水の安定供給を図るため、水道事業の広域化、災害対応力の強化に努めて参りたい。


4.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 「21世紀における水道及び水道行政のあり方」(平成11年6月水道基本問題検討会)
渇水対策、災害対策のための水源確保や水道施設の増強の整備水準は、地域の特性を踏まえつつ、需要者の求める水準と費用負担との関係を考慮した上で、シビル・ミニマムとしての整備目標を定め、渇水や災害に強い水道の整備に計画的に取り組む必要がある。
今後も引き続き、水道の広域的整備を図る必要があるが、経営基盤の一層の強化を図る観点からは、地域の実情を踏まえ、できるだけ末端給水までの水道事業の形態で広域的整備を推進することが適切と考えられる。

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 (「地方分権推進計画」「国の行政組織等の減量、効率化等に関する基本計画」「第10次定員削減計画」「行政改革大綱」等)
 なし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 平成13年7月4日に公布された「水道法の一部を改正する法律」における衆参両院の付帯決議。
水道施設の老朽化や震災等への対策を充実する観点から、水道施設の技術水準の向上および適切な更新が行われるよう、必要な支援や的確な助言に努めること。

(5)会計検査院による指摘
なし


トップへ
戻る