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事業評価書(
事前
・事後)
平成14年9月

評価対象(事務事業名) 福祉用具技術高度化支援事業
担当部局・課 主管課 老健局振興課
関係課  


1.事務事業の内容

(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 高齢者ができる限り自立し、生きがいを持ち、安心して暮らせる社会づくりを推進すること
施策目標 介護保険制度の適切な運営等を通じて、介護を必要とする高齢者への支援を図ること
II 質・量両面にわたり介護サービス基盤の整備を図ること

(2) 事務事業の概要
事業内容(
新規
・一部新規)
 各県・指定都市に設置されている介護実習・普及センター等を拠点として、以下の内容の事業をモデル的に行う自治体を支援する。(平成15年度5か所)
 1.福祉用具高度化支援計画の作成
  ・  自立支援のためにより効果的な福祉用具の実用化・適合性の普及・向上のための地域での取組みの計画作成
 2.福祉用具の実用化のための技術評価の推進等
  ・  福祉用具の利用者や適合等の専門家を交えたニーズの把握・分析
  ・  試作品等について、実際の試験的活用を通じた実証次号と技術評価の実施
 3.福祉用具の適合(フィッティング)技術の向上普及
  ・  福祉用具についての最新の適合技術の開発と評価
  ・  要介護状態に応じた福祉用具の適合技術の情報集積・提供
  ・  福祉用具の評価や適合技術の研修等を行うための介護実習・普及センター等の使用環境(疑似体験設備等)の充実
予算額 (単位:百万円)
H11 H12 H13 H14 H15
500

(3) 問題分析
(1)現状分析
 福祉用具の活用は、要介護者の自立支援と介護者の負担軽減に極めて重要であるが、
 ・  介護現場のニーズに即した、より適切な福祉用具が普及していない
 ・  適切な福祉用具の適合技術の向上・普及がなされていない
等の問題がある。

(2)原因分析
 原因としては、
 ・  介護現場の情報が、実用化に生かされていない
 ・  利用者側のニーズと福祉用具製造側のニーズとが必ずしも一致していない
 ・  福祉用具に関する基礎的研究や大がかりで複雑な機器の製作は進められているが地域にある身近な技術を集めた福祉用具の実用化・改良は進んでいない
 ・  福祉用具の適合技術のノウハウが、保健・医療・福祉施設に点在しているが、
それを集積・分析する機関が少なく、その技術が広く活用されていない
等が挙げられる。

(3)問題点
 具体的な問題点は、
 ・  福祉用具の技術評価や実証の際に福祉関係の専門家や利用者サイドの声を聞く機会が少ない
 ・  適合技術に関する情報の集積が進んでおらず、分析・体系化がなされていない
ことが挙げられる。

(4)事務事業の必要性
 (3)の問題点を解決するため、各県・指定都市に存在する介護実習・普及センター等を拠点として、大学等の研究機関、福祉用具製造・供給事業者、保健・医療・福祉関連施設等の協力を得て、福祉用具のニーズ把握と分析、試作品の実証と技術評価、適合技術の開発・評価・普及を行うことが必要である。

(4) 事務事業の目標
目標達成年度(又は政策効果発現時期)  
アウトプット指標 H15 H16 H17 H18 H19 目標値/基準値
             
(説明)
 1自治体20点、合計100点の福祉用具の実用化・改良及び福祉用具の適合技術の普及・向上の促進
(モニタリングの方法)
 自治体に対するヒアリング


2.評価

(1) 必要性
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
その他
(理由)
 介護現場のニーズに即した福祉用具の実用化がなされていないものが多く、また、福祉用具の適合技術が普及していない現状から、より良い福祉用具の普及及び適切な活用の促進のため、民間だけでなく公が一定の役割を果たす必要がある。
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
その他
(理由)
 当該取組みを行う自治体を先駆的なモデルとして位置づけ、支援することにより、全国へ波及させる意味から、地方自治体の単独事業ではなく、国が一定の役割を果たす必要がある。
民営化や外部委託の可否
(理由)
 試作品の委託や調査など、事業の一部を外部に委託することは可能である。
緊要性の有無
(理由)
 高齢化が進展する中、介護保険制度が定着し、福祉用具の利用増加が予想される現在において、介護現場のニーズに即したより適切な福祉用具が実用化され利用が可能になること、また福祉用具の適切な利用のため適合技術を向上・普及させることは緊要である。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 ・  介護現場の福祉用具に関するニーズを把握・分析し、試作品の実証と技術評価を実施して地域のニーズを踏まえた福祉用具の実用化を推進すること、
 ・  適合技術の情報を集積し、適合技術の開発・評価を図り、個別の利用者の状態に応じた福祉用具の適合技術の向上・普及をはかること
を通じ、より適切な福祉用具の利用が可能となり、福祉用具の普及と利用の促進といった政策効果が発現される。
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 ・  介護現場のニーズに即した、より適切な福祉用具が実用化される。
 ・  適合技術が分析・体系化されることにより、福祉用具の適切な利用が可能となる。
 ・  これにより、福祉用具の普及や利用の促進が図られる。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 なし


(3) 効率性
手段の適正性
 ・  介護現場の福祉用具に関するニーズを把握・分析し、試作品の実証と技術評価を実施し地域のニーズを踏まえた福祉用具の実用化を推進すること、
 ・  適合技術の情報を集積し、適合技術の開発・評価を図り、個別の利用者の状態に 応じた福祉用具の適合技術の向上・普及をはかること
を通じ、より適切な福祉用具の利用が可能となり、福祉用具の普及と効果的な利用の促進に大きな効果が期待できる。
効果と費用との関係に関する分析
 介護現場のニーズに即した福祉用具が実用化され、また適合技術が分析・体系化されることにより、適切な福祉用具が利用可能となる等の大きな効果が期待できる。
他の類似施策(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
(有の場合の整理の考え方)
・国立リハビリテーションセンター等の補装具の研究・開発
 基礎的技術の研究開発や個々人のオーダーメイドを想定した複雑な補装具の開発とは異なり、身近な技術を応用した実用化等を図るものである。
・経済産業省の行う福祉機器の研究・開発
 基礎的な技術の開発や地場産業育成の観点から当事業を行うものではない。

(4) その他
 なし




3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 なし

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
 なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 なし

(5)会計検査院による指摘
 なし


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