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事業評価書(
事前
・事後)
平成14年9月

評価対象(事務事業名) 地域求職活動援助事業(地域林業雇用改善促進事業)
担当部局・課 主管課 職業安定局雇用開発課農山村雇用対策室
関係課  


1.事務事業の内容

(1) 関連する政策体系の施策目標
  番号  
基本目標 経済・社会の変化に伴い多様な働き方が求められる労働市場において労働者の職業の安定を図ること。
施策目標 雇用機会を創出するとともに雇用の安定を図ること。
V 産業の特性に応じた雇用の安定を図ること

(2) 事務事業の概要
事業内容( 新規・
一部新規
 今後増加する森林整備関係の求人に対応して、地域求職活動援助事業(地域林業雇用改善促進事業)として実施している以下の事業について拡充する。これにより、主に若年者を中心に職業体験機会の充実等を通じて職業理解を促進する。
(拡充内容)
 就職ガイダンス、職業講習の実施 事業体共同説明会の実施等
 (1)  林業雇用管理等相談・指導
 林業雇用改善アドバイザーを配置し、求職者に対して相談・指導を行う。
 (2)  雇用情報収集・提供
 雇用情報を収集し、求職者等に対して雇用情報の提供を行う。
 (3)
 求職者に対して、就職ガイダンス、職業講習を実施し林業を体験する機会を設ける。
 (4)
 林業への就業を希望する求職者に対し、事業体説明会を行う。
予算額 (単位:百万円)
H11 H12 H13 H14 H15
424 577(153)

(3) 問題分析
(1)  現状分析
 林業への新規就業者数は増加傾向にあるものの離職者も多く、林業就業者数は平成7年の8万6千人から平成12年に6万7千人と減少を続けている。うち50歳以上が68%と、高齢者が多数を占めている。
 一方、京都議定書に基づく温室効果ガスの削減義務を達成するため、今後、森林整備の事業量及び必要となる林業労働力が増加すると見込まれているが、特に望まれる林業の将来を担いうる若年者を確保することが難しいというミスマッチが懸念される。
(2)  原因分析
 ミスマッチの原因として、求人については、林業労働力に求められる能力等が高いこと、労働条件が厳しいこと、その一方で森林組合・林業事業体は厳しい経営状況に置かれており、そのままでは労働条件の改善が難しいと考えられる。また、求職者については、林業に関する情報が不足していること、林業への職業理解が薄いことが考えられる。
(3)  問題点
 林業に関する情報が不足していること、求職者の林業への職業理解が薄いことにより、今後増加する森林整備関係の求人に対して、林業労働者の確保、特に新規就 業者の確保が困難であることが問題となる。
(4)  事務事業の必要性
 わが国が批准した京都議定書に基づく温室効果ガスの削減目標(2008年から2012年の平均温室効果ガス排出量を1990年比6%削減)を達成するためには、今後、森林整備の事業量及び必要となる林業労働力が増加するが、その確保のために、林業雇用改善の促進を図るとともに増加が見込まれる森林整備関係の求人を主に若年者等に対して円滑に提供し、職業体験機会の充実等を通じて職業理解を促進し、両者をマッチングさせることが必要となる。
(5) これまでの評価結果の反映
 実績評価書4−2−Vにおいて、地球環境問題への対応により、森林整備の必要性から林業を巡る状況が変化することが考えられるため、林野庁と連携しながら地域求職活動援助事業(地域林業雇用改善促進事業)の効果的方法を検討する、とされている。

(4) 事務事業の目標
目標達成年度(又は政策効果発現時期) 平成15年度以降
アウトプット指標 H15 H16 H17 H18 H19 目標値/基準値
職業講習会等の開催回数            
(説明) (モニタリングの方法)
 職業安定局業務資料

2.評価

(1) 必要性
公益性の有無(主に官民の役割分担の観点から)
その他
(理由)
 わが国が批准した京都議定書に基づく温室効果ガスの削減義務を達成するため、森林整備の事業量及び必要となる林業労働力は増加するが、その確保のためには、増加が見込まれる森林整備関係の求人を一般の求職者等に対して円滑に提供し、両者をマッチングさせることが必要である。
 林野庁の地球温暖化対策と連携して、林業の健全な発展に資する労働力の安定的確保のため、求職者の林業への円滑な就業を支援するものであり行政関与の公益性を有する。
 
国で行う必要性の有無(主に国と地方の役割分担の観点から)
その他
(理由)
 本事業は都道府県が地域求職活動援助計画を策定し、厚生労働大臣が同意した同意地域求職活動援助計画に基づいて地域の実情を踏まえつつ全国的に実施するものであり、国の支援が必要である。
民営化や外部委託の可否
(理由)
 林業関係団体への委託事業として実施。
緊要性の有無
(理由)
 わが国が批准した京都議定書に基づく温室効果ガスの削減目標を達成するためには、速やかに森林整備を進める必要があり、そのために必要となる林業労働力の確保対策は、緊急性を有する。

(2) 有効性
政策効果が発現する経路
 林業就業に関する相談の実施、雇用情報の提供、職業講習等の実施、林業事業体合同説明会等の開催→求職者が各種事業に参加→林業に関する職業理解の深まり→林業への就業促進
 
これまで達成された効果、今後見込まれる効果
 事業の実施に伴い、着実に職業体験機会の充実等を通じて職業理解が図られる。
政策の有効性の評価に特に留意が必要な事項
 


(3) 効率性
手段の適正性
 就職を決めるに際しては、その職業に対する理解を深める必要があるが、林業は就業地が山間部であり、林業就業者も少ないことから、多くの求職者にとっては日常目にすることがなく、情報収集も困難である。このため、林業の作業現場を見学できる職場講習会への参加を促すとともにきめ細やかな相談等の実施は、林業の職業理解を深める上で極めて有効と考えられ、手段として適正である。
効果と費用との関係に関する分析
 本事業については、林業関係団体へ委託することにより効果的に事業を実施することが可能であり、職場講習会等の拡充により林業に関する職業理解が深まり、林業への就業が促進されるので、一定の費用をもって効果的に効果をあげることが期待できる。
他の類似施策(他省庁分を含む)がある場合の重複の有無
(有の場合の整理の考え方)
 林野庁の地球温暖化対策と連携して実施する。

(4) その他
 




3.特記事項

(1)学識経験を有する者の知見の活用に関する事項
 なし

(2)各種政府決定との関係及び遵守状況
 平成14年6月25日に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」の中で経済活性化戦略として、「厚生労働省、農林水産省、環境省及び関係府省は、若年者トライアル雇用、インターンシップ、「緑の雇用」の活用などによる職業体験機会の充実等を通じて、青少年等の職業理解を促進し、職業意識を醸成させる」としており、このような観点からも主に若年者等に職業体験を通じて職業理解を促進させる必要がある。

(3)総務省による行政評価・監視等の状況
 なし

(4)国会による決議等の状況(警告決議、付帯決議等)
 なし

(5)会計検査院による指摘
 なし


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