生命表とは、ある人口集団の死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、各年齢の者が死亡する確率や平均してあと何年生きられるかという期待値などを死亡率や平均余命などの指標（生命関数）によって表したものである。

これらの関数は男女別に各年齢の死亡件数と人口を基にして計算されており、その関数値はある人口集団の年齢構成には左右されず、死亡状況のみを表している。したがって、ある人口集団の死亡状況を厳密に分析する上で不可欠なものとなっている。また０歳の平均余命である「平均寿命」は、ある人口集団の死亡状況を集約したものとなっており、保健福祉水準を総合的に示す指標として広く活用されている。

厚生労働省で作成している生命表には、全国単位の「完全生命表」、「簡易生命表」、都道府県・指定都市単位の「都道府県別生命表」及び市区町村単位の「市区町村別生命表」がある。

市区町村別生命表では、死亡率推定にあたっては３年分の死亡数を用いるとともに５歳階級ごと（５歳未満は０歳と１〜４歳に分割）の死亡率を推定し、また、小地域の死亡率推定に有力な手法である「ベイズ推定」を用いて死亡率の安定化を図っている（注）。

なお、市区町村別生命表に掲載されている全国値及び都道府県・指定都市の値は市区町村の値との比較の観点から、各市区町村と同様の方法で算出しており、平成17年簡易生命表、第20回生命表及び平成17年都道府県別生命表の算出方法とは異なったものとなっている。そのため、平成17年における全国単位の生命表は第20回生命表を、また、都道府県・指定都市単位の生命表は平成17年都道府県別生命表を用いるのが適切である。

この生命表における市区町村（区は特別区及び行政区としている）は、平成18年12月31日時点のものであり、その対象は、人口動態統計の観察対象範囲に含まれる市区町村のうち、東京都三宅村及び静岡県静岡市と大阪府堺市の行政区を除く1962市区町村である。