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II 介護保険施設の利用者の状況

1 性・年齢階級別在所者数

 平成12年9月末の推計在所者数は612,185人で、施設別にみると介護老人福祉施設が296,082人、介護老人保健施設が213,216人、介護療養型医療施設102,887人となっている。
 性別にみると「男」が23.1%、「女」が76.9%となっており、年齢階級別では「85〜89歳」が25.8%で最も多くなっている。
 また、第2号被保険者(65歳未満の者)は、在所者の1.8%で、介護療養型医療施設では4.5%となっている。(表9)

表9 性・年齢階級別にみた在所者数
平成12年9月
  介 護 保 険 施 設
総   数 介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
総数 612 185 296 082 213 216 102 887
         
141 157 62 538 51 429 27 190
471 028 233 544 161 787 75 697
         
65歳未満 10 889 3 910 2 394 4 585
65〜69歳 24 968 13 725 6 027 5 216
70〜74 51 943 26 466 16 433 9 044
75〜79 91 965 43 607 33 799 14 560
80〜84 135 636 62 948 51 751 20 937
85〜89 158 112 74 337 58 534 25 241
90歳以上 137 895 70 675 44 084 23 136
  構成割合(%)
総数 100.0 100.0 100.0 100.0
         
23.1 21.1 24.1 26.4
76.9 78.9 75.9 73.6
         
65歳未満 1.8 1.3 1.1 4.5
65〜69歳 4.1 4.6 2.8 5.1
70〜74 8.5 8.9 7.7 8.8
75〜79 15.0 14.7 15.9 14.2
80〜84 22.2 21.3 24.3 20.3
85〜89 25.8 25.1 27.5 24.5
90歳以上 22.5 23.9 20.7 22.5
注:総数には年齢不詳を含む。


2 要介護度別在所者数

 在所者を要介護度別にみると、介護老人福祉施設及び介護老人保健施設では「要介護4」が28.7%、24.9%、介護療養型医療施設では「要介護5」が37.9%と最も多くなっている。
 また、平均要介護度は介護老人福祉施設が3.35、介護老人保健施設が2.99、介護療養型医療施設が3.88となっている。(図4)

図4 在所者数の要介護度別構成割合
平成12年9月
図4 在所者数の要介護度別構成割合


3 在所者の年齢階級別要介護度

 在所者の要介護度を年齢階級別にみると、「65歳未満」を除くすべての年齢階級で「要介護4」が最も多くなっている。(表10)

表10 年齢階級別にみた要介護度別在所者数の構成割合
(単位:%)平成12年9月
  総数 65歳未満 65 〜 69 70 〜 74 75 〜 79 80 〜 84 85 〜 89 90歳以上
総数 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
 要介護1 12.6 7.6 12.2 12.5 13.2 13.3 13.2 11.4
 要介護2 16.1 15.1 16.1 16.1 16.4 16.6 16.2 15.1
 要介護3 20.0 17.8 18.8 19.4 19.9 20.0 20.4 20.4
 要介護4 27.9 25.4 26.7 26.0 26.0 27.3 28.1 30.8
 要介護5 22.1 32.4 24.8 24.4 23.1 21.5 20.9 21.3
 その他 1.0 1.4 1.2 1.3 1.1 1.0 0.9 0.7
注:総数には要介護度不詳を含む。

4 主な傷病別在所者数

 在所者の主な傷病をみると、各施設とも「IX 循環器系の疾患」が最も多く、特に介護療養型医療施設では、約6割を占めている。次いで各施設とも「V 精神及び行動の障害」が多くなっており、介護老人保健施設では31.2%となっている。(表11)

表11 主な傷病別にみた在所者数
平成12年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
在所者数
(人)
構成割合
(%)
在所者数
(人)
構成割合
(%)
在所者数
(人)
構成割合
(%)
総数 296 082 100.0 213 216 100.0 102 887 100.0
I 感染症及び寄生虫症 1 223 0.4 582 0.3 188 0.2
II 新生物 3 005 1.0 2 206 1.0 1 256 1.2
III 血液及び造血器の疾患並びに免疫機能の障害 465 0.2 297 0.1 85 0.1
IV 内分泌,栄養及び代謝疾患 8 975 3.0 5 860 2.7 2 242 2.2
 糖尿病(再掲) 7 738 2.6 5 277 2.5 2 103 2.0
V 精神及び行動の障害 71 413 24.1 66 566 31.2 14 969 14.5
 痴呆(再掲) 63 686 21.5 64 447 30.2 14 224 13.8
VI 神経系の疾患 33 445 11.3 19 853 9.3 9 180 8.9
 パ−キンソン病(再掲) 7 732 2.6 5 328 2.5 3 267 3.2
 アルツハイマー病(再掲) 12 702 4.3 8 973 4.2 2 354 2.3
VII 眼及び付属器の疾患 1 988 0.7 646 0.3 70 0.1
VIII 耳及び乳様突起の疾患 333 0.1 99 0.0 27 0.0
IX 循環器系の疾患 130 501 44.1 79 679 37.4 60 491 58.8
 高血圧性疾患(再掲) 18 736 6.3 9 429 4.4 2 125 2.1
 心疾患(再掲) 13 838 4.7 8 404 3.9 3 646 3.5
 脳血管疾患(再掲) 96 062 32.4 60 987 28.6 54 266 52.7
X 呼吸器系の疾患 3 333 1.1 1 803 0.8 1 097 1.1
XI 消化器系の疾患 4 061 1.4 1 948 0.9 645 0.6
XII 皮膚及び皮下組織の疾患 244 0.1 134 0.1 61 0.1
XIII 筋骨格系及び結合組織の疾患 19 596 6.6 16 238 7.6 6 416 6.2
 骨粗しょう症(再掲) 3 707 1.3 2 973 1.4 942 0.9
XIV 尿路性器系の疾患 1 938 0.7 1 483 0.7 515 0.5
XVII 先天奇形,変形及び染色体異常 248 0.1 68 0.0 33 0.0
XVIII 症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの 486 0.2 618 0.3 224 0.2
XIX 損傷,中毒及びその他の外因の影響 9 417 3.2 14 436 6.8 5 002 4.9
 骨折(再掲) 4 470 1.5 10 254 4.8 2 867 2.8
XXI 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用 165 0.1 281 0.1 60 0.1
不詳 5 245 1.8 419 0.2 326 0.3
注: 傷病分類は「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10回修正」による。
「XV 妊娠,分娩及び産じょく」、「XVI 周産期に発生した病態」及び「XX 傷病及び死亡の外因」は計数がないため掲載していない。


5 在所者の痴呆の状況

 在所者の痴呆性老人の日常生活自立度をみると、介護老人福祉施設は「ランクIII」が28.5%と最も多く、次いで「ランクIV」が27.7%、介護老人保健施設は「ランクIII」が35.3%と最も多く、次いで「ランクII」が24.1%、介護療養型医療施設では「ランクIV」が29.6%と最も多く、次いで「ランクIII」が27.2%となっている。(表12)
 また、痴呆と寝たきりの状況をみると、「痴呆ありで寝たきり者」は介護療養型医療施設が77.5%、介護老人福祉施設が63.1%、介護老人保健施設が49.8%となっており、「寝たきり者」は介護療養型医療施設で84.5%と最も多くなっている。(図5)

表12 痴呆のランク別にみた在所者数
平成12年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
総数 構成割合(%) 総数 構成割合(%) 総数 構成割合(%)
総数 296 082 100.0 213 216 100.0 102 887 100.0
痴呆あり 265 885 89.8 190 701 89.4 91 273 88.7
 ランクI 26 045 8.8 26 133 12.3 7 346 7.1
 ランクII 55 587 18.8 51 471 24.1 14 202 13.8
 ランクIII 84 400 28.5 75 245 35.3 27 943 27.2
 ランクIV 81 965 27.7 33 696 15.8 30 483 29.6
 ランクM 17 889 6.0 4 156 1.9 11 299 11.0
痴呆なし 28 044 9.5 21 898 10.3 10 817 10.5
注: 1 総数には痴呆の状況不詳を含む。
2 「痴呆あり」のランクは、「痴呆性老人の日常生活自立度判定基準」による。


図5 在所者の痴呆と寝たきりの割合
平成12年9月
図5 在所者の痴呆と寝たきりの割合
注:寝たきりの状況及び痴呆の状況には不詳を含まない。


6 機能訓練等の状況

 9月中に機能訓練を受けた者の割合をみると、ほとんどの機能訓練で介護老人保健施設が多くなっている。
 9月中の機能訓練を受けた平均日数をみると、ほとんどの機能訓練で介護療養型医療施設の日数が多くなっている。(表13、図6)


表13 機能訓練等の種類別にみた9月中に機能訓練を受けた者の割合と平均日数
平成12年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
受けた者の割合
(%)
平均日数
(日)
受けた者の割合
(%)
平均日数
(日)
受けた者の割合
(%)
平均日数
(日)
 物理療法 7.7 9.6 21.5 10.4 11.8 16.4
 運動療法 23.1 9.6 65.5 10.7 51.8 15.9
 作業療法 7.0 6.0 29.2 6.2 12.3 12.2
 言語療法 1.4 9.9 3.4 8.4 4.9 13.1
 日常生活動作訓練 25.9 19.7 35.2 18.2 17.8 19.2
 レクリエーション 64.4 7.9 87.3 11.9 36.6 8.5
注:「受けた者の割合」は各施設の在所者数を100としたときの割合である。


図6 機能訓練等の種類別にみた訓練を受けた者の割合
平成12年9月
図6 機能訓練等の種類別にみた訓練を受けた者の割合


7 在所者の在所期間

 在所者の在所期間をみると、介護老人福祉施設では、「5年以上」が28.6%、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設では「6か月〜1年未満」がそれぞれ25.0%、29.8%と多くなっている。
 なお、介護老人保健施設では「1年未満」が約7割となっている。(表14)


表14 在所期間別在所者数の割合
(単位:%)平成12年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
百分率 累積百分率 百分率 累積百分率 百分率 累積百分率
総数 100.0 100.0 100.0
3か月未満 4.4 4.4 23.6 23.6 11.0 11.0
3か月〜6か月 5.3 9.7 19.1 42.8 11.8 22.8
6か月〜1年 10.2 19.9 25.0 67.8 29.8 52.6
1〜2年 18.1 38.0 21.7 89.4 17.2 69.9
2〜3年 13.2 51.2 6.1 95.5 9.6 79.4
3〜4年 11.1 62.3 2.3 97.8 5.8 85.3
4〜5年 8.7 71.0 1.1 98.9 4.0 89.3
5年以上 28.6 99.6 0.9 99.9 10.5 99.8
不詳 0.4 0.2 0.2

8 退所者の平均入所日数

 9月中の退所者について、退所後の行き先をみると、介護老人福祉施設では「死亡」が57.0%、介護老人保健施設では「家庭」が45.0%、介護療養型医療施設では「医療機関」が33.1%と最も多くなっている。
 平均入所日数をみると、介護老人福祉施設が1,455.5日、介護療養型医療施設が403.0日、介護老人保健施設が184.8日となっている。(表15)

表15 退所後の行き先別にみた退所者数の構成割合と平均入所日数
平成12年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
退所者数
(人)
平均入所日数
(日)
退所者数
(人)
平均入所日数
(日)
退所者数
(人)
平均入所日数
(日)
総数 2 632 1 455.5 17 849 184.8 4 318 403.0
(100.0%)   (100.0%)   (100.0%)  
家庭 3.6 652.1 45.0 118.4 23.0 168.2
介護老人福祉施設 1.4 825.8 7.3 286.4 6.8 401.6
その他の社会福祉施設 0.3 1 740.9 1.4 289.1 0.6 191.9
介護老人保健施設 1.1 676.7 5.5 240.9 10.9 312.0
医療機関 34.9 1 322.1 38.2 225.5 33.1 426.5
死亡 57.0 1 617.7 1.7 314.8 23.8 639.0
その他 1.6 1 400.5 1.0 214.0 1.9 438.8
注:その他には行き先不詳を含む。
9 利用料の状況(9月中)

 在所者の9月中の1人当たり平均利用料をみると、介護老人福祉施設で31,452円、介護老人保健施設で61,967円、介護療養型医療施設で67,260円となっている。(表16、表17)
 利用料階級別にみると、介護老人福祉施設では「4万円〜5万円未満」が34.3%、介護老人保健施設及び介護療養型医療施設では「6万円〜7万円未満」がそれぞれ36.7%、34.6%と、最も多くなっている。(表18)

表16 要介護度別1人当たり平均利用料
(単位:円)平成12年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
総数 31 452 61 967 67 260
 要介護1 30 219 58 403 59 848
 要介護2 31 503 60 420 62 682
 要介護3 31 592 62 180 65 539
 要介護4 31 822 63 559 68 013
 要介護5 31 622 65 537 69 673
注: 総数には要介護度不詳を含む。
利用料は、介護サービス費自己負担額、食費、特別な室料等の
合計をいう。


表17 平均利用料の項目別構成割合
(単位:%)平成12年9月
  平均利用料 介護サービス費
自己負担分
食費 特別室料 その他
介護老人福祉施設 31 452 (100.0) 53.8 40.8 0.2 5.2
介護老人保健施設 61 967 (100.0) 44.6 31.3 8.7 15.4
介護療養型医療施設 67 260 (100.0) 51.6 27.8 5.4 15.2


表18 利用料階級別在所者数の構成割合
(単位:%)平成12年9月
  介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
総数 100.0 100.0 100.0
 1万円未満 11.1 2.6 3.4
 1万〜2万円 19.0 2.3 2.2
 2万〜3万 17.1 1.7 1.9
 3万〜4万 10.4 1.9 2.4
 4万〜5万 34.3 7.0 5.4
 5万〜6万 7.2 30.6 18.9
 6万〜7万 0.6 36.7 34.6
 7万〜8万 0.1 7.7 12.6
 8万〜9万 0.0 2.6 5.6
 9万〜10万 0.0 2.1 4.0
 10万円以上 0.0 4.8 9.1


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