粗死亡率及び年齢調整死亡率

 (1)  性別にみた年次推移

 「心疾患」の粗死亡率(人口10万対)をみると、平成5年までは上昇・低下を繰り返しつつも上昇傾向となっており、平成6年から一旦低下したが、平成9年からは再び上昇傾向となっている。
 「脳血管疾患」の粗死亡率をみると、男女ともに昭和40年代をピークに低下傾向にあり、近年は低下から横ばい傾向となっている。
 「心疾患」の年齢調整死亡率(人口10万対)をみると、昭和30年代前半から上昇・低下を繰り返しつつもほぼ横ばいであったものが、平成6年から低下に転じている。
 「脳血管疾患」の年齢調整死亡率をみると、男は昭和40年をピークに大きな山を形成していたが、昭和40年代後半から大きく低下している。近年は平成元年以降、低下の幅がやや緩やかになってきている。女は昭和25年以降微増傾向でなだらかな山を形成していたが、昭和38年をピークに大きく低下し、男と同様に近年は低下の幅が緩やかになってきている。(図2、統計表第3表

図2 性別にみた心疾患−脳血管疾患の粗死亡率(人口10万対)・年齢調整死亡率(人口10万対)の年次推移

粗死亡率
図2 性別にみた心疾患−脳血管疾患の粗死亡率(人口10万対)・年齢調整死亡率(人口10万対)の年次推移
年齢調整死亡率
図2 性別にみた心疾患−脳血管疾患の粗死亡率(人口10万対)・年齢調整死亡率(人口10万対)の年次推移
平成6年の心疾患の減少は、新しい死亡診断書(死体検案書)(平成7年1月1日施行)における「死亡の原因欄には、疾患の終末期の状態としての心不全、呼吸不全等は書かないでください。」
という注意書きの事前周知の影響によるものと考えられる。


 (2)  平成16年の状況

 平成16年の三大死因の粗死亡率(人口10万対)を性・年齢階級別にみると、「心疾患」「脳血管疾患」は「悪性新生物」に比べ高年齢で急激に高くなっている(図3)。

図3 性・年齢階級別にみた三大死因の粗死亡率(人口10万対) −平成16年−
図3 性・年齢階級別にみた三大死因の粗死亡率(人口10万対) −平成16年− 図3 性・年齢階級別にみた三大死因の粗死亡率(人口10万対) −平成16年−


 (3)  性・年齢階級別にみた年次推移

 「全死因」の粗死亡率(人口10万対)を性・年齢階級別に年次推移をみると、男女ともすべての年齢階級で緩やかに低下傾向となっている。
 「心疾患」の粗死亡率を性・年齢階級別に年次推移をみると、男女ともに60歳代から80歳代で平成6年に低下した後緩やかに低下傾向となっており、「脳血管疾患」は男女ともに「80〜89歳」は昭和49年以降、「70〜79歳」は昭和41年以降低下傾向となっている。
 なお、「心疾患」「脳血管疾患」の「39歳以下」「90歳以上」については、統計表第4・5表に示しているが、「39歳以下」は数値が小さく、「90歳以上」は数値が大きいため、図4・5・6では省略する。(図4、統計表第45表

図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移
図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移 図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移
図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移 図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移
図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移 図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移
図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移 図4 性・年齢(10歳階級)別にみた粗死亡率(人口10万対)の年次推移
昭和25年の「脳血管疾患」には、B46.b(352の一部、B22の後遺症及び1年以上経過したもの)を含むため、時系列観察は昭和26年からとした。

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