3.三大死因(悪性新生物、心疾患、脳血管疾患)による死亡の状況

(1)全国の三大死因による死亡の状況の年次推移
   平成17年の年齢調整死亡率をみると、悪性新生物は男197.7、女97.3、心疾患は男83.7、女45.3、脳血管疾患は男61.9、女36.1となっている。
 年次推移をみると、近年はすべて低下傾向にあり、特に脳血管疾患は昭和40年をピークに大幅に低下している。(図7−1)

図7−1 三大死因の年齢調整死亡率の年次推移

図7−1 男

図7−1 女

注: 平成2年から7年にかけての心疾患の減少は、新しい死亡診断書(死体検案書)(平成7年1月1日施行)における「死亡の原因欄には、疾患の週末期の状態としての心不全、呼吸不全等は書かないでください。」という注意書きの周知の影響によるものと考えられる。


   平成17年の粗死亡率をみると、悪性新生物は男319.1、女200.3、心疾患は男136.3、女138.0、脳血管疾患は男103.3、女107.1となっている。
 年次推移をみると、男女ともに悪性新生物は上昇している。年齢調整死亡率が低下しているのに対して、粗死亡率が上昇しているのは高齢化の影響による。(図7−2)

図7−2 三大死因の粗死亡率の年次推移

図7−2 男

図7−2 女


(2)都道府県別にみた悪性新生物による死亡の状況
  [1]平成17年の状況
    悪性新生物の年齢調整死亡率は、全国では男197.7、女97.3となっている。
  男の年齢調整死亡率の低い都道府県は長野、沖縄、熊本、岡山、大分等となっており、高い都道府県は青森、大阪、長崎、佐賀、福岡等となっている。
  女の年齢調整死亡率の低い都道府県は岡山、長野、大分、山梨、沖縄等となっており、高い都道府県は大阪、佐賀、福岡、北海道、東京等となっている。(図8)

図8 悪性新生物の都道府県別年齢調整死亡率 −平成17年−

図8


  [2]年次比較
    悪性新生物について、平成12年と17年の年齢調整死亡率を比較すると、全国では男は214.0から197.7、女は103.5から97.3と低下している。
  都道府県別にみると、男は高知を除く都道府県で、女は島根、佐賀、沖縄を除く都道府県で低下している。(図9)

図9 悪性新生物の都道府県別年齢調整死亡率の年次比較−平成12年・17年−

図9 男

図9 女

悪性新生物
都道府県 年齢調整死亡率 (人口10万対)
平成12年 17年 12年 17年
全国 214.0 197.7 103.5 97.3
         
北海道 222.1 212.0 104.0 102.3
青森 240.2 234.1 101.1 99.6
岩手 201.9 199.1 95.6 94.3
宮城 208.9 194.1 102.7 97.3
秋田 239.0 214.6 106.4 95.9
         
山形 215.3 188.7 103.8 96.1
福島 208.4 193.3 99.1 95.1
茨城 213.2 200.4 102.9 99.0
栃木 211.4 195.3 103.0 96.5
群馬 192.8 189.7 100.3 95.2
         
埼玉 209.3 196.0 106.6 99.9
千葉 203.3 192.2 100.8 96.2
東京 212.6 193.4 111.6 102.1
神奈川 209.7 191.9 103.6 98.7
新潟 219.2 205.2 98.8 94.8
         
富山 202.0 189.1 94.0 90.7
石川 210.7 189.7 100.7 95.6
福井 191.1 181.6 98.3 94.5
山梨 198.4 191.7 93.1 87.7
長野 179.2 163.9 88.8 86.7
         
岐阜 206.0 182.3 105.8 94.0
静岡 199.5 184.2 95.3 89.6
愛知 203.7 192.3 105.1 98.3
 
都道府県 年齢調整死亡率 (人口10万対)
平成12年 17年 12年 17年
三重 206.4 180.4 98.3 90.7
滋賀 209.5 183.6 99.7 97.7
         
京都 219.6 193.6 109.4 97.6
大阪 245.0 221.8 117.2 107.0
兵庫 229.9 210.6 108.2 100.5
奈良 217.2 209.0 99.6 95.6
和歌山 225.9 211.3 103.8 100.9
         
鳥取 219.8 203.1 104.0 96.8
島根 224.8 204.1 86.9 89.6
岡山 198.2 179.0 96.9 82.8
広島 215.4 196.5 94.7 92.0
山口 221.5 214.4 107.3 96.1
         
徳島 210.9 188.5 101.0 90.5
香川 205.2 185.5 101.2 89.7
愛媛 211.4 190.2 101.5 95.1
高知 195.3 204.5 96.2 94.3
福岡 231.8 218.1 111.5 103.4
         
佐賀 241.8 219.8 105.4 106.1
長崎 234.8 220.6 105.3 99.2
熊本 191.9 177.5 95.8 90.9
大分 202.5 179.5 96.3 87.4
宮崎 210.9 183.9 92.7 90.9
         
鹿児島 212.9 192.1 97.6 90.6
沖縄 194.8 177.1 87.8 89.2

 


(3)都道府県別にみた心疾患による死亡の状況
  [1]平成17年の状況
    心疾患の年齢調整死亡率は、全国では男83.7、女45.3となっている。
  男の年齢調整死亡率の低い都道府県は福岡、富山、沖縄、滋賀、熊本等となっており、高い都道府県は青森、和歌山、福島、愛媛、岩手等となっている。
  女の年齢調整死亡率の低い都道府県は長野、福岡、富山、鳥取、佐賀等となっており、高い都道府県は愛媛、埼玉、奈良、栃木、和歌山等となっている。(図10)

図10 心疾患の都道府県別年齢調整死亡率 −平成17年−

図10


  [2]年次比較
    心疾患について、平成12年と17年の年齢調整死亡率を比較すると、全国では男は85.8から83.7、女は48.5から45.3と低下している。
  都道府県別にみると、男は岩手、奈良、島根、山口等で、女は山梨、岡山、愛媛等で上昇している。(図11)

図11 心疾患の都道府県別年齢調整死亡率の年次比較−平成12年・17年−

図11 男

図11 女

心疾患
都道府県 年齢調整死亡率 (人口10万対)
平成12年 17年 12年 17年
全国 85.8 83.7 48.5 45.3
         
北海道 87.3 84.8 50.1 45.2
青森 102.5 108.0 53.5 50.2
岩手 85.4 98.1 47.8 47.5
宮城 81.3 83.8 47.3 42.9
秋田 74.3 76.6 45.2 44.5
         
山形 84.3 86.5 45.4 43.6
福島 96.9 100.5 52.3 49.3
茨城 88.7 91.0 50.3 47.5
栃木 95.9 96.2 54.5 52.3
群馬 88.5 88.2 49.0 49.2
         
埼玉 92.7 93.5 53.8 53.0
千葉 90.6 89.8 54.7 49.3
東京 87.5 79.5 49.8 43.3
神奈川 79.1 76.0 43.7 42.7
新潟 77.9 79.3 41.2 39.6
         
富山 73.8 68.3 40.9 36.5
石川 85.8 86.1 47.9 46.5
福井 81.7 77.5 41.3 39.7
山梨 88.1 89.8 46.0 50.9
長野 78.7 74.4 39.8 35.6
         
岐阜 86.3 90.5 52.8 50.4
静岡 84.0 80.7 48.8 41.3
愛知 92.5 87.4 55.8 49.5
 
都道府県 年齢調整死亡率 (人口10万対)
平成12年 17年 12年 17年
三重 86.5 88.3 49.7 48.5
滋賀 78.8 71.9 47.3 41.0
         
京都 84.7 81.8 49.7 47.4
大阪 89.3 86.9 51.9 49.7
兵庫 84.1 75.8 50.2 44.9
奈良 84.5 91.3 52.8 52.6
和歌山 101.8 101.0 53.6 52.2
         
鳥取 92.5 89.0 47.4 37.9
島根 72.0 79.0 40.4 42.5
岡山 82.1 73.7 42.6 45.8
広島 82.7 79.7 46.7 44.0
山口 79.2 87.7 52.5 46.5
         
徳島 92.1 84.0 49.7 44.1
香川 89.9 87.9 50.6 45.9
愛媛 99.1 100.0 51.6 55.5
高知 96.1 89.7 49.0 44.5
福岡 71.2 66.8 41.3 35.6
         
佐賀 79.6 77.3 42.9 39.4
長崎 81.6 79.2 43.8 45.7
熊本 74.4 73.1 43.4 40.6
大分 91.1 80.2 50.7 42.9
宮崎 83.4 82.4 44.8 42.1
         
鹿児島 84.7 80.3 44.9 43.7
沖縄 78.9 71.2 39.6 40.0

 


(4)都道府県別にみた脳血管疾患による死亡の状況
  [1]平成17年の状況
    脳血管疾患の年齢調整死亡率は、全国では男61.9、女36.1となっている。
  男の年齢調整死亡率の低い都道府県は奈良、和歌山、沖縄、滋賀、香川等となっており、高い都道府県は青森、岩手、栃木、秋田、福島等となっている。
  女の年齢調整死亡率の低い都道府県は沖縄、奈良、島根、福岡、佐賀等となっており、高い都道府県は栃木、青森、岩手、茨城、群馬等となっている。(図12)

図12 脳血管疾患の都道府県別年齢調整死亡率 −平成17年−

図12


  [2]年次比較
    脳血管疾患について、平成12年と17年の年齢調整死亡率を比較すると、全国では男は74.2から61.9、女は45.7から36.1と低下している。
  また、男女とも全都道府県で低下している。(図13)

図13 脳血管疾患の都道府県別年齢調整死亡率の年次比較−平成12年・17年−

図13 男

図13 女

脳血管疾患
都道府県 年齢調整死亡率 (人口10万対)
平成12年 17年 12年 17年
全国 74.2 61.9 45.7 36.1
         
北海道 72.1 62.7 43.7 34.6
青森 102.7 84.0 51.6 45.3
岩手 92.6 81.4 51.9 44.7
宮城 87.1 71.6 50.7 39.4
秋田 91.1 76.3 57.6 39.5
         
山形 83.1 66.5 52.7 39.7
福島 83.1 73.7 53.7 42.0
茨城 85.1 72.0 54.6 44.6
栃木 90.0 79.3 56.1 46.4
群馬 77.6 66.3 53.5 43.3
         
埼玉 77.3 64.0 50.2 37.3
千葉 77.1 62.8 45.5 37.9
東京 71.3 59.5 46.1 35.9
神奈川 71.2 58.9 48.1 33.9
新潟 79.4 69.8 47.0 37.2
         
富山 72.2 65.1 44.8 35.5
石川 71.8 53.4 39.3 33.6
福井 61.3 56.7 35.8 35.1
山梨 64.2 56.1 39.9 33.6
長野 87.3 68.8 53.4 41.5
         
岐阜 74.6 57.8 43.8 37.0
静岡 77.4 66.0 46.9 39.4
愛知 73.5 59.5 47.0 38.0
 
都道府県 年齢調整死亡率 (人口10万対)
平成12年 17年 12年 17年
三重 74.0 61.8 42.7 36.9
滋賀 62.9 52.0 42.6 33.4
         
京都 63.5 58.7 41.2 32.4
大阪 63.4 53.2 38.8 31.5
兵庫 64.1 54.3 40.6 32.1
奈良 61.8 49.6 42.2 29.2
和歌山 69.2 49.6 42.0 33.6
         
鳥取 78.4 65.9 49.1 37.6
島根 70.8 54.1 37.6 30.2
岡山 69.4 61.9 44.0 34.7
広島 68.6 55.4 39.9 31.9
山口 77.1 64.3 47.7 39.1
         
徳島 77.2 58.7 42.7 36.3
香川 64.2 52.6 44.7 31.9
愛媛 73.3 61.3 42.9 32.4
高知 82.3 72.0 48.7 37.2
福岡 68.1 55.0 42.4 30.4
         
佐賀 67.8 60.6 44.1 31.0
長崎 72.7 60.7 45.1 34.1
熊本 64.9 58.4 39.8 32.5
大分 75.9 59.4 44.0 36.4
宮崎 73.5 64.0 48.2 37.5
         
鹿児島 85.8 70.7 49.7 42.1
沖縄 63.5 51.9 30.0 23.1


トップへ