1.年齢調整死亡率について

 都道府県別に、死亡数を人口で除した死亡率(以下「粗死亡率」という。なお、人口動態統計月報(概数)や人口動態統計年報(確定数)などでは単に「死亡率」という。)を比較すると、各都道府県の年齢構成に差があるため、高齢者の多い都道府県では高くなり、若年者の多い都道府県では低くなる傾向がある。このような年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比較ができるように年齢構成を調整しそろえた死亡率が年齢調整死亡率である。この年齢調整死亡率を用いることによって、年齢構成の異なる集団について、年齢構成の相違を気にすることなく、より正確に地域比較や年次比較をすることができる。

 都道府県別年齢調整死亡率は、当該年の人口動態統計死亡数を当該年の国勢調査人口で除した年齢階級別粗死亡率及び基準人口(昭和60年の国勢調査人口を基に補正した人口)を用いて、次式で求められる。なお、年次別についても同様である。

 

 都道府県別、死因別の年齢調整死亡率は、昭和35年から5年ごとに算出しており、単位はすべて人口10万対で表章している。なお、全国の死因別の年齢調整死亡率については昭和22年から毎年算出している。

 年齢調整死亡率の基準人口について、平成元年までは、全国の年次比較に昭和10年人口、都道府県の比較に昭和35年人口を使用してきたが、いずれも高齢者の占める割合が極めて低く、当時の人口構成とは乖離していたため、平成2年にいずれについても「昭和60年モデル人口」を採用し、過去にもさかのぼって計算した。
平成17年についても同じ基準人口を用いている。

基準人口 −昭和60年モデル人口−

基準人口

注: 昭和60年モデル人口は、昭和60年国勢調査人口を基礎に、ベビーブームなどの極端な増減を補正し、四捨五入によって1000人単位としたものである。

(利用上の注意)
  (1)日本地図の階級分けについて
     日本地図については、次のように年齢調整死亡率が低い順に5階級に分けている。


白   年齢調整死亡率が47都道府県平均から統計的にみて低いと判断される都道府県
(47都道府県平均から標準偏差以上低い都道府県)
黄色

水色

ピンク


年齢調整死亡率が47都道府県平均から統計的にみて同程度と判断される都道府県
(47都道府県平均から標準偏差以内の都道府県)
この範囲の年齢調整死亡率の上限と下限の幅を三等分して三区分としている。

青   年齢調整死亡率が47都道府県平均から統計的にみて高いと判断される都道府県
(47都道府県平均から標準偏差以上高い都道府県)

注:凡例の( )の数字は都道府県の数である。

(2)粗死亡率の年齢調整死亡率に対する比率
  ある年次(A年とする)の粗死亡率は、A年の人口の年齢構成を用いるが、A年の年齢調整死亡率は昭和60年モデル人口の年齢構成を用いており、年齢階級別死亡率は共通である。
 このため、粗死亡率の年齢調整死亡率に対する比率はA年の人口の年齢構成が昭和60年モデル人口の年齢構成とどれぐらい違うかを示す。都道府県別、死因別についても同様である。

A年の年齢構成の違い= A年の粗死亡率
――――――――――――――――
A年の年齢調整死亡率

よって、

(A年の粗死亡率)= (A年の年齢調整死亡率)×(A年の年齢構成の違い)

(A年の死亡数) =(A年の人口)×(A年の粗死亡率)

  =(A年の人口)×(A年の年齢調整死亡率)
×(A年の年齢構成の違い)


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