死亡

 (1)死亡数・死亡率

 平成17年の死亡数は108万4012人で、前年の102万8602人より5万5410人増加し、死亡率(人口千対)は8.6で前年の8.2を上回った。
 昭和30年以降は70万人前後で推移していたが、昭和50年代後半から増加傾向となり、平成2年以降は80万人台、平成7年以降にほぼ90万人台となり、平成15年から3年連続で100万人台となっている。
 昭和20年代に多かった0〜14歳の死亡数が減少し、昭和50年代後半から死亡率の高い高齢者数の増加を反映して75歳以上で増加しており、平成17年の死亡数の約6割を占めている。(図4)
 年齢(5歳階級)別に死亡率(人口10万対)をみると、65〜69歳と85〜89歳を除いた、55歳以上の各年齢階級で前年より上昇しており、特に60歳以上で上昇幅が大きい。(表6−1)
 死亡率性比(男の死亡率/女の死亡率×100)を年齢(5歳階級)別にみると、全年齢階級で100以上となっており、男の死亡率が高いことを示している。また、20〜29歳と45〜79歳の各年齢階級では、男の死亡率が女の死亡率の2倍以上となっている。(表6−2)



図4 死亡数及び死亡率の年次推移


表6−1 年齢(5歳階級)別にみた死亡数・死亡率(人口10万対)


表6−2 性・年齢(5歳階級)別にみた死亡数・死亡率(人口10万対)・死亡率性比(平成17年)





 (2)死因

  (1) 死因順位
 平成17年の死亡数を死因順位別にみると、第1位は悪性新生物(がん)で32万5885人、死亡率(人口10万対)258.2、第2位は心疾患(心臓病)17万3026人、137.1、第3位は脳血管疾患(脳卒中)13万2799人、105.2となっている。(表7)
 主な死因の年次推移をみると、悪性新生物(がん)は一貫して上昇を続け、昭和56年以降死因順位第1位となり、平成17年の全死亡者に占める割合は30.1%となっている。全死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物(がん)で死亡したことになる。
 心疾患(心臓病)は昭和60年に脳血管疾患(脳卒中)にかわり第2位となり、その後も死亡数・死亡率とも上昇傾向を示している。平成17年の全死亡者に占める割合は16.0%となっている。
 脳血管疾患(脳卒中)は昭和26年に結核にかわって第1位となったが、45年をピークに低下しはじめ、56年には悪性新生物(がん)にかわり第2位に、更に、60年には心疾患(心臓病)にかわり第3位となりその後も死亡数・死亡率とも低下を続けた。全死亡者に占める割合は12.3%となっている。(図5、図6)



図5 主な死因別死亡数の割合(平成17年)


表7 性別にみた死因順位別死亡数・死亡率(人口10万対)


図6 主な死因別にみた死亡率の年次推移



  (2) 年齢別死因

 平成17年の死因を性・年齢(5歳階級)別に構成割合でみると、5〜14歳では不慮の事故及び悪性新生物(がん)が、15〜19歳及び20歳代では不慮の事故及び自殺が多く、30歳代、40歳代では自殺及び悪性新生物(がん)が多い。40歳代からは年齢が高くなるにしたがって、悪性新生物(がん)の占める割合が多くなり、男では60歳代で、女では50歳代でピークとなる。
 それ以降は男女とも心疾患(心臓病)、脳血管疾患(脳卒中)、肺炎の占める割合が、年齢が高くなるとともに多くなり、男では90歳以上で肺炎が最も多く、女では85歳以上で心疾患(心臓病)が最も多くなっている。(図7−1)
 また、減少を続ける1歳未満の乳児死亡数は、明治32年以来初めて3000人を下回り、その死因別構成割合をみると、先天奇形、変形及び染色体異常の占める割合が多い。(図7−2)



図7-1 性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合(平成17年)

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図7-2 乳児死亡の主な死因の構成割合(平成17年)

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  (3) 部位別にみた悪性新生物(がん)

 悪性新生物(がん)について死亡数・死亡率を部位別にみると、男の「肺」は上昇傾向が著しく、平成5年に「胃」を上回って第1位となり、平成17年の死亡数は4万5187人、死亡率(人口10万対)は73.3となっている。
 また、女の「大腸」は上昇傾向が続いており、平成15年に「胃」を上回って第1位となり、平成17年の死亡数は1万8679人、死亡率(人口10万対)は28.9となっている。(表8、図8)


表8 悪性新生物の主な部位別にみた死亡数・死亡率(人口10万対)


図8 悪性新生物の主な部位別死亡率(人口10万対)の年次推移

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