平成14年労働争議統計調査結果概要


 平成14年の労働争議の概況

 (1) 平成14年の労働争議は、総争議件数1,002件、総参加人員100万5千人で、前年に比べ、件数118件(13.3%)増、総参加人員6万7千人(6.3%)減となった。
 このうち、争議行為を伴う争議は、件数304件、行為参加人員6万6千人、労働損失日数1万2千日で、前年に比べ、件数58件(23.6%)増、行為参加人員9千人(11.6%)減、労働損失日数1万7千日(57.9%)減となった(第1表、第1図、第2図)。

第1表 労働争議の種類別推移

総争議 争議行為を伴う争議 争議行為を伴わない争議
件数 総参加人員 件数 総参加人員 行為参加人員 労働損失日数 件数 総参加人員
 
平成9 1,334 1,296,200 782 488,936 212,662 110,171 552 807,264
(7.6) (9.5) (12.5) (30.8) (19.4) (157.4) (1.3) (-0.3)
10 1,164 1,185,728 526 334,932 165,492 101,508 638 850,796
(-12.7) (-8.5) (-32.7) (-31.5) (-22.2) (-7.9) (15.6) (5.4)
11 1,102 1,134,060 419 258,386 106,236 87,069 683 875,674
(-5.3) (-4.4) (-20.3) (-22.9) (-35.8) (-14.2) (7.1) (2.9)
12 958 1,117,493 305 241,659 84,529 35,050 653 875,834
(-13.1) (-1.5) (-27.2) (-6.5) (-20.4) (-59.7) (-4.4) (0.0)
13 884 1,071,916 246 223,144 74,531 29,101 638 848,772
(-7.7) (-4.1) (-19.3) (-7.7) (-11.8) (-17.0) (-2.3) (-3.1)
14 1,002 1,004,833 304 160,088 65,892 12,262 698 844,745
(13.3) (-6.3) (23.6) (-28.3) (-11.6) (-57.9) (9.4) (-0.5)
(注) ( )内は対前年比(%)である。

第1図 労働争議の種類別件数の推移

 
第2図 争議行為を伴う争議の行為参加人員及び労働損失日数の推移

第1図 労働争議の種類別件数の推移   第2図 争議行為を伴う争議の行為参加人員及び労働損失日数の推移


 (2) 争議行為を伴う争議を行為形態別にみると、「半日以上の同盟罷業」は、件数74件、行為参加人員7千人、労働損失日数1万2千日となっており、前年に比べ、件数15件(16.9%)減、行為参加人員5千人(42.4%)減、労働損失日数1万7千日(57.6%)減となった。
 また、「半日未満の同盟罷業」は、件数253件、行為参加人員6万人で、前年に比べ、件数77件(43.8%)増、行為参加人員5千人(7.1%)減となった(第2表、第3図、第4図)。

第2表 争議行為を伴う争議の行為形態別推移

半日以上の同盟罷業及び作業所閉鎖 半日未満の
同盟罷業
怠業
半日以上の同盟罷業 作業所閉鎖
件数 行為参
加人員
労働損
失日数
件数 行為参
加人員
労働損
失日数
件数 行為参
加人員
労働損
失日数
件数 行為参
加人員
件数 行為参
加人員
 
平成9 178 47,185 110,171 176 47,046 106,143 2 139 4,028 655 168,603 4 928
(-7.8) (103.4) (157.4) (-6.9) (103.2) (175.0)       (15.3) (6.2)    
10 145 26,291 101,508 145 26,281 98,410 4 83 3,118 441 141,802 3 178
(-18.5) (-44.3) (-7.9) (-17.6) (-44.1) (-7.3)       (-32.7) (-15.9)    
11 154 25,673 87,069 152 25,649 84,246 3 48 2,871 301 82,928 2 27
(6.2) (-2.4) (-14.2) (4.8) (-2.4) (-14.4)       (-31.7) (-41.5)    
12 118 15,322 35,050 117 15,312 32,560 1 10 2,490 216 70,561 2 16
(-23.4) (-40.3) (-59.7) (-23.0) (-40.3) (-61.4)       (-28.2) (-14.9)    
13 90 12,172 29,101 89 12,162 28,891 2 21 265 176 64,557 - -
(-23.7) (-20.6) (-17.0) (-23.9) (-20.6) (-11.3)       (-18.5) (-8.5)    
14 74 7,015 12,262 74 7,015 12,262 - - - 253 60,004 - -
(-17.8) (-42.4) (-57.9) (-16.9) (-42.3) (-57.6)       (43.8) (-7.1)    
(注) 1) 争議行為を伴う争議で、複数の行為形態を伴う争議(例えば「半日以上の同盟罷業」から「作業所閉鎖」に移行した場合など)は、それぞれの形態で計上しているので、計とそれぞれの形態を積み上げた合計とは必ずしも一致しない。
2) ( )内は対前年比(%)である。

第3図 半日以上の同盟罷業の件数、行為参加人員、労働損失日数の推移

 
第4図 半日未満の同盟罷業の件数、行為参加人員の推移

第3図 半日以上の同盟罷業の件数、行為参加人員、労働損失日数の推移   第4図 半日未満の同盟罷業の件数、行為参加人員の推移


 (3) 労働組合員1,000人当たりの争議行為を伴う争議の行為参加人員及び労働損失日数をみると、行為参加人員は6.1人、労働損失日数は1.1日となっており、前年に比べ、行為参加人員0.5人減、労働損失日数1.7日減となった。
 「争議行為を伴う争議(半日以上の同盟罷業及び作業所閉鎖のみ)」における行為参加人員1人当たりの労働損失日数は1.7日で、前年の2.4日を下回った(第3表)。

第3表 労働組合員1,000人当たりの争議行為を伴う争議の行為参加人員及び労働損失日数、行為参加人員1人当たりの労働損失日数の推移

労働組合員1,000人
当たりの行為参加人員
労働組合員1,000人
当たりの労働損失日数
行為参加人員 1人当たりの
労働損失日数 1)
労働組合員数
  千人
平成9 17.3 9.0 2.3 12,285
(3.8) (8.6) (2.3)  
10 13.7 8.4 3.9 12,093
(2.2) (8.1) (3.7)  
11 9.0 7.4 3.4 11,825
(2.2) (7.1) (3.3)  
12 7.3 3.0 2.3 11,539
(1.3) (2.8) (2.1)  
13 6.6 2.6 2.4 11,212
(1.1) (2.6) (2.4)  
14 6.1 1.1 1.7 10,801
(0.6) (1.1) (1.7)  
(注) 1) 「半日以上の同盟罷業及び作業所閉鎖」のみの行為参加人員である。
2) 労働組合員数は、厚生労働省大臣官房統計情報部「労働組合基礎調査(各年6月30日現在)」の単一労働組合員数である。
3) 労働組合員1,000人当たりの行為参加人員及び労働損失日数は、行為参加人員及び労働損失日数を、各々労働組合員数を分母として算出したものである。
4) ( )内は「半日以上の同盟罷業」に係るものである。


 産業別の状況

 (1) 争議行為を伴う争議を産業別にみると、件数は公務、サービス業、製造業の順に高く、行為参加人員は公務、サービス業が、労働損失日数は運輸・通信業が高い割合を占めている。
 このうち、「半日以上の同盟罷業」についてみると、件数、行為参加人員、労働損失日数とも、製造業、運輸・通信業、サービス業の占める割合が高い。(第4表)。

第4表 産業別争議行為を伴う争議件数、行為参加人員及び労働損失日数

産業 争議行為を伴う争議 うち半日以上の同盟罷業
件数 行為参加人員 労働損失日数 件数 行為参加人員 労働損失日数
平成
13年
平成
14年
平成
13年
平成
14年
平成
13年
平成
14年
平成
13年
平成
14年
平成
13年
平成
14年
平成
13年
平成
14年
 
全産業 246 304 74,531 65,892 29,101 12,262 89 74 12,162 7,015 28,891 12,262
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
 鉱業 - - - - - - - - - - - -
(-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-)
 建設業 2 1 19 20 59 20 2 1 19 20 59 20
(0.8) (0.3) (0.0) (0.0) (0.2) (0.2) (2.2) (1.4) (0.2) (0.3) (0.2) (0.2)
 製造業 67 78 13,864 7,881 7,202 2,172 34 27 5,419 1,002 6,992 2,172
(27.2) (25.7) (18.6) (12.0) (24.7) (17.7) (38.2) (36.5) (44.6) (14.3) (24.2) (17.7)
 電気・ガス・
 熱供給・水道業
2 2 620 190 - 90 - 1 - 30 - 90
(0.8) (0.7) (0.8) (0.3) (-) (0.7) (-) (1.4) (-) (0.4) (-) (0.7)
 運輸・通信業 25 33 6,878 4,190 14,810 6,519 15 19 3,559 3,132 14,810 6,519
(10.2) (10.9) (9.2) (6.4) (50.9) (53.2) (16.9) (25.7) (29.3) (44.6) (51.3) (53.2)
 卸売・小売業,
 飲食店
11 6 4,214 2,189 723 13 6 2 194 13 723 13
(4.5) (2.0) (5.7) (3.3) (2.5) (0.1) (6.7) (2.7) (1.6) (0.2) (2.5) (0.1)
 金融・保険業、
 不動産業
- 3 - 72 - - - - - - - -
(-) (1.0) (-) (0.1) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-)
 サービス業 69 79 28,352 21,813 6,307 3,448 32 24 2,971 2,818 6,307 3,448
(28.0) (26.0) (38.0) (33.1) (21.7) (28.1) (36.0) (32.4) (24.4) (40.2) (21.8) (28.1)
 公務 70 101 20,584 29,493 - - - - - - - -
(28.5) (33.2) (27.6) (44.8) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-)
 その他 - 1 - 44 - - - - - - - -
(-) (0.3) (-) (0.1) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-) (-)
(注) 1) 「その他」とは、農業、林業、漁業及び分類不能の産業をいう。なお、分類不能の産業とは、複数企業の労働者で組織されている合同労組のように、産業分類が特定できないもの等をいう。
2) ( )内は産業別構成比(%)である。


 (2) 労働組合員1,000人当たりの行為参加人員及び労働損失日数を産業別にみると、行為参加人員は公務の21.8人、サービス業の13.5人が、労働損失日数は運輸・通信業の4.7日が、他の産業に比べて多い(第5表)。

第5表 産業別労働組合員1,000人当たりの行為参加人員及び労働損失日数

産業 労働組合員1,000人
当たりの行為参加人員
労働組合員1,000人
当たりの労働損失日数
労働組合員数
平成13年 平成14年 平成13年 平成14年 平成13年 平成14年
  千人 千人
全産業 6.6 6.1 2.6 1.1 11,212 10,801
(-0.7) (-0.5) (-0.4) (-1.5) [100.0] [100.0]
 鉱業 - - - - 9 7
(-) (-) (-) (-) [0.1] [0.1]
 建設業 0.0 0.0 0.1 0.0 1,018 993
(-0.2) (0.0) (-0.3) (-0.1) [9.1] [9.2]
 製造業 4.1 2.4 2.1 0.7 3,404 3,217
(-0.6) (-1.7) (-1.5) (-1.4) [30.4] [29.8]
 電気・ガス・熱供給・水道業 2.9 0.9 - 0.4 216 209
(2.9) (-2.0) (-) (0.4) [1.9] [1.9]
 運輸・通信業 4.8 3.0 10.3 4.7 1,443 1,391
(-5.3) (-1.8) (-0.4) (-5.6) [12.9] [12.9]
 卸売・小売業,飲食店 4.4 2.4 0.8 0.0 948 923
(0.1) (-2.0) (0.5) (-0.8) [8.5] [8.5]
 金融・保険業、不動産業 - 0.1 - - 863 835
(-0.2) (0.1) (-) (-) [7.7] [7.7]
 サービス業 17.0 13.5 3.8 2.1 1,669 1,618
(0.7) (-3.5) (0.5) (-1.7) [14.9] [15.0]
 公務 15.0 21.8 - - 1,369 1,353
(0.1) (6.8) (-) (-) [12.2] [12.5]
 その他 - 0.2 - - 238 235
(-) (0.2) (-) (-) [2.1] [2.2]
(注) 1) 労働組合員数は、厚生労働省大臣官房統計情報部「労働組合基礎調査(各年6月30日現在)」の単一労働組合員数である。
2) 労働組合員1,000人当たりの行為参加人員及び労働損失日数は、産業別の行為参加人員及び労働損失日数を、産業別の労働組合数を分母として算出したものである。
3) 「その他」とは、農業、林業、漁業及び分類不能の産業をいう。なお、分類不能の産業とは、複数企業の労働者で組織されている合同労組のように、産業分類が特定できないもの等をいう。
4) ( )内は対前年差である。
5) [ ]内は産業別構成比(%)である。


 民営の企業規模別の状況

 (1) 民営企業における争議行為を伴う争議をみると、企業数は457企業、行為参加人員は3万6千人、労働損失日数は1万2千日となっており、前年と比べ、企業数は48企業(対前年比9.5%)減、行為参加人員は1万5千人(29.8%)減、労働損失日数は1万7千日(58.2%)減となった(第6表)。
 企業規模別にみると、企業数は「99人以下」、行為参加人員及び労働損失日数では「1,000人以上」の企業の占める割合が高くなっている(第7表)。


第6表 企業規模別争議行為を伴う争議の企業数、行為参加人員及び労働損失日数の推移(民営企業のみ)

企業規模 平成9年 平成10年 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年
  対前年差
企業数   (企業)
1,094 1,084 744 623 505 457 -48
1,000人以上 142 136 130 107 84 76 -8
300〜999人 210 192 157 128 114 96 -18
100〜299人 307 283 191 144 112 109 -3
99人以下 386 450 254 210 161 146 -15
その他 49 23 12 34 34 30 -4
行為参
加人員
  (人)
99,411 87,706 70,170 62,840 51,221 35,963 -15,258
1,000人以上 34,265 34,642 28,081 22,794 19,455 13,263 -6,192
300〜999人 26,194 24,662 21,909 18,045 14,525 10,084 -4,441
100〜299人 20,825 17,959 12,742 10,547 7,135 6,236 -899
99人以下 6,923 6,764 4,459 3,498 2,754 1,850 -904
その他 11,204 3,679 2,979 7,956 7,352 4,530 -2,822
労働損
失日数
  (日)
110,171 101,505 87,069 35,050 29,101 12,172 -16,929
1,000人以上 50,672 59,265 61,118 6,496 10,105 5,087 -5,018
300〜999人 19,749 14,476 10,714 12,698 5,037 782 -4,255
100〜299人 17,810 12,836 4,340 5,122 4,825 4,223 -602
99人以下 13,566 14,154 9,814 7,444 3,971 785 -3,186
その他 8,374 774 1,083 3,290 5,163 1,295 -3,868
(注) 「その他」とは、1組合が複数企業の労働者で組織されている合同労組のように、企業規模が特定できないもの等をいう。

第7表 企業規模別争議行為を伴う争議の企業数、行為参加人員及び労働損失日数の構成比(民営企業のみ)

企業規模 企業数 行為参加人員 労働損失日数
平成13年 平成14年 対前年差 平成13年 平成14年 対前年差 平成13年 平成14年 対前年差
  % % ポイント % % ポイント % % ポイント
100.0 100.0 - 100.0 100.0 - 100.0 100.0 -
1,000人以上 16.6 16.6 0.0 38.0 36.9 -1.1 34.7 41.8 7.1
300〜999人 22.6 21.0 -1.6 28.4 28.0 -0.4 17.3 6.4 -10.9
100〜299人 22.2 23.9 1.7 13.9 17.3 3.4 16.6 34.7 18.1
99人以下 31.9 31.9 0.0 5.4 5.1 -0.3 13.6 6.4 -7.2
その他 6.7 6.6 -0.1 14.4 12.6 -1.8 17.7 10.6 -7.1
(注) 「その他」とは、1組合が複数企業の労働者で組織されている合同労組のように、企業規模が特定できないもの等をいう。


 (2) 民営企業における争議行為を伴う争議について、労働組合員1,000人当たりの行為参加人員は4.3人、労働損失日数は1.5日で、前年に比べ、行為参加人員は1.6人減、労働損失日数は1.8日減となった。
 企業規模別にみると、行為参加人員は「100〜299人」、「300〜999人」が、労働損失日数は「100〜299人」がやや多くなっている(第8表)。

第8表 企業規模別労働組合員1,000人当たりの行為参加人員及び労働損失日数(民営企業のみ)

企業規模 労働組合員1,000人
当たりの行為参加人員
労働組合員1,000人
当たりの労働損失日数
労働組合員数
平成13年 平成14年 平成13年 平成14年 平成13年 平成14年
  千人 千人
5.9 4.3 3.3 1.5 8,694 8,359
(-1.1) (-1.6) (-0.6) (-1.8)    
1,000人以上 3.8 2.7 2.0 1.1 5,079 4,835
(-0.5) (-1.1) (0.8) (-0.9)    
300〜999人 10.5 7.6 3.6 0.6 1,381 1,320
(-2.4) (-2.9) (-5.4) (-3.0)    
100〜299人 8.8 8.0 5.9 5.4 813 781
(-3.7) (-0.8) (-0.2) (-0.5)    
99人以下 8.0 5.6 11.5 2.4 346 330
(-1.7) (-2.4) (-9.1) (-9.1)    
その他 6.8 4.1 4.8 1.2 1,075 1,094
(-0.5) (-2.7) (1.8) (-3.6)    
(注) 1) 労働組合員数は、厚生労働省大臣官房統計情報部「労働組合基礎調査(各年6月30日現在)」の単位労働組合員数である。
2) 労働組合員1,000人当たりの行為参加人員及び労働損失日数は、企業規模別の行為参加人員及び労働損失日数を、労働組合員数を分母として算出したものである。
3) 「その他」とは、1組合が複数企業の労働者で組織されている合同労組のように、企業規模が特定できないもの等をいう。
4) ( )内は対前年差である。


 加盟主要団体別の状況

  争議行為を伴う争議について加盟主要団体別に件数、行為参加人員、労働損失日数をみると、連合は149件、3万2千人、3千日、全労連は99件、2万6千人、4千日、全労協は13件、213人、571日となっている(第9表)。

第9表 加盟主要団体、争議行為を伴う争議の行為形態別件数、行為参加人員及び労働損失日数

加盟
主要団体
争議行為を伴う争議 半日以上の同盟罷業 半日未満の同盟罷業
件数 行為参加人員 労働損失日数 件数 行為参加人員 労働損失日数 件数 行為参加人員
 
304 65,892 12,262 74 7,015 12,262 253 60,004
(100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0) (100.0)
連合 149 32,196 2,868 18 1,640 2,868 133 30,568
(49.0) (48.9) (23.4) (24.3) (23.4) (23.4) (52.6) (50.9)
全労連 99 25,562 4,082 25 2,873 4,082 84 23,214
(32.6) (38.8) (33.3) (33.8) (41.0) (33.3) (33.2) (38.7)
全労協 13 213 571 12 173 571 2 83
(4.3) (0.3) (4.7) (16.2) (2.5) (4.7) (0.8) (0.1)
その他 43 7,921 4,741 19 2,329 4,741 34 6,139
(14.1) (12.0) (38.7) (25.7) (33.2) (38.7) (13.4) (10.2)
(注) 1) 「その他」とは、連合、全労連、全労協に加盟していない労働組合をいう。
2) 複数の団体に重複加盟している労働組合があるため、件数、行為参加人員、労働損失日数の計とそれぞれの加盟主要団体を積み上げた数値とは必ずしも一致しない。
3) 争議行為を伴う争議の件数と行為参加人員には「作業所閉鎖」、「怠業」、「その他」の件数、行為参加人員も含み、争議行為を伴う争議の労働損失日数には「作業所閉鎖」の労働損失日数も含む。
4) 争議行為を伴う争議で、複数の行為形態を伴う争議(例えば「半日以上の同盟罷業」から「半日未満の同盟罷業」に移行した場合など)は、それぞれの形態で計上しているので、計とそれぞれの形態を積み上げた合計とは必ずしも一致しない。
5) ( )内は合計に対する割合(%)である。


 主要要求事項別の状況

  総争議を主要要求事項別にみると、「賃金増額」が270件(全体の26.9%)で最も多く、次いで「その他の賃金・手当」が181件(同18.1%)、これらを含む「賃金及び手当」が578件(同57.7%)を占めている。「組合保障及び組合活動」が177件(同17.7%)、「解雇反対・被解雇者の復職」が171件(同17.1%)等となっている(第10表)。
 主要要求事項別に労働争議の種類をみると、「賃金以外の労働条件」、「賃金及び手当」では争議行為を伴う争議の割合がそれぞれ67.2%、48.6%と高くなっている。また、「組合保障及び労働協約」、「経営及び人事」では、争議行為を伴わない争議の割合がそれぞれ9割を超えている(第11表)。

第10表 主要要求事項別労働争議件数

主要要求事項 平成12年 平成13年 平成14年
  対前年差 対前年比
 
総争議件数 958 100.0 884 100.0 1,002 100.0 118 13.3
 組合保障及び労働協約 167 17.4 195 22.1 210 21.0 15 7.7
  組合保障及び組合活動 134 14.0 160 18.1 177 17.7 17 10.6
  労働協約の締結、改訂及び効力 40 4.2 41 4.6 38 3.8 -3 -7.3
 賃金及び手当 578 60.3 468 52.9 578 57.7 110 23.5
  賃金増額 310 32.4 235 26.6 270 26.9 35 14.9
  臨時給与金 224 23.4 176 19.9 147 14.7 -29 -16.5
  退職手当 42 4.4 43 4.9 45 4.5 2 4.7
  その他の賃金・手当 112 11.7 111 12.6 181 18.1 70 63.1
 賃金以外の労働条件 109 11.4 105 11.9 134 13.4 29 27.6
  労働時間の変更 7 0.7 35 4.0 18 1.8 -17 -48.6
  休日・休暇 14 1.5 12 1.4 8 0.8 -4 -33.3
  福利厚生・年金 25 2.6 3 0.3 6 0.6 3 100.0
  その他の労働条件 65 6.8 55 6.2 102 10.2 47 85.5
 経営及び人事 250 26.1 240 27.1 255 25.4 15 6.3
  解雇反対・被解雇者の復職 147 15.3 151 17.1 171 17.1 20 13.2
  事業の休廃止・合理化 32 3.3 26 2.9 22 2.2 -4 -15.4
  定年制 10 1.0 4 0.5 3 0.3 -1 -25.0
  配置転換 28 2.9 29 3.3 27 2.7 -2 -6.9
  その他の経営及び人事 39 4.1 43 4.9 37 3.7 -6 -14.0
 その他 50 5.2 47 5.3 41 4.1 -6 -12.8
(注) 1) 1労働争議につき労働者側から提出された要求のうち、主なもの2つまでを主要要求事項として取り上げているため、主要要求事項の計と総争議件数とは必ずしも一致しない。
2) 「組合保障及び労働協約」、「賃金及び手当」等の各区分の件数は、2つの主要要求事項が同一の区分内にある労働争議は1件として計上しているので、各区分の事項の合計とは必ずしも一致しない。

第11表 主要要求事項、労働争議の種類別労働争議件数

主要要求事項 総争議 争議行為を伴う争議 争議行為を伴わない争議
 
総争議件数 1,002 100.0 304 30.3 698 69.7
 組合保障及び労働協約 210 100.0 7 3.3 203 96.7
  組合保障及び組合活動 177 100.0 3 1.7 174 98.3
  労働協約の締結、改訂及び効力 38 100.0 4 10.5 34 89.5
 賃金及び手当 578 100.0 281 48.6 297 51.4
  賃金増額 270 100.0 201 74.4 69 25.6
  臨時給与金 147 100.0 59 40.1 88 59.9
  退職手当 45 100.0 3 6.7 42 93.3
  その他の賃金・手当 181 100.0 52 28.7 129 71.3
 賃金以外の労働条件 134 100.0 90 67.2 44 32.8
  労働時間の変更 18 100.0 15 83.3 3 16.7
  休日・休暇 8 100.0 3 37.5 5 62.5
  福利厚生・年金 6 100.0 1 16.7 5 83.3
  その他の労働条件 102 100.0 71 69.6 31 30.4
 経営及び人事 255 100.0 22 8.6 233 91.4
  解雇反対・被解雇者の復職 171 100.0 10 5.8 161 94.2
  事業の休廃止・合理化 22 100.0 10 45.5 12 54.5
  定年制 3 100.0 0 - 3 100.0
  配置転換 27 100.0 3 11.1 24 88.9
  その他の経営及び人事 37 100.0 2 5.4 35 94.6
 その他 41 100.0 10 24.4 31 75.6
(注) 「組合保障及び労働協約」、「賃金及び手当」等の各区分の件数は、2つの主要要求事項が同一の区分内にある労働争議は1件として計上しているので、各区分の事項の合計とは必ずしも一致しない。


 労働争議の解決状況

 (1) 平成14年の労働争議1,002件のうち、平成14年中に「解決又は解決扱い」になった件数は792件(労働争議全体の79.0%)となっており、「翌年への繰越件数」は210件(同21.0%)であった。
 解決方法をみると、「労使直接交渉」が201件(解決件数の25.4%)、「第三者関与」が338件(同42.7%)、「その他(解決扱い)」が253件(同31.9%)となっている。
 なお、「第三者関与」により解決したものをみると、労働委員会の「あっせん」が313件(同39.5%)で最も多い(第12表)。

第12表 労働争議の解決状況の推移

(単位:件、%)
総争議
件数
解決又は解決扱い 翌年への
繰越件数
  労使直接交渉
による解決
第三者関与による解決 その他
(解決扱い)
  第三者
関与あり
  労働委員会関与
  あっせん 調停 仲裁
平成9 1,334 1,178 482 68 266 264 250 14 - 430 156
10 1,164 1,010 286 89 345 338 319 5 14 379 154
11 1,102 935 270 77 384 376 360 7 9 281 167
12 958 791 240 67 330 318 301 5 12 221 167
13 884 694 169 39 305 302 290 4 8 220 190
14 1,002 792 201 52 338 326 313 4 9 253 210
構成比 100.0 79.0                 21.0
  (100.0) (25.4) (6.6) (42.7) (41.2) (39.5) (0.5) (1.1) (31.9)  
(注) 1) 「その他(解決扱い)」には、不当労働行為事件として労働委員会に救済申し立てがなされた労働争議や、労働争議の当事者である労使間では解決方法がないような労働争議(例えば、支援スト、政治スト等もここに区分される。)、解決の事情が明らかでないような労働争議が含まれる(以下同じ)。
2) 「労使直接交渉」のうち、「第三者関与あり」とは、解決に至る過程においてあっせんや調停等の第三者関与があったが、労使の直接交渉によって解決したものをいう(以下同じ)。
3) ( )内は「解決又は解決扱い」に占める解決方法別構成比である。


 (2) 労働争議の解決状況を継続期間(争議発生から解決に至るまでの日数をいう)別にみると、5日以内で解決した労働争議が90件(解決件数の11.4%)となっており、30日以内で解決した件数は321件(同40.5%)で、解決件数の4割を占めている。
 また、解決に91日以上を要した労働争議は224件(同28.3%)で、件数、割合ともに比較可能な平成11年以降では最高となっている(第13表)。

第13表 継続期間別労働争議解決件数

継続期間 平成11年 平成12年 平成13年 平成14年
  対前年差 対前年比
 
935 100.0 791 100.0 694 100.0 792 100.0 98 14.1
5日以下 216 23.1 118 14.9 109 15.7 90 11.4 -19 -17.4
6〜10日 57 6.1 52 6.6 38 5.5 36 4.5 -2 -5.3
11〜20日 92 9.8 77 9.7 76 11.0 92 11.6 16 21.1
21〜30日 86 9.2 77 9.7 71 10.2 103 13.0 32 45.1
31〜60日 165 17.6 149 18.8 120 17.3 136 17.2 16 13.3
61〜90日 117 12.5 120 15.2 116 16.7 111 14.0 -5 -4.3
91日以上 202 21.6 198 25.0 164 23.6 224 28.3 60 36.6


 春季賃上げ争議の状況

 (1) 平成14年春季賃上げ争議(2〜5月に発生し、主要要求事項に「賃金増額」を含む労働争議をいう)の総争議件数は149件、総参加人員は6万4千人となっており、前年に比べ、件数5件(3.5%)増、総参加人員28万人(81.4%)減となった。総参加人員が大幅に減少した主な要因は、前年は4月に発生した四現業の春季賃上げ争議が、本年は6月(9件、254,044人)に発生したためである。
 総争議のうち、争議行為を伴う争議件数は132件、行為参加人員は2万8千人で、前年に比べ、件数15件(12.8%)増、行為参加人員1万人(25.6%)減となった。
 争議行為を伴う争議のうち、「半日以上の同盟罷業」は、件数46件、行為参加人員5千人、労働損失日数7千日で、前年に比べ、件数、行為参加人員、労働損失日数とも減少した。
 また、「半日未満の同盟罷業」は、件数103件、行為参加人員2万4千人で、前年に比べ、件数は増加、行為参加人員は減少した(第14表)。

第14表 春季賃上げ争議の推移

総争議 争議行為を伴う争議
半日以上の同盟罷業 半日未満の同盟罷業 怠業
件数 総参加
人員
件数 行為参加
人員
件数 行為参加
人員
労働損失
日数
件数 行為参加
人員
件数 行為参加
人員
 
平成9 336 453,119 301 86,472 101 30,410 71,048 226 58,213 2 854
(12.4) (12.5) (18.0) (25.5) (16.1) (93.1) (211.9) (10.8) (4.3)    
10 181 377,953 135 52,579 63 10,028 16,594 107 44,150 1 14
(-46.1) (-16.6) (-55.1) (-39.2) (-37.6) (-67.0) (-76.6) (-52.7) (-24.2)    
11 173 345,955 143 48,932 80 18,617 66,094 79 31,870 2 27
(-4.4) (-8.5) (5.9) (-6.9) (27.0) (85.7) (298.3) (-26.2) (-27.8)    
12 190 400,875 148 53,841 67 10,402 18,372 104 44,681 - -
(9.8) (15.9) (3.5) (10.0) (-16.3) (-44.1) (-72.2) (31.6) (40.2)    
13 144 343,564 117 37,275 48 8,278 13,254 78 30,381 - -
(-24.2) (-14.3) (-20.9) (-30.8) (-28.4) (-20.4) (-27.9) (-25.0) (-32.0)    
14 149 63,813 132 27,732 46 4,932 6,542 103 23,603 - -
(3.5) (-81.4) (12.8) (-25.6) (-4.2) (-40.4) (-50.6) (32.1) (-22.3)    
(注) 1) 争議行為を伴う争議の計には、争議行為形態の「作業所閉鎖」、「その他」を含む。
2) 争議行為を伴う争議で、複数の行為形態を伴う争議(例えば「半日以上の同盟罷業」から「半日未満の同盟罷業」に移行した場合など)は、それぞれの形態で計上しているので、計とそれぞれの形態を積み上げた合計とは必ずしも一致しない。
3) ( )内は対前年比(%)である。


 (2) 春季賃上げ争議の年間争議に占める割合をみると、総争議は件数14.9%、総参加人員6.4%となっている。
 また、争議行為を伴う争議の年間争議に占める割合をみると、件数43.4%、行為参加人員42.1%となっている。
 このうち、「半日以上の同盟罷業」は、件数62.2%、行為参加人員70.3%、労働損失日数53.4%、「半日未満の同盟罷業」は、件数40.7%、行為参加人員39.3%となっている(第15表)。

第15表 春季賃上げ争議の総争議等に占める割合の推移

(単位:%)
総争議のうち
春季賃上げ争議
の占める割合
争議行為を伴う争議のうち春季賃上げ争議の占める割合
半日以上の同盟罷業 半日未満の同盟罷業 怠業
件数 総参加
人員
件数 行為参加
人員
件数 行為参加
人員
労働損失
日数
件数 行為参加
人員
件数 行為参加
人員
平成9 25.2 35.0 38.5 40.7 57.4 64.6 66.9 34.5 34.5 50.0 92.0
10 15.5 31.9 25.7 31.8 43.4 38.2 16.9 24.3 31.1 33.3 7.9
11 15.7 30.5 34.1 46.1 52.6 72.6 78.5 26.2 38.4 100.0 100.0
12 19.8 35.9 48.5 63.7 57.3 67.9 56.4 48.1 63.3 - -
13 16.3 32.1 47.6 50.0 53.9 68.1 45.9 44.3 47.1 - -
14 14.9 6.4 43.4 42.1 62.2 70.3 53.4 40.7 39.3 - -
(注) 各数値は、第14表の各項目に対応する第1表、第2表の各数値を分母として算出している。

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