(1) | 一般経済の概況 景気は、一部に弱い動きがみられ、このところ回復が緩やかになっている。
先行きについては、国内民間需要の増加が続いており、世界経済の着実な回復に伴って、景気回復は底堅く推移すると見込まれる。一方、情報化関連分野でみられる在庫調整の動きや為替レート、原油価格の動向等には留意する必要がある。 |
(2) | 労働経済の概況 労働経済面をみると、完全失業率が高水準ながらも、低下傾向で推移するなど(第1図)、雇用情勢は、厳しさが残るものの、改善している。
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(1) | 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、弱含んでいる。 11月の鉱工業生産(季節調整済前月比、確報、以下同じ)は、1.7%増と3か月ぶりに増加となった(第2図)。情報化関連生産財で生産を調整する動きが強まっていることに加え、輸出がこのところ弱含んでいることなどから、弱含んでいる。 業種別にみると、11月は、一般機械工業、輸送機械工業、情報通信機械工業等で増加した。出荷は1.3%増と2か月ぶりに増加し、在庫は0.8%増と2か月ぶりに増加した。 今後の動向については、製造工業生産予測調査によると、製造工業生産は12月 0.9%減の後、1月は2.8%増となっている。 |
(2) | 最終需要の動向をみると、
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(3) | 国内企業物価は、素材価格の上昇により、上昇している。消費者物価は、横ばいとなっている。 12月(速報)の国内企業物価は、前月比横ばい(前年同月比1.9%上昇)となり、輸出物価は同0.6%下落(同1.8%上昇)、輸入物価は同1.5%下落(同7.4%上昇)となった。 11月の消費者物価は、総合が前年同月比0.8%上昇(前月比0.2%下落)、生鮮食品を除く総合が同0.2%下落(同0.3%下落)となった(第7図)。 |
(4) | 企業収益は、大幅に改善している。また、企業の業況判断は、改善に一服感がみられる。倒産件数は、減少している。 財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の経常利益は、季節調整値で4〜6月期前期比10.7%増の後、7〜9月期同6.7%増(製造業2.7%増、非製造業9.6%増)となった。なお、前年同期比は、7〜9月期全産業37.8%増(製造業35.6%増、非製造業39.3%増)となった。 また、日本銀行「企業短期経済観測調査」(12月調査)によれば、企業の全規模の16年度の経常利益計画(前年同期比)は、16年度通期では全産業15.3%の増益、製造業24.0%の増益、非製造業8.9%の増益と、製造業、非製造業とも3年連続の増益を見込んでいる。なお、16年度上期では、全産業32.2%の増益、製造業38.4%の増益、非製造業27.5%の増益の後、下期では全産業2.8%の増益、製造業12.7%の増益、非製造業4.2%の減益が見込まれている(第8表)。 企業の業況判断D.I.(「良い」−「悪い」)について日本銀行「企業短期経済観測調査」(12月調査)をみると、全規模で全産業1ポイント(1ポイント悪化)、製造業11ポイント(2ポイント悪化)、非製造業-7ポイント(横ばい)となっており、製造業は悪化、非製造業は横ばいとなっている(第9表)。 倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は、11月1,064件(前年同月比4.4%減)となっている。1,100件を下回り、11月としては1990年以来の低い水準となっている。 |
(5) | 平成16年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季節調整済前期比0.1%(年率0.2%)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度は0.2%、財貨・サービスの純輸出の寄与度は▲0.1%となった。また、名目GDPの成長率は季節調整済前期比▲0.0%となった(第10図)。 |
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(2) | 有効求人(季節調整値)は、前月比7.8%増と2か月連続で増加し、有効求職者数(季節調整値)も同2.4%増と3か月ぶり増加となった。 有効求人倍率(季節調整値)は、上昇しており、11月は0.92倍(前月差0.04ポイント上昇)となった。 新規求人(季節調整値)は、増加しており、前月比16.3%増と2か月ぶりに増加した。 新規求職者数(季節調整値)は前月比22.2%増と3か月ぶりに増加した。 新規求人倍率(季節調整値)は、11月は1.38倍と前月より0.07ポイント低下した(第12表)。 新規求人(季節調整値)を一般(除パート)とパートの別でみると、11月は一般は前月比17.7%増と2か月ぶりに増加し、パートについては前月比12.1%増と4か月連続で増加した。新規求職(季節調整値)は、一般は前月比22.4%増と3か月ぶりに増加し、パートについても同25.0%増と3か月ぶりに増加した。 |
(3) | 産業別にみると11月の就業者数(原数値)は、情報通信業が前年同月差3万人増、医療,福祉は同29万人増、サービス業は同37万人増と増加したのに対し、教育,学習支援業は同3万人減、飲食店,宿泊業は同4万人減、建設業は同31万人減、製造業は同34万人減、卸売・小売業は同5万人減と減少した。 11月の新規求人(原数値)は情報通信業が前年同月比70.6%増、飲食店,宿泊業が同14.2%増、医療,福祉が同15.6%増、サービス業が同36.0%増、建設業が同19.7%増、製造業が同13.3%増、運輸業が同13.8%増、卸売・小売業が同9.9%増、教育,学習支援業が同16.5%増と増加した。 |
(4) | 雇用に先行して動くと考えられる指標についてみると、製造業の所定外労働時間(季節調整値)は、横ばいとなっている。所定外労働時間(事業所規模5人以上、季節調整済指数)は、製造業では10月(確報値)は前月比0.2%減の後、 11月(確報値)は同0.6%増となり、調査産業計では10月は前月比0.6%減の後、11月は同1.9%増となった。 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)によると、雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は、全産業では0%ポイント(9月調査より2%ポイント低下)となり低下傾向にある(第13図)。 厚生労働省「労働経済動向調査」によると、2004年7〜9月期に雇用調整を実施した事業所割合は15%となり4〜6月期と同水準となった(第14図)。また、2004年10〜12月期に実施予定の事業所割合は14%、2005年1〜3月期に実施予定の事業所割合は13%と低下が見込まれている。 内閣府「景気ウォッチャー調査」による12月の2〜3か月先の景気の先行き判断DI・雇用関連は49.6で前月を3.5ポイント下回った。 |
(1) | 11月の現金給与総額(産業計、確報、以下同じ)は292,277円で、前年同月比1.8%増となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比2.9%増、パートタイム労働者は0.7%減となった。 内訳をみると、所定内給与は前年同月比0.6%減(一般労働者同0.2%増、パートタイム労働者同0.9%減)となったほか、所定外給与は同2.0%増、特別給与は同52.5%増となり、実質賃金は同0.8%増となった(第15図)。 |
(2) | 11月の総実労働時間(産業計、確報、以下同じ)は153.5時間で、前年同月比0.7%増となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.6%増、パートタイム労働者は同1.2%減となった。 内訳をみると、所定内労働時間は142.8時間で前年同月比0.6%増(一般労働者同1.5%増、パートタイム労働者同1.0%減)、所定外労働時間は10.7時間で同1.9%増となった。なお、月間出勤日数は19.9日で前年同月差は横ばいとなった。 11月の製造業の所定外労働時間(確報)は16.5時間で、前年同月比3.1%増となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比2.1%増、100〜499人規模で6.1%増、30〜99人規模で同0.9%増、5〜29人規模で同5.0%増となった(第16図)。 |