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5月月例労働経済報告


〈概観〉

一般経済の概況

 景気は、依然厳しい状況にあるが、底入れしている。

 先行きについては、厳しい雇用・所得環境などが、今後の民間需要を下押しする懸念がある一方、輸出の増加や在庫調整の進展が、今後の景気を下支えすることが期待される。

労働経済の概況

 労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や賃金も弱い動きが続いている。

(1) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、下げ止まっている。生産は、季調済前月比で2月(速報)は同1.2%増の後、3月(速報)は同0.5%増(前年同月比10.0%減)となった。業種別にみると、電気機械、輸送機械、一般機械等が上昇したが、化学(除医薬品)、金属製品、窯業・土石製品等が低下した。出荷は、季調済前月比0.7%増(前年同月比8.5%減)となった。在庫は、季調済前月比2.2%減(前年同月比8.0%減)となった。在庫率は、季調済前月比1.3%減(前年同月比2.8%増)となった。製造工業の生産予測指数は、4月季調済前月比1.3%増の後、5月は同3.1%増を予測している。
 企業収益は、製造業を中心に大幅に減少している。また、企業の業況判断は、厳しい状態が続いているが、大企業においては下げ止まりつつある。内閣府「法人企業動向調査」(資本金1億円以上、3月調査、季調値)によると、売上高の判断(「増加」―「減少」)は、14年1〜3月期は「減少」超幅が縮小し、経常利益の判断(「増加」―「減少」)も、14年1〜3月期は前期に比べ「減少」超幅が縮小した。また、企業経営者の景気判断(業界景気の判断「上昇」―「下降」)は14年1〜3月期は前期に比べ「下降」超幅が縮小した。中小企業金融公庫「中小企業動向調査」(3月調査、季調値)によると、業況判断D.I.(「好転」―「悪化」)は、14年1〜3月期は前期に比べ「悪化」超幅は拡大しているものの、4〜6月期(予測)では前期に比べ「悪化」超幅は縮小の見込みとなっている。

「国内総生産」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

「生産・出荷・在庫」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

「業況判断」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(2) 設備投資は、減少している。前出「法人企業動向調査」によると、全産業の設備投資額は、季調済前期比で13年10〜12月期(実績)1.1%減(前年同期比8.8%減)(うち製造業2.2%減、非製造業0.7%減)の後、14年1〜3月期(実績見込み)は5.6%増(同5.3%減)(同1.9%減、同8.4%増)となっている。また14年度4〜9月期(計画)は、前年同期比で5.3%減(うち製造業10.1%減、非製造業2.8%減)と見込まれている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季調済前月比で2月6.3%増の後、3月は同6.2%減(前年同月比22.0%減)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、3月は前年同月比で20.3%減となった。

 住宅建設は、おおむね横ばいとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、2月4.9%減(前年同月比2.8%増)の後、3月は同6.1%減(同6.2%減)の9万3千戸(年率111万戸)となった。

「住宅」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

 公共投資は、総じて低調に推移している。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で2月は19.0%減の後、3月は同7.3%減となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で2月10.6%増の後、3月は同10.7%減となった。

(3) 個人消費は、横ばいで推移するなかで、一部に底固さもみられる。3月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で2.5%減、実質で1.0%減となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、69.6%となった。3月の小売業販売額(速報)は前年同月比5.4%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同1.5%減となった。4月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比5.7%増となった。

「個人消費」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(4) 輸出は、アジア向けを中心に増加している。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で2月1.8%減の後、3月は同4.1%増(前年同月比3.1%減)となった。また、前期比で10−12月期0.5%減の後、1−3月期6.4%増(前年同期比3.0%減)となった。
 輸入は、横ばいとなっている。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で2月2.4%増、3月は同8.3%減(前年同月比0.4%減)となった。また、前期比で10−12月期1.4%増の後、1−3月期1.1%減(前年同期比5.6%減)となった。

(5) 雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や賃金も弱い動きが続いている。3月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比0.4%減(前月同0.7%減)と10ヶ月連続で減少し、有効求職者が同1.3%減(前月同0.5%減)となり、0.51倍と前月より0.01ポイント上昇した。3月の雇用者数は前年同月比0.9%減(前年同月差46万人減)となった。3月の完全失業率(季調値)は、5.2%と前月より0.1%ポイント低下した。完全失業者数(原数値)は379万人で前年同月差36万人増となった。

「雇用・労働市場」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(6) 賃金、労働時間の動向をみると、3月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比0.8%減となり、実質賃金は同0.7%増となった。また、定期給与は前年同月比1.7%減となった。特別給与は前年同月比11.9%増となった。
 3月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比1.6%減となり、そのうち所定内労働時間は同1.3%減となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比9.5%減となった。

(7) 国内卸売物価は、横ばいとなっている。4月の総合卸売物価は前月比0.4%上昇(前年同月比0.7%下落)となった。そのうち国内卸売物価は前月比横ばい、輸出物価は同0.7%上昇、輸入物価は同2.7%上昇となった。
 消費者物価は、弱含んでいる。3月の消費者物価は、前年同月比1.2%下落(生鮮食品を除く総合同0.7%下落)、4月について東京都区部速報値でみると、前年同月比1.3%下落(生鮮食品を除く総合同1.1%下落)となった。


1 雇用、労働市場の動向

《1》 3月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で0.4%減、有効求職者が同1.3%減となり、有効求人倍率(季調値)は0.51倍と前月より0.01ポイント上昇した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.28倍、パートを除く有効求人倍率は0.39倍(うち常用0.38倍)となった。
 3月の新規求人は季調済前月比で0.3%減、前年同月比で7.5%減となり、うち、パートの新規求人は前年同月比0.3%減、パートを除く新規求人は同10.5%減となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比1.6%減)、卸売・小売業、飲食店(同7.3%減)、運輸・通信業(同9.9%減)、建設業(同10.9%減)、製造業(同19.9%減)となっている。一方、3月の新規求職者は季調済前月比で7.3%減、前年同月比5.3%増となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比10.2%増、パートを除く新規求職者は同4.4%増となった。また、常用新規求職者は前年同月比6.1%増となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同5.5%減、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同13.9%増となった。以上の結果、3月の新規求人倍率(季調値)は0.94倍(前月0.88倍)となった。

「求人・求職」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、3月は前年同月比0.9%減(前年同月差46万人減、うち常雇59万人減)と7ヶ月連続で減少した。男女別には、男性は前年同月差49万人減、女性は41万人増となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差39万人増、運輸・通信業で同6万人減、卸売・小売業、飲食店で同15万人減、建設業で同17万人減、製造業で同31万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、3月は産業計で前年同月比0.4%減、製造業で同4.3%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.1%減、パートタイム労働者は同2.0%増となった。
 3月の完全失業率(季調値)は5.2%となり、高水準で推移した。男女別にみると、男性は5.3%(前月差0.1ポイント低下)、女性は5.1%(前月差0.1ポイント低下)となった。
 完全失業者数(原数値)は379万人で、前年同月差36万人増となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は153万人(前年同月差53万人増)、自発的理由による離職者は114万人(同3万人減)、他方、その他の理由による失業者は78万人(同8万人減)となった。また、世帯主の失業者は101万人(同7万人増)となった。
 3月の男性の労働力率は74.9%(前年同月差0.9%ポイント低下)、女性の労働力率は48.3%(同0.5%ポイント低下)となった。

「雇用・失業」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

《3》 日本銀行「企業短期経済観測調査」(3月調査)によれば、全国企業(全産業)の雇用人員判断D.I.(「過剰」−「不足」)はプラス20%ポイント(12月調査プラス21%ポイント)と前回と比べ1%ポイント低下した。内訳をみると、大企業はプラス27%ポイント(同プラス28%ポイント)、中堅企業はプラス17%ポイント(同プラス18%ポイント)、中小企業はプラス20%ポイント(同プラス20%ポイント)となり、大企業、中堅企業は低下、中小企業は横ばいとなった。産業別にみると、製造業はプラス31%ポイント(12月調査プラス34%ポイント)と前回と比べ3%ポイント低下し、非製造業はプラス12%ポイント(同プラス11%ポイント)と前回と比べ1%ポイント上昇した。

「産業別雇用者数」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

2 賃金・労働時間・労働災害の動向

《1》 3月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は301,656円で、前年同月0.8%減となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比1.4%減となったほか、所定外給与は同5.3%減、特別給与は同11.9%増となり、実質賃金は同0.7%増となった。

「賃金」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 3月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は150.4時間で、前年同月比1.6%減となった。内訳をみると、所定内労働時間は140.7時間で前年同月比1.3%減、所定外労働時間は9.7時間で同6.2%減となった。なお、月間出勤日数は19.5日と前年同月差0.2日減となった。
 3月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は13.0時間で、前年同月比9.5%減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比4.1%減、100〜499人規模で11.3%減、30〜99人規模で同9.0%減、5〜29人規模で同12.1%減となった。

「労働時間」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《3》 平成14年2月の労働災害による全産業の死亡者数は67人(速報)で、前年同月比15.2%減となっている。


3 勤労者家計・物価の動向

《1》 3月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比2.8%増、実質で同4.4%増となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比1.4%増、臨時収入・賞与が同38.7%増、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同7.2%増となった。可処分所得は名目で前年同月比2.6%増、実質で4.2%増となった。
 3月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比2.7%減、実質で同1.2%減となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比1.1%増、サ−ビスは同4.0%減となった。
 3月の平均消費性向は86.8%と、前年同月差4.8%ポイントの低下となった。

「勤労者家計」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 4月の総合卸売物価は、前月比0.4%上昇(前年同月比0.7%下落)となった。うち国内卸売物価は、電力・都市ガス・水道、電気機器等が下落したが、石油・石炭製品、食料用農畜水産物等が上昇したため、前月比横ばい(前年同月比1.2%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比0.7%上昇(前年同月比1.7%上昇)、同2.7%上昇(同横ばい)となった。
 3月の全国消費者物価は、前年同月比1.2%下落(前月比0.2%上昇)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.7%下落(前月比0.2%上昇)となった。4月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比1.3%下落 (前月比0.2%上昇) となった。

「物価」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

5月の主要変更点(概要部分)

月例労働経済報告参考表
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