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4月月例労働経済報告


〈概観〉

一般経済の概況

 景気は、依然厳しい状況にあるが、底入れに向けた動きがみられる。

 先行きについては、厳しい雇用・所得環境などが、今後の民間需要を下押しする懸念がある一方、対外経済環境の改善や在庫調整の進展が、今後の景気を下支えすることが期待される。

労働経済の概況

 労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や賃金も弱い動きが続いている。

(1) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、下げ止まりつつある。生産は、季調済前月比で1月1.5%減の後、2月(速報)は同1.3%増(前年同月比11.3%減)となった。業種別にみると、精密機械、繊維、輸送機械が低下したが、電気機械、化学(除、医薬品)その他等が上昇した。出荷は、季調済前月比1.4%増(前年同月比10.5%減)となった。在庫は、季調済前月比0.6%減(前年同月比5.5%減)となった。在庫率は、季調済前月比0.1%減(前年同月比5.5%増)となった。製造工業の生産予測指数は、3月季調済前月比1.0%増の後、4月は同0.2%増を予測している。
 企業収益は、製造業を中心に大幅に減少している。また、企業の業況判断は、厳しい状態が続いているが、大企業においては下げ止まりの兆しがみられる。日本銀行「企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、大企業の13年度下期の経常利益計画は、製造業では前年同期比54.5%の減益(13年度上期実績同34.1%の減益)、非製造業では10.6%の減益(13年度上期実績同8.8%の減益)が見込まれている。こうしたなかで、大企業の業況判断D.I.(「良い」−「悪い」)をみると、製造業はマイナス38%ポイントと前回と変わらず、、非製造業もマイナス22%ポイントと、前回と変わらなかった。

「国内総生産」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

「生産・出荷・在庫」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(2) 設備投資は、大幅に減少している。前出の「企業短期経済観測調査」によれば、大企業の13年度の設備投資計画は、製造業で前年度比6.7%減、非製造業で同5.7%減、全産業では同6.1%減となっており、製造業で前回調査から下方修正されている。中小企業の設備投資計画は、製造業で前年度比15.3%減、非製造業で同4.5%減となっている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季節済前月比で1月15.6%減の後、2月は同10.8%増(前年同月比16.1%減)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、2月は前年同月比で19.2%減となった。

「設備投資」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

 住宅建設は、おおむね横ばいとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、1月9.0%増(前年同月比3.5%増)の後、2月は同4.9%減(同2.8%増)の9万9千戸(年率118万戸)となった。

「住宅」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

 公共投資は、総じて低調に推移している。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で12月は8.8%減の後、1月は同15.7%減となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で1月11.9%減の後、2月は同10.6%増となった。

(3) 個人消費は、横ばいとなっている。2月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で5.6%減、実質で3.8%減となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、69.9%となった。2月の小売業販売額(速報)は前年同月比6.1%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同4.7%減となった。3月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比2.6%減となった。

「個人消費」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(4) 輸出は、下げ止まっている。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で1月9.9%増の後、2月は同1.8%減(前年同月比4.1%減)となった。また、前期比で7−9月期3.1%減の後、10−12月期0.5%減(前年同期比12.0%減)となった。
 輸入は、横ばいとなっている。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で1月3.2%増、2月は同2.4%増(前年同月比0.5%増)となった。また、前期比で7−9月期3.1%減の後、10−12月期1.3%増(前年同期比5.5%減)となった。

(5) 雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や賃金も弱い動きが続いている。2月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比0.7%減(前月同0.2%減)と9ヶ月連続で減少し、有効求職者が同0.5%減(前月同0.7%増)となり、0.50倍と前月より0.01ポイント低下した。2月の雇用者数は前年同月比1.4%減(前年同月差77万人減)となった。2月の完全失業率(季調値)は、5.3%と前月と同水準となった。完全失業者数(原数値)は356万人で前年同月差38万人増となった。

「雇用・労働市場」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(6) 賃金、労働時間の動向をみると、2月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比0.6%減となり、実質賃金は同1.2%増となった。また、定期給与は前年同月比0.6%減となった。特別給与は前年同月比21.9%増となった。
 2月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比0.1%減となり、そのうち所定内労働時間は同0.2%増となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比12.9%減となった。

(7) 国内卸売物価は、下落幅が縮小している。3月の総合卸売物価は前月比0.2%下落(前年同月比1.0%下落)となった。そのうち国内卸売物価は前月比横ばい、輸出物価は同0.8%下落、輸入物価は同0.7%下落となった。
 消費者物価は、弱含んでいる。2月の消費者物価は、前年同月比1.6%下落(生鮮食品を除く総合同0.8%下落)、3月について東京都区部速報値でみると、前年同月比1.2%下落(生鮮食品を除く総合同0.7%下落)となった。


1 雇用、労働市場の動向

《1》 2月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で0.7%減、有効求職者が同0.5%減となり、有効求人倍率(季調値)は0.50倍と前月より0.01ポイント低下した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.25倍、パートを除く有効求人倍率は0.39倍(うち常用0.37倍)となった。
 2月の新規求人は季調済前月比で0.9%増、前年同月比で7.2%減となり、うち、パートの新規求人は前年同月比1.5%減、パートを除く新規求人は同9.8%減となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比0.6%増)、卸売・小売業、飲食店(同1.6%減)、建設業(同11.1%減)、運輸・通信業(同15.7%減)、製造業(同28.0%減)となっている。一方、2月の新規求職者は季調済前月比で1.7%減、前年同月比16.4%増となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比18.8%増、パートを除く新規求職者は同16.0%増となった。また、常用新規求職者は前年同月比16.9%増となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同12.3%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同20.0%増となった。以上の結果、2月の新規求人倍率(季調値)は0.88倍(前月0.85倍)となった。

「求人・求職」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、2月は前年同月比1.4%減(前年同月差77万人減、うち常雇82万人減)と6ヶ月連続で減少した。男女別には、男性は前年同月差51万人減、女性は26万人減となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差39万人増、運輸・通信業で同4万人減、建設業で同18万人減、卸売・小売業、飲食店で同40万人減、製造業で同64万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、2月は産業計で前年同月比0.3%減、製造業で同4.2%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比4.0%減、パートタイム労働者は同5.3%減となった。
 2月の完全失業率(季調値)は5.3%となり、高水準で推移した。男女別にみると、男性は5.4%(前月と同水準)、女性は5.2%(前月差0.1ポイント上昇)となった。
 完全失業者数(原数値)は356万人で、前年同月差38万人増となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は149万人(前年同月差54万人増)、自発的理由による離職者は113万人(同差なし)、他方、その他の理由による失業者は75万人(同8万人減)となった。また、世帯主の失業者は98万人(同11万人増)となった。
 2月の男性の労働力率は74.2%(前年同月差1.0%ポイント低下)、女性の労働力率は47.7%(同0.9%ポイント低下)となった。

「雇用・失業」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

《3》 日本銀行「企業短期経済観測調査」(3月調査)によれば、全国企業(全産業)の雇用人員判断D.I.(「過剰」−「不足」)はプラス20%ポイント(12月調査プラス21%ポイント)と前回と比べ1%ポイント低下した。内訳をみると、大企業はプラス27%ポイント(同プラス28%ポイント)、中堅企業はプラス17%ポイント(同プラス18%ポイント)、中小企業はプラス20%ポイント(同プラス20%ポイント)となり、大企業、中堅企業は低下、中小企業は横ばいとなった。産業別にみると、製造業はプラス31%ポイント(12月調査プラス34%ポイント)と前回と比べ3%ポイント低下し、非製造業はプラス12%ポイント(同プラス11%ポイント)と前回と比べ1%ポイント上昇した。

「雇用人員判断D.I.の推移」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

2 賃金・労働時間・労働災害の動向

《1》 2月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は282,498円で、前年同月0.6%減となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比0.2%減となったほか、所定外給与は同6.7%減、特別給与は同21.9%増となり、実質賃金は同1.2%増となった。なお、平成13年年末賞与は、454,251円、前年比3.7%減(前年同1.2%減)となった。

「賃金」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 2月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は151.5時間で、前年同月比0.1%減となった。内訳をみると、所定内労働時間は142.2時間で前年同月比0.2%増、所定外労働時間は9.3時間で同5.4%減となった。なお、月間出勤日数は19.7日と前年同月差0.1日増となった。
 2月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は12.5時間で、前年同月比12.9%減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比8.9%減、100〜499人規模で16.3%減、30〜99人規模で同13.3%減、5〜29人規模で同10.3%減となった。

「労働時間」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《3》 平成14年2月の労働災害による全産業の死亡者数は67人(速報)で、前年同月比15.2%減となっている。


3 勤労者家計・物価の動向

《1》 2月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比0.2%増、実質で同2.1%増となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比0.1%増、臨時収入・賞与が同12.2%増、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同3.5%増となった。可処分所得は名目で前年同月比0.3%減、実質で1.6%増となった。
 2月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比4.7%減、実質で同2.9%減となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比2.8%減、サ−ビスは同4.0%減となった。
 2月の平均消費性向は75.0%と、前年同月差3.4%ポイントの低下となった。

「勤労者家計」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 3月の総合卸売物価は、前月比0.2%下落(前年同月比1.0%下落)となった。うち国内卸売物価は、石油・石炭製品、非鉄金属等が上昇したが、食料用農蓄水産物、電気機械等が下落したため、前月比横ばい(前年同月比1.3%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比0.8%下落(前年同月比1.7%上昇)、同0.7%下落(同1.6%下落)となった。
 2月の全国消費者物価は、前年同月比1.6%下落(前月比0.5%下落)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.8%下落(前月比0.2%下落)となった。3月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比1.2%下落 (前月比0.3%上昇) となった。

「物価」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

4月の主要変更点(概要部分)

月例労働経済報告参考表
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