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3月月例労働経済報告


〈概観〉

一般経済の概況

 景気は、依然厳しい状況にあるが、一部に下げ止まりの兆しがみられる。

 先行きについては、厳しい雇用・所得環境や企業収益の動向などが、今後の民間需要を下押しする懸念がある一方、対外経済環境の改善や在庫調整の進展が、今後の景気を下支えすることが期待される。

労働経済の概況

 労働経済面をみると、雇用情勢は、厳しさを増している。完全失業率が高水準で推移し、求人や賃金も弱い動きが続いている。

(1) 平成13年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季調済前期比1.2%減(年率4.5%減)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度はマイナス1.0%、財貨・サービスの純輸出の寄与度はマイナス0.1%となった。

(2) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、下げ止まりの兆しがみられ、在庫率も低下している。生産は、季調済前月比で12月1.5%増の後、1月(速報)は同1.0%減(前年同月比11.1%減)となった。業種別にみると、鉄鋼業、その他、石油・石炭製品が増加したが、電気機械、一般機械、輸送機械が減少した。出荷は、季調済前月比0.6%減(前年同月比10.1%減)となった。在庫は、季調済前月比1.1%減(前年同月比3.3%減)となった。在庫率は、季調済前月比4.8%減(前年同月比5.8%増)となった。製造工業の生産予測指数は、2月季調済前月比4.7%増の後、3月は同0.9%減を予測している。
 企業収益は、製造業を中心に大幅に減少している。また、企業の業況判断は、一層厳しさが増している。財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の売上高は平成13年7〜9月期前年同期比2.6%減の後、平成13年10〜12月期同3.8%減(うち製造業同9.1%減、非製造業同1.6%減)となり、経常利益は平成13年7〜9月期前年同月比32.5%減の後、平成13年10〜12月期同31.4%減(うち製造業50.6%減、非製造業15.3%減)となっている。

「国内総生産」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

「生産・出荷・在庫」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(3) 設備投資は、大幅に減少している。前出「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資額は、季節調整値で、13年7〜9月期前期比3.5%減の後、13年10〜12月期同6.3%減(前年同期比14.5%減)となっており、うち製造業では、同7.0%減(同11.5%減)、非製造業では同6.0%減(同15.8%減)となっている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季節調整済前月比で12月0.5%減の後、1月は同15.6%減(前年同月比22.2%減)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、1月は前年同月比で9.8%減となった。

「設備投資」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

 住宅建設は、おおむね横ばいとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、12月5.0%減(前年同月比12.9%減)の後、1月は同9.0%増(同3.5%増)の9万5千戸(年率125万戸)となった。

「住宅建設」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

 公共投資は、総じて低調に推移している。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で12月は8.8%減の後、1月は同15.7%減となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で12月9.2%減の後、1月は同11.9%減となった。

(4) 個人消費は、横ばいとなっている。1月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で0.9%減、実質で0.8%増となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、69.6%となった。1月の小売業販売額(速報)は前年同月比4.7%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同2.0%減となった。2月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比1.6%増となった。

「個人消費」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(5) 輸出は、下げ止まりつつある。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で12月4.6%減の後、1月は同10.0%増(前年同月比1.7%減)となった。また、前期比で7−9月期3.1%減の後、10−12月期0.5%減(前年同期比12.0%減)となった。
 輸入は、横ばいとなっている。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で12月1.9%減の後、1月は同3.2%増(前年同月比6.0%減)となった。また、前期比で7−9月期3.1%減の後、10−12月期1.3%増(前年同期比5.5%減)となった。

(6) 雇用情勢は、厳しさを増している。完全失業率が高水準で推移し、求人や賃金も弱い動きが続いている。1月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比0.2%減(前月同1.5%減)と8ヶ月連続で減少し、有効求職者が同0.7%増(前月同1.2%増)となり、0.51倍と前月と同水準で推移した。1月の雇用者数は前年同月比1.0%減(前年同月差52万人減)となった。1月の完全失業率(季調値)は、5.5%と前月と同水準となり、既往最高水準となった。完全失業者数(原数値)は344万人で前年同月差27万人増となった。

「雇用・労働市場」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

(7) 賃金、労働時間の動向をみると、1月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比2.3%減となり、実質賃金は同0.2%減となった。また、定期給与は前年同月比1.0%減となった。特別給与は前年同月比14.6%減となった。
 1月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比2.7%減となり、そのうち所定内労働時間は同2.3%減となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比13.7%減となった。

(8) 国内卸売物価は、下落幅が縮小している。2月の総合卸売物価は前月比0.2%上昇(前年同月比0.1%下落)となった。そのうち国内卸売物価は前月比0.1%上昇、輸出物価は同0.3%上昇、輸入物価は同0.4%上昇となった。
 消費者物価は、弱含んでいる。1月の消費者物価は、前年同月比1.4%下落(生鮮食品を除く総合同0.8%下落)、2月について東京都区部速報値でみると、前年同月比1.7%下落(生鮮食品を除く総合同0.9%下落)となった。


1 雇用、労働市場の動向

《1》 1月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で0.2%減、有効求職者が同0.7%増となり、有効求人倍率(季調値)は0.51倍と前月と同水準となった。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.23倍、パートを除く有効求人倍率は0.39倍(うち常用0.37倍)となった。
 1月の新規求人は季調済前月比で0.4%減、前年同月比で8.6%減となり、うち、パートの新規求人は前年同月比2.1%減、パートを除く新規求人は同11.5%減となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比0.1%増)、卸売・小売業、飲食店(同2.6%減)、建設業(同9.8%減)、運輸・通信業(同15.3%減)、製造業(同33.7%減)となっている。一方、1月の新規求職者は季調済前月比で5.9%増、前年同月比18.2%増となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比24.9%増、パートを除く新規求職者は同17.2%増となった。また、常用新規求職者は前年同月比20.8%増となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同18.6%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同22.5%増となった。以上の結果、1月の新規求人倍率(季調値)は0.85倍(前月0.91倍)となった。

「求人・求職」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、1月は前年同月比1.0%減(前年同月差52万人減、うち常雇60万人減)と5ヶ月連続で減少した。男女別には、男性は前年同月差26万人減、女性は26万人減となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差60万人増、運輸・通信業で同3万人増、建設業で同18万人減、卸売・小売業、飲食店で同27万人減、製造業で同68万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、1月は産業計で前年同月比0.6%減、製造業で同4.1%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.1%減、パートタイム労働者は同1.4%増となった。
 1月の完全失業率(季調値)は5.3%となり、これまでの最高水準で推移した。男女別にみると、男性は5.4%(前月差0.4ポイント低下)、女性は5.1%(前月と同水準)となった。
 完全失業者数(原数値)は334万人で、前年同月差27万人増となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は147万人(前年同月差48万人増)、自発的理由による離職者は107万人(同6万人減)、他方、その他の理由による失業者は70万人(同13万人減)となった。また、世帯主の失業者は98万人(同8万人増)となった。
 1月の男性の労働力率は74.3%(前年同月差1.0%ポイント低下)、女性の労働力率は47.6%(同0.9%ポイント低下)となった。

「雇用・失業」の表 データ取得エクセルでダウンロードできます。

《3》 厚生労働省「労働経済動向調査」(2月調査)により、10〜12月期の雇用調整実施事業所割合を見ると、調査産業計では29%(前期差4%ポイント上昇)、金融・保険業及び不動産業を除く5産業計では30%(前期差4%ポイント上昇)となった。産業別には、卸売・小売業、飲食店で前期差低下、金融・保険業で同横ばい、建設業、製造業、運輸・通信業、不動産業、サービス業では同上昇となった。なお、1〜3月期の雇用調整実施予定事業所割合は、産業計で30%、5産業計で31%と見込まれている。2月現在の常用労働者過不足判断D.I.(「不足」−「過剰」)をみると、調査産業計でマイナス15ポイント(前期差2ポイント低下で5期連続の低下)、5産業計ではマイナス16ポイント(前期差1ポイント低下で5期連続の低下)となった。また、産業別に常用労働者過不足判断D.I.をみると、建設業、卸売・小売業、飲食店、運輸・通信業、金融・保険業、不動産業、サービス業で低下し、製造業で上昇した。

「産業別雇用調整実施事業所割合の推移」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。


2 賃金・労働時間・労働災害の動向

《1》 1月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は302,118円で、前年同月2.3%減となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比0.4%減となったほか、所定外給与は同8.7%減、特別給与は同14.6%減となり、実質賃金は同0.2%減となった。

「賃金」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 1月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は137.9時間で、前年同月比2.7%減となった。内訳をみると、所定内労働時間は129.2時間で前年同月比2.3%減、所定外労働時間は8.7時間で同7.4%減となった。なお、月間出勤日数は18.0日と前年同月差0.4日減となった。
 1月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は10.7時間で、前年同月比13.7%減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比13.0%減、100〜499人規模で16.7%減、30〜99人規模で同17.5%減、5〜29人規模で同8.7%減となった。

「労働時間」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《3》 平成13年12月の労働災害による全産業の死亡者数は97人(速報)で、前年同月比9.2%減となっている。


3 勤労者家計・物価の動向

《1》 1月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比1.7%減、実質で同3.5%増となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比0.6%減、臨時収入・賞与が同12.0%減、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同5.2%増となった。可処分所得は名目で前年同月比1.7%増、実質で3.5%増となった。
 1月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比1.5%減、実質で同0.2%増となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比0.1増、サ−ビスは同0.1%減となった。
 1月の平均消費性向は85.1%と、前年同月差2.8%ポイントの低下となった。

「勤労者家計」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

《2》 2月の総合卸売物価は、前月比0.2%上昇(前年同月比0.1%下落)となった。うち国内卸売物価は、化学製品、電気機械等が下落したが、石油・石炭製品、食料品農畜水産物、非鉄金属等が上昇したため、前月比0.1%上昇(前年同月比1.3%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比0.3%上昇(前年同月比5.0%上昇)、同0.4%上昇(同2.7%上昇)となった。
 1月の全国消費者物価は、前年同月比1.4%下落(前月比0.2%下落)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.8%下落(前月比0.5%下落)となった。1月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比1.7%下落 (前月比0.4%下落) となった。

「物価」のグラフ データ取得エクセルでダウンロードできます。

3月の主要変更点(概要部分)

月例労働経済報告参考表
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