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7月月例労働経済報告

〈概観〉

一般経済の概況

 景気は、悪化している。

 先行きについては、在庫の増加や設備投資の弱含みの兆しなど、懸念すべき点がみられる。

労働経済の概況

 労働経済面をみると、雇用情勢は、完全失業率がこれまでの最高水準にあるなど、依然として厳しい。一部で底固さが見られるものの、製造業では弱い動きがみられる。

(1) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は引き続き減少する中で、在庫が増加している。生産は、季調済前月比で4月2.0%減の後、5月(速報)は同1.2%減(前年同月比3.9%減)となった。業種別にみると、電気機械、一般機械、輸送機械、金属製品等が低下したが、石油・石炭製品、プラスチック製品、その他等が上昇した。出荷は、季調済前月比0.0%(前年同月比3.8%減)となった。在庫は、季調済前月比0.8%増(前年同月比5.9%増)となった。在庫率は、季調済前月比0.9%減(前年同月比9.7%増)となった。製造工業の生産予測指数は、6月季調済前月比0.3%増の後、7月は同0.1%減を予測している。

生産・出荷・在庫のグラフ

 企業収益は、頭打ちとなっている。また、企業の業況判断は、製造業を中心に引き続き悪化している。日本銀行「企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、大企業の13年度上期の経常利益計画は、製造業では前年同期比13.9%の減益(12年度下期実績同24.7%の増益)、非製造業では12.1%の減益(12年度下期実績同9.4%の減益)が見込まれている。こうしたなかで、大企業の業況判断D.I.(「良い」ー「悪い」)をみると、製造業はマイナス16%ポイントと「悪い」超幅が拡大し、非製造業はマイナス13ポイントと、「悪い」超幅が横ばいとなった。

(2) 設備投資は、頭打ちとなっている。産業別にみると、製造業は堅調に増加しているものの、非製造業では、弱含んでいる。前出の「企業短期経済観測調査」によれば、大企業の12年度の設備投資実績は、製造業で前年度比8.3%増、非製造業で同2.5%減、全産業では同1.5%増となっており、製造業、非製造業、全産業で前回調査から下方修正されている。中小企業の設備投資実績は、製造業で前年度比15.2%増、非製造業で同2.6%減となっている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季節済前月比で4月6.3%増の後、5月は同2.1%減(前年同月比4.3%増)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、5月は前年同月比で10.1%減となった。

設備投資表

 住宅建設は、弱含みとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、4月5.8%減(前年同月比7.2%減)の後、5月は同5.6%増(同0.2%減)の10万戸(年率120万戸)となった。

住宅のグラフ

 公共投資は、総じて低調に推移している。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で3月は6.7%減の後、4月は同7.2%減となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で4月11.7%増の後、5月は同30.8%減となった。

(3) 個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。5月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で2.9%減、実質で2.3%減となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、70.6%となった。5月の小売業販売額(速報)は前年同月比1.6%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同3.2%減となった。6月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比0.9%増となった。

個人消費のグラフ

(4) 輸出は、減少している。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で4月8.1%減の後、5月は同0.9%減となった。
 輸入は、減少している。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で4月6.8%減の後、5月は同11.1%増となった。

(5) 雇用情勢は、完全失業率がこれまでの最高水準にあるなど、依然として厳しい。一部で底固さが見られるものの、製造業では弱い動きがみられる。5月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比1.6%増(前月同1.1%増)と2か月連続で増加し、有効求職者が同2.6%増(前月同0.5%増)となり、0.61倍と前月より0.01ポイント低下した。5月の雇用者数は前年同月比0.7%増(前年同月差39万人増)となった。5月の完全失業率(季調値)は、4.9%と前月より0.1%ポイント上昇した。完全失業者数(原数値)は348万人で前年同月差20万人増となった。

雇用・労働市場のグラフ

(6) 賃金、労働時間の動向をみると、5月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比0.4%減となり、実質賃金は同0.2%増となった。また、定期給与は前年同月比0.2%減となった。特別給与は前年同月比12.3%減となった。
 5月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比0.5%増となり、そのうち所定内労働時間は同0.6%増となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比4.7%減となった。

(7) 国内卸売物価は、弱含んでいる。6月の総合卸売物価は前月比0.2%下落(前年同月比0.8%上昇)となった。そのうち国内卸売物価は前月比0.1%下落、輸出物価は同0.5%下落、輸入物価は同0.2%上昇となった。
 消費者物価は、弱含んでいる。5月の消費者物価は、前年同月比0.5%下落(生鮮食品を除く総合同0.7%下落)、6月について東京都区部速報値でみると、前年同月比0.6%下落(生鮮食品を除く総合同0.7%下落)となった。

1 雇用、労働市場の動向

《1》 5月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で1.6%増、有効求職者が同2.6%増となり、有効求人倍率(季調値)は0.61倍と前月より0.01ポイント低下した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.49倍、パートを除く有効求人倍率は0.48倍(うち常用0.47倍)となった。
 5月の新規求人は季調済前月比で3.0%増、前年同月比で10.4%増となり、うち、パートの新規求人は前年同月比12.4%増、パートを除く新規求人は同9.5%増となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比20.5%増)、運輸・通信業(同14.6%増)、卸売・小売業,飲食店(同13.0%増)、建設業(同1.7%増)、製造業(同7.1%減)となっている。一方、5月の新規求職者は季調済前月比で0.1%増、前年同月比3.1%増となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比1.0%増、パートを除く新規求職者は同3.5%増となった。また、常用新規求職者は前年同月比3.4%増となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同0.2%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同5.7%増となった。以上の結果、5月の新規求人倍率(季調値)は1.08倍(前月1.05倍)となった。

求人・求職の表

《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、5月は前年同月比0.7%増(前年同月差39万人増、うち常雇14万人増)と13か月連続で増加した。男女別には、男性は前年同月差1万人増、女性は37万人増となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差46万人増、製造業で同6万人増、卸売・小売業,飲食店で同4万人増、運輸・通信業で同6万人減、建設業で同11万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、5月は産業計で前年同月比0.2%減、製造業で同1.7%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比0.9%減、パートタイム労働者は同2.5%増となった。
 5月の完全失業率(季調値)は4.9%となり、前月より0.1%ポイント上昇した。男女別にみると、男性は5.1%(前月差0.1%ポイント上昇)、女性は4.6%(前月差0.2%ポイント上昇)となった。
 完全失業者数(原数値)は348万人で、前年同月差20万人増となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は102万人(前年同月差1万人増)、自発的理由による離職者は122万人(同14万人増)、他方、その他の理由による失業者は87万人(同保合い)となった。また、世帯主の失業者は92万人(同2万人減)となった。
 5月の男性の労働力率は76.2%(前年同月差0.6%ポイント低下)、女性の労働力率は50.0%(同0.2%ポイント低下)となった。

雇用・失業の表

《3》 日本銀行「企業短期経済観測調査」(6月調査)によれば、全国企業(全産業)の雇用人員判断D.I.(「過剰」−「不足」)はプラス15%ポイント(3月調査プラス11%ポイント)と前回と比べ4%ポイント上昇した。内訳をみると、大企業はプラス21%ポイント(同プラス19%ポイント)、中堅企業はプラス12%ポイント(同プラス9%ポイント)、中小企業はプラス15%ポイント(同プラス10%ポイント)となり、大企業、中堅企業、中小企業ともに上昇した。産業別にみると、製造業はプラス24%ポイント(3月調査プラス18%ポイント)と前回と比べ6%ポイント上昇し、非製造業はプラス8%ポイント(同プラス5%ポイント)と前回と比べ3%ポイント上昇した。

雇用人員判断D・I・の推移のグラフ

2 賃金・労働時間・労働災害の動向

《1》 5月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は285,794円で、前年同月比0.4%減となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比保合いとなったほか、所定外給与は同2.6%減、特別給与は同12.3%減となり、実質賃金は同0.2%増となった。

賃金グラフ

《2》 5月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は148.8時間で、前年同月比0.5%増となった。内訳をみると、所定内労働時間は139.6時間で前年同月比0.6%増、所定外労働時間は9.2時間で同2.2%減となった。なお、月間出勤日数は19.3日と前年同月差0.1日増となった。
 5月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は12.1時間で、前年同月比4.7%減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比6.2%減、100〜499人規模で4.2%減、30〜99人規模で同6.3%減、5〜29人規模で同2.4%減となった。

労働時間グラフ

《3》 平成13年5月の労働災害による全産業の死亡者数は110人(速報)で、前年同月比42.9%増となっている。

3 勤労者家計・物価の動向

《1》 5月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比2.7%減、実質で同2.1%減となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比3.0%減、臨時収入・賞与が同24.2%増、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同10.0%減となった。可処分所得は名目で前年同月比0.5%減、実質で同0.1%増となった。
 5月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比3.2%減、実質で同2.6%減となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比4.9%減、サ−ビスは同2.4%増となった。
 5月の平均消費性向は92.5%と、前年同月差2.6%ポイントの低下となった。

勤労者家計グラフ

《2》 6月の総合卸売物価は、前月比0.2%下落(前年同月比0.8%上昇)となった。うち国内卸売物価は、石油・石炭製品が上昇したが、電気機器、非鉄金属、製材・木製品等が下落したため、前月比0.1%下落(前年同月比0.7%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比0.5%下落(前年同月比4.1%上昇)、同0.2%上昇(同10.7%上昇)となった。
 5月の全国消費者物価は、前年同月比0.5%下落(前月比保合い)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.7%下落(前月比0.1%上昇)となった。6月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比0.6%下落 (前月比0.4%下落) となった。

物価グラフ

7月の主要変更点(概要部分)


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